『MBS(毎日放送)』で放送されている『プレバト!!』では、2021年10月28日の放送に俳句コーナーがありました。
お題は「待ち合わせ」。
視聴した感想を書いています。
目次
MBS『プレバト!!』
テレビ番組『プレバト!!』についてです。
人気芸能人にはそもそも才能があるのか?あらゆるジャンルで抜き打ちテストを実施、その結果をランキング形式で発表する。
公式webサイトのディスクリプションには上記引用部のように書かれています。
あらゆるジャンルとは、今回紹介する俳句だったり、水彩画だったり、消しゴムはんこだったり、絵手紙、生花、スプレーアート、色鉛筆などです。
中でも俳句がメインコンテンツと思われます。
放送時間
放送時間について。
放送は毎週木曜日の19時から20時までです。
出演者
出演者です。
メインの司会は「浜田雅功」さんです。
ダウンタウンの浜ちゃんですね。
アシスタントが毎日放送の「玉巻映美」アナウンサー。
ナレーションが「銀河万丈」さん。
俳句の査定員は「夏井いつき」さん。
俳句カテゴリの出演者は「梅沢富美男」さんを始め、「東国原英夫」さんや「立川志らく」さん、「中田喜子」さん、「千原ジュニア」さん、「藤本敏史」さん、「村上健志」さん、「横尾渉」さん、「千賀健永」さんなどがいます。
俳句
『プレバト!!』の俳句カテゴリが2021年10月28日の放送でも扱われました。
今回のお題は「待ち合わせ」です。
画面には渋谷の忠犬ハチ公像により掛かるように人を待つ女性が写し出されていました。
「待ち合わせ」は季語ではないでしょう。
今回は作り手が自分で俳句に合った季語を探す必要があります。
この回は、「薬丸裕英」さん、「小倉優子」さん、 「Kis-My-Ft2」の「宮田俊哉」さん、東大生の「神谷明采」さんが出演していました。
レギュラー陣では「梅沢富美男」さんと「千原ジュニア」さんと「藤本敏史」さんが出演していました。
順位戦
まずは今回行われた俳句カテゴリの、順位戦の結果です。
4位が宮田俊哉さん(凡人、50点)、3位が薬丸裕英さん(凡人、55点)、2位が神谷明采さん(才能アリ、70点)、1位が小倉優子さん(才能アリ、72点)でした。
1位 小倉優子さん
順位戦で個人的に気になった方は1位になった小倉さんです。
句は、紅白帽を脱いだ焼きたてパイを差し出した様子を詠んでいました。
徒競走で2位でしたか、頑張ったお子さんへ、好物のりんごパイを焼いたことでしたっけ。
季語は「林檎」。
夏井先生の解説です。
上五「紅白帽脱いで」の後に「焼き立て」と持ってくるのが上手い。
焼き立て、何? となったとき下五「林檎パイ」と出てくると、香ばしい香り、これから食べる喜びが伝わる。
紅白帽からの林檎パイだから、これがご褒美だということもわかる。
ごちゃごちゃ語らないのできちんと伝えている。
スポーツの秋と食欲の秋、上手にまとめている。
林檎がパイに加工されている。
これを林檎の季語として捉えてよいかどうか。
今後、林檎の傍題として林檎パイが用いられる時代がやがて来るのではないか。
先生はそのようにご判断なさいました。
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季語云々は先生がそう仰るなら『プレバト!!』においてはそれでよいと感じます。
しかしそれ以上に気になることが個人的にはありました。
それは「待ち合わせ」のお題から、運動会で頑張った子どものためにりんごパイを焼いたことを詠むこと、この点の是非です。
私にはさすがに無理があると思えますけど、先生は1位になさったのですからOKなのでしょうね。
特待生昇格試験
今回は千原ジュニアさんの特待生昇格試験がありました。
ジュニアさんは試験を迎えて「名人7段」でした。
1ランク昇格なさったら名人8段になるようです。
句は、夕月夜に野良猫と一緒に待ち人を待っている、そういう状況を詠まれていました。
来るのを待っている相手は好意を寄せている人のようです。
季語は「夕月夜」。
結果は「現状維持」。
理由は「7段らしい工夫が欲しい!」。
先生による評価・解説です。
夕月夜から始めるのは損。
下五「君を待つ」の「待つ」という動作で終わることになるから。
待つという動作に句の軸足がかかって、季語である夕月夜の映像が置き去りになる。
原句の中七「名の無き猫」から始めて、夕月夜を下五に持ってくる。
原句にある「君」を省略しても君を想わせることはできる。
それは「まだ」で、「まだ名前なき猫と待つ」とする。
これで君を待っているかもしれないと、少しふわっと膨らませる。
さらにこうすることで「猫と」の助詞「と」の働きを最大限活用できる。
なるほど。
ただジュニアさんは野良猫に対して名前をつける意図はなかったと思われます。
原句でも説明でもそういうことは匂わせていなかったので。
つまり野良猫に名前をつける物語は先生が考えついたことで、意図から外す改作をしてしまうことは個人的には良しとは思わないですね。
FUJIWARA藤本さんの永世名人への道
FUJIWARA「藤本敏史」さんの永世名人への道です。
藤本さんは試験を迎えて「名人10段」です。
1ランク昇格なさったら名人10段☆1になるようです。
句は、ホルンケースを背負っている人が、めっきり秋めいているハチ公前にいることを詠まれていました。
季語は「秋寂ぶ」。
読みは「あきさぶ」。
めっきり秋めくこと。
冬手前の寂しさが多分に含まれていることが重要そうな言葉です。
結果は「1つ前進」。
理由は「『背に』の位置が良い判断!」。
先生の解説です。
「背にホルンケース」としたときと「ホルンケース背に」にしたときとでは、空気が変わる。
後者はホルンケースを背に歩き出すというような、この後に動きが出てくるような空気になる。
一方前者はぽつねんと佇んでいる感じが出る。
ではどうして「背にホルンケース」としたかと言うと、中七に入れた季語「秋寂ぶ」があるから。
「季語の意図」をきちんと表現するためには「背にホルンケース」である必要があった。
しかも最後は名詞でぽんと止める。
これら言葉もリズムも、作者の意図どおりに選べてている。
よい俳句でした。
ただ、8・5・6の19音の句で、定型17音から外れすぎていることが個人的には気になりました。
梅沢さんの俳句史に残る句集作り
永世名人である梅沢さんの句です。
句集に入れる50の俳句を、掲載決定かボツかを先生が判定します。
句は、うららかな秋に伝言板に書かれている君のクセ字も愛しい、そんなことが詠まれていました。
季語は「秋うらら」。
秋晴れの陽が柔らかく長閑であることでしょうか。
判定は「ボツ」。
先生からの一言は「少々雑!!」です。
先生の解説です。
言いたいことはわかるし気持ちも伝わる。
しかし中七「くせ字も愛し」の助詞「も」が散文的で雑。
もっと雑なのは下五に持ってきた「秋うらら」、ポーンと投げたような着地になっている。
添削です。
下五「秋うらら」のうららは漢字にすると「麗」、音読みにすれば「秋麗(しゅうれい)」になる。
「秋麗や」として冒頭に持ってくる。
季語をしっかり詠嘆してから展開をさせた方がよい。
中七下五は「くせ字愛しき伝言板」としていました。
なるほど、これは唸る添削でした。
俳句は季語が主役であることを再認識されられ、勉強になりました。
先生はこういう説明がとてもお上手ですよね、よく伝わります。
コメント力が高い。
梅沢さんが必要だ
今回は大きな発見がありました。
それは「『プレバト!!』には梅沢さんが必要だ」ということです。
俳句の内容云々以前に、梅沢さんあっての俳句コーナー、梅沢さんあっての『プレバト!!』であるのだと痛感したのですね。
浜田さんも夏井先生も、他の出演者さんも、スタジオ全体が楽しそうでしたよね。
多くの視聴者も今回の放送は楽しかったのではないでしょうか。
私はここ数ヶ月では今回が一番楽しめました。
やっぱりおっちゃんですよ。
おわりに
ということで、MBS『プレバト!!』の俳句コーナーのお題「待ち合わせ」回を視聴しての感想を書いた記事でした。
私の読解や解釈が正しいとは限りません。
むしろ間違えていることの方が多いでしょう。
おかしなことを書いていたら申し訳ありません。