ディスディスブログ

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心に留まる句が。『プレバト!!』2021年5月13日放送の俳句「シューズ売り場」回を観た感想です

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『MBS(毎日放送)』で放送されている『プレバト!!』では、2021年5月13日木曜日の放送に俳句コーナーがありました。

視聴した感想を書いています。

 

目次

 

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MBS『プレバト!!』

テレビ番組『プレバト!!』についてです。

 

www.mbs.jp

 

人気芸能人にはそもそも才能があるのか?あらゆるジャンルで抜き打ちテストを実施、その結果をランキング形式で発表する。

 

公式webサイトのディスクリプションには上記引用部のように書かれています。

あらゆるジャンルとは、今回紹介する俳句だったり、水彩画だったり、消しゴムはんこだったり、絵手紙、生花、スプレーアート、色鉛筆などです。

中でも俳句がメインコンテンツと思われます。

 

放送時間

放送時間について。

放送は毎週木曜日の19時から20時までです。

 

出演者

出演者です。

メインの司会は「浜田雅功」さんです。

ダウンタウンの浜ちゃんですね。

 

アシスタントが毎日放送の「玉巻映美」アナウンサー。

ナレーションが「銀河万丈」さん。

 

俳句の査定員は「夏井いつき」さん。

俳句カテゴリの出演者は「梅沢富美男」さんを始め、「東国原英夫」さんや「立川志らく」さん、「中田喜子」さん、「千原ジュニア」さん、「藤本敏史」さん、「村上健志」さん、「横尾渉」さん、「千賀健永」さんなどがいます。

 

俳句

『プレバト!!』の俳句カテゴリが2021年5月13日の放送でも扱われました。

今回のお題は「シューズ売り場」です。

画面はスニーカーが壁に陳列されている様子だったでしょうか。 

 

シューズ売り場は季語ではないはず。

何か季語を添えて詠む必要があります。

 

この回では俳優の「的場浩司」さん、俳優・タレントの「髙田万由子」さん、お笑いカルテット「ぼる塾」の「田辺智加」さん、俳優でしょうか「小宮璃央」さん、俳優・タレントの「本田望結」さんが出演していました。

 

レギュラー陣では「梅沢富美男」さんと、アイドルグループ「Kis-My-Ft2」の「横尾渉」さんが出演していました。

 

順位

まずは今回の出演者さんの順位戦の結果です。

5位が小宮さん、4位が的場さん、3位が高田さん、2位が本田さん、1位が田辺さんでした。

5位でも55点、1位が70点だったことで、今回は最近の放送の中では僅差の勝負だったかと思います。

 

心に留まる句が

今回の放送は、個人的に心に留まる句がほとんどありませんでした。

なぜでしょうね。

点数的に近ごろでは平均値が高い回でした。

どこかで見たような、どこかで聞いたような発想の句が多い気がしたからかもしれません。

独自性が少々足りない句が多かった印象です。

 

4位 的場さん

心に留まらないと書きましたが、唯一、的場浩司さんの句は発想が面白いと感じました。

4位でしたから順位はそこまでではなかったです。

でも60点と点数は悪くないですね。

 

句は、新品の靴を履こうとしたら、靴の中にちび蜘蛛がいて、靴が自分の家だと言わんばかりに動かずにこちらをギラリと睨んでいたと詠まれました。

 

夏井先生は、下五の「我が家ぞ」が下手な擬人化だったことを仰っていたかと思います。

他の部分、特に「ギラリ」の表現が良かったから、それだけで17音にする材料は揃っていると。

的場さんはその靴が新品であると説明していて、句にはその情報がありませんでした。

先生は「新品の」として、靴の中の「中」もいらない、「靴より(出てきた)」と表現を変更していらっしゃいました。

なるほど。

擬人化は以前も梅沢さんの句に対して「臭い」と仰っていたかと思います。

なかなか難しいのですね、擬人化は。

単純に夏井先生が好かないだけかもしれませんが。

 

個人的には的場さんのこの発想そのものは面白く感じました。

お題の「シューズ売り場」から蜘蛛にまで発想を飛ばすことは、今の私にはできそうにないことだと思えたからです。

先生も着眼点は褒めていらしたでしょうか。

 

思うと、家にいる「ハエトリグモ」などは、こちらが見つけて近づいてもじっと動かないことが多いです。

タイマン、ガンの飛ばし合い。

近くの床を手でトントン叩くなど、こちらから何かアクションを起こせばピョンピョン飛び跳ねながら逃げますけど。

動かずにいることで、こちらに「この蜘蛛は死んでいる」と思わせているのでしょうか。

的場さんはおそらくそういうこともわかった上で、靴の中のちび蜘蛛が動かないでいることは、この靴は自分の棲家だとこちらに主張をしていると感じた。

そこに詩情があると私には読み取られたのですね。

 

3位高田さん

3位は高田万由子さん。

点数は62点。

 

句は、息子さんと旦那さんとの靴が玄関に並べて置かれていたのを見て、子どもの靴のが大きく、子の成長を感じた内容でした。

 

梅沢さんは、上五を「白靴や」と詠嘆したことで意味が切れてしまい、結果として靴の大きさではなく、身長の話に受け取れてしまうと指摘なさいました。

先生も同じように受け取れたそうですし、実は私も身長の話だと思いました。

 

加えて、私は、高田さんの句に対してもう一つ大きな違和感がありました。

それは「吾子(あこ)」と「父」です。

原句は「吾子の父超えて」と詠まれています。

吾子とは自分の子のこと、詠み手から見た関係ですよね。

それに対し「父」は、子から見た関係になっています。

高田さんは説明で「夫」と言っていました。

高田さんから見ての「父」ではないのですね。

つまりは一句の中で視点が切り替わっている、この点がもう一つの大きな違和感でした。

父ではなく、そのまま「夫(つま)」とすれば良かったのにと感じます。

 

添削は上五に「並べある」として、最後に「白靴」を持ってきて、並んでいるのは親子の白靴なんだよとわかるようにしていらっしゃいました。

添削は字余りだったように思うので、良い添削かは私にはわかりません。

 

1位は田辺さん

1位は田辺さんでした。

点数は70点。

 

句は、詠み手の好きな彼は靴が泥だらけ、夏の大会も近いから頑張ってほしいと、遠くから心のなかで応援している、そんな様子を詠まれていました。

 

先生による添削はなし。

 

田辺さんの句は上五を「〜や」と詠嘆をしていました。

上五で切れを作るときは、季語を持ってきて「〜(季語)や」とすることが多いそうです。

田辺さんの句はそうではなく、季語ではない言葉と「や」で切っていました。

そして想いを託すように下五に季語を持ってきて。

難しい型のようですけど、今回その試みが上手くいっていました。

 

この技は夏井いつき先生の著書『夏井いつきの世界一わかりやすい俳句の授業』に描かれていたと、田辺さんは言っていました。

それを実践して今回1位を取れたと。

 

昇格試験

今回は「横尾」さんの昇格試験がありました。

村上さんは試験を迎えて「名人6段」でしたっけ。

昇格なさったら名人7段になるようです。

 

句は、友人の披露宴に行ったときに気合いを入れてスタッズのついた靴を履いたのだけど、場違いで恥ずかしいと感じたことを詠まれました。

 

結果は「現状維持」。

理由は「主人公は誰?」でした。

 

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スタッズとは「鋲(びょう)」のことですね。

パンクな人たちが鋲を打ち付けた革ジャンを着ていることがあるじゃないですか、あれが打ち付けてある革靴を履いたそうです。

 

添削は原句で「披露宴」とした上五を「婚祝う」に変えただけでした。

しかしこの変更だけで句の主人公が誰なのかははっきりしました。

スタッズの打たれた白靴を履いたのは「私」である。

原句の「披露宴」では、新郎がスタッズつきの白靴を履いていた可能性を否定できなかったです。

 

こちらもなるほどと感じる添削でした。

私には「婚祝う」の言葉は出てこないです。

それ以上にスタッズの打ち込まれた革靴を結婚式に履くことに驚きを禁じ得ないです。

 

梅沢さんの俳句史に残る句集作り

永世名人である梅沢さんの句です。

梅沢さんの句集に入れる俳句を、掲載決定かボツかを先生が判定します。

 

今回の判定は「ボツ」でした。

2021年に入ってからなかなか採用されません。

スランプのご様子。

 

句は、韓国で女の子と付き合いをしていたときに白いハイヒールをプレゼントし、自分が日本に帰る日にその女性はその靴を履いて泣きながら見送ってくれた、そんな様子を詠まれていました。

 

韓国では、お付き合いをしている相手に靴をプレゼントすることはお別れを意味するのだと、梅沢さんは仰っていました。

事実かはわかりません。

 

先生がボツとした理由は「想いが足りない」です。

 

先生は、原句からは上五の「帰国の日」が悲しいことなのか晴れやかなものなのか、そのヒントが書かれていないと指摘されていました。

原句はただ「白いハイヒール」と結んでいるので、それを見た作者がどう思ったのかが描かれていないですね、たしかに。

 

添削は「悲し」なり「眩し」なりで結んでみることが提案されています。

白いハイヒールに思いが込められていることはわかるけど、それより「白靴」とした上で読み手に作者の想いが伝わるヒントとなる言葉を入れてみてはということ。

悲恋なら「悲し」、晴れやかな別れなら「眩し」。

 

梅沢さんは「白いハイヒール」としていました。

他に季語はありません。

しかし梅沢さんは、白いハイヒールが季語でないことはわかっていても尚、白いハイヒールとしたかったのだそう。

夏井先生はそこは大きな問題ではないと、梅沢さんの想いを汲んでいらっしゃいました。

 

先生の言葉はときに辛辣に聞こえます。

しかし優しいですよね、愛があると言いますか。

今回に限らず、作者の想いまでは否定なさいませんから。

誰とは言いませんけど、きつい言葉で意見を言えば良いと思っている節のある方もいらっしゃいます。

 

おわりに

ということで、MBS『プレバト!!』の俳句コーナーのお題「シューズ売り場」を視聴しての感想を書いた記事でした。

 

2021年版 夏井いつきの365日季語手帖

2021年版 夏井いつきの365日季語手帖

 

 

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