Nintendo Switch用ソフト『クレヨンしんちゃん オラと博士の夏休み ~おわらない七日間の旅~』が2021年7月15日に発売されました。
一周目をクリアしました。
一通りプレイした感想を書きました。
以降ネタバレ要素がありますので、バレても構わない方のみ下方スクロールをお願いいたします。
目次
クレ夏『クレヨンしんちゃん オラと博士の夏休み ~おわらない七日間の旅~』
Nintendo Switch用ソフト『クレヨンしんちゃん オラと博士の夏休み ~おわらない七日間の旅~』が2021年7月15日発売されました。
『ぼくのなつやすみ』シリーズ監督
— クレヨンしんちゃん『オラと博士の夏休み』〜おわらない七日間の旅〜 【公式】 (@crayon_natsu) 2021年2月17日
綾部和が贈る 新しい冒険物語!
クレヨンしんちゃん
『オラと博士の夏休み』
〜おわらない七日間の旅〜
2021年夏発売予定#クレ夏#NintendoSwitch pic.twitter.com/NLSZCY4ENe
『クレヨンしんちゃん『オラと博士の夏休み』〜おわらない七日間の旅〜 』の公式Twitterアカウント (@crayon_natsu) による告知ツイートです。
そのときの私のリアクションと、購入予約をしたときの様子は以前当ブログに記事にしました。
一周目をプレイし終えた感想
『クレヨンしんちゃん オラと博士の夏休み ~おわらない七日間の旅~』を一周目をプレイし終えました。
エンディングを迎えての感想です。
冒頭で書いたとおり、ネタバレ要素があります。
以降はバレても大丈夫な方のみスクロールしてください。
攻略サイトは見ていない
攻略サイトはまったく見ていません。
ネット情報そのものを見ていないです。
その上での感想であることはご留意ください。
1,7,14日目をプレイした感想
これまで1日目と7日目と14日目をプレイした時点での感想を当ブログに書いています。
上にリンクを貼った記事がそれです。
あわせてご覧になってください。
クリアしても評価変わらず
感想は7日目と14日目を終えた段階で書いてきたことと大きく変わりませんでした。
サブタイトル「おわらない七日間の旅」の謎が解けた後も、クリアした後も、それは同じです。
残念ながら。
面白かったか面白くなかったか
面白かったか面白くなかったか。
端的に「面白くなかった」です。
「つまらない」と断言するほど面白くなくもなかったです。
正確には「期待していたよりは面白くなかった」が素直な感想です。
『クレ夏』は「『ぼくなつ』ライク」なゲーム、しかし「『ぼくなつ』そのもの」ではない。
そのことを理解してプレイする分には楽しめると思います。
『クレヨンしんちゃん』好きの方もたぶん楽しめます。
一方、私のように『クレ夏』に『ぼくなつ』を求めすぎてしまうと、「じゃない感」が強くなって楽しめない可能性があるかなと思いました。
Amazon的に5段階評価をすると「★★★☆☆」というところでしょうか。
星3です。
星2でもよいくらい。
クレ夏のためにSwitchを買った
私は『クレ夏』のためにNintendo Switchを購入しました。
Switchを購入してまでプレイする価値はなかったです。
新作をリリースと同時に購入することはリスクがあると学びました。
しかし自分でプレイしてみないとわからないことも多いと思うので仕方ないですね。
一周何時間かかる?
『クレ夏』一周につきどれくらいの時間がかかるか。
画像にはクリアデータがあります。
1周目終了の正確なデータか忘れました。
2周目の初日を終えたところだったかもしれません。
プレイ時間は「18:16:42」とあります。
わずか18時間です。
非常に短い。
私はちんたらプレイですので、早い方は一周10時間を切るのではないでしょうか。
没入感が薄い
『クレ夏』は『ぼくなつ』より没入感が薄いです。
それは「しんちゃん」と「ボクくん」の違いに、大きな理由があるように感じます。
以前も書いたと思いますけど、この違いは思いの外大きくと感じられました。
『ぼくなつ』の主人公は、名前からして特定の誰かではないように設定されています。
そのため「ボク=プレイヤー」と、感情移入しやすいです。
翻って「しんちゃん」は、あくまで「野原しんのすけ」であって、プレイヤーそのものではありません。
感情移入しにくい、それが最後まで私の中では大きな引っかかりになっていました。
私は本作を『ぼくなつ』の新作になると期待していました。
『クレヨンしんちゃん』ですから、ある程度期待どおりにはならないことも覚悟していたつもりです。
覚悟していたつもりでしたが、思っていた以上に私には両者の違いが大きく感じられました。
私自身が普段『クレヨンしんちゃん』を観ていないことも影響しているのでしょうか。
しんちゃん好きの方なら私より没頭できるかもしれないです。
私はそこまで没頭できませんでした。
夏感が足りない
個人的に本作で一番気になったことは「夏感が足りない」ことです。
一周した限り、夏ならではのイベントはほぼありませんでした。
タイトルは『クレヨンしんちゃん オラと博士の夏休み』なのに。
一家で一週間も阿蘇へ旅をすることができた、これは夏だからです。
しかし、その他のゲーム中で多くできることや起こった出来事は、基本的には夏でなくてもよいことばかりでした。
虫取りにしても釣りにしても恐竜バトルにしても写真を取って記事にするにしても野菜を育てるにしてもDJプレイをするにしても出前を取るにしても、夏にしかできないことではありません。
夏休みじゃなくても、冬休みでも春休みでもできるでしょう。
虫取りは取る対象がカブトムシやクワガタ、セミなら夏ならではじゃん?
そういう風に突き詰めていけば、それぞれ夏にしかできないことかもしれませんけど。
虫取りをして虫取りカゴを虫いっぱいにする、虫を飼う、カブトやクワガタを友だちと見せ合う、夏休みの宿題をする、ラジオ体操カードのハンコをもらう、朝顔に水やりをする、絵日記を描く、海で泳ぐ、かき氷を食べる、そうめんや冷や麦を食べる、トウモロコシを食べる、着物や浴衣を着る、花火をする、お祭りに行く、盆踊りをする、お神輿をかつぐ、怪談話をテレビで観たり友だちと話したり、テレビやラジオから高校野球の情報が流れる、戦争のテレビ番組を観たり話をしたりする、お盆頃から2学期の始まりを少しずつ感じる。
そういった「子ども時代の夏あるある」を本作ではほとんど経験できませんでした。
現地で出会う、同年代の子どもたちとも夏ならではの会話がなかったです。
覚えていないだけかもしれませんけど。
大人たちともそういう会話はほとんどなかったように思います。
実体験がなくとも、ゲームの中だけでも夏を満喫したいから本作を購入する人は多いはずです。
なのにそういう夏ならではの体験は本作からは得にくかったです。
ただし、私がそういうイベントをことごとく発生させていない可能性はあります。
ありますけど、イベントフラグをことごとく外すなんて、意図しない限り無理ですよね。
8月31日まで過ごせない
関連して、私が一周した限りでは、8月20日か21日でしたか、その辺りでエンディングを迎えています。
何せ『オラと博士の夏休み』ですから、当然8月31日まで過ごせるかと思いきや。
今日日、学校の夏休みが8月31日までないことも多いみたいですけど。
『ぼくなつ』シリーズを通して8月1日から8月31日までを過ごせたこともあって、『クレ夏』も8月31日まで過ごせるものとばかり思っていました。
ところが実際にはそうではありません。
そこも『クレ夏』に夏感が足りていないと感じられる原因がありそうです。
8月も下旬になり、空気感が少し秋めく様子を体感する、その寂しさや切なさまで含めて夏だと思うのですけどね。
フラグ立てやフラグ回収次第では31日まで過ごせるのかもしれません。
私は攻略やネット情報をまったく見ずに、一周しただけですので。
旅行をした間だけのゲームですと、旅行は父・ひろしのスケジュールに合わせたものでしょうから、『ひろしと博士の夏休み』です。
「しんちゃん」の夏休みは旅行の後も「カスカベ」で続くはずですよね。
熊本である必要はない
「しんちゃん」たち野原家は今回、熊本県の「アッソー」なる土地へ行きました。
そこで一週間寝泊まりして過ごしています。
しんちゃんだけは一週間を3回過ごしましたが。
しかし一周を終えて、本作が熊本を舞台する意味はまるでないと感じています。
熊本ならではの出来事がストーリーの根幹に一切絡まなかったからです。
ストーリーだけでなく、登場キャラクターからも熊本の名産なり方言なり文化なり、そういった「熊本ならでは」のものは感じられなかったです。
熊本の人たちも標準語を話していたかと思います。
アクセントも特に熊本訛りを感じませんでした。
キャラクターのセリフがフルボイスではないこともあるかと思いますが。
「アッソー」には「カスカベ」の友だちとそっくりな外見をした子どもたちも登場しています。
物語から熊本ならではのものを感じず、しかも「カスカベ」の友だちと同じ見た目のキャラクターたちを登場させるのなら、熊本を舞台にしなくてよかったのではないでしょうか。
「しんちゃん」たちが夏休みに「カスカベ」で不思議な体験をした。
そういう物語にしても十分に成立するストーリー内容でした。
マップが覚えられない
マップがどうにも覚えられませんでした。
一周終えてもまだ覚えられていません。
『ぼくなつ』シリーズではこんなことはなかったのに、『クレ夏』のマップは無理でしたね。
どこが覚えられなかったかというと、博士の研究所とか畑とか、あの辺りが特に覚えられなかったです。
あの辺、妙に複雑ではないですか?
複雑というか何というか。
地図を見ながら移動をしてもどうしても覚えられなかったです。
他の道も、総じて『ぼくなつ』シリーズより覚えにくかった印象を持ちます。
どうして覚えられないか、自分でもよくわかりません。
マップが単調と感じられたのでしょうか。
海がなかったり、大きな公園がなかったり、そういうアクセントになるような場所が少なく感じられたのかもしれないですね。
あとは私の脳みその問題かもしれません。
単なる老化から来る記憶力の低下で覚えられなかったというオチ。
今回も例に漏れず、秘密基地のようなものがありました。
しかし、今回の秘密基地は暗い場所にあり狭かったことで、『ぼくなつ』シリーズの秘密基地より特別感や魅力はありませんでした。
はてしなく意地が悪い恐竜バトル
「恐竜バトル」に勝てません。
序盤は簡単過ぎるくらい簡単に勝てます。
ところが「はてしなく強い」でしたっけ、友だちの強さ・難易度が変わると、今度はとたんに勝てなくなりました。
極端です。
おそらくですけど「はてしなく強い」に勝つためには周回プレイが必要です。
一周目でも、稼いだお小遣いを全て『チョコビ』に捧げたり、イベントを無視して「恐竜バトル」だけをやったりすれば、「はてしなく強い」相手にも勝てるのでしょう。
しかしそういう尖ったプレイではなくナチュラルなプレイをしている限り、初回プレイで「はてしなく強い」相手に勝つことはかなりの難易度に感じられます。
いえ、それぞれに1回ずつ勝つだけなら私にもできます。
何度も挑めば、いつかは「ジャンケン」に勝ち続けられるときはあるでしょうし、いつかは「あいこルーレット」でも当たりを引き続けるときはあるでしょう。
ただ、あるタイミングで恐竜バトルの「大会」が開催され、そこでは4連勝しないと優勝できません。
一周目で難易度「はてしなく強い」相手に4回連続で勝つことは、私には無理でした。
大会開催日は、その日の日中であれば、何度でも大会に挑むことは可能です。
しかし私は、そんな理不尽なほどステータス強化された対戦相手に何度も挑みたくないですし、当たりを引かせたくないとすら思える理不尽なルーレットを何度も回したくないです。
「はてしなく強い」ではなくて「はてしなく意地が悪い」のですよ。
周回をしていく中でマメに強化をし続けていれば、恐竜バトルの「はてしなく強い」の大会にも勝てるのだと思います。
そうまでして強くなりたくないです。
虫相撲のように、自分で取った甲虫を鍛える要素もありませんし。
思い入れが薄いです。
強要される周回プレイ
関連して、「恐竜バトル」の強化カードはどうやら2周目以降に引き継げるようです。
お金や、採集した虫や魚の記録も、やり込み要素である「目標」の結果も引き継げるようです。
しかし個人的に『ぼくなつ』のようなタイプのゲームに、周回要素を加えることは反対です。
私は本作に「子供の頃の夏休みをもう一度体験したい」を望んで購入しています。
周回するとしても、自らの意思で「その都度『あの夏』を体験」したいです。
周回したとしても、体験するのは「一度きりの『あの夏』」でよいです。
このタイプのゲームでは、周回行為はユーザー自らが進んで行うべきで、システムに促されたり強要されたりするものではないと私には思えます。
無論、周回をして段々と強くなるゲームをしたいユーザーさんも、やり込みをしたいユーザーさんもたくさんいらっしゃるでしょう。
しかし少なくとも私は周回前提のぼくなつライクゲーは好きではありません。
先ほど一周を終えたところでのプレイ時間をご紹介しました。
プレイ時間の短さからも周回前提で作られていると思わせます。
昭和ではなく「現代」の日本が舞台
ここまで書いて、あることに気が付きました。
それは本作『クレ夏』と『ぼくなつ』の大きな違いの一つ、それは本作が「現代が舞台」である点です。
これは大きな違いがあります。
今更かよとツッコまれそうですが、書きながらはっきりと思い至りました。
『ぼくのなつやすみ』の1から3までは1975年、昭和50年が舞台でした。
4は3までから10年進んで1985年、昭和60年が舞台でした。
『クレ夏』はゲーム内では明確に何年とわかる描写はなかったと思います。
今、確認をしたところ、ゲーム内のカレンダーに年数の表示はありませんでした。
しかしオープニングに「く○モン」が登場することから、2010年代以降で間違いないでしょう。
リリースされた2021年かまではわからないものの。
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先述した本作には「夏感が足りない」と感じられた理由も、現代ならではの事情があると考えることもできるでしょうか。
現代の子どもたちが夏休みにどのような生活をしているかわからないですけど。
令和3年の子どもたちが、最短でも30年ほども昔である昭和の子どもと同じ生活をしているとは思えません。
ゲームの仕様が『ぼくなつ』なだけで、脚本や舞台設定の根本が『ぼくなつ』とは決定的に異なる。
つまり本作は私のようなおっさんが昭和を懐かしむためのゲームではない。
私は始めから履き違えていました。
やはり『クレ夏』は『ぼくなつ』ではなかった、これが私の答えになりそうです。
おわりに
ということでNintendo Switch『クレヨンしんちゃん オラと博士の夏休み ~おわらない七日間の旅~』を一周終わったので、プレイした感想を書いた記事でした。