「細野晴臣」さんが手掛けた、長編アニメ映画『銀河鉄道の夜』のサウンドトラックCDを購入しました。
CDジャケットの紹介や曲を聴いた感想を書いています。
目次
長編アニメ映画『銀河鉄道の夜』
長編アニメ映画の『銀河鉄道の夜』が大好きです。
ジョバンニとカンパネルラが人間ではなく猫のアニメです。
1985年制作の劇場用アニメ映画。同年7月13日公開。毎日映画コンクール・大藤信郎賞受賞作。
銀河鉄道の夜のWikipediaには上記引用部のように書かれています。
「鈴木ギサブロー」さんが監督です。
鈴木ギサブローさんは『タッチ』を手掛けた方でしたっけ。
ますむらひろしさんが原案、別役実さんが脚本、『グループ・タック』が製作。
アニメ映画『銀河鉄道の夜』は1985年公開のアニメーション映画だそうです。
2019年現在からすると34年前も作品になります。
ジブリ映画の『風の谷のナウシカ』が1984年公開で『天空の城ラピュタ』が1986年ですから、それらと同年代に製作されています。
今思うと1980年代半ばはアニメ映画が大豊作ですね。
私は公開当時は映画館で観ていませんで、後にキー局で放送されたものを観て本作を知りました。
当時子どもでしたけど、子どもながらにとても感動をしたことを覚えています。
幻想的な世界観が好み、絵もとても綺麗で、物語の内容はところどころよくわからないながらも心にぐっと来るものを感じたのです。
その後再放送されたものを録画し、何度も見返していました。
10年近く前と思いますが、TOKYO MXで本作が放送されました。
tvkだったかもしれません。
MXかtvkの再放送は、それまでに観たことのないシーンが含まれていて、私が過去に観てきたものはカット版なのだと知ることになります。
具体的に言いますと、「プリオシン海岸」でクルミの化石を拾ったり大学士が牛の祖先の化石を発掘したりしているシーンはそのとき初めて観ました。
「無線技師」などもそうですか。
MXかtvkの放送も録画していたので、DVDに焼いて、夏がやって来るたびに見返しています。
そう言えば今年はまだ観ていないのでこの記事を書いたら観ましょう。
本作はジョバンニとカンパネルラたち多くの登場人物が「二足歩行の猫」で描かれていることが大きな特徴です。
人間ではないことに反発も多くあったかと思いますけど、私は猫から入っているため、違和感は全くなかったです。
むしろ他の書籍の表紙で人間が描かれる方が違和感を覚えます。
猫とした理由は、観る人に固定したイメージを植え付けたくないから、と私は理解しています。
そしてその狙いは成功しているように思いますね。
いやでもネコのイメージがついてしまっているので……どうなのでしょう。
宮沢賢治『銀河鉄道の夜』
私は子どもの頃、本を読まない子でした。
学校の図書室で読書をする時間でも、漫画の『ひみつシリーズ』や『はだしのゲン』ばかりを読んでいました。
活字ではなく漫画であれば何でも良かったのです。
漫画好きのおかげで『はだしのゲン』を読めたのですから、良い経験をしたと思っています。
『銀河鉄道の夜』も今回紹介しているアニメ映画が先で、宮沢賢治の原作小説は後です。
しかも大人になってから読みましたね。
画像は私のKindleの一画面です。
Kindleに本作を入れています。
賢治は他には『春と修羅』を入れています。
画像には坂口安吾の『堕落論』や、江戸川乱歩の『人間椅子』も見られますね。
無料で買えるものでは他に、太宰とか中原中也とかランボーとか、中勘助の『銀の匙』とか。
有料のものでは、写真や野草、雲、HTML+CSS関連、配色の本もセール中に購入しています。
話がずれたので戻しますと、『銀河鉄道の夜』は原作ももちろん良かったです。
やはりアニメーションから入っているので、読んでいても脳内では猫が登場します。
それで全く問題ないですけど。
『銀河鉄道の夜』(ぎんがてつどうのよる)は、宮沢賢治の童話作品[1]。孤独な少年ジョバンニが、友人カムパネルラと銀河鉄道の旅をする物語で、宮沢賢治童話の代表作のひとつとされている。
(略)
1924年ごろ初稿が執筆され、晩年の1931年頃まで推敲がくりかえされて、1933年の賢治の死後、草稿の形で遺された。初出は1934年刊行の文圃堂版全集(高村光太郎ら編。全国書誌番号:47022638。)である。
前出のWikipediaには上記引用部のように書かれています。
賢治の死後に草稿の形で遺されていた作品なのですか。
ご本人が解説などをすればまだしも、世に出たときには賢治は亡くなっていたのですから、正解は見つけられないのかもしれません。
正解は各々が持っていて良いのでしょうし、1つ解釈に収まらないからこそ『銀河鉄道の夜』が今でも素敵な物語でいられる、ということもあるかもしれません。
原作を読んで思ったことは、アニメ映画版は物語だけでなく世界観までも原作に忠実に描かれているのだなぁということです。
何せネコを描くくらいですから、独自解釈がもっと入っていると思っていたのです。
実際には私が事前に想定していたよりずっと原作に忠実でした。
『銀河鉄道の夜』オリジナル・サウンドトラック
前置きが長くなりました。
そういう前段階があって『銀河鉄道の夜』のオリジナル・サウンドトラックのCDを購入しました。
実のところ購入したのは昨年2018年のことです。
画像がそれ。
Amazonのウィッシュリストにも入れていたくらい、ずっと欲しかったのですよ。
10代の頃から本品が欲しくて欲しくて、レコード・CD屋に行くたびに探していましたが、なかなか置いていなくて、いつしか購入を諦めていました。
ところが、昨年のいつ頃だったでしょうか、ある日ブックオフに立ち寄ったところ、CDのコーナーに『銀河鉄道の夜』のオリジナル・サウンドトラックが陳列されているのを偶然見つけました。
価格が1,200円ほどと私にとっては地味に高かったですけど、これは買わなければいけないだろうと速攻で購入しました。
画像のように、CDには「CD選書」と書かれていることから、本品は比較的最近になってからリマスターされたものなのでしょう。
定価は1,529円。
説明
簡単な説明です。
1983年のYMO散開(解散)後は、テイチクに移籍し、「Non Standard」と「Monado」の2つのレーベルを立ち上げる。Non Standardレーベルからはピチカート・ファイヴやWorld Standardを輩出。また、自身の代表作として映画『銀河鉄道の夜』のサウンド・トラックを手掛ける。
細野晴臣さんのWikipediaには上記引用部のように書かれています。
サウンドトラックとしては本作が細野さんにとっては初作品になるみたいです。
本作は1985年7月7日リリース。
何せ銀河鉄道の夜ですから、発売日を7月7日の七夕にしようと狙い撃ちしたのでしょうね。
当時はレコードのLP盤として発売されたはず。
後にCD化の流れではないかと。
「COMPUTOR PROGRAMMED AND PERFORMED BY 細野晴臣 HARUOMI HOSONO WITH FRIENDS OF EARTH」
と書かれています。
本作のジャンルはシンセサイザー・コンピュータを用いた音楽、電子音楽=エレクトロニカになるのでしょうか。
曲リスト
『銀河鉄道の夜』オリジナル・サウンドトラックの曲リストです。
- メイン・タイトル
- 幻想四次のテーマ
- 幻想と現実
- 晴れの日
- 星めぐりの歌
- ジョバンニの幻想
- ケンタウルスの星祭り
- 天気輪の柱
- よろこび
- 北十字
- プリシオン海岸
- 幻想の歴史
- 極楽のハープ
- ジョバンニの透明な哀しみ
- 一番のさいわい
- 別離のテーマ
- 走る
- 45分
- 鎮魂歌
- エンド・テーマ「銀河鉄道の夜」
曲のリストは上記のようになっています。
20曲と曲数は多いですけど、トータル53分です。
聴いた感想
細野晴臣さんの『銀河鉄道の夜』オリジナル・サウンドトラックを聴いた感想です。
これから書くことは、あくまでも私の感想です。
絶対的な評価ではないことをご了承ください。
見当違いなことを書いていたり、認識に誤りがあったりしたら申し訳ありません。
感想は「素晴らしい」の一言です。
先ほども書いたように、本作はエレクトロニカに分類されるのでしょう。
私は基本的にアナログ音楽が好きで、エレクトロニカはあまり聴かない方だと思います。
と言ってもエニグマやホルガー・シューカイなどは好んで聴きますから、電子音楽を毛嫌いしている訳ではなく、感覚が合うものであれば喜んで聴きます。
細野さんで言えば、例えばYMO時代の作品はそれほど好きではなくあまり聴いてこなかったですけど、本作は大好きです。
『銀河鉄道の夜』という物語は全体的に暗いです。
人の生と死を扱う話でもありますし、ジョバンニの家庭環境を考えても、特に序盤はポジティブにはなり様がないです。
学校では、北方へ漁に出たきり帰ってこない父のことで、ザネリ等の友だちからからかわれ、疎外感を受ける。
カンパネルラを始めとする友だちと仲良くなりたいのだけれど、学校などのしがらみから解放されて一人になりたい気持ちもある。
家に帰れば病床に伏す母がいて、家族のために放課後に活版所などでアルバイトの仕事もしています。
母を大事に思ってはいるけれど、やはり他の同年代の子と同じように遊びたい=解放されたい気持ちもある。
そんなジョバンニは、ケンタウル祭の夜、丘の上でとうとう現実を放棄してしまいます。
そんな彼の前に現れたのが銀河鉄道です。
ジョバンニは現実に存在しながら第四次の存在にもなってしまったのです、たぶん。
それは特別なことで、だから銀河鉄道に乗れたし、車掌さんや他の乗客も驚くような切符をいつの間にか手に入れていたし、カンパネルラとも会うことができた。
様々な人との出会いと別れを経験することで、ジョバンニは「本当の幸い」とは何かに気が付き、現実世界に戻っていったのでした……。
私の解釈ではそういうことですね。
正しいかはわかりません。
そんなジョバンニの心の揺れる感じだったり、切なく悲しい感じだったり、美しい銀河の情景だったりを、細野さんは完璧に表現されています。
いや、完璧をも上回るレベルでしょうか。
『銀河鉄道の夜』のアニメ映画のために生まれてきた曲だと思えます。
おわりに
ということで、ブックオフで細野晴臣さんの『銀河鉄道の夜』オリジナル・サウンドトラックを購入して、聴いた感想を書いた記事でした。
これから映画を観ます。
長編アニメ映画「銀河鉄道の夜」オリジナル・サウンド・トラック盤 銀河鉄道の夜
- アーティスト: 細野晴臣
- 出版社/メーカー: インペリアルレコード
- 発売日: 2018/07/09
- メディア: MP3 ダウンロード
- この商品を含むブログを見る