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感情がぶつかり合う! 「まゆり」が言った「空のアークライト」の意味は何でしょうか? - アニメ『シュタインズゲートゼロ』16話「無限遠点のアルタイル」の感想

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毎週木曜日01:35(水曜深夜)より、TOKYO MXにてアニメ『シュタインズ・ゲート ゼロ』が放送されています。

2018年8月2日の放送は第16話「無限遠点のアルタイル」でした。

以下、最新話のネタバレ要素がありますので、バレても構わない方のみ下方スクロールをお願いします。

 

目次

 

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アニメ『シュタインズ・ゲート ゼロ』

TVアニメ「シュタインズ・ゲート ゼロ」公式サイト

 

アニメ『シュタインズ・ゲート ゼロ』、2018年8月2日の放送は第16話「無限遠点のアルタイル」でした。

 

16話「無限遠点のアルタイル」

前々回14話で、「橋田至(はしだ・いたる)」と、彼の未来の娘「阿万音鈴羽(あまね・すずは)」が、ヴィクトル・コンドリア大学脳科学研究所所属研究員で、人工知能AI「アマデウス」の開発者の一人である「比屋定真帆(ひやじょう・まほ)」を、「未来ガジェット研究所」にスカウトしていました。

本作主人公の「岡部倫太郎(おかべ・りんたろう)」には内緒で。

 

なぜタイムリープマシンが必要なのか?

スカウトの理由は「電話レンジ(仮)」、それとタイムリープマシンを完成させるためです。

 

なぜ橋田たちにタイムリープマシンが必要なのか?

その理由を橋田は、タイムリープマシンの存在が岡部にバレたときに、彼に話していました。

鈴羽が2036年の未来から乗ってきたタイムマシンは、残り燃料がわずかとなっていて、飛べるのは1年前までとなっています。

「牧瀬紅莉栖(まきせ・くりす)」が死んだ日、世界線の大分岐点から前には飛べなくなってしまいます。

 

だから、失敗したときにやり直せるように、タイムリープマシンが必要でした。

 

最初は橋田だけで作ろうとしたのですが、やはり作れずに真帆を頼ったということ。

亡きヒロイン牧瀬紅莉栖が成功させたタイムリープマシンを作れるのは、(知能や知識レベル的に)同じ研究所の人間しかいない、その中で連絡できスカウトでき得るのは真帆しかいない、ということですか。

 

岡部が怒る

「電話レンジ(仮)」とタイムリープマシンを作ろうとしていることを知った岡部は猛反発します。

Dメールを使って時間を操作し過去を改変することで何が引き起こされたのか。

過去を変えるということは人の命を奪うことにすらなる。

過去を改変して紅莉栖を助ける道(α世界戦)を選べば、何度やってもどうあがいても「椎名まゆり(しいな・まゆり)」が死ぬことは避けられない。

タイムリープマシンを完成させるということは過去を変えることになる、紅莉栖の犠牲の上で成り立っているこの世界線を捨ててα世界線へと行くということ。

そしてそれは「まゆり」を殺すということ。

君は人殺しになるつもりかと、岡部は真帆を責めるように問い詰めます。

 

ダルが殴る

そんな岡部を橋田は殴りました。

そして……

 

「謝れ! 今すぐ真帆たんに謝れ!!」

 

……と怒鳴るように言います。

 

橋田は何があっても暴力はしない人というイメージがあったので個人的に大いに驚きました。

 

「岡部の言うことはわかるよ」

「どれだけ苦しんだなんて僕には想像しかできない(リーディングシュタイナーがないから)」

「けどさ、だからって他の人の思いを踏みにじっていいいことにはならないだろう!」

「鈴羽は第三次世界大戦を防ぐためにここに来てる」

「真帆たんだって亡くなった牧瀬氏の想いを受けてタイムリープマシンを作ろうとしてる」

「誰も興味本位や遊びじゃない!」

「まゆ氏だってそうだ。あの日からどれだけオカリンに気を遣って……(泣)」

 

ダルは途中から泣きながら怒鳴っていました。

 

いや、橋田の言うとおりなんですよね。

自分だけが苦しんでいる訳じゃないのに、自分だけが悲劇のヒーローかのように思っている、そういう節はゼロ世界の岡部にはあります。

鈴羽は第三次世界大戦で母親「阿万音由季(あまね・ゆき)」を含む多くの人の死を目の当たりにしています。

ダルだって自分の娘が決死の覚悟で過去へ向かっていることを知っていて、それを知りつつ娘のやろうとしていることを全力でサポートしています。

鈴羽だって強引に事を進めようとはしていない、極端に言えば岡部を脅してででも過去へ連れて行くことだってできるのに、岡部が立ち直るのをギリギリまで待っています。

「まゆり」も常に岡部のことを気にかけて寄り添っている。

皆が岡部が苦しんでいることをわかっているから、気を遣っているからこそ強く言わなかったのですよね。

 

いや岡部の言っていることは正しいのです。

正しいからということもあったのでしょう。

 

これまで皆が目を逸らしてきたことを、逸したままではいけない状況になってきた、正面から向き合わなければならない状況になってきた、そうとも言えます。

 

真帆はそれでも進む

真帆はDメールを作ることはせず、タイムリープマシンのみを作ろうとしているみたいです。

岡部と真帆は改めてラボの入ったビル屋上で話を進めます。

 

真帆は作ることを止めるつもりはない。

 

事象は収束する、神の手に操られるように、それを変えようとすることは神に挑むこと、人の傲慢を神は許さない。

そう断言する岡部に対して、真帆はこう言います。

全ては神の手による運命によって決まるなら、私たちは生きている意味はない。

努力する意味も選択する意味もない。

 

全てとは言っていない、そういう事象もあるのだと反論する岡部に、真帆はこう問いました。

 

「なら教えて。自然の摂理によって変えられないものと、変えられるものの違いを」

 

答えられない岡部。

 

世界の摂理は数式、世界を構築している数式にすぎない、解が導けない道理がない。

人が意志を持ち知恵を使い選択し行動する、それが世界を作っていく。

決して簡単なことではないけれど、その目的と結果を丹念に調べていけば、そこに解はきっとある。

 

シュタインズゲート。

「まゆり」が死なず紅莉栖が死なず、第三次世界大戦も起きない世界線。

それは真帆にとっては数式で、一つの解を求めることに他ならない。

この世界は無限の可能性に満ちている、その中にはきっとある。

回も何回も、何千回も何万回も何億回も挑戦して、シュタインズゲートという解を探す。

紅莉栖と岡部がそうしたように。

 

岡部は、それでも受け入れられませんでした。

心があると。

わかっていても心はすり減っていく。

何度となく失敗をする気持ちがわかるかと。

 

(岡部)これは数式とは違う。

(真帆)結局のところは数式。

 

このときは平行線を歩んでいました。

しかし真帆は気づいたようです。

岡部が揺らぎつつあることを、挑戦を諦めることを止めることを選ぶことを。

 

まゆりが知ってしまった

実はラボでの岡部と橋田と真帆のやり取りを、「まゆり」はラボの玄関先の通路から聞いてしまいました。

知ってしまったのですね。

今、自分が生きているのは、紅莉栖が犠牲の上に成り立っていることを。

岡部が苦しんでいるのは、自分のことでもあるのだと。

自分を助けるために紅莉栖の死を選んだことを。

 

公園で一人でいた「まゆり」を岡部が見つけて2人で話しています。

そこで「まゆり」は涙を流しながら打ち明けました。

 

「まゆしぃ、間違っていたのかな」

「オカリンを送り出すべきだったのかな」

「オカリン、本当は牧瀬さんのこと、助けに……」

「まゆしぃのこと助けるために全部諦めて……」

「それでオカリン、ラボにも来なくなって……」

「いっつもいっつも苦しそうで……」

 

「まゆり」の肩を掴んで、考えるな、考えなくていい。

ここが正常なんだ、今この時間が正常なんだ、ここを壊すようなことは絶対にしないと言う岡部。

しかし。

 

「だったら!」

「だったら、どうしてそんな苦しそうな顔をするの?」

「あの日からずっとずっとオカリン苦しそうだよ?」

 

ベガは空のアークライト

2人の頭上には天の川が広がっていました。

それを見ながら「まゆり」は織姫ベガという星だと言います。

 

「けどね、海外ではこう呼ばれているの」

空のアークライト

 

16話はここで終わっていたかと思います。

 

空のアークライト、この「まゆり」の言葉の指す意味は何でしょう?

アークライトは「アーク灯」のことですよね。

 

空気中でのアーク放電による発光を利用した照明のこと。 電極に炭素棒を用いて空気中で放電させる。弧光灯とも。

(略)

主な発光体は高温となった炭素棒。放電により加熱され、白熱し強い光を発する。

 

- 放電灯 - Wikipedia

放電灯のWikipediaにはこのように書かれています。

この言葉が示す意味とは……?

 

実はAパートで、

「まゆり」は「漆原るか(うるしばら・るか)」と2人で歩いていました。

相合い傘をして。

Aパートというと自分の生が紅莉栖の死の犠牲の上に成り立っていることをまだ知らずにいる段階です。

 

 

そこで「まゆり」は七夕のお願い事の内容を話していました。

 

「織姫様になれますように」

 

と、子どもの頃からずっと同じ願い事を書いているようです。

 

岡部さんの織姫様になれるよ、きっとと言う「るか」。

(このときの「るか」の表情が切なかった。自分もなりたいけど叶わないから)

 頬を赤らめる「まゆり」。

しかし「まゆり」は違うよと言いました。

 

「オカリンの心の中にいるのはまゆしぃじゃないの」

「オカリンの織姫様はもう輝くことは……ないんだ」

 

「まゆり」は全てわかっているのですね。

この言葉で「るか」もまたわかったはず。

 

つまり、先ほど書いた「まゆり」の「空のアークライト」発言は、岡部は光の射す場所を目指せと、岡部の織姫(紅莉栖)を助けに行けと言っているのでしょうか。

 

おわりに

それぞれの立場で考えれば、誰も間違えていないというか誰も責められないというか。

α世界線では紅莉栖だけでなく鈴羽も自殺してしまう訳ですし、あちらに行くことで橋田だって辛い思いをするのですから、岡部の言いたいことはもっともです。

岡部たちが「まゆり」の死を再び目の当たりにすることも高確率であるでしょう。

でもだからと言ってβ世界線で辛い思いをしないかと言えばそんなことはなく。

やはり多くの人が大戦に巻き込まれて、あるいは「椎名かがり(しいな・かがり)」のように酷いことをされてしまう人が出ていますからね……。

その世界線の人がシュタインズゲート世界線を目指す、と思うことは間違えていないと思います。

辛い結果が待っていても、そこへたどり着ければ幸せが待っているのだとわかっていれば、そこへ向かおうとすることもまた摂理ではないかと。

 

リーディングシュタイナーを持っているが故の辛さがある。

けど持っていないが故の辛さだってあるのです。

今この世界線で生きている人の想いというものがある。

 

本文中に書いたように、目を逸らしてきたそれぞれのメンバーが、ようやく向き合うことになった、これは「鳳凰院凶真」復活の大きな一歩であることは間違いないでしょう。

感情がぶつかり合う良い回でした。

 

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