『MBS(毎日放送)』で放送されている『プレバト!!』では、2022年1月6日の放送に俳句コーナーがありました。
お題は「カーテンを開けた瞬間」。
視聴した感想を書いています。
目次
MBS『プレバト!!』
テレビ番組『プレバト!!』についてです。
人気芸能人にはそもそも才能があるのか?あらゆるジャンルで抜き打ちテストを実施、その結果をランキング形式で発表する。
公式webサイトのディスクリプションには上記引用部のように書かれています。
あらゆるジャンルとは、今回紹介する俳句だったり、水彩画だったり、消しゴムはんこだったり、絵手紙、生花、スプレーアート、色鉛筆などです。
中でも俳句がメインコンテンツと思われます。
放送時間
放送時間について。
放送は毎週木曜日の19時から20時までです。
出演者
出演者です。
メインの司会は「浜田雅功」さんです。
ダウンタウンの浜ちゃんですね。
アシスタントが毎日放送の「玉巻映美」アナウンサー。
ナレーションが「銀河万丈」さん。
俳句の査定員は「夏井いつき」さん。
俳句カテゴリの出演者は「梅沢富美男」さんを始め、「東国原英夫」さんや「立川志らく」さん、「中田喜子」さん、「千原ジュニア」さん、「藤本敏史」さん、「村上健志」さん、「横尾渉」さん、「千賀健永」さんなどがいます。
俳句
『プレバト!!』の俳句カテゴリが2022年1月6日の放送でも扱われました。
今回のお題は「カーテンを開けた瞬間」です。
カーテンを開けて朝日が飛び込んでくる瞬間の画像が画面に写し出されていました。
「カーテン」は季語ではないでしょう。
今回は作り手が自分で俳句に合った季語を探す必要があります。
近いうちに季語扱いされるかもしれませんね。
この回は「筧利夫」さん、「大久保佳代子」さん、NMB48の「渋谷凪咲」さん、「3時のヒロイン」の「福田麻貴」さんが出演していました。
レギュラー陣では「梅沢富美男」さんと「森口瑤子」さん、「Kis-My-Ft2」の「横尾渉」さんが出演していました。
順位戦
まずは今回行われた俳句カテゴリの、順位戦の結果です。
4位が渋谷さん(才能なし、35点)、3位が筧さん(凡人、45点)、2位が大久保さん(凡人、55点)、1位が福田さん(才能あり、75点)でした。
1位 3時のヒロイン福田さん
順位戦で個人的に気になった方は福田麻貴さんです。
句は、冬の空に母を泣かせてまで来る街だったかと言っていることが詠まれていました。
季語は「冬天」ですか。
冬天は冬の空のことですか。
芸人になるためにお母さまを大阪に残して上京をし、上京後の生活が厳しく母を泣かせてまですることだったのかと後悔と自嘲が混ざっている俳句のようです。
75点だったのですよね。
私が『プレバト!』を観始めてから、平場の順位戦で75点もの高得点の句を見たことがなかったので、とても驚きました。
才能アリで70点、覚えている限り最高で72点だったはずです。
「冬天よ」の切れ字「よ」が素晴らしいと感じます。
梅沢さんや夏井先生も仰っていたと思います。
福田さんの句は番組の演出として、CMに入る直前に上五だけが披露され、CM明けにすべてが披露されました。
私はCMに入る直前の上五を見て「あ、これはすごい」と感じました。
先生も、「冬天や」とする方法もあったけど呼びかけるように「よ」としたことがよかったと仰っていたでしょうか。
私は同じ句材で俳句を詠むなら「冬天や」としていたと思うので、これはすごいなと。
福田さんは切れ字の意味やニュアンス、効果を把握していらっしゃるのでしょう。
さらに下五の終わりに「街か」と「か」でも詠嘆をする。
自嘲と後悔とため息と、いくつかの感情が綯い交ぜになっていることが、「か」だけで表せています。
いやいや、この句は驚きました。
今の私の実力では到底詠むことのできない俳句です。
先生をして、2021年中にこの俳句が詠まれていたなら、2022年冬のタイトル戦「冬麗戦」に出場できていたと言わしめています。
福田さんはこれまでもしばしばよい句を詠まれています。
次回出演時に70点以上を出せれば特待生昇格もあり得るのではないでしょうか。
今の時点ですでに既存の特待生の何人かよりもよい句を詠まれている感があります。
今回に関しては福田さんの句が、永世名人を含む全出場者の中で最もよい句だったと思っています。
僕のヒロインになってくれませんか? [feat. 3時のヒロイン]
「名人10段」を目指す試験
今回は森口瑤子さんと横尾渉さんの名人10段を目指す試験がありました。
森口さんは試験を迎えて「名人初段」でした。
1ランク昇格なさったら名人2段になるようです。
横尾さんは試験を迎えて「名人7段」でした。
1ランク昇格なさったら名人8段になるようです。
森口瑤子さん
番組では森口さんから扱っていました。
句は、昨夜よりも痩せている母と日向ぼっこをしていることを詠まれていました。
お母様が亡くなられる直前にどんどん弱っていく、たった数時間前の昨夜よりもやつれた感じがすることを詠まれたそうです。
季語は「日向ぼこ」ですか。
結果は「現状維持」。
理由は「句と思いにズレがあるのでは?」。
中七「痩せたる母や」の「たる」が問題だったと指摘されていたでしょうか。
「痩せたる」だと完了ですので、「痩せてしまった」みたいな言い回しになります。
しかし言いたいことは「痩せたような気がする」ですから、完了ではない方がよかった。
「痩せしか」と先生に添削されていました。
私は今回の句はあまり好みではなかったです。
そもそも病気とか死とかを題材にする句があまり好きではないのですよね。
理由は自分でもわかっていないですけど、そういうタイプの句はよくない出来でもよくないと言いにくいからかもしれません。
純粋な句の評価になりにくいと言いますか。
内容で言いますと、上五「昨夜よりも」の「も」が余計だったことは先生から指摘を受けていましたが、私もそこはいらないかなと観ていて思いました。
また、中七末の切れ字「や」も、ご本人が狙っているほどは効いていない気がします。
「や」は場面転換の意味もあると思いますけど、この句は中七から下五に移る際に場面転換をしていないからです。
中七から意味がつながっていましたから、そこはシンプルに「母と日向ぼこ」でよかったのではと。
横尾渉さん
次に横尾さんです。
句は、凍るような寒い空に窓拭きのゴンドラがあり、紅茶の香りがあることを詠まれていました。
これだと何のことかわかりませんけど。
休日に部屋にいたら窓拭きの方がゴンドラを使って降りてきて、自分は紅茶を飲みながらその様子を眺めていることを詠まれたそうです。
季語は「凍空」。
読みは「いてぞら」。
結果は「現状維持」。
理由は「もう少しだけハッキリと!」。
私には原句が窮屈なものに感じられました。
窮屈な理由は要素を詰め込みすぎているからでしょう。
紅茶は無くても句を成立させられたのではと。
言いたいことにも特に詩があるようには感じられませんでしたし、よく現状維持で済んだなというのが率直な感想です。
添削も横尾さんの言いたいことを言い切れていない感があり、好ましいものはなかったです。
理由はやはり要素を詰め込み過ぎだからでしょう。
添削するにしても要素をある程度捨てざるを得えず、結局中途半端な句に仕上がったのだと想像されます。
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俳句史に残る句集作り
永世名人である梅沢さんの句です。
句集に入れる50の俳句を、掲載決定かボツかを先生が判定します。
梅沢さんは50句まで残り10句です。
句は、縫い初めをする母に朝日が差していることが詠まれていました。
以前はお母様が梅沢さんの舞台衣装を繕っていらしたそうです。
ファンの方から着物の生地をいただくとお母様が仕立てていたと。
季語は「縫初」。
正月にその年初めて裁縫をすることですか。
新年の季語ですね。
判定は「掲載決定!」。
先生からの一言は「映像だけで思いを伝えている!」です。
これはお見事でした。
さすがは永世名人。
句は、お母様が楽屋で夜なべをして裁縫をしていると、明けた朝日が照らしていたと、映像を描いているだけです。
しかしそれなのに、作者のお母様への想いが句にしっかりと乗っていることが誰にもわかる俳句になっていますよね。
お母様への慈しみに満ちた佳句でした。
おわりに
ということで、MBS『プレバト!!』の俳句コーナーのお題「カーテンを開けた瞬間」回を視聴しての感想を書いた記事でした。
私の読解や解釈が正しいとは限りません。
むしろ間違えていることの方が多いでしょう。
おかしなことを書いていたら申し訳ありません。