『MBS(毎日放送)』で放送されている『プレバト!!』では、2022年4月28日の放送に俳句コーナーがありました。
お題は「ゴールデンウィーク」。
視聴した感想を書いています。
目次
MBS『プレバト!!』
テレビ番組『プレバト!!』についてです。
人気芸能人にはそもそも才能があるのか?あらゆるジャンルで抜き打ちテストを実施、その結果をランキング形式で発表する。
公式webサイトのディスクリプションには上記引用部のように書かれています。
あらゆるジャンルとは、今回紹介する俳句だったり、水彩画だったり、消しゴムはんこだったり、絵手紙、生花、スプレーアート、色鉛筆などです。
中でも俳句がメインコンテンツと思われます。
放送時間
放送時間について。
放送は毎週木曜日の19時から20時までです。
出演者
出演者です。
メインの司会は「浜田雅功」さんです。
ダウンタウンの浜ちゃんですね。
アシスタントが毎日放送の「清水麻椰」アナウンサー。
ナレーションが「銀河万丈」さん。
俳句の査定員は「夏井いつき」さん。
俳句カテゴリの出演者は「梅沢富美男」さんを始め、「東国原英夫」さんや「中田喜子」さん、「立川志らく」さん、「千原ジュニア」さん、「藤本敏史」さん、「村上健志」さん、「横尾渉」さん、「千賀健永」さんなどがいます。
俳句
『プレバト!!』の俳句カテゴリが2022年4月28日の放送でも扱われました。
今回のお題は「ゴールデンウィーク」です。
「ゴールデンウィーク」は季語ではないでしょう。
今回は作り手が自分で俳句に合った季語を探す必要があります。
この回は「勝村政信」さんと「高橋真麻」さん、「中川翔子」さん、ぼる塾の「田辺智加」さんが出演していました。
レギュラー陣では永世名人の「梅沢富美男」さん、名人8段Kis-My-Ft2「横尾渉」さん、名人6段「中田喜子」さんが出演していました。
順位戦
まずは今回行われた俳句カテゴリの、順位戦の結果です。
4位が勝村さん(才能なし、25点)、3位が中川さん(才能なし、35点)、2位が高橋さん(凡人、55点)、1位が田辺さん(才能あり、70点)でした。
気になった句
順位戦で個人的に気になった句は田辺さんです。
今回1位になって、2回連続才能アリ1位なので「特待生」へと昇格の可能性があったようです。
夏井先生も勉強の成果が徐々にでていると評価なさっていました。
が、力が確実についているかをもう少し見定めたい様子でした。
なので今回の特待生昇格は見送りとのこと。
句は、(野球の選手が)グラウンドで深くお辞儀をしている様子が詠まれていました。
ジャニーズ事務所のチャリティーの野球大会でしたっけ、そこで亀梨和也さんが人一倍深くお辞儀をしていた様子だそう。
季語は「亀鳴く」。
亀鳴くなんて季語があることを今回初めて知りました。
亀梨さんと掛けていらっしゃるみたいです。
なるほど。
こちらは添削なしでしたね。
こういう手もあると先生から別のアイデアが提示されていたものの。
上五「亀鳴くや」と切っているから中七の「深い」を「深き」とした方がとも言われていたかも。
とてもよい句でした。
亀鳴くと野球の取り合わせはなかなかに斬新ですし、音の流れもよかったように感じます。
夏井先生も才能を感じておられるようで、その点にも納得です。
句材探しに類想がないものを見つけられるかどうか。
そこがクリアできている田辺さんは確かに才能を感じます。
「名人10段」を目指す試験
今回は中田喜子さんと横尾渉さんの「名人10段」を目指す試験がありました。
中田さんは試験を迎えて「名人6段」でした。
横尾さんは試験を迎えて「名人8段」でした。
中田さん
まずは中田さんから。
句は、竹を割って垂直線となったことと、こどもの日を一物仕立てのように詠まれていました。
子どもが竹を割ったかのように真っ直ぐ成長して欲しいという願いが込められているようです。
季語は「子供の日」ですか。
結果は「現状維持」。
一言は「勢いが足りない!」。
先生からは骨格部分はとてもよいと褒められていました。
しかし、中七の最後「垂直線の」の「の」がよくなかったようです。
「の」を「や」とすることで、竹を割ったように真っ直ぐに育って欲しい想いと子供の日とが、しっかり合わさると添削されていました。
私もそこは「や」でしょうと思いました。
原句「(割った竹の)垂直線のこどもの日」では意味が通じないからです。
「垂直線」の直後に一度「切れ」を入れて、場面転換をしないと句が成立しません。
解説を聞けば「(垂直線の)ように成長して欲しい」まで省略させているのだろうと思えます。
ところが解説なしに字面を見ると、読者は高確率で混乱するでしょう。
省略させすぎ・読者に委ねすぎです。
それに句材もイマイチのように思いました。
竹はまっすぐに伸びることが共通認識にあると思います。
つまり、わざわざ割らなくても竹は垂直線でしょうということ。
竹を割るとまで言ってしまうと、読者は誰かの性格のことを詠んでいるのかと受け取ってしまい、誤解を生みそうでもあります。
「竹を割ったような性格」と言いますから。
また、子供の日を、真っすぐ伸びる竹と取り合わせるのは付きすぎとも感じました。
類想も多そう。
横尾さん
次に横尾さん。
句は朝、(電車が)箱根をスイッチバックしている様子と燕とが取り合わせて詠まれていました。
内容はそのままですね、箱根山を上る電車に乗っているときに燕が飛んでいる様子に、よいなと思ったそうです。
季語は「燕」。
結果は「1ランク昇格」。
一言は「気持ちのいい一句!」。
句は「函嶺」という箱根山の別称が使われています。
『箱根駅伝』を観ていると「函嶺洞門」のワードが必ず出てくるので、知っている人は少なからずいらっしゃることでしょう。
この「かんれい」の音が涼しげな響きで句に合っていると。
また、上五を「朝燕」としていて、こちらも褒められていました。
朝と、時間がわかる語を入れたことにより、朝の山の冷たさに合っているようでした。
こちらは素晴らしい一句でしたし、好きな句でした。
横尾さんは破調の句を詠まれることの多い方との認識を持っていました。
ところが今回は五七五の基本の型で挑まれて、それでも良い句を作れています。
実力がしっかりと備わっていることを自ら証明してみせた格好です。
横尾さんは本当お上手。
プレバトでは東さんと村上さん、ジュニアさんと共にトップグループを形成しているお一人でしょう。
俳句史に残る句集作り
永世名人である梅沢富美男さんの句です。
句集に入れる50の俳句を、掲載決定かボツかを先生が判定します。
梅沢さんは50句まで残り7句です。
句は、明け方に五稜郭の桜が見えないくらい雪があることを詠まれていました。
季語は「桜隠し」。
桜を隠すように降る雪のこと。
私は初めて聞いた言葉。
情緒のある季語です。
結果は「ボツ!」。
一言は「型の選択ミス」。
原句上五は季語ではない「暁光や」でした。
中七に季語が来て、下五に場所が描かれていました。
この季語ではない語を冒頭に持ってきて「や」で詠嘆する型は、言葉の質量のバランスをとることが難しいのだそう。
前後に暁光と五稜郭という固い言葉に挟まれた、柔らかくたおやかで繊細な「桜隠し」が沈んでしまう。
要するに季語が引き立っていないということのようでした。
添削では、桜隠しからスタートさせ「桜隠しや」としていました。
暁光の光を消し、暁(あかつき)の五稜郭と続けると。
そういう添削がなされていました。
先生はこの句は「句またがり」にすべきであると。
確かに原句では桜隠しが引き立っていないのですよね。
ですが、声に出して詠んだときには原句の方が流れがスムースで、私は原句の方が添削句より好みでした。
声に出したときの語感ってとても大事だと思うので。
ただ「桜隠し」の季語は、もしかしたら先日のタイトル戦「春光戦」を優勝した、「立川志らく」さんの句からインスピレーションを得たかなとは感じます。
パクリとかそういうことではないので問題ないですが。
おわりに
ということで、MBS『プレバト!!』の2022年4月28日放送の俳句コーナーのお題「ゴールデンウィーク」回を視聴しての感想を書いた記事でした。
私の俳句の読解や解釈が正しいとは限りません。
むしろ間違えていることの方が多いでしょう。
おかしなことを書いていたら申し訳ありません。