『MBS(毎日放送)』で放送されている『プレバト!!』では、2022年2月3日の放送に俳句コーナーがありました。
お題は「最終電車の表示」。
視聴した感想を書いています。
目次
MBS『プレバト!!』
テレビ番組『プレバト!!』についてです。
人気芸能人にはそもそも才能があるのか?あらゆるジャンルで抜き打ちテストを実施、その結果をランキング形式で発表する。
公式webサイトのディスクリプションには上記引用部のように書かれています。
あらゆるジャンルとは、今回紹介する俳句だったり、水彩画だったり、消しゴムはんこだったり、絵手紙、生花、スプレーアート、色鉛筆などです。
中でも俳句がメインコンテンツと思われます。
放送時間
放送時間について。
放送は毎週木曜日の19時から20時までです。
出演者
出演者です。
メインの司会は「浜田雅功」さんです。
ダウンタウンの浜ちゃんですね。
アシスタントが毎日放送の「玉巻映美」アナウンサー。
ナレーションが「銀河万丈」さん。
俳句の査定員は「夏井いつき」さん。
俳句カテゴリの出演者は「梅沢富美男」さんを始め、「東国原英夫」さんや「中田喜子」さん、「立川志らく」さん、「千原ジュニア」さん、「藤本敏史」さん、「村上健志」さん、「横尾渉」さん、「千賀健永」さんなどがいます。
俳句
『プレバト!!』の俳句カテゴリが2022年2月3日の放送でも扱われました。
今回のお題は「最終電車の表示」です。
「最終電車の表示」は季語ではないでしょう。
今回は作り手が自分で俳句に合った季語を探す必要があります。
近いうちに季語扱いされるかもしれませんね。
この回は「渡辺満里奈」さんと「笑い飯」の「哲夫」さん、「安藤美姫」さん、「AKB48」の「柏木由紀」さんが出演していました。
レギュラー陣では名人8段の「千原ジュニア」さんと、特待生1級の「皆藤愛子」さん、同3級の「馬場典子」さんが出演していました。
順位戦
まずは今回行われた俳句カテゴリの、順位戦の結果です。
4位が柏木さん(才能なし、37点)、3位が安藤さん(凡人、50点)、2位が哲夫さん(凡人、60点)、1位が満里奈さん(才能あり、70点)でした。
1位 渡辺満里奈さん
順位戦で個人的に気になった方は1位の渡辺満里奈さんです。
句は音のない駅前を横切る子を孕んだ猫を詠まれていました。
春は色々なものがうごめく時期で、それが満里奈さんは気持ち悪さを覚えるそうです。
生ぬるい感じがすると仰っていたでしょうか。
孕猫の怪しさが春の印象にマッチしている。
最終電車を逃した人ががっかりしているところに、その怪しい孕猫が前を横切っている映像が出てきたそうです。
季語は「孕猫」。
妊娠中の猫のことだそう。
春の季語
原句中七が「駅前横切る」で8音になっていた点が指摘されていました。
ジュニアさんも指摘していらっしゃいましたね。
添削は「駅前よぎる」とされていたでしょうか。
私はこちらはよい句と思いました。
平場の順位戦では、唯一と言ってよいくらいに「俳句」を詠んでいるように見えたので。
映像が見えましたものね。
満里奈さんが次の登場でどのような句を詠まれるかが今から楽しみになりました。
特待生昇格試験
今回は皆藤愛子さんと馬場典子さんの特待生昇格試験がありました。
皆藤さんは試験を迎えて「特待生1級」でした。
1ランク昇格なさったら名人初段になるようです。
馬場さんは試験を迎えて「特待生3級」でした。
1ランク昇格なさったら特待生2級になるようです。
馬場典子さん
番組では馬場さんから試験に挑まれました。
句は、春がなかなか来ないことと、渋谷駅がダンジョンのように入り組んでいることが詠まれていました。
迷宮のような渋谷駅を、鬱陶しくもありRPGのダンジョンのような楽しさもあると。
再開発が終わったときにはどんな世界が広がっているのか楽しみな心が、春を待つ気持ちに沿うような俳句になっていました。
季語は「春遅々として」だそう。
「春遅し」をアレンジして挑まれたようです。
結果は「1ランク昇格」。
理由は「内容に合った調べ!」。
夏井先生は「春遅々として」としたことのトライを評価されたようです。
滞る調べが、句の後半の内容と合っているのだそう。
後半とは渋谷駅はダンジョンであることですね。
添削と言いますかアドバスとして「対句表現」を提案されていました。
上五「春遅々として」を「春は遅々として」とし、さらに後半に移動させることで、渋谷駅はダンジョンであることとの対句にしていらっしゃいました。
なるほど、季語が引き立てられるよい句になりました。
個人的には馬場さんはあまり評価していないのですよね。
今回に限らずですけど、小手先の技術を凝らすことばかりに囚われているように見えて。
いえ、俳句は技術的な部分も大きいので、技術を凝らすことは決して間違いじゃないのですが。
何でしょうね、言葉にしづらいですが、事象の上っ面ばかりに囚われていて本質を見ようとしていない・見えていないと言えばよいでしょうか。
今回の句を見てもその感想は変わらなかったです。
俳句歴1年ほどの若輩が生意気なことを書いて申し訳ないですけど。
皆藤愛子さん
次に皆藤さんです。
句は、かじかむ掌に乗車券が刺していることを詠まれていました。
寒い駅のホームで待っている手に、乗車券が刺している様子ですか。
季語は「悴む」。
読みは「かじかむ」
結果は「1ランク昇格」。
皆藤さんはこれで名人初段になりました。
おめでとうございます。
理由は「季語を生かした工夫!」。
そこまでの冬の寒さが掌を刺す発想自体はごく普通、でも乗車券が掌を刺す発想はなかなかない。
最後は「乗車券の角」としたくなるけど、「刺す」の動詞を信じれば、角と書かなくても皆がその掌に角を感じるはずだと。
悴むと刺すとが共に皮膚感を示す言葉で表現され、それが読者にも共感できる。
ということを先生は仰っていたでしょうか。
こちらはよい句でした。
淡々とした俳句でしたけど、普段の生活なんて淡々としているものですよね。
そんな淡々とした生活の中の、ちょっとした「気付き」を捉えているところ。
それが皆藤さんらしくて私はとても好きな句です。
季語を活かすというのはこういうことですよね。
引き合いに出すのはあれですけど、比較的段位の近かった馬場さんとも大きな隔たりがあるように感じます。
当然、皆藤さんが上という意味です。
皆藤さんの前回出演された際に詠まれた句に対して、私は良い印象を持ちませんでした。
工事現場でオリオン座がどうという句だった記憶。
今回は「らしい」句で、よかったです。
今回の昇格により、ようやく彼女が実力に相応しい位置に立った印象を持ちました。
ご病気だったようですからそれが影響していたでしょうか。
名人初段というと岩永さんや森口さんと同じ段位でしたっけ。
このお三方はそれぞれ色があって私は好きな俳人さんです。
今後どのような句を詠まれるか楽しみです。
「名人10段」を目指す試験
千原ジュニアさんの「名人10段」を目指す試験です。
村上さんは試験を迎えて「名人8段」でした。
1つ前進なさったら名人9段になるようです。
句は、春の駅に白杖をつく方がいて、杖の傷がおびただしくあることを詠まれていました。
季語は「春」でしょうか。
判定は「1ランク昇格!」。
先生からの一言は「言葉の明暗を見事に操作!」です。
「春の○」を季語にすることは抵抗を示す俳人もいらっしゃるようです。
ですが、出会いと別れの季節である春と、出会いと別れの場所でもある駅とは親和性が高く、今回の「春の駅」については夏井先生はよいと判断されていました。
いや、よいですよね、この句。
春の駅に、目の不自由な方が杖を突く姿がある。
そう言っているだけの句です。
ところが、杖につけられた数多の傷があることにフォーカスすることによって、長く寒い冬が明けて春となることと、長く杖を突く生活を送ってこられたその人の人生とを重ねられています。
それがしっかりと読者に伝わる。
重厚な句です。
ジュニアさんの着眼点と描写力は素晴らしいです。
またジュニアさんの優しさが籠もってもいます。
名句でした。
今の私の力ではこのような句を詠むことができないと痛感させられます。
以前も何度かブログに書いていると思いますけど、私はジュニアさんを評価しています。
実力はもはや名人10段レベルにあり、既に名人10段のフジモンさんより上にあるのではないか。
もっと言えば、梅沢さんや東さん、村上さんと変わらないレベルまで来ているとすら感じています。
今回その想いが一層強くなりました。
おわりに
ということで、MBS『プレバト!!』の2022年2月3日放送の俳句コーナーのお題「最終電車の表示」回を視聴しての感想を書いた記事でした。
私の読解や解釈が正しいとは限りません。
むしろ間違えていることの方が多いでしょう。
おかしなことを書いていたら申し訳ありません。