『MBS(毎日放送)』で放送されている『プレバト!!』では、2022年11月17日の放送に俳句コーナーがありました。
お題は「神宮外苑の銀杏」。
視聴した感想を書いています。
目次
MBS『プレバト!!』
テレビ番組『プレバト!!』についてです。
人気芸能人にはそもそも才能があるのか?あらゆるジャンルで抜き打ちテストを実施、その結果をランキング形式で発表する。
公式webサイトのディスクリプションには上記引用部のように書かれています。
あらゆるジャンルとは、今回紹介する俳句だったり、水彩画だったり、消しゴムはんこだったり、絵手紙、生花、スプレーアート、色鉛筆などです。
中でも俳句がメインコンテンツと思われます。
放送時間
放送時間について。
放送は毎週木曜日の19時00分から20時00分までです。
出演者
出演者です。
メインの司会は「浜田雅功」さんです。
ダウンタウンの浜ちゃんですね。
アシスタントが毎日放送の「清水麻椰」アナウンサー。
ナレーションが「銀河万丈」さん。
俳句の査定員は「夏井いつき」さん。
俳句カテゴリの出演者は「梅沢富美男」さんを始め、「東国原英夫」さんや「中田喜子」さん、「立川志らく」さん、「千原ジュニア」さん、「藤本敏史」さん、「村上健志」さん、「横尾渉」さん、「千賀健永」さんなどがいます。
俳句
『プレバト!!』の俳句カテゴリが2022年11月17日の放送でも扱われました。
今回のお題は「神宮外苑の銀杏」です。
「神宮外苑の銀杏」は季語ではないでしょう。
銀杏(いちょう)は季語ではなく、銀杏(ぎんなん)は秋の季語だったかと思います。
この回は「大友康平」さんと「小倉優子」さん、ダイアン「ユースケ」さん、Kis-My-Ft2「二階堂高嗣」さんが出演していました。
レギュラー陣では名人初段「森口瑤子」さんと名人10段「千原ジュニア」さん、永世名人「梅沢富美男」さんが出演していました。
順位戦
まずは今回行われた俳句カテゴリの順位戦の結果です。
4位がユースケさん(才能なし、35点)、3位が小倉さん(凡人、60点)、2位が大友さん(凡人、63点)、1位が二階堂さん(才能あり、70点)でした。
気になった句
順位戦で個人的に気になった句は1位の二階堂さんです。
オーディション会場へ向かう不安を詠まれた句でしたね。
これで3回連続才能ありでしたが、基本の型だけでは特待生で苦労するからと、愛の残留となっていました。
破調を使いこなせるようになれとのこと。
個人的には破調は覚えようとして覚えなくてよいと思います。
経験を積めば自然に使えるようになっているものなので。
二階堂さんが一つの型を極めるみたいなことを仰っていました。
それが五七五であるなら、その方がよいと思います。
どうしてかと言うと五七五のリズムが最強だからです。
また、五七五の中にも今回のような季語を含めた5音+12音だけでなく、季語でないもの5音+季語を含めた12音の型があります。
五七五だけでもできることはまだあるでしょう。
名人10段を目指す試験
まずは森口瑤子さんの「名人10段を目指す試験」です。
句は、枯葉を足踏みする音の楽しさを数詞を使って韻を踏ませていました。
靴とか踏む速度とか走ったりとかで音が(変わって)すごく面白い。
五回と愉快の語を使って、楽しい気持ちを表現したかったそうです。
季語は「枯葉」。
読みは「かれは」。
結果は「1つ前進」。
これで名人2段です。
一言は「見事な伏線!」。
前半の具体的な表現がよい。
「足踏みをする」ではなく「を五回」としただけで、五回踏む動作が読み手に再生される。
これが何の伏線になるかというと、季語の「枯葉」を音として聴かせる、その伏線が数詞にあるとのことでした。
個人的には、五回と愉快の韻の踏み方が露骨すぎて、つまり作者の狙いが透けるどころか、はっきり見えてしまったので好きではなかったです。
俳句では一般的にそういう露骨さを嫌うと思いますし、私も好みではありません。
それが過ぎるとただの言葉遊びになってしまい、もはや俳句である必要がなくなると言いますか、俳句が本来持つ魅力からは遠ざかると感じられます。
「永世名人」への道
千原ジュニアさんの「永世名人」への道です。
ジュニアさんは試験を迎えて「名人10段☆☆☆」でした。
句は、銀杏落葉とカチンコの渇いた音の取り合わせで詠まれていました。
神宮外苑でドラマ・映画の撮影がよくされている。
寒い朝、緊張している中、カーンという渇いた音が鳴っていたことを詠まれたそうです。
季語は「銀杏落葉」。
読みは「いちょうおちば」。
初冬の季語ですか。
結果は「1つ後退」。
これで名人10段☆☆です。
一言は「あ〜もったいない」。
よい素材で本当にもったいないと思う。
まず、カチンコという言葉だけで映画の撮影だとわかる、その後に「渇」の字を持ってきたことがとてもよい。
単純に乾燥しているなら「乾」でよい訳でしょ。
渇は満たされない思い出、気持ちがイライラするとか、どうしてもそれが強く欲しいとか、そういう心情を表す漢字。
何がもったいないか、それは「音」で、カチンコと言った段階で音の情報は一緒に入っている訳だから、「渇」をクローズアップした方が得。
添削はカチンコから始まり「カチンコの渇きや」として、銀杏落葉はそのまま使い、最後「霏々」としていました。
霏々、読みは「ひひ」で、雪や雨などがしきりに降る様子だそう。
私は俳句で難しい言葉を使うことに抵抗感があります。
普段使っていない言葉を俳句にだけ用いることへの違和感があるのです。
日常の体験や心にとまったことを詠むことが俳句であるなら、使われる言葉も日常に則したものの方がよいと思うからです。
霏々なんて言葉は日常でまず使いません。
なのでこの添削は私の好みからは大きく外れていて好きではないです。
俳句史に残る句集作り
永世名人である梅沢富美男さんの句です。
句集に入れる50の俳句を、掲載決定かボツかを先生が判定します。
梅沢さんは50句まで残り2句です。
終わり間近です。
句は、自分の子どもが踏んだ銀杏落葉が尽きることがなく降っている様子が詠まれていました。
梅沢さんの次女のお話だそう。
花や葉っぱが大好きで、よちよち歩きをしていて、危ないな危ないなと思いながらその様子を見守っていて(?)、ふと銀杏並木を見ると、落ち葉(?)が無限に向こうまでつながっている。
そういう句だそうです。
季語は「銀杏落葉」。
読みは「いちょうおちば」。
結果は「ボツ!」。
残り2句のまま。
一言は「先週に引き続き、大事なことが書かれてない!」。
書きたいことは伝わる。
ただ、せっかくお子さんのことを詠んでいるなら、「吾子踏みぬ」で安心してしまわないで、何歳くらいのときかな、くらいの情報は俳句では入れることができる。
おいくつくらいかと情報を探っていたら、「よちよち歩き始めた」というお話があった。
上五「吾子踏みぬ」を全削除、中七「銀杏落葉の」の「の」も削除。
銀杏落葉の後に子どもさんの情報「歩き始めた子に」と入れる。
下五「無尽なり」の「なり」を削除していました。
無尽の名詞止めで、光景がバンと広がる。
こちらは添削句がよかったですね。
句の発想自体は類想があるかなとは思いました。
おっちゃんは近頃不調ですね、3連続ボツでしたっけ。
収録はある程度まとめてされているでしょうから、この収録のために作っていたときが冴えていなかったのかもしれません。
作句はできないときは本当にできないです。
できるときはさらっとできるのに。
おわりに
ということで、MBS『プレバト!!』の2022年11月17日放送の俳句コーナーのお題「神宮外苑の銀杏」回を視聴しての感想を書いた記事でした。
私の俳句の読解や解釈が正しいとは限りません。
むしろ間違えていることの方が多いでしょう。
おかしなことを書いていたら申し訳ありません。