『MBS(毎日放送)』で放送されている『プレバト!!』では、2021年12月9日の放送に俳句コーナーがありました。
お題は「冬の信号待ち」。
視聴した感想を書いています。
目次
MBS『プレバト!!』
テレビ番組『プレバト!!』についてです。
人気芸能人にはそもそも才能があるのか?あらゆるジャンルで抜き打ちテストを実施、その結果をランキング形式で発表する。
公式webサイトのディスクリプションには上記引用部のように書かれています。
あらゆるジャンルとは、今回紹介する俳句だったり、水彩画だったり、消しゴムはんこだったり、絵手紙、生花、スプレーアート、色鉛筆などです。
中でも俳句がメインコンテンツと思われます。
放送時間
放送時間について。
放送は毎週木曜日の19時から20時までです。
出演者
出演者です。
メインの司会は「浜田雅功」さんです。
ダウンタウンの浜ちゃんですね。
アシスタントが毎日放送の「玉巻映美」アナウンサー。
ナレーションが「銀河万丈」さん。
俳句の査定員は「夏井いつき」さん。
俳句カテゴリの出演者は「梅沢富美男」さんを始め、「東国原英夫」さんや「立川志らく」さん、「中田喜子」さん、「千原ジュニア」さん、「藤本敏史」さん、「村上健志」さん、「横尾渉」さん、「千賀健永」さんなどがいます。
俳句
『プレバト!!』の俳句カテゴリが2021年12月9日の放送でも扱われました。
今回のお題は「冬の信号待ち」です。
画面に5,6名でしょうか、赤信号の灯る横断歩道で待っている人たちが画像が写し出されていました。
「信号待ち」は季語ではないでしょう。
今回は作り手が自分で俳句に合った季語を探す必要があります。
この回は「YOU」さんと、「おいでやすこが」の「こがけん」さん、「島崎遥香」さん、「ウルフアロン」さんが出演していました。
レギュラー陣では「梅沢富美男」さんと「FUJIWARA」の「藤本敏史」さん、「皆藤愛子」さんが出演していました。
皆藤さんは久しぶりですね、ご病気でしたか。
順位戦
まずは今回行われた俳句カテゴリの、順位戦の結果です。
4位が島崎遥香さん(才能なし、30点)、3位がウルフアロンさん(凡人、40点)、2位がYOUさん(才能あり、70点)、1位がこがけんさん(才能あり、72点)でした。
1位 こがけんさん
順位戦で個人的に気になった方はこがけんさんです。
句は、朝ロケの信号待ちをしているときに着ていたコートを脱いだことが詠まれていました。
信号を渡るとロケがすぐに始まるシチュエーションと言っていたでしょうか。
仕事モードに入るその瞬間ということみたいです。
決意の句。
季語は「コート」ですか。
夏井先生も仰っていましたが、コンパクトな言葉で状況を描写できています。
言いたくなる気持ちを抑えてシンプルに詠んでいました。
だからこそ実感がこもっていてよい句だと私も感じました。
原句は「朝ロケの」でしたか、あそこは俳句を普段詠んでいない人ほど「朝ロケや」などとしたくなるのだろうなと観ていて思いました。
その方が一見俳句っぽくなるから。
私も俳句を始めた頃なら「朝ロケや」にしたかもしれません。
しかしあそこは「や」はないだろうなと今なら思えます。
名人への試験
今回は皆藤愛子さんの名人を目指す試験がありました。
皆藤愛子さんは試験を迎えて「特待生2級」でした。
1ランク昇格なさったら特待生1級になるようです。
句は、オリオン座の見える夜に工事現場の重機の湯気と土煙とあることを詠まれていました。
騒がしく夜の工事が行われている交差点、見上げるとオリオン座があったことが詠まれていました。
季語は「オリオン」。
結果は「1ランク昇格」。
特待生1級ですか、おめでとうございます。
理由は「助詞で映像化ができている」。
オリオン座「と」重機、重機「の」湯気「と」土煙のそれぞれの助詞が適切だったということでしたか。
オリオン座と重機が並列、湯気と土煙が並列、さらに重機のツリーの下層に湯気と土煙が並列、そういう構造になっていました。
巧みな句で、よく練られているなと感じます。
ただ、私には頭で考えすぎている句に見えてしまいました。
好みかどうかでいうと好みではなかったです。
こがけんさんの句の方が好きでした。
それに湯気や土煙が立ち込める工事現場なら辺りは照明で眩しいはず。
しかも交差点ですから、信号機や街路灯なども煌々と照らされていることでしょう。
そんな環境でオリオン座がはっきり見えているかどうか怪しいかなとも思います。
永世名人への道
今回はフジモンこと藤本敏史さんの永世名人を目指す試験がありました。
フジモンさんは試験を迎えて「名人10段☆1」でした。
1ランク昇格なさったら名人10段☆2になるようです。
句は、陸橋を渡るとマスクが熱を持つことを詠まれていました。
荷物をたくさん持つ人が道を渡りたいけど横断歩道が見つからない、なので歩道橋を探しているのだけど、荷物が多いために歩道橋を上り下りするだけ息があがることを詠まれたようです。
季語は「マスク」。
結果は「1つ前進」。
これで名人10段☆2です。
理由は「マスクの2つのリアリティー」。
マスクは冬の季語です。
しかし新型コロナウィルスのパンデミックの状況下では、季節を問わず手放せないアイテムになっています。
冬の季語ではなくなりつつある。
そんな中でこちらの句は冬の季語としてのマスク、コロナ渦のマスクの2つの側面を同時に捉えていることが評価されたようです。
私はそこまでよい句とは思えなかったです。
お題の写真を見て、手に荷物をたくさん持っている人を詠んだという情報を得た上での先生の評価につながっていると思えるから。
情報を知らない人が句だけを見て、あるいは聴いて、作者の言いたい状況が読者に確実に伝わる句になっているかというと、違うと感じられます。
私の読解力が足りないこともあるでしょうけど。
また、歩道橋なり陸橋なりを渡る「から」マスクが熱くなると、説明をしている点も気になりましたね。
陸橋とマスクの熱とが因果関係になっているという。
俳句史に残る句集作り
永世名人である梅沢さんの句です。
句集に入れる50の俳句を、掲載決定かボツかを先生が判定します。
梅沢さんは50句まで残り11句です。
句は、冬の明け方に交差点を蹴る烏がいることが詠まれていました。
冬の明け方に信号が変わると飛び立つ烏のことだそう。
こちらの句には「明け烏」の言葉を使っていました。
一夜の恋をした男女が明け方に別れることなのだそう。
季語はこちらも「冬ざれ」と思います。
冬に、草木などが枯れて山も海も荒れ果てている様子のことだそう。
明確な映像を持たない季語ですね。
時候の季語でしたっけ。
判定は「掲載決定!」。
先生からの一言は「時間や情景が鮮明!」です。
下五まで交差点を蹴ったのは明烏であることがわからない。
交差点というと人だと、多くの読者は想像するがそうではなく烏だと、下五でようやくわかるのですね。
しかも明け方という時間も同時にわかる。
この2点がわかったところで、冒頭に詠んだ季語の冬ざれが効いてくる。
烏が蹴ったのは、交差点の凍てつく荒れたアスファルトであると。
光景が目の前に広がってきます。
おっちゃんは近ごろボツが続いていましたが、今回は文句なしでしょう。
目にも耳にも美しい句です。
美しいと同時に恐ろしさもあります。
この句は今年おっちゃんが詠んだ句の中でも上位にくると個人的に感じています。
映像を持たない季語を詠むことは難しいと、俳句歴1年の私は実感しているところでした。
冬ざれを使ってこの句と同レベルの句を、今の私が詠めるかというと否ですね。
まるで詠める気がしません。
さすがは永世名人でした。
おわりに
ということで、MBS『プレバト!!』の俳句コーナーのお題「冬の信号待ち」回を視聴しての感想を書いた記事でした。
私の読解や解釈が正しいとは限りません。
むしろ間違えていることの方が多いでしょう。
おかしなことを書いていたら申し訳ありません。