NHK連続テレビ小説『わろてんか』、2018年3月17日放送の139話では伊能さんが再び失踪しそうです。
以下、最新話のネタバレ要素がありますので、バレても構わない方のみ下方スクロールをお願いします。
目次
『わろてんか』第24週「見果てぬ夢」
2018年3月12日月曜日から朝ドラ『わろてんか』は第24週「見果てぬ夢」の放送が始まっています。
『わろてんか』の時代設定は、23週の昭和14年(1939年)から半年経った同年秋です。
1939年時点で「日中戦争」が始まっていて、戦火は拡大の一途をたどっています。
日本においてもその影響は色濃く出てきていて、北村笑店や伊能の映画会社では、軍から国策に沿う内容の演芸と映画を製作するように要請を受けていました。
本作のヒロイン「北村てん(きたむら・てん、演:葵わかな)」は、17週に夫の「北村藤吉(きたむら・とうきち、演:松坂桃李)」を亡くし、以降「北村笑店(きたむら・しょうてん)」社長に就任しています。
籐吉との間にできた子ども「隼也(しゅんや)」は、アメリカのショービジネスに興味を持ち、通っていた大学を退学して渡米しました。帰国後は北村笑店で下働きをしていましたが第24週現在は大阪に居ません。
隼也は「加納つばき(かのう・つばき、演:水上京香)」と駆け落ちをする道を選んで、「てん」から勘当されています。
現在、隼也は神奈川県の川崎で(したっけ)の工場に勤めていて、「つばき」の間には「藤一郎」という名の子どもができました。
「てん」の従兄弟の「武井風太(たけい・ふうた、演:濱田岳)」が専務、「てん」の経理を手伝っていた「トキ(演:徳永えり)」は育児中心の生活から再び業務に戻っています。
「てん」のかつての見合い相手で、籐吉の親友でもあった「伊能栞(いのう・しおり、演:高橋一生)」は、トーキー映画を扱う映画会社から不動産、百貨店など手広く手掛ける「伊能商会」を経営しつつ、北村笑店の役員として「てん」を支えています。
「風鳥亭」の元席主「亀井庄助(かめい・しょうすけ、演:内場勝則)」は北村笑店の従業員のままのようです。
「万丈目吉蔵(まんじょうめ・きちぞう、演:藤井隆)」は、芸人を辞めて北村笑店文芸部の部長として、漫才のネタを書く作家業に専念していました。しかし、24話現在はお笑いの慰問団「わろてんか隊」のメンバーとして、妻の「万丈目歌子(まんじょうめ・うたこ、演:枝元萌)」との夫婦漫才を再開しています。
かつては「てん」のライバルだった「杉田楓(すぎた・かえで、演:岡本玲)」は、北村笑店文芸部に入ってネタの台本を書いています。
藤吉の芸人時代からの仲間で、しゃべくり万歳でお笑い界のトップに立っていた「キース(演:大野拓朗)」と「アサリ(演:前野朋哉)」はコンビを解消、キースは東京で新しいコンビを組み活躍し、アサリはピンの漫談家として活動していましたが、こちらも現在は「わろてんか隊」に入り、コンビ再々結成です。
「岩さん(がん・さん、演:岡大介)」は……?
「てん」のライバルとして籐吉のことを好きであり続けた「リリコ(演:広瀬アリス)」は映画俳優から女芸人に戻って、栞が連れてきた「川上四郎(かわかみ・しろう、演:松尾諭)」と「ミス・リリコ・アンド・シロー」として「しゃべらん漫才」のお笑いの新機軸を打ち立て、「北村笑店」の看板芸人になっていました。
一時は、芸人を辞めて上海へと旅立った2人でしたが、現在は再び日本に戻ってコンビを再結成し、「わろてんか隊」の一員として慰問活動をしています。
『お笑ひ忠臣蔵』が検閲保留に?
日中戦争が激化の一途をたどる中で、国や軍の娯楽への介入が増えています。
伊能栞で、彼の会社「伊能商会」の映像部門「伊能フィルム」が制作した映画が全て検閲アウトとなって公演中止を余儀なくされます。
その損害は映像部門だけでなく伊能商会そのものの経営を揺るがしかねないところまできてしまいました。
栞は責任を追求され、社長辞任へ追い込まれ自ら退職する形で社を出ていき、それでも尚映画を続けようと東京へ出て同志を募りましたが、それも叶わいません。
意気消沈して帰ってきた栞を救ったのは風太と「てん」で、栞に北村笑店の映画部に入ってもらい、笑いを日本中に届けるための映画作りを教えて欲しいと懇願し、栞はそれに応じる形で入社しました。
そうして作られた脚本は『お笑ひ忠臣蔵』です。
この『お笑ひ忠臣蔵』は、「忠義の話だと思わせておいて、わかる人にはわかる恋の話を入れ」ています。
当初、検閲にはかからずそのまま許可が下りれば制作へと移行するはずでした。
しかし、その「忠義の話だと思わせておいて、わかる人にはわかる恋の話を入れる」部分がタレコミによって、あるいは横槍によって検閲している内務省の担当者にバレてしまいます。
担当者は、引っかかる全ての箇所(20箇所以上でしたっけ?)が修正されない限り、検閲で許可が降りないと宣言、保留となりました。
『お笑ひ忠臣蔵』バレた理由
「忠義の話だと思わせておいて、わかる人にはわかる恋の話を入れる」ことがどうして内務省の検閲官にバレてしまったのか?
それは横槍が入ったからです。
誰から入ったのか?
それは「新世界キネマ」という東京の映画会社からと思われます。
まだ現段階で誰がとはっきり描写されていませんが、「てん」と栞は新世界キネマが犯人だと察しています。
138話でしたか、北村笑店の庭(?)で、アサリと歌子が「忠義の話だと思わせておいて、わかる人にはわかる恋の話を入れる」部分のネタバラシを話してしまっていて、それを通りから聞かれてしまったのです。
恋の話が入っているとわかった、おそらく「新世界キネマ」の人間が内務省に垂れ込んだということでしょう。
実は、138話で、伊能商会の伊能フィルムがその新世界キネマによって吸収合併された報がありました。
新世界キネマと伊能フィルムで国策映画を作ろうとしています。
また、「新世界キネマ」の人間が北村笑店を訪れ、栞に声をかけていました。
「あなたが関わる映画は日の目を見ることはありませんよ」
「自由主義的な発想を持つあなたは危険人物とみなされている」
そう言われたこともあり、栞は検閲保留になっている部分を直したとしても、自分が北村の人間である限り、認可されないだろうと感じています。
「社会風刺がけしからん、男女の劣情を催させる場面が宜しくない」
以前も、栞は伊能フィルムの映画がこのように指摘されていましたから、心象は良いはずがないですね。
「てん」も栞が誰かから話しかけられていたシーンを遠目から見ていて、そして検閲保留になった際も栞が影響していると察しつつも、誰にも何も言わずにいました。
しかし、検閲保留になっているのは自分が北村にいるせいだし、自分がいる限り検閲は通らない、と栞から言われています。
国策映画とは何か?
プロパガンダ映画(プロパガンダえいが、英語: propaganda film)は、プロパガンダ(政治的宣伝)を目的とした映画の総称であり、多くの場合、ドキュメンタリー映画に分類される。特に、観客に政治的な思想を植えつけることを目的とする。ノンフィクションであるとは限らず、娯楽作品も多く見受けられる。
プロパガンダ映画のWikipediaにはこのように書かれています。
ドラマで挙がっている「国策映画」とはこのプロパガンダ映画のことを指していると思われます。
政治的宣伝を目的に作られた映画のこと。
通天閣買収は売名行為?
「てん」たちは、通天閣が売りに出されていることを知り、大阪のシンボルを大阪の人間ではない誰かの手に渡すくらいなら、自分たちが買おうとなりました。
それが、139話では女太閤が金に物を言わせた「売名行為(ばいめいこうい)」ではないか、と新聞記事にされます。
以前、通天閣を買って北村の名前を轟かすとか何とか、風太は言っていたと思いますので、まさに売名行為なのですが、不思議と「てん」たちは記事に憤っています。
売名ですが何か?とでも言ってやれば良いのです。
通天閣を他から守る事実は事実ですからね、堂々としていれば宜しい。
また、新聞記事には下劣なる恋愛映画を売り出そうとしているとも書かれていました。
こちらも新世界キネマの仕業と思われます。
非難する新聞記事の影響を受けて、世間の北村笑店への風向きが変わりました。
風鳥亭に婦人の団体が抗議にやって来たり、寄席の客の入りも少なくなっていたり……ピンチ。
おわりに
栞は国外、行き先はアメリカと思います、へ発つと思います。
自分が北村から出ていかない限りは北村の映画に先はないと感じていて、その責任を取るつもりだと思います。
事前に「てん」たちにそのことを話せば引き止められるに決まっていますから、栞は黙って出ていくのではないかと予想しています。
邪魔立てをする「新世界キネマ」のモデルは松○竹さんですか?
さて、25週は「さらば北村笑店」です。
タイトルから察するに、おそらく南地の「風鳥亭」を取り壊すという話になるのでしょう。
そして、予告の映像では「てん」たちが「もんぺ」を履いていましたから、戦争がいよいよ悪化していき、物資が配給され始め、その配給もままならない生活になっているようです。
さらに「てん」と隼也の再会もあるみたいです……が、隼也が召集されたことが再会のきっかけになるのでしょうね。
ということを考えると、南地風鳥亭を取り壊す理由はやっぱり戦争かなと。