『MBS(毎日放送)』で放送されている『プレバト!!』では、2021年7月8日木曜日の放送に俳句コーナーがありました。
視聴した感想を書いています。
目次
MBS『プレバト!!』
テレビ番組『プレバト!!』についてです。
人気芸能人にはそもそも才能があるのか?あらゆるジャンルで抜き打ちテストを実施、その結果をランキング形式で発表する。
公式webサイトのディスクリプションには上記引用部のように書かれています。
あらゆるジャンルとは、今回紹介する俳句だったり、水彩画だったり、消しゴムはんこだったり、絵手紙、生花、スプレーアート、色鉛筆などです。
中でも俳句がメインコンテンツと思われます。
放送時間
放送時間について。
放送は毎週木曜日の19時から20時までです。
出演者
出演者です。
メインの司会は「浜田雅功」さんです。
ダウンタウンの浜ちゃんですね。
アシスタントが毎日放送の「玉巻映美」アナウンサー。
ナレーションが「銀河万丈」さん。
俳句の査定員は「夏井いつき」さん。
俳句カテゴリの出演者は「梅沢富美男」さんを始め、「東国原英夫」さんや「立川志らく」さん、「中田喜子」さん、「千原ジュニア」さん、「藤本敏史」さん、「村上健志」さん、「横尾渉」さん、「千賀健永」さんなどがいます。
俳句
『プレバト!!』の俳句カテゴリが2021年7月8日の放送でも扱われました。
今回のお題は「携帯扇風機」です。
携帯扇風機は季語ではないでしょうか。
しかし「扇風機」は季語です。
夏の季語ですか。
扇風機から発想を飛ばしてもよいでしょうし、ファンなどと別の言葉に変えて別の季語を添えてもよさそうです。
この回では歌手の「小林幸子」さん、タレントの「中川翔子」さん、お笑いコンビ「おいでやすこが」の「おいでやす小田」さん、フリーアナウンサーの「鷲見玲奈」さんが出演していました。
出演者がいつもよりお一人少ないです。
レギュラー陣では「梅沢富美男」さんと「立川志らく」さん、「千原ジュニア」さんが出演していました。
出演者が少ない理由は、永世名人に加え名人のレギュラー陣がお二人出演されたことの調整と思われます。
順位
まずは今回の出演者さんの順位戦の結果です。
4位がおいでやす小田さん(才能ナシ、30点)、3位が鷲見さん(凡人、55点)、2位が小林さん(凡人、65点)、1位が中川さん(才能あり、70点)でした。
昇格試験
今回はジュニアさんと志らくさんの昇格試験がありました。
ジュニアさんは試験を迎えて「名人5段」でした。
昇格なさったら名人6段になるようです。
志らくさんは試験を迎えて「名人3段」でした。
昇格なさったら名人4段になるようです。
ジュニアさん
まずはジュニアさんから。
句は、ゆるキャラが子どもたちを喜ばそうと頑張っている、近くにいくと中の人の汗の匂いがしてくるし、よく聞くと中からファンの音が聞こえてくる、暑い中頑張っているなぁと、そんな様子が詠まれていました。
季語は「汗」ですか。
ファンとしているので季重なりにはなっていないようです。
結果は「1ランク昇格」。
「名人5段」から「名人6段」に昇格です。
昇格の理由は「ゆるキャラの現実が書けている」でした。
夏井先生は、兼題写真からゆるキャラに発想を飛ばしたこと、それを褒めていらっしゃいました。
ゆるキャラの可愛らしいイメージから、すぐに「汗」を持ってくる対比、さらに匂い=嗅覚と音=聴覚とで厳しい現場の状況を描けているとの評価でした。
直しはもちろんなし。
巧いですよね。
私は、ジュニアさんには既に名人10段の力があると思っていますので、昇格は当然かなと感じています。
フジモンさんと同等かそれ以上の力量があるのではないでしょうか。
志らくさん
次に志らくさん。
志らくさんの句は、焼き鳥屋に行ったら焼き鳥を仰いでいるご主人でしょうか、その手で扇いている団扇(うちわ)に「相田みつを」の言葉を見つけ、焼き鳥屋とのギャップを感じた、そんな様子が詠まれていました。
相変わらずの破調と人物名を持ってくる手法です。
この手法を極めていくと決められたのでしょう。
季語は「焼き鳥」と「団扇」です。
季重なりなのですね。
結果は「現状維持」。
「名人3段」のままでした。
理由は「あとは技術だけ!」でした。
下五が「を見つけ」でした。
この俳句の着地が上手くいっていなかったみたいです。
志らくさんは今回、焼き鳥屋の焼き鳥が季語、団扇も季語、そこへさらに固有名詞となる人物名「みつを」も持ってきています。
固有名詞は季語と同じくらいのパワーを持ちかねない言葉だそう。
夏井先生が仰るには、3つもある同等レベルの言葉のバランスを取ることはとても難しいのだそうです。
添削は「みつを」をはっきり「相田みつを」とすること。
そして原句「を見つけ」を消して、「の詩」と着地させています。
「の詩」で終えることで、団扇に何か書いてある文字にカメラがズームするようになると。
なるほど。
私には、志らくさんはご自身の型とかご自身が主張したいことにばかりに拘りすぎていらっしゃるのように見えます。
こだわることが駄目な訳ではないです。
「過ぎている」ことが気になります。
また、俳句は本来、季語が中心となって、季語の本質を捉えて、それを詠むものだと私は考えています。
『プレバト!!』でも散々言われていることですよね。
志らくさんはその点できていない、あるいはその意識が弱いように見えます。
今回もそう、団扇の季語の本意を捉えていないのではないかと感じられました。
志らくさんが使用した団扇は夏の季語、言わずもがな夏に涼をとるための道具です。
それが今回の志らくさんのように、焼き鳥屋の団扇に書かれた文字を詠んでしまっては、もはや季節が関係なくなります。
焼き鳥屋は秋にも冬にも春にも営業をしていますから。
焼鳥も季語で、冬ですし。
その点からも、ジュニアさんや後述する梅沢さんの方が、私の中では実力が上に見えます。
段位どおりですね。
梅沢さんの俳句史に残る句集作り
永世名人である梅沢さんの句です。
梅沢さんの句集に入れる俳句を、掲載決定かボツかを先生が判定します。
句は、お仕事でハンディファンの売り場を見たそうで、そのとき色とりどりのハンディファンを見て果物屋さんに並ぶ南国の果実のようだと感じた、そんな様子を詠まれていました。
季語は「ハンディファン」でしょうか。
季語として判定されるものかどうか私にはわかりません。
でも他に季語らしき言葉はなかったような。
今回の判定は「掲載決定」でした。
掲載決定の理由は「やっと永世名人っぽくなってきた!」です。
ハンディファン売り場で色を見て、南国の果実色であると感じた着眼点がまずよかったようです。
そこに詩があると。
また、南国という場所、次に果実という物を持ってきたら、読者は果実がたくさんある売り場のことを連想します。
ところがその次に「として」と比喩を持ってきた。
果実ではないなら何だろうと読者は思います。
そうして下五で正体を「ハンディファン」と明かしています。
この語順がよかったようです。
そして、下五を「携帯扇風機」ではなく「ハンディファン」にした点も評価されていました。
上五・中七に「南国」の「果実色」とありますから、下五まで漢字にすると字面が重くなる、それを避ける意味でも片仮名が効いていたみたいです。
音を合わせた意味もあるでしょうけど。
自然物の果実と人工物のハンディファンの対比もできていると。
おわりに
ということで、MBS『プレバト!!』の俳句コーナーのお題「携帯扇風機」回を視聴しての感想を書いた記事でした。