ディスディスブログ

気分変調症の男がテレビ番組の感想やカメラ、ファッションのことなどを書きます

ディスディスブログ

「蒲生茶廊zenzai」さんも「梅里」さんも薩摩藩ならではの半農藩士の武家屋敷の古カフェでした - Eテレ『ふるカフェ系ハルさんの休日SP「鹿児島・西郷どんのふるさとへ」』の感想

スポンサーリンク

2018年1月1日元日の22:00より、Eテレにて『ふるカフェ系ハルさんの休日SP「鹿児島・西郷どんのふるさとへ」』が放送されました。

2018年1月14日午後には再放送もありました。

ハルさんの休日は、毎週水曜日23:00-23:30にEテレで放送されていた番組で、2017年シーズンは2017年9月27日に放送された「東京・池上編」で最終回を迎えていました。

今回はスペシャルなので単発です。

 

 

目次

 

 

スポンサーリンク

 

ふるカフェ系 ハルさんの休日 

www4.nhk.or.jp

 

今、地方では過疎化が進み、何代も受け継がれてきた古民家が廃屋として次々と取り壊されつつある。そんな古民家を惜しみ次世代に残そうとする試みが、リフォームカフェ。
一歩足を踏み入れば、懐かしい空間が広がる古民家カフェは、女性や若者達に新鮮なおしゃれスポットとして大人気。京都、奈良の町屋カフェや下北沢の古民家喫茶など全国的にブームとなっている。そんな古民家カフェを舞台に、記憶から失われつつあるかつての町の姿と記憶をドラマ形式で甦らせていく番組。カフェを訪れる住民たちとの出会いを通して、全国各地の意外な歴史を明らかにしていく。

こちらは以前のシリーズのイントロダクションです。

ドラマの冒頭に「古い建物を活かしたレトロなカフェがあると聞けば、全国どこへでも訪ねる」という、俳優の「渡部豪太(わたべ・ごうた)」さんが演じる、本作の主人公「真田ハル(さなだ・はる)」のセリフが入っています。

台詞の通り、ハルさんは古くから営業を続けている純喫茶的な喫茶店ではなく、古民家など古い建物をリフォームしたカフェを対象にしています。ハルさんは一部に熱狂的なファンを持つブロガーで、古カフェを取材する体で番組が進行します。

当番組は、カフェのオーナーさんがご本人で、お客さんも現地の方を起用しているため、渡部さんの他の出演者は演技の素人さんです。基本的に台詞が棒読みですし演技も上手ではありません。渡部さんの演技もほぼ全編に渡って滑っています。

ただこれは渡部さんが滑っているというより、脚本や演出が滑っていると捉えた方が良いでしょう。古カフェ好きかつ演技面が気にならない方であるならば、大いに楽しめる番組になっていると思います。

今回のスペシャルは、2018年のNHK大河ドラマに「西郷隆盛(さいごう・たかもり)」を題材にした『西郷どん』が放送されることと、ハルさんを演じる渡部豪太さんが隆盛の弟「西郷吉二郎(さいごう・きちじろう)」を演じることもあって、鹿児島が舞台でした。

 

 

鹿児島・蒲生編のカフェは「蒲生茶廊zenzai」さん

kamouzenzai.com

 

蒲生茶廊zenzai - ホーム | Facebook

 

2018年1月1日放送された『ふるカフェ系 ハルさんの休日SP』の鹿児島編で、ハルさんが2店舗に足を運んでいました。

1店舗目のカフェは「蒲生茶廊zenzai」さんです。読みは「かもう・さろう・ぜんざい」で良いでしょうか。

番組内では「築150年 薩摩魂が宿る武家屋敷カフェ!」と紹介されていました。

zenzaiさんは鹿児島県姶良市蒲生町にあり、この一帯は薩摩藩の武家屋敷通りの名残がある町なのだそうです。確かに、武家屋敷通りには時間経過を感じさせる石垣がずらっと並んでいて、どこか重々しい雰囲気が漂っていました。

 

 

「蒲生茶廊zenzai」の場所と営業時間・定休日

今回ハルさんが訪れたカフェ「蒲生茶廊zenzai」さんのある場所は鹿児島県姶良市です。

Webサイトによると「鹿児島県姶良市蒲生町上久徳2425」とあります。読みは「かごしまけん・あいらし・かもうちょう・かみぎゅうどく」だそう。

最寄り駅はハルさんは「鹿児島市内を離れ、電車、そしてバスを乗り継いで、お目当ての姶良市蒲生町へ」とだけ言っていたのでわかりません。

Webで地図を見た限りですと、JR九州「日豊本線(にっぽうほんせん)」の「姶良駅」かもしれません。で、姶良駅からバスに乗って行くと。

 

姶良市バス 小川内〜漆〜米丸 門前 徒歩2分(160m)

いわさきバスネットワーク 川内〜鹿児島空港 役場前(蒲生) 徒歩3分(230m)

姶良市バス 小川内〜西浦 役場前 徒歩3分(230m)

- メニュー一覧 蒲生茶廊ZENZAI (ゼンザイ) 鹿児島市 - Retty

Rettyのページにはこのように書かれています。

また、zenzaiさんのサイトによると、店舗は「蒲生小学校の南側」にあるそうです。蒲生観光物流センターからは徒歩3分、蒲生八幡神社から徒歩10分ほどということで、その辺りが目印になりそうです。

「zenzai」さんは営業時間が11:00〜17:00 (LO16:30) 、定休日は日曜日と月曜日で、祝日の場合は営業し翌火曜日が振替休業とのことです。

放送直後は来店客が多くなるでしょうから注意をしたいところです。

特に混雑が予想される土曜日や日曜日のお昼前後に来店する場合は、事前にお店と連絡を取ることを考えた方が良いかもしれません。

Webサイトで予約を受け付けているみたいです。予約は5名から。

 

 

「蒲生zenzai」は武家屋敷の建物

ハルさんが今回訪れた「zenzai」さんの建物は築150年の、武家屋敷だった建物です。建てられた時期は「大政奉還」の頃だそう。日本史の授業で習いましたね。

雨戸に「雨戸返し(あまど・がえし)」という、桟の角に棒を立てて雨戸を簡単に切り替えせる、昔の鹿児島の武家屋敷には多く使われていた造りを採用していたり、屋敷の門から敷地内に「かえし」と呼ばれる外敵からの侵入を防ぐ・遅らせる防御壁があったりしました。

また、当時の薩摩藩は財政難で「半農半士」をしていた武士が多かったため、屋敷の床下が高く取られていて、床下にニワトリなどを飼っていたそうですし、庭には畑もありました。江戸の武家屋敷では見られなさそうなものです。

内部は襖などを取り払っているようで解放感がありました。でもいじっている感じもなく、私には適度なリフォームに思います。どうやら家主さんから借りている家屋ということで、大きくいじることは許可されなかったのでしょう。

席は、テーブル席と畳の上に机が置かれた座敷、それに縁側にも席を設けて庭に向かって座れるようにもなっています。縁側はずっとガラス戸があるため、外気に触れることなく自然の陽の光を浴びながらお茶を楽しむことができるようになっています。

内装は鴨居が低く、天板に竿縁を等間隔に貼った座敷に多く見られる「竿縁天井(さおぶち・てんじょう)」を使った和風建築の典型……かと思われましたが、どこか様子が異なりました。

ハルさんがその違和感に気がついています。違和感とは、竿縁が座敷にある床の間に向かって伸びていることです。本来は床の間に向かって竿が指されていることは、主人を刺す意味を持つため、あり得ないことのようです。ご法度。

ではどうして「zenzai」さんの座敷の天井は床の間に向かって竿が伸びているのか?

その理由は加治木島津家十三代目の方が教えてくださいました。何でも、主があるべき上座に向かって竿が刺すように伸びているこの様式は「床差し(とこざし)」と言って、いつ死んでも構わない、常に自分に刃を向けるいるのだという覚悟を表している、と聞いたことがあるとのことでした。

かっこよすぎです。主とは薩摩の武士ですね。

 

 

「蒲生茶廊zenzai」の「いちごのパフェ」

ハルさんは「zenzai」さんで「イチゴのパフェ」を頼んでいました。Webサイトのお品書きを拝見すると「いちごのトライフル」という品名のようです。

この「いちごのトライフル」は値段が860円、ミニサイズが520円です。

 

蒲生産のおいしいイチゴがとれる時期(冬~春)だけお出しするパフェ。
開店以来の当店定番スイーツです。
おいしい生クリームなどとの五重奏(トライフル)をお楽しみください。

「いちごのトライフル」の説明はこのように書かれていました。蒲生産のイチゴが採れる季節限定のパフェだそう。

ハルさんの感想は「んほ〜! アイスの甘さと果実の酸味がバッチグ〜」だそう。古い。イチゴは甘いと。

容器に白玉団子、つぶあん、玄米フレーク、抹茶シフォンケーキ、ホイップクリームを入れ、カットした蒲生産のイチゴをふんだんに投入、イチゴと抹茶のアイス、最後にイチゴを2個乗せると「いちごのトライフル」完成です。

お店の名前から想像できますが、「善哉(ぜんざい)」もメニューにありました。

「特製ぜんざい(温・玄米餅、冷・白玉)」が630円、「塩ぜんざい(温・玄米餅、冷・白玉)」が630円、「珈琲ぜんざい(温・冷とも白玉)」が630円です。生クリームやアイスをトッピングできます。塩は塩麹みたいですよ。

私はパフェも良いですけど、まずは善哉を食べてみたいです。美味しそう。

 

 

鹿児島・指宿編のカフェは「梅里」さん

古民家で昼ごはん梅里公式HP

古民家で昼ごはん 梅里 - ホーム | Facebook

 

『ふるカフェ系 ハルさんの休日SP』の鹿児島編の後篇のカフェは「梅里」さんです。読みは「ばいり」で良いでしょうか。

梅里さんは、番組内では「築○○年 ほにゃららカフェ!」という、いつもの紹介がありませんでした。

お店のWebサイトを拝見すると築103年と書かれています。築年数は2018年から数えてなのか、Webサイト立ち上げ時から数えてなのかは不明。

梅里さんは鹿児島県は薩摩半島の南端、指宿市(いぶすき・し)にあります。砂むし温泉目当てに毎年沢山の観光客が訪れる場所だそう。

地熱や湯量が豊富で、古くから温泉地として栄えてきた土地、年間を通して温暖な気候のため「東洋のハワイ」と呼ばれ、かつては新婚旅行の定番スポットだったとのことです。

梅里さんがある通りもzenzaiさんのあった武家屋敷通り的な趣きがありました。

 

 

「梅里」の場所と営業時間・定休日

ハルさんが2軒目訪れたカフェ「梅里」さんのある場所は先ほど書いたように鹿児島県の指宿市です。

Webサイトによると住所は「鹿児島県指宿市岩本2848-2」とあります。

最寄り駅は「指宿枕崎線薩摩今泉駅より徒歩5分」と書かれていました。Webで地図を見た限りですと、JR九州「指宿枕崎線(いぶすきまくらざきせん)」ですね。

 

鹿児島方面から指宿方面に向かって、道の駅「彩花菜館」を通過。
そのまま直進して約500m地点左側のガソリンスタンドを左折。
50m進むと駐車場があります。
10台ほど駐車できるスペースがございます。 

自動車で行く場合はこういう順路でどうぞ。海に近い場所にあるみたいです。

「梅里」さんは営業時間が11:00〜18:00(ランチのオーダーストップ14:00、カフェのオーダーストップ17:00)、定休日は毎週火曜日と第三水曜日とのことです。

放送直後は来店客が多くなるでしょうから注意をしたいところです。

特に混雑が予想される土曜日や日曜日のお昼前後に来店する場合は、事前にお店と連絡を取ることを考えた方が良いかもしれません。

予約は受け付けていないようです。

 

 

「梅里」も武家屋敷の建物

ハルさんが訪れた2軒目の古カフェ「梅里」さんの建物は築103年の、zenzaiさんと同様に武家屋敷だった建物です。指宿では初の古民家を改装したカフェをオープンしたお店と言っていました。

古民家は、寺院建築などにも使われている重厚感のある「入母屋造り(いりもや・づくり)」で、zenzaiさんのような「かえし」がなく、庭木も豊富で比較的柔らかい印象を持ちます。

また、こちらも「半農半士」だったのか、屋敷の床下が高く取られていました。店主の女性もよくわかっていないみたいでしたので、詳しいことは特に語られていませんでした。

お店の内部はzenzaiさんに似た趣きで、襖などを取り払っていて解放感がありました。でもいじっている感じもなく私的に適度なリフォームです。

席は、テーブル席はなく、板張りの床と畳の上に机が置かれた座敷席、それとzenzaiさんにもあった、縁側にも席を設けて庭に向かって座れるようにもなっていました。窓からは薄っすら「桜島(さくらじま)」も見ることができます。

年代物の家具や糸車、アンティークライトを使うなど、辺にアバンギャルドな方向へ行かず、雰囲気を保っている様子が窺えて好印象なお店でした。

内装はやはり鴨居が低く、「竿縁天井」、しかも竿縁天井が「床差し」の様式でした。床の間は撤去されています。やはり同じ薩摩藩ということなのでしょう。2軒とも全体的に様子が似ています。

ちなみに鴨居が低くされている理由は、敵に襲われたときに刀を振り上げにくくするため、という一つの説を取り上げていました。諸説あるようです。

zenzaiさんでは槍が飾ってあったので、振り下ろして斬るより遠くから突くことが優先的に考えられて出来ているのかもしれません。

 

 

「梅里」の「篤姫御膳」

ハルさんは「梅里」さんで「篤姫御膳」を頼んでいました。というかランチメニューはこの一品のみのようでした。Webサイトを見ると値段は1,200円。

内容は土鍋御飯に花籠、お味噌汁とのことですが、番組では味噌汁ではなくお吸い物でした。籠に料理が盛られた小鉢が6つほど乗っていて、今回は天ぷらに、つけ揚げ(さつま揚げ)、お造り、煮物、和物、サラダでした。仕入れによって内容が変わります。

一番の売りは土鍋のようで、席に土鍋が運ばれ店員さんが蓋を開けてくれていました。蓋を開ける前から湯気が穴から立ち上がっていましたが、2つの蓋を開けた瞬間に湯気がさらにぶわーっと湯気が上がって、それはまぁ美味しそうです。

土鍋ごはんのお米は鹿児島県伊佐市の農家直送「ひのひかり」を使っています。農家直送のお米を土鍋で炊く……これ、絶対美味しいやつでしょう。

「あまぁ〜い。炊きたてならではの、粒が立った食感。極み。素朴にして極みだ!」とは土鍋の「ひのひかり」を食べたハルさんの感想です。食べたい。

さつま揚げは「これまで食べたどのさつま揚げより、魚の旨味がギュッと詰まっている」と言っていました。薩摩ですものね。

 

オクラパウダー 100g - オクラ100本分まるごと

 

お吸い物には緑色の団子が入っていました。この緑色は「オクラ」だそうで、オクラのパウダーを練り込んだ団子でした。

指宿はオクラの生産量が日本一の土地です。生産量が多い反面、規格外などの理由から廃棄されるオクラも多く、オクラを無駄なく生かせないかと考えられたのが、パウダーにするアイデアです。

オクラパウダーなら食品ロスの軽減にもつながりそうですし、活用の幅も多そうですし、保存も効きそうですから良いですね。

 

 

映画『男はつらいよ 寅次郎真実一路』

今回のハルさんの休日を観ていて思い出した映画があります。1984年に公開された『男はつらいよ 寅次郎真実一路』という寅さんの映画です。

本作でマドンナ「ふじ子」を演じたのは「大原麗子(おおはら・れいこ)」さんで、作中にふじ子の夫が心労から失踪してしまい、寅さんはふじ子と2人で夫の故郷である薩摩半島へと向かうのですね。枕崎でしか。

寅さんはふじ子に惚れていて、でも夫捜しをしている以上は手を出すなどできない、でも一緒に居たい……そういう男心が観て取れる良作です。

そして、寅さんたちが訪れた鹿児島の風景もとても印象的でした。古き良き昭和の時代を色濃く残していて。

観て以来、桜島をこの目で見てみたいなと思っていたので、今回のハルさんの放送を観てその思いを新たにしました。

真実一路の大原麗子さん、可愛らしいんですよね。オススメです。

 

 

おわりに

私は九州へは2度行ったことがあります。長崎と大分。今回ハルさんが訪れていた鹿児島へはまだ行ったことがありません。

番組内で少しだけ映されていた、おそらく指宿枕崎線と思いますけど、あの鉄道の雰囲気が凄く好きでした。海岸沿いを走る、小田急線のような青い横線が1本入った白い鉄道が良かったです。のんびり乗ってみたい。

 

 

スポンサーリンク