『MBS(毎日放送)』で放送されている『プレバト!!』では、2022年3月17日の放送に俳句コーナーがありました。
今回から2022年「春光戦」が開催されます。
前回予選A&Bブロックが行われました。
今回は予選C&Dブロックです。
C&Dブロック共通のお題は「階段orエスカレーター」。
視聴した感想を書いています。
目次
MBS『プレバト!!』
テレビ番組『プレバト!!』についてです。
人気芸能人にはそもそも才能があるのか?あらゆるジャンルで抜き打ちテストを実施、その結果をランキング形式で発表する。
公式webサイトのディスクリプションには上記引用部のように書かれています。
あらゆるジャンルとは、今回紹介する俳句だったり、水彩画だったり、消しゴムはんこだったり、絵手紙、生花、スプレーアート、色鉛筆などです。
中でも俳句がメインコンテンツと思われます。
放送時間
放送時間について。
放送は毎週木曜日の19時から20時までです。
出演者
出演者です。
メインの司会は「浜田雅功」さんです。
ダウンタウンの浜ちゃんですね。
アシスタントが毎日放送の「玉巻映美」アナウンサー。
ナレーションが「銀河万丈」さん。
俳句の査定員は「夏井いつき」さん。
俳句カテゴリの出演者は「梅沢富美男」さんを始め、「東国原英夫」さんや「中田喜子」さん、「立川志らく」さん、「千原ジュニア」さん、「藤本敏史」さん、「村上健志」さん、「横尾渉」さん、「千賀健永」さんなどがいます。
俳句2022年春光戦
『プレバト!!』の俳句カテゴリが2022年3月17日の放送でも扱われました。
今回から2022年の「春光戦」が開催されます。
2022年3月10日の包装では予選A&Bブロックの結果がわかりました。
2022年3月17日の放送は予選C&Dブロックが行われました。
C&Dブロック共通のお題は「階段orエスカレーター」です。
「階段orエスカレーター」は季語ではないでしょう。
今回は作り手が自分で俳句に合った季語を探す必要があります。
2022年『春光戦』予選組み合わせ
前回行われた2022年の『春光戦』の「予選組み合わせ抽選会」の結果です。
予選組み合わせ抽選が行われた様子は過去記事からご覧になってください。
上にリンクを貼った記事がそれ。
Cブロック
Cブロックに組み込まれた方々です。
以降敬称略で失礼します。
- フルーツポンチ村上(名人10段)
- ミッツ・マングローブ(名人2段)
- Kis-My-Ft2千賀健永(名人4段)
- 岩永徹也(名人初段)
再激戦区と思われます。
Dブロック
Dブロックです。
- 森口瑤子(名人初段)
- 皆藤愛子(名人初段)
- 春風亭昇吉(特待生5級)
Dブロックは人が少ないです。
おそらく三遊亭圓楽さんが入る予定だったのでしょう。
結果
2022年「春光戦」予選C&Dブロックの結果です。
各ブロックの1位が決勝進出で、2位が補欠だそうです。
Cブロックの結果
Cブロックの結果です。
- フルーツポンチ村上(名人10段)
- Kis-My-Ft2千賀健永(名人4段)
- ミッツ・マングローブ(名人2段)
- 岩永徹也(名人初段)
フォントカラー青が決勝進出、オレンジが補欠の方です。
Dブロックの結果
Dブロックの結果です。
- 森口瑤子(名人初段)
- 春風亭昇吉(特待生5級)
- 皆藤愛子(名人初段)
フォントカラー青が決勝進出、オレンジが補欠の方です。
敗者復活
各ブロックの2位の中からトップの人が決勝に進むことができます。
敗者復活は「千原ジュニア」さんでした。
感想
2022年「春光戦」予選C&Dブロックの放送を視聴しての感想です。
Cブロックの感想
Cブロックの感想です。
千賀さんは、進級しても進学してもメンバーが変わらない、一貫校に通う生徒の春休みの静けさを詠まれていました。
季語は「春休み」。
スタジオでは概ね評判でしたし、夏井先生も褒めていました。
一貫校=エスカレーターのアイデアは他の人にはない発想でだったと。
ただ千賀さんは上五「静けさや」でした。
先生は、敗者復活で千賀さんではなくジュニアさんの句を選んだときに、千賀さんの句はこの上五に一工夫あってよかったかなと仰っています。
そこに目に見えないくらい、かすかなマイナス点がある。
このことがCブロックの村上さんとの比較でも起こっていたかもしれません。
東国原さんは先生のコメントの前に「何かが足りない」と仰っていました。
その何かが上五かもしれませんね。
Cブロックは1位の村上さんが良すぎました。
千賀さんにとって今回は相手が悪すぎた感。
その村上さんは卒業の、階段に階段の影が落ちている様子を詠まれていました。
季語は「卒業」。
スケッチのような写生句です。
学校の階段に階段の影が落ちている。
なんてことのない、ありふれた光景です。
しかし、卒業する生徒にとってその階段は、もう人生で二度と使うことのないかもしれない階段です。
その階段の影が卒業という言葉に少し触れることによって、階段に意味がついてくる、卒業という季語が立ってくる。
また卒業と触れることによって、階段が自分の過去と今と未来を分かつような存在にも見えてきます。
階段を上る先に踊り場の窓から光が差し込んできて、卒業子の未来を照らすようでもあります。
と同時に、振り返って半下階の踊り場を見ると、そちらにも光は差し込んでいて、卒業子の過去を輝くものにしてくれているようでもありますね。
影の一字で、場面が日中であることと晴れていることが、私たちの脳裏にすっと入ってきます。
ここもとても上手でした。
この村上さんの句に対して、スタジオも先生も唸っていましたが、私も大いに唸りました。
今回の句は村上さんがこれまでに詠んだ中でも上位に入ると、ジュニアさんがスタジオで仰っていました。
大いに頷けます。
いやいや凄い句でした。
こういう句を詠まれるのですよね、村上さんは。
こういうちょっとしたことが詩になることを知っていると、数年前に夏井先生は仰っていましたが、今回もそういうタイプの句でした。
Dブロックの感想
Dブロックの感想です。
2位は春風亭昇吉さんでした。
句は、春の雷が鳴る中、駅からストレッチャーが救急車へと運ばれている様子が詠まれていました。
救急ですね。
季語は「春雷」。
春は長閑な雰囲気を持つ季節ですけど、それと反対の緊急時の忙しさを春の雷に託して詠まれたそうです。
また、所々にSの音を用い、Sの滑らかさを出したとか何とか仰っていたでしょうか。
先生は原句上五「春雷す」の「す」を素直に「や」とした方がよかったと指摘していらしたかと思います。
先生の前にジュニアさんも「春雷す」の「す」が気になる、ストレッチャーの「ス」や急かすの「す」と、「韻を踏ませるために使っている感」が引っかかる、そのような指摘をなさいました。
私も観た瞬間に「春雷や」とした方がよいと思えましたね、こちらは。
俳句は頭で考えるものです。
でも俳句って理屈で考えすぎてしまうと死んでしまうと、私は思います。
理屈がない句も凡庸になりがちでしょうから、そこの加減が難しいのですが。
昇吉さんの句は理屈が「過ぎて」しまっている感がありました。
1位は森口瑤子さんでした。
句は、理由もなく滅入る春に、エスカレーターを地下に下って行くと、乗っている間にも気分もどんどん下がっていくようだ、ということが詠まれていました。
季語は「春愁(しゅんしゅう)」。
村上さんは原句上五「春愁を」の助詞「を」を褒めていました。
余韻と省略が素晴らしいと。
先生も同様に褒めていました。
省略は何を省略しているかというと、春の憂いのような「私を」エスカレーターが地下へと運んでいると、「私を」なのですね。
春愁はまさに自分自身のこと、あるいは自分の気持ちそのものであるという省略になろうかと思います。
私の力ではこの句に「を」を選べないですね。
森口さんの、「を」を選べる目の確かさが私も欲しい。
そして原句下五が「地下へ地下へ」となっていました。
こちらも先生は褒めていました。
「沈めていく」とか「降りていく」とかと安易に表現しがちですけど、森口さんはそうはなさらなかった。
私なら沈めるや降りるとするでしょうね。
細部まで考え抜かれています。
かと言って理屈臭さは一切ない。
また下五「地下へ地下へ」で映像をきちんと描けている。
リフレインが効いていると先生から評価を受けています。
原句では6音で1音字余りになりますけど成功しているとのご判断でしょう。
1音余りが余韻となって、憂鬱さを増していくようだという。
こちらも見事でしたね。
下五の字余りは中八ほどではないにしても危険で、余らせることに躊躇してしまうところですけど、森口さんはそこに挑んで、そして成功させました。
村上さんか森口さんか
村上さんと森口さんの句を戦わせたらどちらが上だったろうと、観ていて思いました。
私は村上さんの句の方がよいと思っています。
森口さんの方がよいと思われた方も多いことでしょう。
私が村上さんに句を上とする理由は「明るい」からです。
希望と、そこに含まれるちょっとした憂い。
「春」という季節・季語の本意はそういうところにあると思います。
その本質的なところをより的確に捉えたのは村上さんではないかと、私には感じられます。
なので、あえてお二人の句を比べるならば村上さんが上と判断しました。
おわりに
ということで、MBS『プレバト!!』の2022年3月17日放送の俳句コーナー2022年「春光戦」予選C&Dブロックを視聴しての感想を書いた記事でした。
私の俳句の読解や解釈が正しいとは限りません。
むしろ間違えていることの方が多いでしょう。
おかしなことを書いていたら申し訳ありません。