ディスディスブログ

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鈴愛が仕事も子供も放り出すほどにユーコの死はショックだったようですが私には違和感がありました - 朝ドラ『半分、青い。』154話の感想

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NHK連続テレビ小説『半分、青い。』、2018年9月27日放送の154話は、ユーコが亡くなった後、でした。

以下、最新話のネタバレ要素がありますので、バレても構わない方のみ下方スクロールをお願いします。

 

目次

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『半分、青い。』最終週「幸せになりたい!」

www.nhk.or.jp

 

2018年9月24日月曜日から朝ドラ『半分、青い。』の第25週(最終週)「幸せになりたい!」の放送が始まりました。

物語の舞台は再び東京、時代は2011年(平成23年)11月。

本作のヒロインは「楡野鈴愛(にれの・すずめ、演:永野芽郁)」です。

鈴愛は小学3年生時、おたふく風邪が内耳に感染して急性発症する「ムンプス難聴」なる症状を起こして、左耳を失聴しました。

鈴愛は楡野家の長女。1971年(昭和46年)7月7日生まれ、アラフォーです。

森山涼次と結婚して「森山鈴愛」となり、「花野(かの)」と名付けた女の子を出産しています。

が、第18週で涼次と離婚して楡野姓へ戻り、一時は実家に戻っていましたが、25週現在再び東京へ行って、律と2人で「スパロウリズム」という会社を立ち上げています。

 

鈴愛の実家の楡野家は、岐阜県にある東美濃市、「東美濃(ひがしみの)」という架空の町の、「梟(ふくろう)商店街」という場所で「つくし食堂」を経営しています。

鈴愛の母が「楡野晴(にれの・はる、演:松雪泰子)」、父が「楡野宇太郎(にれの・うたろう、演:滝藤賢一)」、弟が年子の「楡野草太(にれの・そうた、演:上村海成)」です。

24週時点で、晴さんは「胃がん」を患っていて、胃の一部を切除する手術をしたものの、術後の5年生存率は50%と医師に宣告されています。

祖母「楡野廉子(にれの・れんこ、演:風吹ジュン)」は、1980年時点で既に他界していて、空の上から声(ナレーション)のみの出演に変わっています。

祖父「楡野仙吉(にれの・せんきち、演:中村雅俊)」も2008年に他界、享年88。

2008年時点で草太が新しい店長となって、「ふわとろカツ丼」を看板メニューに店を盛り返しています。

草太には「里子(さとこ、演:咲坂実杏)」という嫁がいて、「大地(だいち)」という息子もいます。

また、草太には「健人(けんと、演:小関裕太)」という弟子もいます。

健人は後述する麗子と結婚をしていて、つくし食堂2号店の「センキチカフェ」で働いています。

 

鈴愛と同じ日同じ病院で生まれた幼馴染みが「萩尾律(はぎお・りつ、演:佐藤健)」です。

律は一流企業の「菱松電機」に勤めていましたが、25週から鈴愛と一緒に「スパロウ・リズム」を起業しました。

律の家は写真店「萩尾写真館」を営んでいます。

父は「萩尾弥一(はぎお・やいち、演:谷原章介)」で、律の母が「萩尾和子(はぎお・わこ、演:原田知世)」です。

和子は21週の2008年に亡くなっています。

 

鈴愛と律の同い年には「ブッチャー」こと「西園寺龍之介(さいおんじ・りゅうのすけ、演:矢本悠馬)」と、「木田原菜生(きだはら・なお、演:奈緒)」がいます。

2人は結婚をしています。

 

ブッチャーの家、西園寺家は不動産屋を経営しているお金持ちの家です。

父が「西園寺満(さいおんじ・みつる、演:六角精児)」で、母が「西園寺富子(さいおんじ・とみこ、演:広岡由里子)」、姉が「西園寺麗子(さいおんじ・れいこ、演:山田真歩)」です。 

菜生の家は梟商店街の洋品店「おしゃれ木田原」です。

菜生の父は「木田原五郎(きだはら・ごろう、演:高木渉)」、母が「木田原幸子(きだはら・さちこ、演:池谷のぶえ)」です。

「岡田医院」の院長「岡田貴美香(おかだ・きみか、演:余貴美子)」も登場します。

 

2007年末、鈴愛と結婚をしていた「森山涼次(もりやま・りょうじ、演:間宮祥太朗)」は鈴愛に離婚を切り出し、離婚をしました。

涼次は、師匠でもある映画監督の「元住吉祥平(もとすみよし・しょうへい、演:工藤工)」等から、小説『恋花火』の脚本と監督を任されています。

2008年時点で涼次は監督として有名になりつつあり、2011年には鈴愛と和解しています。

 

鈴愛の漫画家時代の仲間、漫画家として有名になったボクテこと「藤堂誠(とうどう・まこと、演:志尊淳)」と漫画家を辞めて結婚をした「小宮裕子(こみや・ゆうこ、演:清野菜名)」とは現在も交流があります。

鈴愛の漫画の師匠「秋風羽織(あきかぜ・はおり、演:豊川悦司)」と、秋風の秘書「菱本若菜(ひしもと・わかな、演:井川遥)」も同様です。

 

ユーコが亡くなり塞ぎ込む

前回153話のラスト、ボクテから電話がかかってきて

ユーコが亡くなったことがわかりました。

 

154話では鈴愛は岐阜の実家に娘とともに帰省していて、

立ち直れずに塞ぎ込んでいました。

 

花野の世話は家の人たちに任せっきりの様子。

ていうか鈴愛が花野の世話をしている様子など、

劇中でほぼ見られなかったのでこれが平常運転ですけど。

 

ブッチャーや菜生に励まされ、

律の父・弥一さんや岡田医院の貴美香先制からも励まされ、

鈴愛はユーコに会いに行くことにしました。

仙台へ。

 

仙台の浅葱家では、ユーコの夫

「浅葱洋二(あさぎ・ようじ、演:山中崇)」が鈴愛を

迎え入れてくれました。

 

鈴愛が遺骨の前へ行くと洋二に

「抱いていいですか」

と聞きます。

 

了承を得ると、鈴愛は遺骨を抱きしめて泣くのでした……。

線香をあげるより、遺骨を前に拝むより先に抱きしめました。

 

北川悦吏子さんが言いたかったこと?

和子さんを亡くした後、悲しみを乗り越えている

そう鈴愛から指摘を受けた弥一さん。

 

悲しみを乗り越えた訳ではなくて、

悲しみと共に生きている

 

弥一さんはそう話していました。

 

忘れられんしいつだって涙が出る。

でも生きていれば時は進むし良い事もある。

 

死んでしまった人たちが居なくなった訳やない、

ここにおる

 

貴美香先生も同調しています。

 

「私らは生と死の狭間に生きてる、皆そうや」

「ほいで、やがて死ぬ」

「今は生きている、それだけ」

「生まれることも死ぬことも特別なことやないんやないかって」

「生まれることがめでたくて死ぬことが悲しいってのは、

乱暴なことな気さえするんや」

 

という貴美香先生の言葉でした。

 

これはもちろん脚本家の「北川悦吏子」さんの言葉です。

貴美香先生に言わせただけで。

 

このドラマで、終盤に震災や津波のことを扱ったこと、

あえてユーコを死なせる選択をしたことは、

北川さんがこれが言いたかったからではないかと思いました。

 

以前の恵子の独白もそうかもしれません。

「加藤恵子(かとう・けいこ、演:小西真奈美)」ですね。

 

人生どう生きるか」ということが本作のテーマ

そういうことかなと思いますが、

もしそうであるなら、もっと前、せめてあと1,2週間は前に、

震災やユーコの死を扱って欲しかったです。

 

そうすればもっと丁寧に震災や人の生き死について語れたのでは

と思いました。

このことはこんな駆け足で扱うような問題ではないです。

 

最後の最後に詰め込むように扱うくらいなら、

そもそも震災を扱わなければよかったし、

ユーコを死なせなければ良かったのにと。

 

ブッチャーがまじブッチャー

先ほど書いた、ブッチャーと菜生が「つくし食堂」を訪れたとき、

ブッチャーは菜生から鈴愛を笑わせるように急かされると、

 

ブッチャーはテーブルに置かれたコショウを手に取り、

 

「鈴愛、これコショウやと思っとるやろ?」

「実は、砂や」

「嘘や」

 

というネタを披露していました。

しょうもないですけど、鈴愛は笑っていましたね。

涙を流しながら。

 

40年

「あいつを待つ」

「もう40年あいつを待ってた」

「……いや……ってことに気づいたんです」

 

律は今回、鈴愛が復活することを待つと

「津曲雅彦(つまがり・まさひこ、演:有田哲平)」に

言っていました。

これも物語上大きな発言でしたね。

 

今回の鈴愛にも違和感がある

それと、今回の鈴愛には違和感を覚えました。

「今回の鈴愛にも」かもしれません。 

 

これまで、廉子さんや仙吉さんが亡くなっても、

和子さんが亡くなっても、

鈴愛はここまで落ち込むことはありませんでした。

 

それなのに今回の鈴愛は、

かつて「逃げた奴に何がわかる!」と自分が言い捨てた

その相手が死んだことで、

仕事も子どもの世話を放り出すほどに落ち込む。

ここに違和感がありました。

 

そこまで思い入れのある人物には思えないのですね、ユーコが。

ユーコが鈴愛を好きだ好きだとはこれまで何度か言っていましたが、

ユーコが鈴愛を思うほどには、鈴愛がユーコを思っているとは

受け取れないのです。

これまでの物語を見ていて。

 

先日も、ボクテからユーコが見つからない旨のメールが届いたとき、

メールの最後に「秋風塾だよ」と書かれていたことに、

「何だよ秋風塾って」

と鈴愛は言っていました。

しかも事務的な、明らかに興味がなさそうな返信をしていましたね。

 

あのときの鈴愛は娘のイジメ問題で頭がいっぱいだったのでしょう。

今回あれほど塞ぎ込むほどの人の安否が不明なのに、

状況をわざわざメールで知らせてくれたボクテに対して、

何だよなどと言ってしまう。

ユーコはそのくらいの思い入れしかない人なのだ……

と私には思えたのです。

 

亡くなったことへのショックというより、

単に天災がショックなだけなのではないか、

そういうことも考えてしまいます。

 

娘のイジメが一段落ついたら、

ユーコのことで頭がいっぱいになり、

育児をほっぽらかすと……うーんこの。

 

おわりに

震災を扱った朝ドラというと『あまちゃん』を思い出します。

それ以来でしょうか、東日本大震災と津波を扱ったのは。 

もう記憶も薄くなっていますけど、『あまちゃん』では

親しい人たちは誰も死ななかったですよね、確か。

でも恐ろしさや悲しさは伝わってきましたし、

それでも生きていくんだという人間の力強さも

「天野アキ」たちからは伝わってきました。

 

翻って『半分、青い。』はどうかというと、

人を死なせることで、ヒロインが露骨に塞ぎ込むことで、

恵子や弥一、貴美香先生に生死を語らせることで、

視聴者に悲しみや恐怖や生死を伝えようとしています。

 

この違いは何かということを

今週に入ってからずっと考えています。

脚本や演出だけではない大きな「差」が

ここにはありそうなので。

 

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