ソニー・コンピュータエンタテインメントから発売された『PSP』のアドベンチャーゲーム『ぼくのなつやすみポータブル』を購入しました。
中間報告をさせていただく予定でいましたが、一気に31日まで終えてしまったので、1周をプレイし終えた感想を書きます。
目次
ぼくのなつやすみシリーズ
私は『ぼくのなつやすみ』のシリーズが好きです。
『ぼくのなつやすみ2 海の冒険篇』が特に好きで、人生で1番のゲームと言って差し支えないですね。
シリーズでも2が一番好きですね。
初めて触れたぼくなつが2だったことが原因の1つかなと思います。
1からプレイしてれば1が一番だったかもしれないです。
『ぼくのなつやすみポータブル』
先日『ぼくのなつやすみポータブル』を購入しました。
PSP版の『ぼくなつ1』は2006年6月29日にリリースされたそうです。
PSP『ぼくなつ1』を購入したときにも、ブログに記事を書いています。
あわせてご覧になってください。
PSP版『ぼくなつ1』の感想
PSP版『ぼくなつ1』を1周プレイした結果について書いていきましょう。
PSP版『ぼくなつ1』は、ニコニコ動画やYou Tubeで実況動画やプレイ動画で見ていません。
攻略サイトも見ていないので、完全初見プレイでした。
プレイ時間
プレイ時間です。
1周にかかった時間は10時間32分20秒でした。
PSP版『ぼくなつ2』は1周を終えるのに62時間弱かかっています。
大幅に短縮されていますね。
『ぼくなつ2』は時間設定があり、私は「ゆっくり」に設定をしてプレイしていて、それもあっての62時間です。
それにしても10時間で1周できるというのは、『ぼくなつ4』などと比べると圧倒的にプレイ時間が短いですよね。
4は、特に空きビン集めや虫相撲、モン消し相撲に時間が取られすぎていることで、ゲームは時間をかければ良いというものではない、ということがよくわかるゲームになっています。
では短ければ短いほど良いかと言うとそれも違うなという感覚を、1をプレイして感じてしまいます。
1は1で短いのですよね。
せわしなく1日が過ぎてしまい、物足りなさを覚えます。
昆虫採集に虫相撲、凧揚げ、おじちゃんに凧作りを依頼、狼娘、悪ガキたち、空野家の長女・萌(もえ)と次女・詩(しらべ)たちとの会話、おばちゃんとの晩ごはんクイズ……それらを網羅するには時間が圧倒的に足らないです。
いえ、リアルの夏休みの行動なんて、挙げたように1日にあれこれとできるものではないですから、1くらいの時間経過の早さにこそ、リアルの夏休み感が出ているのかも知れないですが。
私が2の「ゆっくり」に慣れすぎているのでしょうね。
虫相撲
虫相撲についてです。
直前まで2をプレイしていたこともあって、1の虫相撲の仕様を忘れていました。
ただ、PSP版の虫相撲は2にあった虫交換システムを採用していることで、2に少し寄せているようでした。
土俵上の虫相撲そのものはPSの1の仕様をほぼ踏襲していたと思います。
甲虫の色合いが変わっていましたか。
PS版の1はノコギリクワガタが紫色をしていて、少し気味の悪い色合いだったのですが、それは調整されていました。
話が少し逸れたので戻しますと、虫相撲のバランスは2が一番良いと思っていますが、1も問題ないレベルです。
やや淡白な印象こそありますけど、時間がかかりすぎない仕様は好感を持てます。
ぼくなつ1の虫相撲のコツ
1の虫相撲の攻略のコツを書きます。
1はカブト♂とオオクワ♂が正義ですし、大きさ=強さです。
こちらがいくらノーマルの虫を鍛えても、ガッツとファットとメガネの3人のうちガッツくんが出してくるカブト♂とオオクワ♂相手には、真正面からぶつかってもまず勝つことができません。
BIGサイズやキングサイズが相手のときはなおさらです。
私はミヤマクワガタ♂が好きです。
(1はミヤマの♀もいます)
なので序盤はミヤマ♂を鍛えて、「強い」ランクで勝ちを重ねていきます。
しかし、BIGでもないノーマルのミヤマ♂では、いくら鍛えてもボスの1体であるカブト♂のキングサイズには太刀打ちできず、中盤でやや詰みかけてしまいます。
キングサイズのカブト♂は強さランク「強い」で一定数以上勝利し、尚且ある日にちまでスケジュールが進むと、ガッツくんが強さランク「キング」に出してきます。
そんなキングサイズのカブト♂対策で重要になるのは「オオクワ♀」です。
オオクワ♀は「うっちゃり」を持っています。
キングサイズのカブト♂の強烈な押しに対して、土俵際の逆転で勝ってしまおうというしょぼい算段。
さらに、キングサイズのカブト♂に勝利し、且つある日にちまでスケジュールが進行すると、今度はガッツくんが「秘密の秘密兵器」を出してきます。
1はカ○キリですね。
秘密の秘密兵器は、1戦を終えてもHPが回復せず減ったままです。
対してこちらは入れ替えて戦うことができますから、手持ちが多ければ多いほどこちら有利になります。
総力戦。
虫カゴにいっぱいに、ある程度鍛えた甲虫を入れておけば、詰むことはないと思います。
秘密の秘密兵器を倒すことで、新ルートが開通し「テッペン山」にも行くことができるようになります。
この新ルートは狼娘のいる場所、龍神池でしたっけ? にも行きやすくなりますから、ぜひとも開通しておきたいところです。
新キャラクター
PSP版の『ぼくなつ1』には新キャラクターが3名追加されていました。
PSP版の『ぼくなつ2』にも新キャラクターが複数人登場していました。
2の新キャラは物語に絡んでこず、要素が追加されただけの存在でした。
物語の根幹に触れないことで、それはそれで良かったですけど、既存のキャラクターと関連のない人たちばかりが登場したことで、静かな町が煩雑になってしまい、世界観を壊してしまっていたように私には思えました。
1の新キャラは、既存のキャラとの絡みこそないものの、物語に関連し、物語を補完するような人たちばかりです。
そのため2より違和感がなく、1の世界観を壊すこともなかったように感じられました。
良い追加要素だったように思います。
追加キャラは「アニキくん」と「ヨシコさん」と「教頭先生」の3名です。
アニキくん
アニキくんは、明言されていないものの、「あの子」でした。
予想通り。
ゲームの中盤で、アニキくんからあることを依頼されていたのですが、依頼を達成させることができませんでした……。
それは「蝶の羽化」を目撃することだったはずです。
しかし、斧を使った新ルートの開通を1日か2日か遅らせてしまったことで、詩ちゃんとのデートと羽化の日が重なってしまい、詩ちゃんとのデートを優先してしまいました。
羽化を目撃できず。
時間を調整すれば両立も可能だったかも知れません。
2周目は羽化を目撃したいですね。
ヨシコさん
ヨシコさんとも出会うことができました。
ヨシコさんは、ボクくんが泊まっている空野家の長女・萌の親友であり、恋のライバルでもありました。
1の物語は、ある意味で萌がヒロインです。
この夏で最も劇的な出来事が起こって、最も成長した人物が彼女と思うから。
PS版では「出来事」の具体的な内容にはほぼ触れられていません。
しかし、萌がボクくんをお風呂に誘って混浴をするときに、彼女から直接、失恋をしたことが告げられました。
PSPではヨシコさんを登場させることにより、萌の恋愛についてよりわかりやすく伝わるようになっていました。
萌が好きな男の子は、よりによって親友ヨシコのことを好きという。
「それ何て『耳をすませば』? 」と皆さんも思うかもしれません。
教頭先生
「教頭先生」とも出会えました。
萌が通う中学校の教頭先生で、かつ萌の英語の教師でもあります。
萌が英語が苦手な原因は、熱血な教頭先生が苦手なことにあるようでした。
しかし、ボクくんがある場所で教頭先生のものと思われる英語の辞書を発見することがきっかけになり、萌が失恋のショックから脱却していくのですね。
辞書には戦時中に書かれたと思われる手紙が挟まっていて、萌がそれを訳して家族の前で読むことになり、その内容が彼女を前へ突き動かします。
萌もボクくんも誰も、その辞書が教頭先生のものだとは気がついていません。
でもプレイヤーには辞書が教頭先生のものだとわかるようになっています。
PS版では、教頭先生は会話の中にだけ登場する人物でした。
それがPSP版ではご本人が登場すると。
ボクくんとの会話で『ぼくなつ2』を紹介するなどメタな発言をしてきて、ややファンキーなおじいさんですが……。
消化した方が良いイベント
『ぼくなつ1』では個人的に絶対に消化すべきと思っているイベントが2つあります。
1つは終盤に訪れる「詩の失踪事件」です。
失踪した「詩」を見つけるミッションですね。
場所はボクくんがヒマワリが好きであることがヒントになっています。
どうしてかと言いますと、物語的にもクライマックスで盛り上がるシーンということが1つ、見つけるとその晩に萌に話しかけると、見つけたご褒美に「ラジオ体操カード」を判子で満たしてくれることが1つ。
なので、このイベントさえ達成できていれば、それまでどれだけ寝坊していても問題ないということになります。
不正ですけど。
もう1つのイベントは、ヘビと出会うことです。
ボクくんは空野家でアサガオを育てることになります。
アサガオが植えられたところの近くにある出入り口から、橋を渡って、トウモロコシ畑を抜けると一本道に出ます。
「おみくじ地蔵」の1つ手前のマップですね。
ある日に、その一本道を通るとヘビと遭遇するはずです。
ヘビはおじちゃんが追っ払ってくれるため、ボクくんは無事です。
ヘビ遭遇イベントを消化した後、狼娘のところへ行って彼女に話しかけると、狼娘は既にヘビのことを知っています。
会話の後に、狼娘はボクくんにキスをしてくれるのですね。
個人的にはこれが是非とも消化したいイベントです。
小学校のときに女子大学生にキスをされたら、と思うとたまらんものがあります。
あともう2つ忘れていました。
萌姉ちゃんとお風呂に入るイベントと、おばちゃんにおでこ同士をくっ付けるイベントがありますね。
この2つも必ず体験しておきたいです。
でもこれらはゲーム進行上、必ず通過するイベントでしょうか。
総評
総合して感想を書きますと、良いバランスのリメイクになっていました。
2は力を入れて要素を追加してしまい、やり過ぎ感がありましたし、先ほども書いたように既存キャラと新キャラの絡みがないことに違和感を覚えました。
1にも新キャラは登場していて、既存キャラとの絡みは一切ないのですが、PS版で不足していると思われる物語を上手く補完しているように感じられ、違和感がありませんでした。
PSP版の2も、PSP版の1のバランス感覚で作られたら、と思わずにいられません。
周回プレイ前提ではない
4のように、周回プレイが前提になるような作りではない点も良いですね。
プレイヤーが自発的に2周目以降もプレイしたいと思えるなら良いですけど、4は開発段階から周回プレイを前提としている節があります。
本作でも、4のように相撲に使う甲虫をお気に入りに加えて、次回以降に持ち越すことができる仕様は実装されていました。
しかし、お気に入りに加えるかどうかはプレイヤーの任意ですから、周回を半ば強制するものではないので問題ないと思います。
良い物語
それにしてもあれですね、1の物語もとても良いと思います。
私は『ぼくなつシリーズ』では2が一番好きで、今でもそれは変わりないです。
でも1の物語もかなり良いです。
プレイをする毎にゲームの印象が良くなっていく感覚を覚えます。
空野家を襲った悲しい過去の出来事に触れることで、ただ楽しい田舎暮らしのゲームで終わっていないところが特に良いですね。
萌の成長についても、子どもなら多くの人が通るであろう道ですし、自らの思春期の甘酸っぱい思い出、人によってはチクッと痛い思い出かもしれませんが、それを思い出せてくれるところも良いです。
詩の、子どもながらに現実を受け入れようとしつつ、でも気持ちのコントロールができない感じが、健気です。
要素を増やせば良い?
登場人物が増やせば良いものではないことを、オリジナルの1と2は教えてくれていると思います。
物語に余白を残すことは大切。
その点でPSP版の1は、余白を余白のまま残しつつ新キャラを加えていたので、良いリメイクでした。
おわりに
ということで、『ぼくのなつやすみポータブル』を1周したので、プレイをした感想を書いた記事でした。
あとプレイしていないのは『ぼくのなつやすみ3 -北国篇- 小さなボクの大草原』のみとなりました。
残念ながら『ぼくなつ3』はPS3なんですよね……持っていないです。
- 出版社/メーカー: ソニー・コンピュータエンタテインメント
- 発売日: 2006/06/29
- メディア: Video Game
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