ディスディスブログ

気分変調症の男がテレビ番組の感想やカメラ、ファッションのことなどを書きます

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フライヤも美しい。アニメ『銀河鉄道999』の16話「螢の街」の話がとても好きだったことを思い出しました

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2020年7月5日より『tvk(テレビ神奈川)』にてアニメ『銀河鉄道999』が放送されています。

2020年10月18日放送の16話「螢の街」が子ども当時大好きなエピソードだったことを思い出しました。

 

目次

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『銀河鉄道999』

『銀河鉄道999』についてです。

 

『銀河鉄道999』(ぎんがてつどうスリーナイン、Galaxy Express 999)は、松本零士作のSF漫画、およびそれを原作としたテレビアニメ番組、アニメ映画である。

 

- 銀河鉄道999 - Wikipedia

 

銀河鉄道999のWikipediaには上記引用部のように書かれています。

 

アニメ『銀河鉄道999』

アニメ版『銀河鉄道999』についてです。

 

銀河鉄道999

フジテレビ系列で、1978年9月14日 - 1981年3月26日に全113話 + テレビスペシャル3話が放送され、翌1982年に総集編が放送された[注 1]。東映動画製作。文化庁推薦作品。

 

- 銀河鉄道999 (アニメ) - Wikipedia

 

銀河鉄道999 (アニメ) のWikipediaには上記引用部のように書かれています。

 

tvk『銀河鉄道999』再放送

2020年7月5日より『tvk(テレビ神奈川)』にて、アニメ版『銀河鉄道999』の再放送が始まりました。

 

www.tvk-yokohama.com

 

放送日は毎週日曜日、放送時間は23:00から23:30です。

 

dysdis.hatenablog.com

 

放送が開始されるときにも当ブログで記事にしています。

 

dysdis.hatenablog.com

 

アニメ10話「トレーダー分岐点(後編)」の感想も書いています。

 

16話「螢の街」

2020年10月18日、tvkでは16話「螢の街」が放送されました。

 

あらすじ

16話のあらすじです。

 

 

tvk(テレビ神奈川)の公式Twitterアカウント (@tvk_3ch) による告知ツイートです。

16話「螢の街」の概要はツイートの内容になります。

 

マリコの螢

16話では999は「螢の街」が舞台です。

駅名は「マリコの螢」だったと思います。

漢字は真理子でしょうか。

 

地球のよう

「螢の街」へたどり着く直前、メーテルから促された鉄郎は999の窓から身を乗り出して先にある星を見やると、まるで蛍の光のように星の至るところでピカピカと明滅していて、それは綺麗な星でした。

ところが、駅に降り立って見た螢の街は、見た目の美しさとは裏腹に、まるで鉄郎が生まれ育った地球のように「貧富の差の激しい」ところでした。

タワーのような立派なビルが建ち並んでいるそのすぐそばにスラムがあるような。

 

フライヤ

鉄郎は豪華なホテルの部屋にメーテルといると、ドア越しにホテルの女給から洗濯をするものはないかと声をかけられます。

女給は名前を「フライヤ」といいます。

 

フライヤはお世辞にも綺麗とはいえない服を着て、履いている靴も、片方はアッパーがソールから剥がれているものですから紐で縛ってあります。

ホテルからユニフォームが支給されるだろうとツッコミたくなりますが。

 

心まで貧しくない

そんなフライヤの身なりを見た鉄郎は、銀河鉄道から支給された金貨を3枚でしたか、フライヤに手渡しました。

ところがフライヤは鉄郎の申し出を断ります。

 

「私は心の中まで貧しくありません。

それに、代償も取らずにお金をくれる人があるなんて信じられません」

 

フライヤはそう言って鉄郎に金貨を返すのです。

鉄郎だって地球ではフライヤと似た境遇だったのですから、お金を恵んでもらうことがどれだけ自尊心を傷つけられるかはわかっていたはずなのに、同情心から彼女を傷つけてしまいました。

 

夜、フライヤの家へ

鉄郎が部屋で反省しているとフライヤから再び声をかけられます。

恵んでもらうのは嫌だけれど、買って欲しいものがあるから今夜アパートに来て欲しい、気に入ってくれたら金貨を半分で良いのでくださいと言ってきました。

その言葉を言うだけでも精一杯だったでしょうとメーテル。

 

夜、鉄郎はフライヤから指定された時間にその場所へ行くと、そこは貧民街と思われる下層にある街の、一角にある古いアパートでした。

部屋からはフライヤが出てきて、鉄郎を家に招き入れます。

 

ちなみに、夜に男性が1人で独身女性の家に行くことははばかられることですから、鉄郎はメーテルを気にしていました。

メーテルはその時間はちょうど用事があるなどと言って部屋を出ていましたが、本当は近くの本屋で時間を潰していました。

鉄郎に気を遣ってくれたのですね。

鉄郎も本屋にいるメーテルに気づいて、察してくれたのだと感謝しています。

 

絵コンテ

アパートは4畳半ほどでしょうか、小さな部屋です。

部屋の窓の下に机、その隣にも机と画材道具がありました。

 

フライヤはアニメーションの演出家を夢見ています。

漫画映画の絵コンテを書いていて、それを鉄郎に買ってもらおうとしています。

その絵コンテは自分の唯一の友だちだった猫のことを描いた物語です。

いずれはこの物語でアニメーションを作ろうとしているのですね。

 

原作漫画では確か、猫の名前がタイトルに絵コンテの表紙に書かれていたと思うのですが。

どのような名前だったかは忘れました。

 

光る

鉄郎がフライヤと話をしていると、突然停電が起こりました。

 

昔は日本もしばしば停電が起こっていたそうですね。

2020年現在は台風や地震など災害が起こらない限り、そうそう停電はしないですけど。

 

部屋が真っ暗になると、フライヤは鉄郎から逃げるように窓辺へ向かい、そして「見ないで! 目をつぶって出ていって」と懇願します。

そう言われた鉄郎でしたがフライヤを見てしまい、驚きます。

フライヤの身体が光っているのです。

 

生まれた瞬間にほぼ決まる

この星の人々は暗いところで光る身体を持ちます。

身体のどこが光るかは生まれてみなければわかりません。

全身が光ることが最も美しいとされ、その人生は保証されます。

一方、斑(ぶち)が最も醜いとされ、蔑みの対象となって仕事もなく何もなくなります。

 

フライヤは身体が斑に光る女性でした。

なので貧民街に住み、必死に働いても着る服に苦労するような状況に陥っています。

 

そういう人が世間からの評価を覆すためには、人に文句を言わせないほどの「力」をつけなければならない。

そんな現状を打破すべく、フライヤは漫画映画の演出家になろうとしているのでした。

 

嫌なところだ

停電のためこれ以上絵コンテを見ることができず、ホテルに持ち帰ることに。

翌朝フライヤが改めて部屋に伺い、鉄郎が絵コンテを気に入ったなら金貨をいただくことになりました。

 

鉄郎はホテルに戻る道中、体全体が光る男とぶつかりました。

その男とちょっとしたいさかいに発展しそうに。

身体が全く光らない鉄郎を見て、その男は蔑んだのです。

 

帰り道、貧しい生活を強いられている身体のほとんど光らない人たちと、享楽の限りを尽くしている全身が光る人たち、この星の極端な貧富の差を目の当たりにして、嫌なところだと感じたようでした。

生まれだけで人生がほぼ決まってしまうのですから。

 

キス

翌朝、鉄郎たちの部屋のドアが叩かれました。

鉄郎がドアを開けるとフライヤが立っています。

鉄郎はフライヤに絵コンテを買おうと金貨2枚を手渡し、さらにフライヤに絵コンテを返しました。

 

絵コンテを返されたフライヤは悲しそうな表情をします。

また同情をされた、お金を恵んでもらっただけだと思ったのでしょう。

 

鉄郎はそうじゃないんだと言います。

物語を良いと思ったことは本当で、涙を流すくらいに感動する話だったけど、漫画映画を作るためには絵コンテが必要だろうから今は返す。

そしていつか映画が完成して絵コンテが必要なくなったら、そのときは僕のところに送って欲しいということでした。

 

鉄郎の心遣いに感謝するフライヤ。

鉄郎の額にキスをします。

大いに照れる鉄郎、目が波打ったりハートになったり。

 

999が螢の街を発つときが来ました。

フライヤは大切な友だちである鉄郎を見送るために駅のホームに来て、そして鉄郎にあるプレゼントをし、別れを告げていました。

走り出した999のシートで鉄郎がプレゼントの箱を開けると、彫刻刀で彫られた小さな木像でした。

 

木像は鉄郎をイメージしたキャラクターのようで、メーテルはフライヤさんはいつか鉄郎を主人公にした物語を描くかもねと言っています。

本当に描くだろうと思えます。

 

ナレーションがいい

エピソードを締めくくるナレーションがまた良かったです。

 

やがて時は流れて、宇宙の多くの惑星でフライヤのアニメーションが上映された。

そのタイトルの前にはこう書かれてあった。

 

「フライヤとその猫の名において、偉大な私たちの星野鉄郎くんにこの一遍を捧げる、あなたの友情と勇気を私たちは生涯忘れない」と。

 

しかし、それを鉄郎が見たかどうかは誰も知らない。

 

いやぁ、このナレーションを聞いて胸にこみ上げるものがありましたよ。

アニメ映画ができたのですね、良かったよかった。

 

絶対に観たはずです、鉄郎なら。

メーテルと一緒には観られたかはわからないものの。

 

子どもの頃は、いつか鉄郎がフライヤと再会して一緒になってくれればなぁと思ったことを思い出しました。

 

全身金ピカ男のその後

絵コンテをホテルに持ち帰るときに、ぶつかった全身が光る男とぶつかっていざこざが起こったことを書きましたが、彼のそれからも描かれています。

実は男は鉄郎たちが乗っている999に乗って旅に出ようとしていました。

 

男は鉄郎たちを見送りに駅ホームに来ていたフライヤに対し、みすぼらしい身分の人間がこんなところに来るなと蔑み、平手打ちをしていました。

それを見た鉄郎は堪忍袋の緒が切れ、男を呼び止め決闘を申し込みます。

お互いに腰に銃を下げているため、さながら西部劇のような決闘が銀河鉄道の走る駅ホームで行われようとしています。

 

鉄郎はすぐさま両手で銃を構え、撃ってこいと男に叫びます。

ところが、いざ決闘が始まらんとすると男は尻込みをします。

 

そんな男に向かって、メーテルはあなたはこの星から出ない方が良いと言います。

この星でしか通用しない価値観の中でしか生きてこなかった男が、力もないのに思いつきで宇宙へ旅に出ようなどとしたって死ぬだけだということを言っていたかと思います。

原文ママではありませんけど、確かこういうことを言ったはず。

次の星まで生きていられるかどうかとも言っていたでしょうか。

 

メーテルから忠告を受けた男は逃げるように999の車内へ消えて行きました。

出発後、男がどうなったかは16話ではわからなかったはずです。

アニメでは男は鉄郎たちとは別の車両に乗ったようですけど、原作では確か、鉄郎たちの少し後ろの座席でうつむいて座っていたような。

これからのことを考え怯えているのでしょう。

次の駅で引き返すだろうとか何とかメーテルが言っていた記憶もかすかにありますが。

 

作者の言いたいこと

「トレーダー分岐点」と同様、「螢の街」でも貧困や差別が描かれていました。

今回、作者の松本零士さんが特に主張したいことは、生まれながらの見た目、外見だけの虚栄、見栄っ張りな人間への皮肉でしょう。

書いていて耳が、心が痛くなりますが。

 

生まれが良いとか身分がどうとか、どのような職業に就いているとか、どのような成功をしたとかしていないとか、誰それより良い生活をしているとかしていないとか。

そんなことはどうでも良くて、それよりもっと大事、いや最も大事で最も尊いことは生きること、生きるために地道に働くことだ。

そういうことを松本さんは仰りたいのだと思います、たぶん。

 

絶望的にも思える自らの境遇に立ち向かい、打破しようと必死にもがいているフライヤの姿勢は尊いし、彼女に比べれば金ピカ男なんて一度も戦ったことのない、価値のない人間だと。

 

こういうことを書くと、たいてい山下達郎さんの「蒼氓」を思い出します。

そういうようなことが歌詞に書かれていると思えるので。

 

おわりに

ということでアニメ『銀河鉄道999』の10話「トレーダー分岐点(後編)」の鉄郎のセリフに違和感がありましたの記事でした。

 

フライヤの斑の光は蛍や、クリスマスツリーのライトの灯りみたいで、それは綺麗なのですけどね。

ああ、原作を読みたい。

 

銀河鉄道999 文庫全18巻 完結セット (少年画報社文庫)

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  • 作者:松本 零士
  • 発売日: 2010/11/01
  • メディア: コミック
 

 

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