日本時間の2018年6月19日、サッカー日本代表が『FIFAワールドカップ2018ロシア』の、コロンビア代表とのグループステージ第1節を戦いました。
結果は皆さんご存知のとおり、日本が2-1で勝利しています。
目次
西野ジャパンのメンバー
『FIFAワールドカップ2018』ロシア大会に向けた、「西野朗(にしの・あきら)」監督が選出したサッカー日本代表のメンバーは以下のとおりです。
- GK「川島永嗣」「東口順昭」「中村航輔」
- DF「遠藤航 」「昌子源」「長友佑都」「酒井宏樹」「槙野智章」「酒井高徳」「吉田麻也」「植田直通」
- MF「本田圭佑」「柴崎岳」「原口元気」「香川真司」「宇佐美貴史」「乾貴士」「山口蛍」「長谷部誠」「大島僚太」
- FW「岡崎慎司」「武藤嘉紀」「大迫勇也」
以上の23名です。
「浅野拓磨」がサポートメンバーとしてチームに帯同していましたが、コロンビア戦後にチームを離脱し日本に帰国しています。
コロンビア戦の日本代表出場選手
日本代表はワールドカップ本戦のグループステージでは「グループH」に入っています。
ポーランドとセネガルとコロンビアが同組です。
日本は日本時間の2018年6月19日21:00からグループステージ第1節コロンビアとの試合を行いました。
-----------大迫-----------
乾--------香川-------原口
------柴崎----長谷部-----
長友--昌子--吉田-酒井宏
-----------川島-----------
フォーメーションは「4-2-3-1」です。
GKは川島選手(以下選手略)、DFは4バックで右から酒井宏樹、吉田、昌子、長友、MFはディフェンシブハーフ (DH) が長谷部と柴崎、右サイドハーフ (SH) が原口、トップ下が香川、左SHが乾貴士、FWは大迫。
ほぼ戦前の予想どおり、違いは左センターバック (CB) が槙野ではなく昌子だったことくらいでしょう。
交代は70分香川→本田、80分柴崎→山口、85分大迫→岡崎でした。
コロンビア代表の出場選手
対するコロンビア代表です。
GKがダビド・オスピナ、DFがオスカル・ムリージョ、サンティアゴ・アリアス、ホアン・モヒカ、ダビンソン・サンチェス、MFがカルロス・サンチェス、ファン・ギジェルモ・クアドラード、ジェフェルソン・レルマ、ファン・フェルナンド・キンテーロ、ホセ・イスキエルド、FWがラダメル・ファルカオです。
交代は31分クアドラド→バリオス、59分キンテロ→ハメス・ロドリゲス、ホセ・イスキエルド→バッカでした。
日本2 - 1コロンビア
試合は開始早々の3分、香川のシュートをカルロス・サンチェスがペナルティエリア無いで右手で防いだことでファウル、PK、サンチェスはレッドカードで一発退場となりました。
コロンビアは試合のほとんどを日本より1人少ない10人で戦うことに。
香川がPKを決めて日本が先制 (1-0) 。
39分、日本の左サイド、ペナルティエリアのギリギリ外からキンテロが直接フリーキックを決めて、コロンビアが同点に追いつきます (1-1) 。
73分、左コーナーキックを本田が蹴り、マークを受けたアリアスに勝利した大迫がヘッド、右ポストに当たったボールがゴールイン、日本が再び1点リードします (2-1) 。
最後、日本はわたわたしたものの体を張ってゴールを死守してスコア2-1でコロンビアに勝利しました。
アジア勢の南米勢への勝利はワールドカップ史上初の快挙だそうです。
グループHのもう人試合、ポーランドvs.セネガルは1-2でセネガルが勝利しました。
1節を終えて、日本とセネガルが勝ち点3で並び、警告数の差でしたか、それによって日本が首位に立っています。
マン・オブ・ザ・マッチは「半端ない」人
公式で選出されたマン・オブ・ザ・マッチは大迫だったようです。
これはもう異論はまず出ないでしょう。
1点目の香川のシュートを導いた、DFの競り合いに勝ちシュートを放っているのが大迫ですし、決勝ゴールを決めたのも彼、ハメスの決定機を身を投げだすように制したのも彼でした。
大迫 、ハンパないって!!フルバージョン - YouTube
攻守に大車輪の活躍、「大迫半端ないって!!」を体現しましたね。
日本vs.コロンビアの雑感
日本vs.コロンビアの雑感です。
感じたことを特に脈絡もなく書いていきます。
私はサッカー素人ですから見当違いのことを書いているかもしれません。
その時は申し訳ありません。
香川は消えていたか?
香川は先制点を決めましたが、それから後半途中に交代するまで試合から消えていたように、中継中は私は受け取っていました。
が、改めて試合を観てみると、香川の果たした役割はとても大きかったかなと考えを改めるようになりました。
この試合では、柴崎がパスをバシバシ通して、チームをオーガナイズしてくれました。
長谷部と山口は怖かったのでしょうか、なかなか縦パスを入れられなかったですが、柴崎は鋭い縦パスを何通していましたね。
柴崎をMOMに推す声もあるでしょう。
私は柴崎がパスを通せた理由が香川にあるように感じられます。
というのも、先制点を奪ったことと、ひとり少なくなったコロンビアのDHと、DFの間のポジションで、コロンビアにとって危険な動きを香川がしていました。
そんな香川に対して、コロンビアのペケルマン監督は、クアドラドを下げてバリオスを入れて彼の対処にあてていました。
その結果、香川はプレッシャーがきつくなりましたけど、右WGクアドラドがベンチに下がったことで日本の左フルバック (FB) 長友の守備への負担が軽くなり、彼が前へと出やすくなりました。
それによって左SHの乾もフォローを受けやすくなり動きが良くなり、結果として香川や大迫の動きもより生かされるようになり、柴崎のパスの出しどころが増えていった。
柴崎へのマークが緩くなった部分もあったでしょう。
そういう「風が吹けば桶屋が儲かる」的な効果を、一見すると消えているようにも見える香川がもたらしていた、と私は思います。
原口と長友と酒井宏樹
右SHの原口と、FBの2人、左の長友と右の酒井宏樹は、まさに日本代表の心臓となっていました。
試合を通してアップダウンを繰り返し、攻守に渡って日本を支えていたと思います。
特に守備時のプレイ強度は大変に高いものがあり、コロンビア相手に決して負けていませんでしたね。
3人とも賞賛に値するほど体力と勇気を持っていました。
ただ長友に関しては、失点シーンのファウルを与える前に、クリアをしっかりとしていれば、長谷部とファルカオが体をぶつけ合うこともなかったので、その点はマイナスでした。
長友はこれまでにもクリアミスをちょいちょいする印象があり(どの試合かは覚えていないです)、見逃されがちかもしれないですが彼の弱点のように感じられます。
乾も頑張っていましたね。
ただ前述の3人に比べるとインパクトは少なかったです。
惜しいシュートが数本ありましたし、ドリブルも悪くはないですが、警戒されていたのか潰されることが多かったです。
この試合の主審はなかなかファウルを取りませんでした。
ですから、乾が倒されてもそれが日本のマイボにはならなかったので、倒れた分だけ長友たちの負担が増えてしまい、パラグアイ戦ほど効果的なプレイではなかったです。
乾の日ではなかった感。
あえてボールを高く上げる?
今回、日本がしていたプレイで気になるものありました。
それが見出しに書いた「ボールを高く上げる」行為です。
日本が自陣深くでコロンビアからボールを奪ったとき、下手にボールをつなげたり、大きくクリアをしたりするのではなく、ボールを高く蹴り上げていたシーンが何度か見られました。
先ほど書いた長友のクリアもこれをしていたのかもしれません。
たぶんですけど、あれは「あえてボールを高く上げていた」のだと思います。
下手にボールをつなげるとハイプレスをかけられ、ボールを奪われショートカウンターを仕掛けられると即失点の危険がある。
また、大きく蹴り出してもセカンドボールを奪われて2次攻撃を受けると、ディフェンスラインがずるずる下がり、これまたとても危険です。
この2点を避けたいがために、あえてボールを高く蹴り上げることで、フィフティ・フィフティの状態を作っていた。
肉弾戦じゃ日本は不利じゃないの?と思われるかもしれませんけど、平面でのフィジカル勝負ではなく、あえて立体のフィジカル勝負を挑んでいたのではないでしょうか。
実はコロンビアの攻撃陣は身長があまり高くありません。
ファルカオが177cm、クアドラドが176cm、キンテロが168cm、ハメスが180cm、イスキエルドが171cm、バッカが179cm。
ヨーイドンで短距離走などをしたらクアドラドには負けるかもしれませんし、個人個人のスキルレベルでもやはり負けるかもしれませんけど、高さ勝負ならまだイケる。
そういうスカウティングがなされていたのではないでしょうか。
試合でもCBの吉田と昌子はファルカオに得点を許しませんでしたし、高さ勝負ではほとんど勝てていました。
西野ジャパンは、前回ブラジル大会で日本を指揮していた「アルベルト・ザッケローニ」監督時代のポゼッションサッカーに戻っている的な意見をメディアで見かけることがあります。
しかし、このボールを高く蹴り上げる空中戦に持ち込むことを意図的に行っているとすれば、それはザック・ジャパンというか当時の代表選手たちが目指したポゼッションサッカーとは同一ではないでしょう。
むしろ、「デュエル」の概念を日本に持ち込んだ「ヴァヒド・ハリルホジッチ」前監督のサッカーに近い、いわば「進化系デュエル」と捉えることができるかもしれません。
後半持ち直した修正力
前半、コロンビアが10人になってから、日本は攻めあぐね、むしろ押し込まれ続けてしまいました。
ハーフタイムを挟んだ後半に入ると、日本は息を吹き返したかのよう主導権を得ていました。
その理由は、先述したクアドラドが下がったこともあって両FBが高く位置を取れたことと、スペースへの走り込みを意識したことかな、と個人的には感じています。
原口がやや中に絞ることで右ハーフスペースを確保したことで、距離が近づいた香川が持ち直し、酒井の前のスペースが空いて攻め上がれるようになり、一気に右サイドが優勢になりました。
加えて、足元へのパスよりもスペースへのパスが増え、日本の運動量が増え、それに対処するためにコロンビアも走らなければならなかった。
そういうことが後半の中盤以降、コロンビアの足が止まった理由の一つになるかと。
西野さんと選手の修正力は見事でしたね。
川島は正GKに相応しいか?
私を含め、多くの人が疑問をいだいているのではないでしょうか。
川島は日本の正ゴールキーパーにふさわしいか?
私は以前から川島の問題に触れてきました。
ボールをつなげるサッカーを目指すならキックが得意ではない川島を使うのはどうか、守備範囲が狭いことでディフェンダー陣に余計な負担がかかっている、スイス戦など最近は軽率なプレイが多い。
そういう理由から彼を外して中村航輔を入れた方が良い、と。
コロンビア戦を終えて、その考えはより一層強まっています。
福西崇史さんでしたっけ、NHKの中継で解説者が言っていましたが、試合中に本来なら川島が前へ出てセーブすべきボールも、長友に処理を任せていましたね。
あのシーンに代表されるように守備範囲が非常に狭いです。
失点シーン、あれはそもそもファウルではないと思います、あのフリーキックも反応が鈍いです。
中村なら失点しなかったのではないかと思ってしまいます。
また、フリーキックに対して川島は両手でキャッチをしに行きました。
あれは両手ではなく片手を伸ばしていたらキャッチは無理でもシュートの起動をずらして枠外へ反らすことはできたのではないか。
つまり反応だけでなく対処の仕方も悪かったのではないかと思ってしまいます。
セネガル戦では試していただきたいですね、GKに中村を。
本田について
本田は70分に香川と交代で出場しました。
決勝点となった大迫のヘディングを導いたコーナーキックを蹴ったのが本田です。
決勝アシストをしたということ。
しかしその他は……どうでしたか?
トップ下ではプレッシャーに耐えられないのか、サイドに移動することが多かったですし、大きなパスミスが、3回だったでしょうか、ありました。
いずれも失点には結びつかなかったですけど、非常に危険なミスでした。
バッカにパスをしたかのようなものもありましたよね。
あれは、まさか本田はバッカが今も味方に見えたのでは?と思ってしまうほど。
(バッカとはACミラン時代にチームメイトでした)
私にとってはこれらのプレイは決勝アシストを帳消しにしています。
それとやはり運動量が少ないです。
後半途中出場だったにもかかわらず原口や大迫よりも少なく見えるほどでした。
当然、ドリブル突破も裏に抜ける動きも見られず(見落としがあるかも)。
今の彼には20分間の試合出場でも多いくらいかもしれません。
そう思えるくらいコンディションが悪いのか、○気が再発しているのか、衰えなのか。
本田をレギュラーとして起用するのはもはや無理でしょう。
途中投入するにしても状況次第では止めた方が良いです。
武藤などを入れた方が良さそう。
おわりに
ということで、ロシアワールドカップ、コロンビア戦の雑感でした。
本文中にも書いているように、私はサッカー素人ですから見当違いのことを書いているかもしれません。
次はセネガルですか。
いや速いですよね……ポーランドのGKがエリア外に出て処理しようとしたボールをかっさらって無人のゴールに流し込むなんてねぇ……。
ある意味コロンビアより厄介かもしれません。