ディスディスブログ

気分変調症の男がテレビ番組の感想やカメラ、ファッションのことなどを書きます

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季語含め要素は2つ。『プレバト!!』2021年5月20日放送の俳句「ケーキ」回を観た感想です

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『MBS(毎日放送)』で放送されている『プレバト!!』では、2021年5月20日木曜日の放送に俳句コーナーがありました。

視聴した感想を書いています。

 

目次

 

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MBS『プレバト!!』

テレビ番組『プレバト!!』についてです。

 

www.mbs.jp

 

人気芸能人にはそもそも才能があるのか?あらゆるジャンルで抜き打ちテストを実施、その結果をランキング形式で発表する。

 

公式webサイトのディスクリプションには上記引用部のように書かれています。

あらゆるジャンルとは、今回紹介する俳句だったり、水彩画だったり、消しゴムはんこだったり、絵手紙、生花、スプレーアート、色鉛筆などです。

中でも俳句がメインコンテンツと思われます。

 

放送時間

放送時間について。

放送は毎週木曜日の19時から20時までです。

 

出演者

出演者です。

メインの司会は「浜田雅功」さんです。

ダウンタウンの浜ちゃんですね。

 

アシスタントが毎日放送の「玉巻映美」アナウンサー。

ナレーションが「銀河万丈」さん。

 

俳句の査定員は「夏井いつき」さん。

俳句カテゴリの出演者は「梅沢富美男」さんを始め、「東国原英夫」さんや「立川志らく」さん、「中田喜子」さん、「千原ジュニア」さん、「藤本敏史」さん、「村上健志」さん、「横尾渉」さん、「千賀健永」さんなどがいます。

 

俳句

『プレバト!!』の俳句カテゴリが2021年5月20日の放送でも扱われました。

 

12種バラエティケーキ 7号 直径21.0cm (約6~12名) 誕生日ケーキ 記念日ケーキ パーティケーキ

今回のお題は「ケーキ」です。

画面は、ショートケーキとチョコレートケーキ、チーズケーキがケーキ箱に入っているされている画像が使われていたでしょうか。 

 

ケーキは季語ではないはず。

ならば何か季語を添えて詠む必要があります。

 

この回では俳優の「かたせ梨乃」さん、タレント・ヘアメイクアーティストの「IKKO」さん、お笑いコンビ「ダイアン」の「津田篤宏」さん、アイドルグループ「A.B.C-Z」の「塚田僚一」さん、俳優の「北乃きい」さんが出演していました。

 

レギュラー陣では「梅沢富美男」さんと、「千原ジュニア」さんが出演していました。

 

順位

まずは今回の出演者さんの順位戦の結果です。

5位が北乃さん(才能ナシ、32点)、4位が津田さん(凡人、45点)、3位がかたせさん(凡人、60点)、2位が塚田さん(才能アリ、70点)、1位がIKKOさん(才能アリ、72点)でした。

 

3位かたせ梨乃さん

個人的に気になったのはかたせ梨乃さんの句でした。

3位、60点。

凡人査定でしたが発想自体悪くないようで、点数も凡人の中では高得点でしょうか。

 

句は、紫陽花の咲いているテラス席で女子会をして、バスチー、これはバスクチーズケーキですか、それを今日は選ぼうとしている様子が詠まれました。

紫陽花の花言葉が「移り気」だから、女性が選ぶケーキもコロコロと変わる、そういう狙いもあったようです。

 

バスクチーズケーキが流行りだと、かたせさんは仰っていましたが、2021年5月現在も流行っているのでしょうか。

2019年から2020年に流行っていたイメージで、2021年になってからめっきり話題を聞かなくなったねと家族と話していました。

私は流行に疎いですからそのせいで、現在も流行っているかもわかりません。

 

みれい菓 バスクチーズケーキ 4号サイズ (直径約12cm 2~4人前) お取り寄せスイーツ カタラーナ アイス プリン クレームブリュレ

 

それはさておき俳句です。

梅沢さんも仰っていましたが、夏井先生も「惜しい」と指摘しています。

どこが惜しいか、それは「季語が立っていない」ことです。

具体的には「女子会」やら「バスチー」やら、材料が多すぎる。

俳句は必ず季語が1つあるから、あともう1つ要素を入れるくらいで、17音の器をゆったりを満たすことができると仰っていたでしょうか。

逆を言えば、3つ以上の要素を入れてしまうと、俳句の17音に収まりきらない危険が出てくるということでしょう。

上級者ならそれでも俳句にできるかもしれないがという。

 

かたせさんの句でいうと、「女子会」の言葉が季語の「紫陽花」を少し邪魔をしてしまい、結果、季語を殺してしまっています。

先ほどの要素の話に当てはめるなら、要素は季語の紫陽花とあとはバスチーだけで良いということです。

添削は女子会を外し、「紫陽花が綺麗ね」としていました。

会話の言葉を入れることで、作者が紫陽花をどう思ったかが伝わると同時に、「〜ね」と語りかけていることから、作者に相手がいることも伝わります。

添削句では女子会かどうかは明らかではなくなりますけど、カフェなどでの会話かなと想像してくれる人は必ずいることでしょう。

なるほど。

唸る添削でした。

 

2位は塚田さん

2位は塚田さん。

才能アリの70点です。

 

通常、70点なら1位でもおかしくない点数です。

先生からもとても褒められていました。

それでも2位だったのはもっと良い句があったからです。

1位の句は添削もありませんでしたから、こればかりは運が悪かったと、1位を褒めるしかありません。

 

句は、ホールケーキを買い、それを自転車の籠に入れて、自転車のギアを上げて家に駆けていく様子を詠まれていました。

季語は「青嵐」です。

青葉の頃に強く吹く風のことでしょう。

 

先生は「具体的でよい」とか「季語が合っている」とか仰っていたでしょうか。

「ホールケーキ」としたことでケーキの大きさがわかります。

また「ギアをあげる」で早く家族のもとへケーキを届けたいという作者のはやる気持ちもわかるし、季語「青嵐」ともマッチしているということですね。

 

添削は、梅沢さんも指摘していらっしゃいましたが、原句の上五を「ホールケーキを」としたところ。

助詞「を」はこの場合不必要で、省略をしても十分通じるからです。

 

上に「上五」と書きましたが、実は塚田さんの句は七・七・五になっていました。

字余りの音の調整の意味もあるのでしょう。

「を」を外しても「ホールケーキ」は6音あり字余りのままですが、「ホールケーキ」には長音が2つあり、字余り感は軽減されています。

厳格な方はNOと仰るかもしれません、でも個人的には5音と認識しても差し支えないレベルです。

 

添削はありましたが、情景をはっきりと脳内に描くことができる、とても良い句と感じます。

 

1位はIKKOさん

1位はIKKOさん。

点数は62点。

 

句は、美容師の修行時代に住み込みで働いている頃、仕事でやらかした夜、苺のショートケーキをまとめ買いをし、部屋で独りバカ食いをしたことを詠んでいました。

 

添削はなし。

梅沢さんも褒めていましたが、夏井先生も褒めていました。

何せ72点ですからね、タイトル戦でも戦えたかもしれません。

 

上五を「住み込みの」としていて、これが経済効率の良い言葉選びで、一所懸命さが出ていると仰っていたでしょうか。

確かに素晴らしい句でした。

〜の〜の〜のと続けて使うことで、カメラがどんどん苺にズームインしていく手法も、IKKOさんのその時感じたであろう悔しさや情けなさまで伝わってくるようで、よく効いているように思います。

 

昇格試験

今回は「ジュニア」さんの昇格試験がありました。

ジュニアさんは試験を迎えて「名人4段」でしたっけ。

昇格なさったら名人5段になるようです。

 

句は、妻が買ってきた「いちご大福」の求肥(ぎゅうひ)が「とぅるとぅる」で、中の苺まで透けて見えるほど、そこに夏を感じたことを詠まれていました。

 

北九食品加工有限会社)いちご風味大福25gx20個入

 

結果は「1ランク昇格」。

晴れて名人5段です。

理由は「地道に真面目に観察している」でした。

 

「とぅるとぅる」のオノマトペが良いことと、句がオノマトペから始まっていることで読者の注意を向けられる、その語順の良さが評価されていました。

個人的には「とぅるとぅる」は少しありきたりなオノマトペかと思ったのですが、俳句的、あるいは夏井先生的にはそうではないみたいです。

 

近ごろはジュニアさんの句がとても安定しているように感じられます。

ナナハンのバイクの俳句を詠むことで有名だそうですね。

しかし私が番組を観るようになってからは、まず詠まれていないようで、そちらも観てみたいです。

 

梅沢さんの俳句史に残る句集作り

永世名人である梅沢さんの句です。

梅沢さんの句集に入れる俳句を、掲載決定かボツかを先生が判定します。

 

今回の判定は「掲載決定」でした。

2021年に入ってスランプのご様子ですけど今回はうまくいったようですね。

良かったよかった。

 

バタークリームケーキ 4号  誕生日ケーキ お祝いに

句は、梅沢さんの子どもの頃、昭和の時代ですね、その頃に食べていたケーキはバタークリームを使ったバターケーキで、夏になって冷蔵庫に入れているとクリームが固まってしまい、昭和の男である自分と同じくケーキまで強情だなと感じた、そんな様子を詠まれていました。

 

バタークリームケーキ 4号  誕生日ケーキ お祝いに

 

季語は「夏立ちぬ」。

詳しいことはわかりませんが、「夏立つ」の傍題でしょうか。

「ぬ」は完了でしたか、それなら「夏の季節がきた」「夏になった」ということですね。

パンッと強い日差しを感じる季語です。

 

掲載決定の理由は「擬人化が解りかけてきた」です。

以前は、梅沢さんは擬人化をすると失敗をするということが言われていました。

今回は成功しています。

ただまだ「解りかけてきた」です。

梅沢さんが完全に擬人化の技術を習得できているかの判断を決めていません。

もう少し様子を見て判断したいのでしょう。

 

下五を「強情で」としていて、これが擬人化です。

バターケーキのクリームは強情だと。

そこにバタークリームらしさがきちんと出ている評価でした。

 

夏立ちぬの季語も良いそうです。

バタークリームの濃厚な手触りやバターの匂いなどの生命感も、季語と付かず離れずでよいということでした。

 

おわりに

ということで、MBS『プレバト!!』の俳句コーナーのお題「ケーキ」を視聴しての感想を書いた記事でした。

 

2021年版 夏井いつきの365日季語手帖

2021年版 夏井いつきの365日季語手帖

 

 

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