『MBS(毎日放送)』で放送されている『プレバト!!』では、2021年9月16日の放送に俳句コーナーがありました。
前回から2021年秋のタイトル戦「金秋戦」が始まっています。
今回は予選Cブロックが行われました。
Cブロックのお題は「読書の秋」。
視聴した感想を書いています。
目次
MBS『プレバト!!』
テレビ番組『プレバト!!』についてです。
人気芸能人にはそもそも才能があるのか?あらゆるジャンルで抜き打ちテストを実施、その結果をランキング形式で発表する。
公式webサイトのディスクリプションには上記引用部のように書かれています。
あらゆるジャンルとは、今回紹介する俳句だったり、水彩画だったり、消しゴムはんこだったり、絵手紙、生花、スプレーアート、色鉛筆などです。
中でも俳句がメインコンテンツと思われます。
放送時間
放送時間について。
放送は毎週木曜日の19時から20時までです。
出演者
出演者です。
メインの司会は「浜田雅功」さんです。
ダウンタウンの浜ちゃんですね。
アシスタントが毎日放送の「玉巻映美」アナウンサー。
ナレーションが「銀河万丈」さん。
俳句の査定員は「夏井いつき」さん。
俳句カテゴリの出演者は「梅沢富美男」さんを始め、「東国原英夫」さんや「立川志らく」さん、「中田喜子」さん、「千原ジュニア」さん、「藤本敏史」さん、「村上健志」さん、「横尾渉」さん、「千賀健永」さんなどがいます。
2021「金秋戦」
『プレバト!!』の俳句カテゴリが2021年9月9日の放送でも扱われました。
今回から2021年秋のタイトル戦「金秋戦」が始まりました。
今回の放送では予選A・Bブロックの結果が明らかになっています。
2021年「金秋戦」の予選組み合わせ抽選
前回放送された予選組み合わせ抽選の結果です。
シードの5名が無条件で決勝進出。
予選各ブロックの1位も決勝進出。
各ブロックの2位のうち2名が敗者復活の計10名で決勝が行われるようです。
シード
シードに入った出演者です。
- 梅沢富美男(永世名人)
- 東国原英夫(永世名人)
- 村上健志(名人10段☆2)
- 千原ジュニア(名人7段)
- 横尾渉(名人7段)
敬称略で失礼します。
段位を間違えていたら申し訳ありません。
永世名人は免除で、前回炎帝戦の結果で決められているのでしょうか。
どうして決められたのかわかりません。
番組で言っていたのかもしれませんけど、聞き逃したのでしょう。
Aブロック(結果)
Aブロックに入った出演者。
- 中田喜子(名人5段)
- 森口瑤子(名人初段)
- 岩永徹也(特待生1級)
- 春風亭昇吉(特待生5級)
- パックン(特待生2級)
中田さんが勝ち抜け、森口さんが敗者復活に回っています。
Bブロック(結果)
Bブロックに入った出演者。
- 藤本敏史(名人10段)
- 立川志らく(名人4段)
- 三遊亭円楽(名人初段)
- 筒井真理子(特待生3級)
- 向井慧(特待生5級)
フジモンさんが勝ち抜け、志らくさんが敗者復活に回ります。
Cブロック
Cブロックに入った出演者。
- 千賀健永(名人4段)
- ミッツ・マングローブ(名人2段)
- 松岡充(特待生2級)
- 北山宏光(特待生3級)
- 馬場典子(特待生4級)
千賀さとミッツさんは段位が近いこともあって、こちらも楽しめそうです。
結果
予選の結果です。
今回Cブロックの結果がわかりました。
Aブロック
Aブロックの結果です。
先ほど書いたとおりです。
Bブロック
Bブロックの結果です。
先ほど書いたとおりです。
Cブロック
Cブロックの結果です。
- 北山宏光(特待生3級)
- ミッツ・マングローブ(名人2段)
- 松岡充(特待生2級)
- 千賀健永(名人4段)
- 馬場典子(特待生4級)
波乱が起きました。
名人ランクでタイトル戦優勝経験者でもある千賀さんが、敗者復活にもまわることなく予選で敗退しています。
感想
2021年「金秋戦」の予選を視聴しての感想です。
予選A・Bブロックの放送の感想は以前当ブログで記事にしています。
あわせてご覧になってください。
Cブロック
Cブロックの感想です。
気になった方の俳句を見ていきます。
お題は「読書の秋」。
と言いたいところですけど、録画を失敗しまして、添削などを見返すことができません。
放送直前に能登半島で発生した地震の影響で、番組の編成がデータ上ズレるか何かしたのかなと推察しています。
そのため記憶を頼りに書いています。
見当違いのこと書く可能性が、いつも以上に高いことをご了承ください。
それを踏まえていただき、まずCブロック全体の感想を書きます。
A・Bブロックを含めて、秋らしく落ち着いた句が最も多く詠まれていたように感じられました。
スタジオトークも、がなり立てるタイプの出演者がいらっしゃらなかったことで、俳句らしい落ち着いた雰囲気で展開されていましたね。
落ち着いていることがエンタメ的にどうなのか、とは思いますけど。
5位 馬場典子さん
気になった句は最下位、5位の馬場さんです。
句は、ウェブ会議をする人の中に、背後がまるで書架のように本がずらっと並んでいる人がいることを詠まれていました。
季語は「虚栗(みなしぐり)」。
中に実のない、殻だけのイガグリのこと。
中七の「書架の威を借る」の「威を借る」は「虎の威を借る狐」から取ったもので、これが慣用句的な表現で損をしているということを、先生は仰ったでしょうか。
季語に虚栗を見つけたことを褒めていらっしゃいました。
原句の下五「ウェブ会議」としたところを「WEB会議」とした方が、虚栗との対比がより明確になるとも仰っていたような。
威を借るについて、馬場さんは収録直前にこの言い回しを見つけて、自分が天才だと思ったそうです。
(天才と言っていましたっけ? 違う言葉だったら申し訳ありません)
先生はそれを天才と思えるから最下位なのだということを仰っていた記憶です。
俳句では慣用句やありふれた表現は避けた方がよい。
そういうことは『プレバト!!』に限らず様々なところで言われます。
そういう基本的なことを理解できずに、あまつさえ自分で自分を天才などと思ってしまうところは、特待生とは言え、力が足りていらっしゃらないと見えてしまいます。
自分の選んだ言葉の意味を捉えきれず、自分の詠んだ句を客観視できていないのですから。
天才などと仰ったのは、自分が今回の放送でそういう派手な立ち回りが求められていると、彼女が感じ取ったからかもしれないですね。
『プレバト!!』はあくまでもエンタメですから、役割を演じてなんぼなところも大きいでしょう。
馬場さんに対して気になることがもう一点あります。
馬場さんは、どうも他の人が見つけられない珍しい言葉なり表現なりを見つけることに注力しすぎているように、私には思えるのです。
事象やテクニックの「表層」ばかりに意識が向いていると言いますか。
今回の句でも、先生は褒めていらっしゃいましたが「虚栗」といい、「威を借る」といい、句材といい、そういう傾向を感じ取れます。
俳句歴1年未満の私が言うのはおかしな話ですけど、あえて言わせていただきます。
俳句の本質は「いかにレアなシチュエーションや言葉や表現を探すか」ではないと思います。
では何が本質かと言うと、私などが言っても説得力皆無なので、過去の偉人にお願いしましょう。
ちょっと見てすぐ句にするとか、ちょっと考えてすぐ句にするとかいうことは、言葉それ自身が表すように軽薄なことであります。
俳句などというものは当意即妙で頓知さえあればできるもののごとく心得ている人がずいぶんありますが、そうではありません。むしろ頓知などという言葉とは反対に、一心にものに案じ入ることによってできるのであります。
はじめから個人性の発揮されたものでなけりゃならぬとか、斬新なものでなけりゃならぬとか、そういう無理な注文をして奇怪な句を作るようなことをせず、おもむろに、確実に、その人相応の力をこめて、沈着な心持で、急がず騒がず勉強することをすすめるのであります。そうすれば個人性は出すまいとしても自然に出ます。清新な句ももとめずともできます。
高浜虚子は著書『俳句の作りよう』で上記引用部のように述べています。
『俳句の作りよう』は著作権フリー、無料で読むことができます。
引用のうち、とりわけ重要な箇所は「一心にものに案じ入ること」です。
これこそが俳句作りの本質ではないでしょうか。
引用部内にある悪い作句傾向が馬場さんに見られるように私には感じられます。
虚子の言うとおり、背伸びをして斬新な句・奇怪な句を作ろうとせず、地道に努力して基本を身に染み込ませない限り、気がつけないかもしれません。
例えば、森口瑤子さんは堅実な姿勢で、よく練られた俳句を詠まれます。
森口さんは名人初段ですから、馬場さんに近い近いところにいらっしゃいます。
馬場さんのようなタイプの方には、森口さんは良い先生、目標になるのではと思います。
あるいは、同じCブロックで北山宏光さんが詠まれた句は、作句の参考になるはずです。
まっこと生意気ながら、自戒の念も込めて指摘させていただきました。
私も馬場さんと同様の傾向があるかもしれませんからねぇ。
自分自身のことはわからないもので。
4位 千賀健永さん
4位となった千賀さんの句も気になりました。
句は、小説の『白鯨』のこと、伝説の白鯨が引き波で台風を発生させているというエピソードを詠まれました。
季語は「台風」。
夏井先生は、下五「台風や」を上五に持ってくる。
中七に「この」が台風に掛けるのではなく、「引き波」に掛ける言葉だろうと仰っていたかと思います。
「この」は目の前のことを指すから。
語順と指示代名詞の問題をクリアできていれば1位だったようなことを、先生は仰っていました。
私も発想はさすが名人とは思いました。
読書の秋から『白鯨』へと発想を飛ばすことはなかなかできないでしょう。
それだけにもったいなかったですね。
それにしても白鯨の引き波が台風を起こすなんて壮大な話ですね。
読んだことがないので読んでみたくなりました。
映画もあるみたいです。
2位 ミッツ・マングローブさん
2位のミッツさんの句も気になりました。
句は、外で老眼鏡をかけて読書をしていたときに秋らしい風を感じたのでそれを目で追った、そういう句が詠まれました。
老眼鏡をして読書をしていると、何か気になったものを追う場合に、顔はそのままに目だけを上目遣いにするのだそうです。
確かにそういう動作は何度も目にします。
季語は「爽籟」。
読みは「そうらい」ですね。
秋に吹く清々しい風のことですか。
よい言葉。
先生は、原句では爽籟が上五、下五が「上目」で終わっていたところを、爽籟を下五に持ってきていました。
追う爽籟となって字余りでしたが。
上目は中七に持ってきて「上目遣いに」と、上目だけでは少しわかりにくいので、わかるようにしていました。
先生も褒めていらっしゃいましたけど、「爽籟を追う」の「追う」がとてもよいなと、私も思いながら観ていました。
上目遣いで爽籟を追うとすることで「動作」の動きと、短いながら「時間」の動きが生まれるからです。
1位 北山宏光さん
1位の北山さんも当然気になりました。
句は、秋の虫の声や葉同士がこすれる音を聞きながら、台本に書かれた自分のパートの台詞を蛍光ペンでなぞっている、そういうことを詠まれています。
季語は「秋声」ですか。
先生の添削はなし。
先生は基本の型をしっかり詠んだということを仰ったと思います。
上五を季語+やで詠嘆し、後の中七下五の12音で季語の取り合わせを描写する手法ですね。
まさに王道という感じで、梅沢富美男さんが喜びそうな俳句だなと感じました。
秋の夜長、一人静かに台本にペンを入れている北山さんの姿が想像され、雰囲気のよい句でした。
また、季語の本意をつかむとはこういうことかと勉強になりました。
1位も納得。
BEST of Kis-My-Ft2 (CD3枚組+Blu-ray2枚組)(初回盤A)
敗者復活戦
敗者復活戦の感想です。
Aブロックは森口瑤子さん、Bブロックは立川志らくさん、Cブロックはミッツさん。
決勝へ勝ち抜けをしたお一人は「志らく」さん。
もうお一人は「森口」さんでした。
志らくさんは3人の中で唯一、先生による添削が入らなかった人です。
なので勝ち抜けは当然でしょう。
添削の入った森口さんとミッツさんはどこで差がついたか。
先生が仰るには、ミッツさんの「老眼鏡で上目遣い」をする場面は「類想」が多いからだそう。
なるほど。
おわりに
ということで、MBS『プレバト!!』の俳句タイトル戦、2021年「金秋戦」の予選Cブロックと敗者復活戦を視聴しての感想を書いた記事でした。
俳句の次の放送は9月30日と言っていましたっけ。
二週間おあずけですか、残念。