ディスディスブログ

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藤岡は呪いにかかっていたようです。ナポレオンの死因の一説と同じ症状も患っていました - 『櫻子さんの足下には死体が埋まっている』第5話「呪われた男 後篇」の感想

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毎週木曜日00:30(水曜深夜24:30)より、TOKYO MXにてアニメ『櫻子さんの足下には死体が埋まっている』が放送されています。

 

sakurakosan.jp

 

以下、ネタバレ要素がありますので、バレても構わない方のみ下方スクロールをお願いします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2015年11月5日の放送は第伍骨「呪われた男(後編)」でした。5話です。

 

 

イントロダクション

北海道・旭川。この街には、「櫻子さん」が住んでいる。櫻子さんは、美人で名家のお嬢様。なのに三度の飯より「骨が好き」。
そんな彼女と一緒にいると、なぜか僕まで骨と縁ができるようで。
骨にまつわる事件と櫻子さんに振り回されっぱなしの僕だけど、それが嫌じゃないのは櫻子さん、きっと、あなたのせいだと思う。

 

公式Webサイトの作品紹介(イントロダクション)から抜粋しました。

 

 

第伍骨「呪われた男(後編)」

5話は4話からの続きです。主人公の高校一年生・館脇正太郎くんは、警察官の内海巡査から相談を受け、標本士・九条櫻子さんと3人で、内海さんの友人の藤岡なる男性の家へ行きました。藤岡さんは、短命の家系で、呪われた犬と呪われた絵を預かっていて、自分の生命ももう長くはないと怯えている様子です。

4話のラストで櫻子さんが謎解きを開始しようとしていました。呪いの絵がどうこう言っていて、前回の記事で私は、絵画に使われた顔料に含まれている毒性にやられたのではないか、セレン化合物や水銀化合物、砒素化合物、その辺の中毒症状を起こしているのではないか、と予想しています。その予想は当たっていたようです。まぁ絵がどうこう言っている時点で、誰しもがその辺を疑うとは思います。

絵は林の木々を描いたもので、背の高い木に緑色の葉が茂っています。藤岡さんは数世紀前に描かれたものと言っていました。緑色は「シェーレグリーン」で、18-19世紀初頭にかけて使用されていた顔料とのこと。シェーレグリーンには毒性のある砒素化合物が使われています。シェーレグリーン - Wikipediaによると「毒性は極めて高い」そうです。

3ヶ月前から仕事部屋に飾ってあったそうで、(作中では)長雨だったこともあり、絵にカビが発生していて、それを藤岡さんが吸って中毒症状を起こしていたのではないかということのようです。これはナポレオン・ボナパルトの死因の一つの説にもあります(ナポレオン・ボナパルト - Wikipedia)。ナポレオンも、部屋の壁紙からカビと共に砒素が飛んで、それを吸った中毒で死亡した、という説があったはずです。

また、4話ラストで櫻子さんが藤岡さんの手を掴んだときに、映しだされた彼の爪には白い線が出ていました。それは「ミーズ線」と言って、砒素などの重金属中毒や腎不全の場合に見られる症状だそうです。ミーズ線 - Wikipediaにも書かれています。砒素中毒が慢性化することで、呼吸器や消火器の病、中でもガンが発生しやすいそうです。藤岡さんの咳の原因もこちらのようです。

人間ドックに行ったけど特に問題はなかったというのも、密閉された室内にこもって仕事、デイトレードをしていたことで、急激に症状が悪化したのではないか、と。藤岡さんの家系が短命なことも、心臓を囲うように張り巡らされている冠状動脈に異常の出やすいのでは、とも櫻子さんは言っていました。健康診断では分かりにくいそうです。

ということで全て終わった……と思ったらそうではなく、謎解きの直後に藤岡さんが自数を図りました。タバコを吸ってくると外に行った後、庭にあった斧で自分の脚を……。事故を装った自数。短命家系や呪いの絵や犬の情報を、警察官である内海さんにチラつかせ自数の意志がないことを印象付けさせようとしていました。自数では保険は下りませんからねぇ。前年に世界的な株価大暴落があったそうで、藤岡さんはそれで大損こいたみたいです。多額の借金を抱えていて生活苦からの……という。こういう物語にはありがちといえばありがちな展開です。

櫻子さんや内海さんの活躍もあって、藤岡さんは何とか一命を取りとめました。後に家を売り払って、IT関係の会社に再就職をし、再スタートを切ったみたいです。一点気になるのは、櫻子さんが引き取った犬のサモエドのヘクターは呪いの犬ということでしたけど、その点の解明が特にされていなかったことです。いずれ明らかになるのでしょうか。

呪いというものは存在する、神秘的な意味では存在しないが、不安を増大させるような暗示を対象者にかけていくことで、場合によっては死に至らしめることだってある、と櫻子さんが言っていました。洗脳、マインドコントロール的なものもそれに該当すると思います。絵の鑑定士が藤岡さんの不安を増大させるようなことを言ってきていたみたいですし、家の立地や絵画の置かれた仕事部屋にしても、藤岡さん自身が呪いのかかりやすい環境を作っていたとも言えそうです。

こういう暗示的な呪いは、京極夏彦さんの小説『百鬼夜行シリーズ』で、京極堂がよくやっていますね。小説家の関口巽が面白いようにかかっているあれです。呪いでも幽霊でも霊感でも、それを信じている人にとっては存在するもの、ということですか。

 

dysdisanime.hateblo.jp