ディスディスブログ

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犬飼さんの句が良い。『プレバト!!』2021年6月24日放送の俳句「ただ今のお待ち人数」回を観た感想です

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『MBS(毎日放送)』で放送されている『プレバト!!』では、2021年6月24日木曜日の放送に俳句コーナーがありました。

視聴した感想を書いています。

 

目次

 

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MBS『プレバト!!』

テレビ番組『プレバト!!』についてです。

 

www.mbs.jp

 

人気芸能人にはそもそも才能があるのか?あらゆるジャンルで抜き打ちテストを実施、その結果をランキング形式で発表する。

 

公式webサイトのディスクリプションには上記引用部のように書かれています。

あらゆるジャンルとは、今回紹介する俳句だったり、水彩画だったり、消しゴムはんこだったり、絵手紙、生花、スプレーアート、色鉛筆などです。

中でも俳句がメインコンテンツと思われます。

 

放送時間

放送時間について。

放送は毎週木曜日の19時から20時までです。

 

出演者

出演者です。

メインの司会は「浜田雅功」さんです。

ダウンタウンの浜ちゃんですね。

 

アシスタントが毎日放送の「玉巻映美」アナウンサー。

ナレーションが「銀河万丈」さん。

 

俳句の査定員は「夏井いつき」さん。

俳句カテゴリの出演者は「梅沢富美男」さんを始め、「東国原英夫」さんや「立川志らく」さん、「中田喜子」さん、「千原ジュニア」さん、「藤本敏史」さん、「村上健志」さん、「横尾渉」さん、「千賀健永」さんなどがいます。

 

俳句

『プレバト!!』の俳句カテゴリが2021年6月24日の放送でも扱われました。

 

今回のお題は「ただ今のお待ち人数」です。

銀行などで順番を待つ時に使う、整理券が出てくる機械の写真が画面にはありました。

 

あの機械は季語ではないです。

何か季語を添えて詠む必要があります。

 

この回では歌手の「加藤登紀子」さん、タレントの「勝俣州和」さん、お笑いコンビ「さらば青春の光」の「森田哲矢」さん、俳優の「犬飼貴丈」さん、ピアニストでYouTuberでもあるのでしょうか「ハラミちゃん」が出演していました。

 

レギュラー陣では「梅沢富美男」さんと、アイドルグループ「Kis-My-Ft2」の「千賀健永」さんが出演していました。

 

順位

まずは今回の出演者さんの順位戦の結果です。

5位が勝俣さん(才能ナシ、10点)、4位が森田さん(才能ナシ、30点)、3位が ハラミちゃん(才能なし、35点)、2位が犬飼さん(才能あり、70点)、1位が加藤さん(才能アリ、71点)でした。

 

良し悪し分かれる

前回に続いて、今回も低調だったと思います。

才能ありのお二人は添削なしでしたから、低調ということはないですか。

低調といいますか、凡人査定が1人もいらっしゃらない珍しい回でした。

良い句と悪い句がはっきり分かれた回ですね。

 

2位犬飼さん

そんな中で気になった句の一つは犬飼貴丈さんの句です。

2位、70点。

 

句は、躓いてスマホの画面が割れてしまったので、携帯ショップに行って順番待ちをしている、外は夏の空がこんなに晴れているのに、そんな様子が詠まれていました。

 

名人の千賀さんは、スマホが割れたときの何とも言えない気持ちと夏の暑苦しさがマッチしていて、シンプルだけど良い句だと評価していました。

 

夏井先生は体験を素直に書く強みが出ている句だと評価していらっしゃいます。

がっかりした気持ちを上五中七で表すと、下五をじめじめした季語にしがちだけれど、犬飼さんは逆に夏の明るい生き生きとした季語を持ってきていて、それが成功していると。

 

確かに犬飼さんの句はとてもよいと思います。

私も近頃は俳句を詠むようになりましたが、こういうタイプの俳句はがっかりした気持ちを詠みたくなりがち、どんよりとした気持ちを連想をさせる季語を選びがちです。

しかし犬飼さんは具体的な自分の心持ちは一切詠まず、下五の季語「夏の空」に思いを丸ごと託しているのですよね。

この思い切りが素晴らしい。

 

季語を主役にすること、季語の力を信じることを、これまで『プレバト!!』でも散々言われてきました。

ところがいざ自分で俳句を詠んでみると、これがなかなかできません。

犬飼さんは、事も無げかどうかわかりませんけど、初出演で見事やって退けました。

才能がある方はこれができるのですよね。

 

1位は加藤さん

1位は加藤登紀子さん。

点数は71点。

 

句は、このコロナ渦でお金のやり繰りにも困って万策尽きたから、銀行へ行った、そんな様子を詠まれていました。

 

俳句からは「銀行へ行った」とはありません。

加藤さんの説明には銀行へ行ったとありました。

 

説明がなくとも読んだだけで言いたいことが十分にわかるとは梅沢さん。

今みんなこういう気持ちだと。

夏井先生も、今生きている私たちがみんなで共感できる、そういうフレーズになっていると仰っていました。

下五にどの季語を選ぶかで一句の味わいが変わる句だとも。

例えば、勝俣さんが使用した「牛蛙(うしがえる)」でも、私たち人間は新型コロナウィルスに苦しめられているけれども、外では牛蛙は能天気に鳴いているよという句になる、ということでした。

 

シンプルな俳句でした。

ただ、加藤さんの説明と俳句は合っていないと私は思いました。

説明では万策尽きたから銀行へ行ったと仰りました。

しかし季語は「梅雨ごもり」です。

梅雨籠とは長雨で外に出られず家に籠もることだと思われますので、説明とは合致していませんね。

梅雨ごもりが新型コロナによる外出自粛のことであるなら、原句の中七・下五「万策尽きて梅雨ごもり」は違うように感じられます。

逆ですよね、説明では「梅雨ごもりで外出できないからあれこれ工夫をしたけど、万策尽きて銀行へ向かうため『外へ出た』」のですから。

 

また、万策尽きての「て」は、「尽きた『から』」と説明してしまっています。

私はこの「て」が引っかかってしまい、良い句とは思えないです。

 

夏井先生の仰る他の季語を別のものにしても云々というご指摘は、「季語が動く」俳句とも受け取れるのではないでしょうか。

季語が動く句はよくないとされていますけど、その点どうなのでしょう。

 

等々考えますと、個人的には2位だった犬飼さんの句の方が上と思えます。

 

昇格試験

今回は「千賀健永」さんの昇格試験がありました。

千賀さんは試験を迎えて「名人2段」でした。

昇格なさったら名人3段になるようです。

 

句は、地元の愛知県熱田神宮の、夏祭りの前夜祭「宵宮(よいみや)」のときに、優しい雨「慈雨(じう)」が、屋台を待つ人たちの方へ降ってきている、そんな様子が詠まれていました。

 

結果は「2ランク昇格」。

飛び級です。

名人4段です。

昇格の理由は「難しい季重なりができている」でした。

 

宵宮も慈雨も季語のようです。

季重なりをすると普通は季語同士が殺し合うものだそう。

けれども千賀さんの俳句は全然殺していない、共存していると夏井先生は仰ります。

先生の仰るとおり、偶然に明日が夏祭りという日の恵みの雨だったと、滞ることなく読めます。

その宵宮の慈雨が屋台の人並み「へ」向かっている。

この助詞「へ」の使い方もうまいと。

全体の映像が非常にしっかりしていると。

べた褒めでした。

さすが飛び級です。

 

慈雨をチョイスしたことがやや気になるものの、良い句でした。

 

梅沢さんの俳句史に残る句集作り

永世名人である梅沢さんの句です。

梅沢さんの句集に入れる俳句を、掲載決定かボツかを先生が判定します。

 

今回の判定は「掲載決定」でした。

掲載決定は2週連続ですか。

一時のスランプは脱したでしょうか。

 

5分ごとにひらく恐怖のとびら百物語①絶叫のとびら

句は、100話の怪談話をする「百物語」をしていて、すべて話し終えたところで鏡を見ると………、そんな様子を詠まれていました。

 

整理券が出てくる機械から百物語に発想を飛ばしています。

順番に怪談話をする様子とどこか通ずるところがあるとお考えになったようです。

 

季語は「百物語」です。

鏡を見る件はおそらく地域によって異なるでしょう。

 

掲載決定の理由は「あえて語らない効果」です。

下五を「映る物」とした点が評価されました。

 

今までの梅沢さんなら「物」とはしないで、「我」とか「私」とか具体的に詠んでいた。

ところが今は「物」とだけ詠んで、あえて具体的なことを言わない。

そうすることで、読者はそれぞれの頭にある最も怖いものを勝手に想像するようになると。

なるほど。

 

ただ個人的には、この俳句を評価できなかったです。

発想がありふれていることと、実体験ではない観念的な俳句に思えたこと。

決定的なことは、この句が「7・8・5」音で構成された破調で、とりわけ中七が8音の中八だったことです。

うまくいっていないと受け取れます。

 

おわりに

ということで、MBS『プレバト!!』の俳句コーナーのお題「ただ今のお待ち人数」を視聴しての感想を書いた記事でした。

 

 

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