『MBS(毎日放送)』で放送されている『プレバト!!』では、2022年11月24日の放送に俳句コーナーがありました。
お題は「ピザ窯」。
視聴した感想を書いています。
目次
MBS『プレバト!!』
テレビ番組『プレバト!!』についてです。
人気芸能人にはそもそも才能があるのか?あらゆるジャンルで抜き打ちテストを実施、その結果をランキング形式で発表する。
公式webサイトのディスクリプションには上記引用部のように書かれています。
あらゆるジャンルとは、今回紹介する俳句だったり、水彩画だったり、消しゴムはんこだったり、絵手紙、生花、スプレーアート、色鉛筆などです。
中でも俳句がメインコンテンツと思われます。
放送時間
放送時間について。
放送は毎週木曜日の19時00分から20時00分までです。
出演者
出演者です。
メインの司会は「浜田雅功」さんです。
ダウンタウンの浜ちゃんですね。
アシスタントが毎日放送の「清水麻椰」アナウンサー。
ナレーションが「銀河万丈」さん。
俳句の査定員は「夏井いつき」さん。
俳句カテゴリの出演者は「梅沢富美男」さんを始め、「東国原英夫」さんや「中田喜子」さん、「立川志らく」さん、「千原ジュニア」さん、「藤本敏史」さん、「村上健志」さん、「横尾渉」さん、「千賀健永」さんなどがいます。
俳句
『プレバト!!』の俳句カテゴリが2022年11月24日の放送でも扱われました。
今回のお題は「ピザ窯」です。
「ピザ窯」は季語ではないでしょう。
この回は「渡辺満里奈」さんと「大貫勇輔」さん、鬼越トマホーク「坂井良多」さん、日向坂46「高瀬愛奈」さんが出演していました。
レギュラー陣では特待生2級「馬場典子」さんと同3級キスマイ「北山宏光」さん、永世名人「梅沢富美男」さんが出演していました。
順位戦
まずは今回行われた俳句カテゴリの順位戦の結果です。
4位が大貫さん(才能なし、15点)、3位が坂井さん(才能なし、30点)、2位が渡辺さん(凡人、55点)、1位が高瀬さん(才能あり、70点)でした。
気になった句
順位戦で個人的に気になった句は1位のさんです。特にありませんでした。
特待生昇格試験
まずは馬場典子さんと北山宏光さんの「特待生昇格試験」です。
試験を迎えて、馬場さんは特待生2級で1つ昇格すれば特待生1級に、北山さんは特待生3級で1つ昇格すれば特待生2級になります。
北山宏光さん
まずは北山さん。
句は、窯の熱で耳が赤くなっていることが詠まれていました。
「煤切れ」という言葉が使われていて、これは窯内部の温度が500℃を超えたときに黒い煤が白くなっていく現象だそう。
煤切れを待つ人の耳が、窯と外の温度で赤くなっている様子とのことです。
季語は「雪催」。
読みは「ゆきもよい」。
今にも雪が降り出しそうな天気のこと。
天候も「曇天」でしょう。
結果は「現状維持!」。
これで特待生3級です。
一言は「読者への配慮が足りない」。
やろうとしていることはよい。
特に煤切れという言葉を見つけたことが。
ただ馴染みのない言葉という人もいるのではないか。
読者への配慮を少し足すだけで、共感してくれる人が増える。
下五「耳赤く」を諦めてもある程度想像できる。
火で赤くなる、雪催の寒さで赤くなると言わないでも想像してもらえる。
添削は、下五を削除し映像を描く、具体的には「石窯の」。
次に中七「煤切れを待つ」、最後は季語と順番を変えていました。
これは添削句がとてもよかったです。
原句より映像がはっきり出ます。
北山さんは、自らの俳句を「自分の入れたいことを入れ過ぎている」と自己分析なさっていました。
北山さんの発言を受けて夏井先生が嬉しそうにしていましたね。
自分で気づいてくれたことが嬉しかったのでしょう。
この分量の問題は、俳句のコツと私も思っていることです。
句会に参加すると、私自身を含め、言い過ぎる人は結構な率でお見かけします。
言い過ぎはくどいし野暮だし、言わなすぎると今度は読者が何を言っているかわからないしで、難しいのですけどね。
それに、言いたいこと、つまり主張は動詞を入れがちで、動詞は散文になりがち説明になりがち、ここを我慢すること、読者に想像させることが重要と感じます。
馬場典子さん
馬場さん。
句は、ピザカッターの先にずわい蟹がいることを詠んでいました。
ピザにはメインの具が固まっているところ、チーズだけしかないところがある。
カットするときは楽しくもドキドキもある、その瞬間とのこと。
季語は「ずわい蟹」。
読みは「ずわいがに」。
ちなみに「蟹」だけだと夏の季語だったはずです。
結果は「現状維持」。
これで特待生2級です。
一言は「」。
一言はなかったでしょうか、オンエアでは浜田さんのコメントがすぐ入っていました。
梅沢さんが「大げさ」との指摘がありました。
中七「居る」。
この擬人化が入ることで、ずわい蟹が悪目立ちしている。
だから梅沢さんの指摘は間違っていない。
中七「先に居る」の「に」があれば、下五が「ずわい蟹」だから「居る」は言わずともずわい蟹がいることはわかる無くてもよい動詞。
なんでここに居るを持ってきたかというと、七五五の17音にしようとする意識が先立ったから。
でもこういうときこそ、上五を字余りにするという技を使った方が、ずわい蟹を描くことができる。
添削は「居る」を削除、中七に「ずわい蟹の」として、下五にずわい蟹の描写を入れる。
例えば「の塊」「のこんもり」。
私もこの「居る」がいらないなぁと思いながら見ていました。
そして添削以前に、句材が平凡で物足りないと感じます。
他の食べ物の季語でもいけそうですし。
この場合は、いつ誰とどのようなシチュエーションでピザを食べようとしているかを描いた方が得な気がします。
俳句史に残る句集作り
永世名人である梅沢富美男さんの句です。
句集に入れる50の俳句を、掲載決定かボツかを先生が判定します。
梅沢さんは50句まで残り2句です。
終わり間近で足踏み中です。
句は、ピサで上顎の皮が焼けたことが詠まれていました。
ピザを食べるとよく上顎を火傷する。
熱いなと上を見ると空はそろそろ雪が降りそうだと思ったことだそう。
季語は「雪催」。
読みは「ゆきもよい」。
北山さんと同じ季語ですね。
結果は「ボツ!」。
残り2句のまま。
一言は「分かりきったことを書くな!」。
ピザに焼く上顎と言ったら皮に決まっている。
書く必要がない。
「の皮」を削除した上で、この3音をどう使うかで季語が生きるかどうかになる。
3音を雪催の描写に使うなり、雪催の後にオノマトペを入れるなりする。
オノマトペは「しんしん」などとすれば字余りも気にならない。
しんしんなら季語が主役に立つ。
しんしんというと、一般的には雪がまさに降っている様を想像すると思いますので、私はよくないオノマトペと思いました。
雪催はまさに降りそう=降っていないので。
またそもそもの発想が平凡のため、映像に広がりがないですよね。
類想が多そう。
卒業したくないからわざとボツ句を提出していると、夏井先生が仰っていましたが、あながち嘘ではないかもしれませんね。
年いっぱいとか年度いっぱいとか、キリのよりところで卒業となるのが番組としてもやりやすいかもしれませんし。
おわりに
ということで、MBS『プレバト!!』の2022年11月24日放送の俳句コーナーのお題「ピザ窯」回を視聴しての感想を書いた記事でした。
私の俳句の読解や解釈が正しいとは限りません。
むしろ間違えていることの方が多いでしょう。
おかしなことを書いていたら申し訳ありません。