NHK連続テレビ小説『半分、青い。』、2018年7月13日放送の89話はプロポーズ回のその後でした。
以下、最新話のネタバレ要素がありますので、バレても構わない方のみ下方スクロールをお願いします。
目次
『半分、青い。』第15週「すがりたい!」
2018年7月2日月曜日から朝ドラ『半分、青い。』の第15週「すがりたい!」の放送が始まりました。
物語の舞台は東京、時代は1999年(平成11年)。
本作のヒロインは「楡野鈴愛(にれの・すずめ、演:永野芽郁)」です。
鈴愛は楡野家の長女。1971年(昭和46年)7月7日生まれの、第14週現在25歳と思われます。
鈴愛の実家の楡野家は、岐阜県にある東美濃市、東美濃(ひがしみの)という架空の町の、梟(ふくろう)商店街という場所で「つくし食堂」を経営しています。
鈴愛の母が「楡野晴(にれの・はる、演:松雪泰子)」、父が「楡野宇太郎(にれの・うたろう、演:滝藤賢一)」、弟が年子の「楡野草太(にれの・そうた、演:上村海成)」、祖父が「楡野仙吉(にれの・せんきち、演:中村雅俊)」です。
祖母「楡野廉子(にれの・れんこ、演:風吹ジュン)」は、1980年時点で既に他界していて、空の上から声(ナレーション)のみの出演に変わっています。
鈴愛と同じ日同じ病院で生まれた幼馴染みが「萩尾律(はぎお・りつ、演:佐藤健)」です。
律の母が「萩尾和子(はぎお・わこ、演:原田知世)」、父が「萩尾弥一(はぎお・やいち、演:谷原章介)」で、律の家は写真店「萩尾写真館」を営んでいます。
鈴愛と律の同い年には「ブッチャー」こと「西園寺龍之介(さいおんじ・りゅうのすけ、演:矢本悠馬)」と、「木田原菜生(きだはら・なお、演:奈緒)」がいます。
ブッチャーの家、西園寺家は不動産屋を経営しているお金持ちの家です。
父が「西園寺満(さいおんじ・みつる、演:六角精児)」で、母が「西園寺富子(さいおんじ・とみこ、演:広岡由里子)」、姉が「西園寺麗子(さいおんじ・れいこ、演:幸田雛子)」です。
菜生の家は梟商店街の洋品店「おしゃれ木田原」です。
菜生の父は「木田原五郎(きだはら・ごろう、演:高木渉)」、母が「木田原幸子(きだはら・さちこ、演:池谷のぶえ)」です。
「岡田医院」の院長「岡田貴美香(おかだ・きみか、演:余貴美子)」も登場します。
鈴愛が小学3年生時、おたふく風邪が内耳に感染して急性発症する「ムンプス難聴」なる症状を起こして、左耳を失聴しました。
1999年秋、第14週途中で鈴愛は漫画家を辞めていて、東京にある漫画スタジオ「オフィス・ティンカーベル」を出ています。
漫画家を辞めた鈴愛は東京某所にある古い風呂なしアパートに住み、100円均一ショップ「大納言(だいなごん)」でアルバイトをして生計を立てています。
かつてのアシスタント仲間の、漫画家として有名になったボクテこと「藤堂誠(とうどう・まこと、演:志尊淳)」と漫画家を辞めて結婚をした「小宮裕子(こみや・ゆうこ、演:清野菜名)」とは今でも交流があるようです。
鈴愛の漫画の師匠「秋風羽織(あきかぜ・はおり、演:豊川悦司)」と、秘書の「菱本若菜(ひしもと・わかな、演:井川遥)」は……?
大納言の雇われ店長は「田辺一郎(たなべ・いちろう、演:嶋田久作)」、オーナーは藤村三姉妹です。
三姉妹は次女「藤村光江(ふじむら・みつえ、演:キムラ緑子)」と三女「藤村麦(ふじむら・むぎ、演:麻生祐未9」と末っ子「藤村めあり(ふじむら・めあり、演:須藤理彩)」。
大納言は100均になる前はオーダーメイドの帽子屋で、光江は帽子教室「3月うさぎ」を開いていて、麦は野鳥オタク、めありは不明です。
三姉妹の甥が、「森山涼次(もりやま・りょうじ、演:間宮祥太朗)」、漫画家「鈴愛スズメ」の大ファンでもあります。
涼次が師事しているのが映画会社「クールフラット」の代表で映画監督の「元住吉祥平(もとすみよし・しょうへい、演:工藤工)」です。
結婚報告に晴と宇太郎の反応は?
前回88話で鈴愛がリョウちゃんこと涼次からプロポーズをされ、それを受け入れて結婚することになりました。
88話ラストでは、実家から鈴愛の携帯電話に電話がかかってきて、鈴愛が嫌々ながらも電話に出ます。
嫌々だった理由は、鈴愛は漫画家を辞めたことを未だ両親に話していないから。
祖父の仙吉さんには話していましたね。
電話は母・晴からで、鈴愛は漫画家を辞めたことと結婚をすることを報告していました。
晴さんは鈴愛の結婚を喜んでいて、漫画のことなど忘れてしまったかのようです。
が、晴が「結婚!!」と大きな声をあげたことで宇太郎にも内容がわかりました。
宇太郎は鈴愛の結婚に猛反対の様子。
祖父・仙吉さんは結婚を喜んでいました。
晴さんは鈴愛から結婚相手の男の人は「良い人」だとしか聞いていません。
しかし、もうすぐ30歳になろうとしている娘をもらってくれる男性がいてくれるだけでありがたいこと、御の字と思っています。
宇太郎は、悪い人と結婚するなどと言う奴はいないと至極もっともなことを言って、結婚詐欺に遭っているのではないかなどと不安がっています。
相手がどのような人間か、年齢、職業、年収、初婚かなど結婚相手の情報を何も知らずに大事な娘を嫁にはやれんということです。
結婚を認めるかどうかは会ったとき次第だと。
会ったら気が合っちゃうパターンですね、これは。
リョウちゃんの家庭の事情
後日、鈴愛は田辺店長と『大納言』で働いています。
鈴愛は運動会で繁盛していたときに、女性と逃げた店長を責めていて、店長も責められることをわかっていたのでしょう、鈴愛に貢物をしていました。
貢物は「ハムとクレソンの鍋の真空パック」だそう。
会話は鈴愛とリョウちゃんの結婚の話になりました。
田辺店長は、リョウちゃんは3歳のときに両親を亡くしたこと、それ以来祖父母の家で育てられたこと、祖父母宅には亡くなった母親の妹たち(藤村三姉妹)がいたこと、店長も幼い頃のリョウちゃんを知っていたけど最後に会ったのは20年以上前のことで気づかなかったことなどを話していました。
これらは鈴愛に説明をする体で、視聴者に対して説明していましたね。
こういうことを台詞で言わせてはいけないかな、普段の会話のやり取りを見て視聴者がそれと察するようにした方が良いのではないかなと思います。
便乗結婚
晴さんと宇太郎が鈴愛の結婚のことで喧嘩をしているとき、仙吉さんの部屋(か仙吉さんがいた仏間)に弟・草太がやって来ました。
草太は仙吉に自分も結婚をすると告白しました。
鈴愛の結婚に便乗して、その勢いに乗って僕も結婚しようと思う。
草太なら晴さんも宇太郎も特に反対することはないでしょうから、便乗などしなくて良いのでは?
と思いますが、どうやら事情があるようで……。
それは、その女性が自分より10歳年上で、しかも「バツイチ子持ち」だから。
仙吉さんは10歳下だと勘違いしてしまい、草太から逆だと言われていましたね。
10歳下だと10代で、それは犯罪だと。
でも結婚は女性は16歳から大丈夫ですよね。
性的な交渉だけのために接触をするなら犯罪になるでしょうけど、真剣に付き合うイコール犯罪にはならないのではないかと思います。
ただなかなか難しいでしょうけど。
まぁ確かに、相手が10歳年上でバツイチで子持ちとなると、仙吉さんはまだしも両親はきっと驚くでしょうから、より衝撃的な鈴愛の結婚に両親の注意を引いてもらって、その隙に……という気持ちはわからなくはないです。
が、計算高い男で、ちょっとあれですね。
失楽園と瀬戸の花嫁と決戦は金曜日
先述した貢物の「ハムとクレソンの鍋の真空パック」は、映画『失楽園』による影響のようです。
小説も、かもしれません。
「その頃『失楽園』という不倫小説が流行りまして、中年のオヤジたちは自分より少し若い愛人を連れて、『シャトーほにゃらら』のワインとか『鴨とクレソンの鍋』をこぞって食べに行きました」
というナレーションが入っていました。
『失楽園』は「渡辺淳一」さんの小説で、1997年に単行本が出版され、同年に「役所広司」さんと「黒木瞳」さんの主演で映画化もされました。
私は小説は読んでいないですけど、映画は当時付き合っていた彼女さんと観に行きました。
あれは本当に○○○ているのかを彼女さんと話した記憶がありますね……実際のどうだったのでしょうか。
で、結局のところ店長はあの女性と何をしていたのでしょうか?
そのまま不倫デートをしていたという意味で良いのでしょうか?
仕事中に抜け出して?
ん〜、よくわからないですね。
不倫をするにしても休日や仕事が終わった後が普通と思いますので。
また、会話中に田辺店長が『瀬戸の花嫁』の曲名をあげていました。
リョウちゃんのことを家庭の事情など知らないで結婚をしても大丈夫なのかと聞いてきた田辺さんに、鈴愛が愛があるから大丈夫と答えたことを受けての発言です。
瀬戸内海の小島にある家に嫁ぐ女の人の決意を唄っている曲ですよね。
「小柳ルミ子」さんの4枚目のシングル、1972年リリース。
それと、その日は鈴愛が初めてリョウちゃんの家に行く日でした。
それを聞いて田辺店長が「決戦ですね!」と言った後、「少し気が多い 私なりに〜」と『決戦は金曜日』のサビ部分を鈴愛と歌い始めます。
「DREAMS COME TRUE」いわゆる「ドリカム」さんの、1992年にリリースされた11枚目のシングル曲。
フジテレビのドラマ『うれしたのし大好き〜Friday Night Live〜』の主題歌でしたか。
瀬戸の花嫁も決戦は金曜日も鈴愛にとっては古い曲で「田辺さん、古い」とツッコまれていました。
決戦は金曜日は瀬戸の花嫁より20年は新しいと反論していましたが……1999年からすれば1992年の曲は確かにちょっと古いですか。
2018年現在から見れば大した違いはなく感じられますけど。
鈴愛は田辺店長から、リョウちゃんが藤村三姉妹の甥であることを知りました。
正確には、鈴愛はまだ麦の他の藤村三姉妹のことを知りませんから、オーナーの甥であることを知った、ですか。
田辺さんがやりづらくなるからと黙って送り込んでいた、と後になって聞かされたようです。
鈴愛が元住吉にキレる
決戦の日、鈴愛はリョウちゃんの家に行きました。
お泊りセット持参でやる気満々です。
……が、リョウちゃんは同居していますね。
元住吉祥平と。
鈴愛はそのことを知らずにウキウキで家に言っていて、部屋の奥に祥平が椅子に座ってスタンバっているところを目の当たりにして、現実を知りました。
リョウちゃんはあの名作映画『追憶のかたつむり』を作った監督、元住吉祥平が家にいる状況は鈴愛にとっても嬉しいことに違いない、と考えていたようで……
……この人もやはりズレているのです。
鈴愛は、あくまでお客さんとして招かれているのですから、リョウちゃんと2人であれやこれやしたかったのにできなかった失望を隠して、リョウちゃんの(ごく近い将来の)妻としての態度を取るかというと……
……やはりこの人もズレていますから、そんなことはしないのです。
鈴愛は、(元住吉が)変な名前だと暴言を吐いたり、コートを脱げと指摘されたことにもムキになってこれは洒落の代表「ロングカーディガン」だと反論したり、客なのに部屋が寒いから暖房入れてくれと要求したり、粉のコーヒー(インスタントコーヒー?)はちょっと(苦手)だと言ったり……
……しまいには同居している祥平とリョウちゃんに「2人はできてる。ゲイか?」などと暴言を吐いたりしていました。
相変わらず失礼極まりない言動を見せる人でした。
そういうデリケートなことを無遠慮に切り出す感覚は鈴愛らしいと言えばらしい。
自分が切羽詰まると、相手や周りがどう思うかなど一切考えずに発言をするところが。
粉のコーヒーとはコナコーヒーのことでしょうか??
おわりに
いや、鈴愛が落胆する気持ちはわかるんです。
やる気満々で彼の家に行ったら、知らない男がいた、しかも彼がその男と同居していたのですから。
それは驚くでしょうしガッカリするでしょう。
でも、本文中に書いたように、あの状況では鈴愛はあくまでお客さんなのですから、どういう経緯であれ初対面の祥平に対して、あのような態度は取ってはいけないですね。
祥平は何も悪いことはしてないですから。
リョウちゃんに対して怒るならまだわかります。
それでも祥平の前では大人しく客として振る舞い、祥平がいないところ、できれば後日2人きりのときにリョウちゃんを責めれば良いのではないでしょうか。
それが私にとっての「普通」です。
以前、鈴愛がリョウちゃんを好きになるきっかけになったポエムがありましたよね。
「僕は。」でしたっけ。
あれって祥平が書いたものではないでしょうか?
そんな気がします。
繊細なポエムをリョウちゃんが書くとはどうしても思えないです。