FIM ロードレース世界選手権2016は、2016年9月11日に第13戦、Misano World Circuit Marco Simoncelli(ミサノ・ワールド・サーキット-マルコ・シモンチェリ)での「GP TIM DI SAN MARINO E DELLA RIVIERA DI RIMINI(サンマリノGP)」の決勝レースが行われました。
2016年第13戦サンマリノGPはダニ・ペドロサが今季初優勝
最高峰のMotoGPクラスは、ドライコンディションで行われ、HONDA(ホンダ)のDani Pedrosa(ダニ・ペドロサ、スペイン)が今シーズン初優勝を飾りました。2位はYAMAHA(ヤマハ)のValentino Rossi(ヴァレンティーノ・ロッシ、イタリア)、3位にも同じくYAMAHAのJorge Lorenzo(ホルヘ・ロレンソ、スペイン)が入っています。
4位以降では、4位にポイントランクで首位を走るHONDAのMarc Márquez(マルク・マルケス、スペイン)が、5位には前戦で嬉しい初優勝を果たしたSUZUKI(スズキ)のMaverick Viñales(マーヴェリック・ヴィニャーレス、スペイン)が入っていて、その後ろにDUCATI(ドゥカティ)勢のAndrea Dovizioso(アンドレア・ドヴィツィオーゾ、イタリア)と怪我(でしたか?)のAndrea Iannone(アンドレア・イアンノーネ、イタリア)に替わって走ったMichele Pirro(ミケーレ・ピッロ、イタリア)が続きました。
ダニ・ペドロサが乗れていた
こうして見てみると、今戦は結果的に上位勢がファクトリーチームで占められていて、安泰だったとも言えそうです。しかし、Pedrosaが勝利するのは今シーズン初で、彼自身14戦ぶりの優勝、しかも予選8番手からスタートして序盤6位から、途中ラップレコードを叩き出しながら、4強と言われるライバルを次々と抜いていっての優勝ですから、Pedrosa視点で見るならば非常に劇的なレースでした。
特にMárquezとLorenzoを抜いた14コーナーの飛び込みは圧巻でしたね。決して強引ではなくスパっと切り込んでいく様子は、マシンのセッティングも決まっていて本人も乗れているのだろう、と素人の私にも感じられるほど痛快でした。
今回のタイヤは、Pedrosaがフロントがソフトコンパウンドでリアがミディアムコンパウンド、チームメイトのMárquezがフロントがハードでリアがミディアム、RossiとLorenzoのYAMAHA勢はフロント・リアともにミディアムをチョイスしていたということでした。Márquezが大人しかったことから、タイヤチョイスが明暗を分けたのかもしれません。
地上波の放送内で、レースの解説を務めていた元GPライダーの中野真矢さんは、今年からタイヤメーカーがBRIDGESTONE(ブリヂストン)からMICHELIN(ミシュラン)に変更されたことで、Pedrosaはその特性をつかむのに時間がかかってしまった、という表現をしていました。他にも、ハマると速い、ライダーのポテンシャルは本当に高いけど、合わないと少し慎重に行くようなところがある、と。
Pedrosaと同様に、SUZUKIのAleix Espargaro(アレイシ・エスパルガロ、スペイン)も時間がかかっていると言われていて、本戦も調子が上がらず転倒していました。フィットし切れないライダーは2人の他にもいるかもしれませんね。
Pedrosaは本戦で何かきっかけをつかめた感があるので、これからの活躍に期待したいです。日本GPまであと2戦というところまで来ていますから。楽しみです。
おわりに
RossiとLorenzoがやり合ったようです。Lorenzoは来年からDUCATIへ移籍することが決まっていることから、無理に仲良くする必要もないみたいなノリがあるのでしょうか。画像を見ると、間に挟まれたPedrosaがポツーンとしていて可哀想です。
2016年のワールドスタンディング(ポイントランキング)はMarc Márquezが223ポイントで首位キープ、Valentino Rossiが180ポイントで2位、Jorge Lorenzoが162ポイントで3位、4位が前戦で逆転されたMaverick Viñalesを再び抜いてDani Pedrosaが上がってきました。Pedrosaは145ポイント。
MotoGP地上波放送のレギュラーゲストであるお笑いコンビ「チュートリアル」の福田充徳さんは、大のPedrosaファンで有名ですけど、今回は大喜びでした。私もPedrosa好きなのでとても嬉しかったです。