2018年4月4日水曜日23:00より、Eテレにて『ふるカフェ系ハルさんの休日』の新シリーズの放送が始まりました。
2018年8月1日放送の2018年度シリーズ第17回(再放送を除けば第13回?)は「神奈川・横須賀~漁師小屋の人生劇場カフェ」でした。
目次
- ふるカフェ系 ハルさんの休日
- 神奈川・横須賀編のカフェは「かねよ食堂」さん
- 「かねよ食堂」の場所と営業時間・定休日
- 「かねよ食堂」は元漁師小屋
- 「かねよ食堂」のわかめの佃煮ピザ
- 糸切りカッターが欲しい
- おわりに
ふるカフェ系 ハルさんの休日
今、地方では過疎化が進み、何代も受け継がれてきた古民家が廃屋として次々と取り壊されつつある。そんな古民家を惜しみ次世代に残そうとする試みが、リフォームカフェ。
一歩足を踏み入れば、懐かしい空間が広がる古民家カフェは、女性や若者達に新鮮なおしゃれスポットとして大人気。京都、奈良の町屋カフェや下北沢の古民家喫茶など全国的にブームとなっている。そんな古民家カフェを舞台に、記憶から失われつつあるかつての町の姿と記憶をドラマ形式で甦らせていく番組。カフェを訪れる住民たちとの出会いを通して、全国各地の意外な歴史を明らかにしていく。
こちらは以前のシリーズのイントロダクションです。
ドラマの冒頭に「古い建物を活かしたレトロなカフェがあると聞けば、全国どこへでも訪ねる」という、俳優の「渡部豪太(わたべ・ごうた)」さんが演じる、本作の主人公「真田ハル(さなだ・はる)」のセリフが入っています。
台詞の通り、ハルさんは古くから営業を続けている純喫茶的な喫茶店ではなく、古民家など古い建物をリフォームしたカフェを対象にしています。
ハルさんは一部に熱狂的なファンを持つブロガーで、古カフェを取材する体で番組が進行します。
当番組は、カフェのオーナーさんがご本人で、お客さんも現地の方を起用しているため、渡部さんの他の出演者は演技の素人さんです。
基本的に台詞が棒読みですし演技も上手ではありません。渡部さんの演技もほぼ全編に渡って滑っています。
ただこれは渡部さんが滑っているというより、脚本や演出が滑っていると捉えた方が良いでしょう。
古カフェ好きかつ演技面が気にならない方であるならば、大いに楽しめる番組になっていると思います。
神奈川・横須賀編のカフェは「かねよ食堂」さん
2018年8月1日放送された『ふるカフェ系 ハルさんの休日』の神奈川・横須賀編で、ハルさんが足を運んだカフェは「かねよ食堂」さんです。
番組内では「築60年! 元漁師小屋カフェ」と紹介されていました。
漁師小屋といえば一般的には簡素な作りをしていますが……。
「かねよ食堂」の場所と営業時間・定休日
KANEYO BLOG | 【公式】かねよ食堂 -KANEYO ART STUDIO-
今回ハルさんが訪れたカフェ「かねよ食堂」さんのある場所は神奈川県横須賀市です。
かねよ食堂さんのWebサイトによると、住所は「神奈川県横須賀市走水1-6-4」とあります。
横須賀の読みは「よこすか」、走水は「はしりみず」。
最寄り駅は劇中では紹介されていませんでした。
自衛隊などの船が映っていたり「ヴェルニー公園」へ行っていたり、「どぶ板通り」でスカジャンを見たりしていました。
ヴェルニー公園やどぶ板は駅で言えば、JRの「横須賀駅」か京浜急行の「汐入駅(しおいり・えき)」でしょう。
しかし、横須賀からでは「かねよ食堂」さんのある走水まではまだ結構な距離があるはずです。
走水は浦賀や観音崎の近くですね。
どぶ板から走水にいきなり場面転換していたため、走水を知らない人は横須賀の近くにあると誤解を招きかねないと思われ、不親切だなと感じられました。
京急馬堀海岸下車、馬堀海岸駅バス停より観音崎行き(観24)、伊勢町下車。
伊勢町バス停より、路地を下り突き当たりまでお越し下さい。右手に見える桟橋方面が目印です。馬堀海岸よりバス5分、伊勢町バス停より徒歩3~5分。
JRをご利用のお客様
JR横須賀駅より京急バス観音崎行き(観24)をご利用ですと、伊勢町バス停まで約30分かかります。
「かねよ食堂」さんのWebサイトのACCESSページを拝見するとこのように書かれていました。
京急の「馬堀海岸駅(まほりかいがん・えき)」は汐入駅から4つか5つ、終点の浦賀駅寄りのはず。
お店はわかりにくい場所にあるみたいなのでご注意を。
営業時間は、火・水・木曜日が11:00-18:00で金・土・日曜日が11:00-22:00、定休日が月曜日とのこと。
予約は公式Webサイト上と電話でも受け付けているみたいです。
当日の予約は電話のみ、気をつけましょう。
放送後のお昼前後は特に混雑が予想されますので、来店前にお店と連絡を取っておくと良いかもしれないですね。
「かねよ食堂」は元漁師小屋
ハルさんが今回訪れた「かねよ食堂」さんの建物は、元漁師小屋の建物でした。
まず外観です。
見た目は小屋と聞くイメージとは異なり大きな建物です。
外壁の材質は、ハルさんが大好きな、そして私も大好きな「トタン(塗炭)」でした。
サビ(錆)も良い感じに出ていて、経年を感じさせます。
今回ハルさんは巻き尺を用意していて、トタン板の山と山の距離、山幅を計っていました。
計ったところ山幅が32mm (3.2cm) だったことから、「波板トタン」のうち「小波」だということです。
小波は簡易的な建物の屋根材や壁材として好まれるそう。
小波があるということは「大波」もあります。
大波は76mm (7.6cm) 。
ただしメーカーによって異なるとのこと。
内部はとても広く解放感があり、大きな曲線を描いたカウンターがあるなどして空間を贅沢に使っていました。
サーフショップ的な雰囲気が強いです。
漁師小屋というだけあって、頭上を見上げると天井は抜かれて屋根が丸見え、屋根の一部はヨシズ(葦簀)が使われ、昭和の「海の家」感もあります。
台風のときは大丈夫なの? と心配になりますけどどうなのでしょう?
柱や梁は補強が施されてあり、補強のための木材に古い板材を使っていました。
また、海に面した壁は全面ガラス窓で採光は最高、店外にはテラス席も多めに用意されていて、テラス席は既に砂浜(馬堀海岸の砂浜?)でその先にはもちろん海があります。
天気の良い日はテラス席で海を眺めながら……がイイですね。
遠浅の海岸のようで、潮干狩りをしている方々も劇中には見られました。
ガラス窓の一部はガラスではなく、農業用ビニールハウスなどに使われ加工しやすく耐久性に優れた素材である「ポリ塩化ビニルフィルム」を採用していました。
台風など強風対策かもしれません。
店主さんは、米兵のお父さんと日本人のお母さんの間に生まれたハーフの方です。
アメリカ人のお父さんはアメリカに帰国してお母さんとは離婚、お母さんが再婚した相手が漁師で、店主さんも漁師を継いで、16年前には漁師小屋をカフェにしたのだとか。
その後小屋の改築を重ねて建物の維持をしていると。
「かねよ食堂」の建物は、お母さんが漁師小屋を一部改装して開いていた海の家で、カフェの店名は当時の海の家から引き継いでいるみたいです。
「かねよ食堂」のわかめの佃煮ピザ
ハルさんは「かねよ食堂」さんで「わかめのピザ」を頼んでいました。
店主さんが(?)採ってきた「ワカメ」を佃煮にしてピザに乗せたものだそう。
「ワカメの佃煮ってピザに合うのかしらん?」
「ん〜!! 合うどころの騒ぎじゃない!」
「チーズの塩気と佃煮の甘さがお互いの個性を尊重するようにハーモニーを奏でている」
「最高だ……」
とハルさんは感想を述べていました。
糸切りカッターが欲しい
劇中に、ハルさんがスカジャンのお店をしている方と会話をするシーンがありました。
そのお店の方々が、亡くなられた初代が愛用していて、今は自分たちが受け継いで仕事に使っている「秘密兵器」があると教えてくれました。
それは糸を解く道具で、一見するとただの金属製の板です。
鉄製の定規の目盛りがないものみたいな見た目。
端の一辺が研がれて先がより薄くなっていて、そこを縫い合わせられた生地と生地の間に滑り込ませて糸を断ち切って解いていく道具でした。
「糸切りカッター」と表現していたでしょうか。
正体は昔あった「壁掛け時計」に使われていた「ゼンマイ」です。
それを取ってちょうど良い長さに切り、金槌で平らに伸ばした後に、研いで刃にしているものだそうです。
映像では縫い合わされた生地から糸を解いて行く様子を見られましたが、確かにとても早く糸を切って行けていました。
糸切りハサミが入らないところは、通常カッターを入れて糸を切るのですが、カッターは生地を簡単に切ってしまえるので、使うのがかなり怖いんですよね。
カッターはデニムのような厚手の生地でも簡単に切ってしまいます。
自分の服ならまだいいですけど、人様の服だと生地まで傷つけてしまわないかと心配で、怖すぎて手が震えます。
私はリメイクだったり裾直しだったりを昔はしていたので、これは良い道具だな、欲しいなと率直に思いました。
いや、今はもうリメイクも裾直しも全くと言っていいほどやっていないですが。
ああいう道具はとても格好良くて欲しくなります。
おわりに
トタンといいロケーションといい、私の好みに合致したカフェでした。
……が、お店の方々の陽キャ臭が私には無理かもしれないな、とも思いました。
実際のところ、一見の客に対してお店の方は踏み込んで来ないでしょうから、気にすることはないのですけれども。
そう言えばハルさんは今回飲み物を飲んでいないような。
リノベーションしたカフェ専門の『建物探訪』ですね、もはや。
初期の頃は「この店はフレンチプレスか」とかハルさんが言っていた気がするのですけど……。