F1の2020年プレシーズン・テストが、日本時間の2020年2月19日水曜日から始まりました。
2020年2月20日木曜日は第1回バルセロナテストの2日目です。
テスト2日目の結果と感想を書いていきます。
目次
F1 2020年ウィンターテストの日程
2020年の、F1のプレシーズンに行われるF1合同テストの「日程」についてです。
プレシーズンテストは第1回と第2回の2回が、各3日間予定されています。
2019年までは各4日間の計8日間でした。
ところが2020年は各回1日ずつ減って計6日間の日程になっています。
- 第1回:2月19日から2月21日までの3日間
- 第2回:2月26日から2月28日までの3日間
ウィンターテストが上記の日程で行われます。
テストの開催時間
テストが行われる「時間」についてです。
日程とは違って、時間は昨年までと変わりなさそうです。
午前の部が日本時間17:00から21:00まで。
21:00から1時間の昼休憩が入ります。
午後の部が22:00から26:00までとなっています。
F1プレシーズンテストが行われる場所は?
プレシーズンテストが開催される「場所」についてです。
開催地は2019年から変更はないようです。
「カタロニア・サーキット(カタルーニャ・サーキット)」で行われます。
カタロニア・サーキットはスペインのバルセロナにあります。
第1回、第2回ともに同じ場所で開催予定のようです。
第1回バルセロナテスト2日目結果
2020年2月20日に行われた第1回バルセロナテスト2日目の結果です。
Kimi on top at the end of day 2️⃣#F1Testing pic.twitter.com/QZFrFj9ty6
— Formula 1 (@F1) 2020年2月20日
Formula 1 (@F1) のTwitterアカウントによるウィンターテスト初日の結果のツイートです。
- Räikkönen (Alfa Romeo Racing), 1:17.091 (C4), 134
- Perez (Racing Point), 1:17.347 (C4), 145
- Ricciardo (Renault), 1:17.749 (C3), 41
- Albon (Red Bull Racing), 1:17.912 (C2), 134
- Gasly (Alpha Tauri), 1:18.121 (C2), 147
- Vettel (Ferrari), 1:18.154 (C3), 73
- Russell (Williams), 1:18.266 (C3), 116
- Leclerc (Ferrari), 1:18.335 (C3), 49
- Hamilton (Mercedes), 1:18.387 (C2), 106
- Norris (McLaren), 1:18.474 (C3), 137
- Grosjean (Haas F1), 1:18.496 (C2), 158
- Ocon (Renault), 1:18.557(C3), 52
- Bottas (Mercedes), 1:19.307(C2), 77
以上の結果となりました。
間違いがあったら申し訳ありません。
タイヤコンパウンド
タイヤのコンパウンドについてです。
Day 1 ✅ #F1Testing pic.twitter.com/n2SGZcvVze
— Pirelli Motorsport (@pirellisport) 2020年2月19日
タイヤを供給している『ピレリ』のTwitterアカウント「Pirelli Motorsport (@pirellisport) 」によるツイートです。
2020年はC1からC5までのコンパウンドが用意されています。
C1へ行くほど硬く、C5へ行くほど柔らかいタイヤと認識すれば良いようです。
コンパウンドの違いはタイヤに入ったピレリのロゴマークなどのカラーでわかるようになっています。
白色には2タイプあって、白色にブラケット(横線)が入っていないタイヤがC1で最も硬く、白色にブラケットが入っているタイヤがC2で2番目に硬いタイヤです。
赤いにも2タイプあって、赤色にブラケットが入っているタイヤがC4で2番目に柔らかく、赤色にブラケットが入っていないタイヤがC5で最も柔らかいタイヤです。
- C1:白・ブラケットなし(↑硬)
- C2:白・ブラケットあり
- C3:黄・ブラケットあり
- C4:赤・ブラケットあり
- C5:赤・ブラケットなし(↓柔)
上記のように見分けると良いでしょう。
硬いタイヤは長持ち・グリップが落ちる→長距離を走るときに使う。
柔らかいタイヤは持ちが悪い、グリップが高い→一発の速さが欲しいときに使う。
と簡単に覚えておくと良いです。
プレシーズンテスト2日目の感想
第1回バルセロナテスト2日目の結果を受けての感想を書きます。
と言いたいところですけど、昨晩は他のことで手一杯でした。
情報をリアルタイムで追えていません。
なので2日目の流れをいまいちつかめていないというのが正直なところ。
全チーム順調か
2日目も初日に続いて大きなトラブルはなかったようで、各チーム順調に周回を重ねていたようです。
やはり2019年から技術的なレギュレーション変更がない今年は、トラブルが出てこない・出にくいみたいです。
終盤にレッドフラッグが出ていたようです。
ライコネンがストップしたことが原因の。
その後ストップの原因に関して特に言及されていなかったため、燃料タンクが空になったとかそういうことでしょうか。
メルセデスの「DAS」
テスト2日目は「メルセデス」の話題でもちきりだったようです。
"It's called DAS"#F1Testing @MercedesAMGF1
— Formula 1 (@F1) 2020年2月20日
話題の対象は「DAS」と名付けられたデバイスです。
「ダス」と読めば良いでしょうか。
We call it DAS - Dual Axis Steering! 🛠 James has an update on today's hot topic of #F1Testing... 👇 pic.twitter.com/kKDHJqzutK
— Mercedes-AMG F1 (@MercedesAMGF1) 2020年2月20日
この「DAS」はとんでもない技術のようです。
メルセデスに言わせると、「DAS」の正体は新たな「ステアリング」モードとのことです。
ハミルトンが、走行中にステアリングを前に押し出したり、手前に引いたりしている様子が映ったオンボード映像から話題が広がっています。
「DAS」とは、ドライバーがステアリングを前後させることで、フロントホイールの「トウ」の角度を変化させる技術みたいです。
動画によると、ストレートでステアリングを引くとフロントホイールがイン側に絞られ、コーナーの入り口でステアリングを押すとフロントホイールがアウト側に開いています。
ドライバーの任意で、フロントホイールの「トウ(トー)」を外側に広げたり内側に絞ったりできると。
フロントホイールのトウをコントロールできると何がメリットになるのか。
それはおそらくタイヤのグリップを上げたり下げたりできることで、予選でも決勝レースでもタイヤマネジメントを、デバイスなしの他チームより優位に運ぶことができます。
ストレートではトウインにして抵抗を減らしグリップを減らす、コーナーではトウアウトにして抵抗を増やしてグリップを増やす。
それ以外のタイミング、例えばタイヤを温めたいときはトウアウトにすれば、スタート前のフォーメーションラップや、ピットでタイヤ交換をした直後の「アウトラップ」でも、他チームより早くタイヤを温めることが可能になるでしょう。
タイヤの保ちもだいぶ変わってくるはず。
とんでもない技術です、これは。
セミオートマチックトランスミッションやアクティブサスペンション、ダブルディフューザー、Fダクトなどのような。
F1ってやっぱり凄いですね。
例年のテストでは確かマシンにオンボードカメラを乗せなかったですよね。
オンボードがあったおかげでテスト2日目にして他チームにバレましたけど、オンボードがなかったら開幕までバレずにいられたのにという。
ニューマシンはサーキットを走らせる前にFIAのクラッシュテストを通過しなければいけません。
クラッシュテストではマシンだけでなくステアリングも行われたはずです。
つまりFIAは「DAS」の存在を既に知っているはずで、安全面に関しては許可を下されたから走れているのですよね。
フロントホイールがどのようにコントロールされているのかわかりませんが、問題があるとすれば、レギュレーションのどの部分に抵触するのかが気になるところです。
認識や理解に間違いがあったら申し訳ありません。
タイム的には2日目のメルセデスは大人しかったです。
2日目の午後を担当したボッタスが早めにテストを切りげています。
これは電気系統のトラブルだったそう。
「DAS」の制御と関係があるのでしょうか。
フェラーリが大人しい
「フェラーリ」は2日目も大人しかったようです。
Day two is complete 😎#Charles16 #Seb5 #essereFerrari 🔴 #F1Testing #SF1000 pic.twitter.com/QtMTPycJTs
— Scuderia Ferrari (@ScuderiaFerrari) 2020年2月20日
2日目は午前「ルクレール」、午後「ベッテル」がそれぞれ担当しました。
ベッテルは初日に走る予定でしたが体調不良で走行をキャンセルしていました。
2日目の午後は走れたようで体調は快方に向かったのでしょう、良かったですね。
テスト初日を終えたルクレールが、フェラーリは2019年までとテストのアプローチを変えたと発言していたようです。
2019年までのメルセデスやレッドブルと同様、パフォーマンステストをする前にマシンを理解する基本的な作業に時間を費やすことにしたみたいですね。
なのでフェラーリのテストのタイムは例年以上に参考にならないかもしれません。
🚀 KIMI 🚀
— Formula 1 (@F1) 2020年2月20日
The Iceman has been setting a scorching pace along the Barcelona straights ❄️🔥#F1 #F1Testing pic.twitter.com/Sq2gCKrgQa
ストレートスピードもフェラーリは露骨に遅いんですよね。
同じフェラーリPUのアルファロメオがトップに立っていることから、フェラーリはエンジンパワーを相当制限している可能性をうかがえます。
レッドブルはPU交換
「レッドブル・ホンダ」についてです。
Making his mark 👊 @alex_albon completes 132 laps with a best time of 1:17.912 on his first day driving the #RB16 💪 #F1Testing pic.twitter.com/oILluatdln
— Aston Martin Red Bull Racing (@redbullracing) 2020年2月20日
2日目を担当したのは「アレクサンダー・アルボン」です。
アルボンは2019年シーズンの途中からレッドブルに加入しています。
なのでレッドブル2シーズン目ではあっても、プレシーズンテストは初めて参加することになります。
アルボンはC2タイヤで1分17秒912のベストタイムを出しました。
2日目の4番手タイムです。
134周を周回しています。
少し気になるのは、ホンダがアルボン車のPUを交換したことです。
ホンダのテクニカルディレクターである「田辺豊治」さんは『Sakura』のベンチテストでPUに関する懸念が見つかったからと仰っているようです。
確認した結果問題は見つからなかったとのことで、問題ないのでしょう。
ないと思いたい。
アルファタウリは順調
「アルファタウリ(旧トロロッソ)」についてです。
Chequered flag drops on the second day of pre-season testing! 🏁 @PierreGASLY puts in a solid day with 147 laps to finish P5 on the timesheets 🤜🤛#AlphaTauri #F1 pic.twitter.com/MqSjnEiO2i
— Scuderia AlphaTauri (@AlphaTauriF1) 2020年2月20日
アルファタウリは初日を「ピエール・ガスリー」が担当しました。
C2タイヤで1分18秒121の5位です。
レッドブルのアルボンとは0.2秒差ですか、僅差です。
周回は147周しています。
ガスリーは午前中にスピンを喫していました。
19年のときのようにクラッシュはしていないみたいです。
19年はテスト期間内に2回もマシンを壊してしまい、あれでチームも彼個人もリズムが狂ってしまった感があります。
壊さず、テストプログラムを完遂できれば100点でしょう。
ベストタイムの順位は一応に上位に顔を出しています。
テストがまだ2日しか終わっていない現状、本当に速いかどうかは未知数ですね。
ピンク・メルセデスが速い!
「レーシングポイント」が相変わらず速いです。
Day 2: Done & Dusted 🏁
— BWT Racing Point F1 Team (@RacingPointF1) 2020年2月20日
P2⃣ for @SChecoPerez with 1⃣4⃣5⃣ laps completed!
Super effort from Checo today! 👏#F1Testing #F1 pic.twitter.com/2NRawzi48G
「セルジオ・ペレス」がC4を履いてベストタイム1分17秒347を出しました。
2日目も速いです。
145周をしていることから信頼性も抜群。
レーシングポイントの20年型のマシンは19年型のメルセデスにそっくりなデザインです。
カラーリングがシルバーかピンクかの違いだけに見えることから、「ピンク・メルセデス」などと(揶揄や非難の意味を込めて)呼ばれています。
チームもメルセデスのコピーを認めたかのような発言をしたみたいですね。
同じPU、19年型のメルセデス製ギアボックスを使える立場にあるレーシングポイントが、空力哲学まで近づけることは当然の成り行きだ的なことを。
近づくどころか「そのもの」レベルに見えますけれども。
アルファタウリ(旧トロロッソ)はレーシングポイントに似た立場にあると思われます。
それでもさすがに空力は自分たちでデザインしているように見えます。
アルファタウリのエアロはレッドブルとは異なりますよね。
おわりに
ということで、2020年F1の第1回バルセロナテスト2日目の結果と、その感想を書いた記事でした。
本文中に書いた「ダブルディフューザー」は「ブラウンGP」が先駆けた技術で、その年のチャンピオンを取りました。
ブラウンGPは現在のメルセデスです。
もっと言うとブラウンGPの前身はホンダですよね。
あのとき撤退をせずあと1年活動を続けていれば、と悔やんでも悔やみきれない思いがこみ上げてきます。
未だに。