一昨日2018年4月9日に、サッカー日本代表の「ヴァヒド・ハリルホジッチ」監督が解任されましたが、まだまだこの問題は収束する気配を見せません。
ハリルさんが日本に来てご自身の主張をしたいと言っているみたいなのです。
これを機会に、ハリルさんが何を考えて指揮をしていたのか聞いてみたいことを聞いて欲しいですし、話して欲しいです。
目次
田嶋会長のハリルホジッチ監督解任会見
2018年4月9日、日本サッカー協会の「田嶋幸三(たしま・こうぞう)」会長は、ヴァヒド・ハリルホジッチ日本代表監督を解任し、同協会技術委員長「西野朗(にしの・あきら)」氏を後任とする発表を行いました。
上記リンクが会見の全文(前後編)なので、興味のある方はご覧になってください。
私はハリルホジッチ監督の解任を推していた側の人間で、今回の解任そのものには大いに賛成しています。
しかし、解任の理由に選手とのコミュニケーションが挙げられていたり、後任が西野さんであったり、田嶋さんの会見での発言内容に具体性が欠けている部分が多々あったり、そういう点については色々と不満を感じています。
ハリルホジッチが来日会見?
ハリルホジッチさんが日本サッカー協会に対して訴訟の準備をしている、とセルビアのメディアなどが報じたことに対して、田嶋会長が誠意を持って対応すると答えたという内容です。
田嶋会長は7日(日本時間8日)にパリ市内のホテルでハリルホジッチ氏と面会し、契約解除を伝えた。その際、報酬支払いに関する事項も盛り込まれた契約書を渡そうとしたが、ヒートアップしたハリルホジッチ氏は受け取りを拒否。
このようにも書かれていて、契約解除が完全には済んでいないのに解任会見を行った可能性が出てきたことになるでしょうか。
また、上記の記事によれば、ハリルさんは今回の解任の件について、自ら来日して会見でしょうか、話をする意思があるようです。
来日して発言をする権利は彼にはあると思いますから、是非とも言える範囲のことは全て話していただきたいですね。
事の真相を知りたいです。
ネットの反応がどれも似ていて怖い
解任が発表されてからのメディアの報道やコラム、ネットでの意見を見ていると協会への批判や非難がとても多いです。
そういったメディアの意見に流されている一般の方々もまた多くみられます。
多くというかほとんどで、これは非常に怖い傾向にあるなと感じています。
意見が偏りすぎている感じがあるのです。
以前、東アジアカップ (E-1) 韓国戦でしたか、その試合中に「ラモス瑠偉」さんが理不尽とも乱暴とも思える精神論をかざして代表に非難を浴びせていました。
試合後のネットの反応を見ると、まるでラモスさんの分身が話しているかのように、彼に同調する意見ばかりが私の目に飛び込んできました。
私は、あの試合はハリル・ジャパンの弱点が表面化されたことで大変意義深く感じ、またロジカルに分析できるものだと捉えていました。
なぜなら韓国がロジカルに日本を攻略したから。
決して精神論や感情論で片付けてはいけない類の試合です。
私はそのときに特にマンマークのやり方に大いに疑問を覚え、またハリル・サッカーの限界を感じたのです。
私が気づくくらいですから、多くの方がハリル・ジャパンが持つマンマークの弱点に気がついたはずです。
マンマークのことについては以前書いた記事に書いています。
私はサッカー素人ですから見当違いなことを書いている可能性があります。
ハリルホジッチさんに聞いてみたいこと
来日するらしいハリルホジッチさんに是非聞いてみたいことがあります。
それはやはり「マンマーク」についてです。
ボールが相手に保持されている状況では、自チームの選手は「マンマーク」と「ゾーン」と「ゾーンの中でのマンマーク」の守り方の選択肢があろうかと思います。
その3種類ある守り方のうち、ハリルさんはどうして「日本代表にマンマークをさせたのか?」ということです。
ハリルさんほどの人がマンマークの他の守り方を知らないとは思えないですからね、さすがに。
マンマークは古典的な、あるいは原始的な守り方かと思いますけど、今も世界で使っているチームはおそらく探せばあると思います。
あるとは思うのですが、マンマークがそもそも日本人に合っているかという点で、私は絶対に合っていないと感じています。
それはやはりサイズの問題と、フィジカルなパワーとスピードの問題があるから。
以前の記事でも書いているのですが、日本人の体格は世界的に見て、それどころか東アジアで見ても小さい部類に入るでしょう。高さも厚みも。
中盤の底の選手は世界的に見れば軒並み低身長で、高身長の選手もおそらく「長谷部誠」選手(以下「選手」略)の180cmを少し超えるくらいしかありません。
日本の中盤の底にハイボールを蹴られて高さ勝負に持ちこまれたら、空中戦で勝てる可能性は低く、負ければそれだけで一気にバイタルまで迫られる危険がある、ということです。
しかしこれはマンマークであろうとなかろうと無関係な日本の弱点の一つなのですけれども。
個人の守備スキルでも、例えばセンターバックとして長年日本を支えてきた「吉田麻也」などは、高さでなら世界と戦えるレベルにあっても、前後に揺さぶられると、ステップ技術の問題もあって、弱さを見せることがあります。
似たような傾向は最近はあまり呼ばれなくなった「森重真人」にも見えましたし、あまり長い時間を観ていないのであれですが、もしかしたら「植田直通」や「昌子源」も吉田と似た傾向があるかもしれません。
先日のウクライナ戦では「酒井高徳」が、E-1中国戦では「山本脩斗」が、サイドをちんちんにやられてしまっていたことも記憶に新しいことかと思います。
個人の守備に関して、全盛期の「チアゴ・シウバ」や「セルヒオ・ラモス」のように、屈強な体躯を持ち、一人で守れてしまうような選手は日本には足りていない、またはいないと感じられます。
もちろん、ハリルさんが持ち込んだ「デュエル」の概念は、世界と戦う上で大事な要素だとは思いますが、日本にマンマークの守備は合わないと言わざるを得ないです。
小柄である一方、協調性とスタミナとアジリティに優れた日本人にはもっと合う守り方がある、と私には思えます。
それは上記リンクの当ブログ記事に書いたとおりです。
そして、こちらも致命的なことに、ハリルさんは、選手がマンマークを担当する選手に他のエリアへと釣り出されたときに、そのエリアを埋めるための術を持っていないことが過去の試合からわかっています。
チームとしてどのように動けば良いかのルールはほとんど決められていないで、同じ選手同士が継続してプレイすることで培われた連携を頼りにしているように私には見えるのですね。
マンマーク故の弱点を突かれたときの対処法を持っていないのに、どうしてマンマークを採用していたのか?
この大きな矛盾点を含めた、マンマークについて彼に聞いてみたいのです。
マンマークの問題も先ほどリンクを貼った過去記事に書いています。
おわりに
解任が確定されていない可能性がある中で、先のことは考えづらいとは思います。
しかし、私たちが今するべきことは悲嘆に暮れたり感情に任せて暴言を吐いたりするのではなく、過去の試合内容やハリルさんの発言内容から、ハリルさんがどういったサッカーをしようとしていたか・してきたかを分析して、次へ活かすことでしょう。
今それをしなければ、それこそ今多くの人が言っているようにこれまでの3年間を無駄にすることになってしまいます。
今回の経験を踏まえて改善していかなければならないのではないかと。
それは協会や監督、コーチ、専門家・評論家たちばかりでなく、私たち一般のファンも同じです。
私たちはもっと戦術的にサッカーを見る必要があるし、論理的に戦術を読み解くスキルを磨く必要があります。
それが将来的に日本のサッカーレベルの向上に繋がっていくと私は考えます。
暴力的な精神論や感情論に左右されることも少なくなるでしょう。
ハリルさんがもし来日して色々と話してくれるなら、突っ込んだところまで戦術の話をして欲しいですね。
契約の話しかしないでしょうけど。