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志乃がキースに言った「御為ごかし(おためごかし)」の意味とは何でしょうか? - 朝ドラ『わろてんか』82,83話の感想

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NHK連続テレビ小説『わろてんか』、2018年1月11日放送の83話は栞と志乃が急接近?回でした。

以下、最新話のネタバレ要素がありますので、バレても構わない方のみ下方スクロールをお願いします。

 

 

 

 

 

目次

 

 

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『わろてんか』第15週「泣いたらあかん」

www.nhk.or.jp

 

2018年1月8日月曜日から朝ドラ『わろてんか』は第15週「泣いたらあかん」の放送が始まっています。

『わろてんか』の時代設定は先週の大正10年(1921年)の秋から大正12年(1923年)8月末に移っています。

本作のヒロイン「藤岡てん(ふじおか・てん、演:葵わかな)」は、「北村藤吉(きたむら・とうきち、演:松坂桃李)」と結婚をして北村姓「北村てん」となり、「隼也(しゅんや)」という名前の男の子もいます。隼也は9歳くらい。

「てん」は大阪だけ寄席小屋「風鳥亭(ふうちょうてい)」を10店舗経営する「北村笑店(きたむら・しょうてん)」の御寮人さん(ごりょんさん、女将さん)として忙しい毎日を送っています。

それぞれの役職は藤吉が代表取締役兼総席主、「てん」が取締役経理、「武井風太(たけい・ふうた、演:濱田岳)」が大番頭(総支配人)、「トキ(演:徳永えり)」が「てん」の経理を手伝っています。

他、「亀井庄助(かめい・しょうすけ、演:内場勝則)」などの従業員と、藤吉の芸人時代からの仲間「キース(演:大野拓朗)」や「万丈目吉蔵(まんじょうめ・きちぞう、演:藤井隆)」、「岩さん(がん・さん、演:岡大介)」、「アサリ(演:前野朋哉)」を始めとする大勢の芸人を抱える会社へと成長を遂げています。

しかし14週のラストで芸人のうち、キースがアメリカへ旅立つと行って大阪を出て行ってしまい、急にコンビを解消させられたアサリは荒れています。2年で4人もの相方を首にしたようです。

9月1日になり関東大震災が発生、アメリカから日本に戻ってモノマネ芸人として活動していたキースは、東京・浅草で被災しました。彼は浅草の小料理屋の厄介になっていて、その女将さん「志乃(しの、演:銀粉蝶)」と一緒に大阪に避難してきました。

志乃は震災時に、息子の「へその緒」を取りに家の中に戻ってしまい、事故に遭ってしまいました。頭部を打ったらしく記憶を失くしています。

 

 

伊能と志乃は親子

81話終盤で、東京に送るために寄席を休業して事務所に救援物資を集めていた北村笑店を手伝っていた「伊能栞(いのう・しおり、演:高橋一生)」が、避難してきた志乃を認めると「あなたは……」とつぶやきました。

その後の栞の様子がおかしいことに籐吉も「てん」も気がついており、3人で話をしているときに籐吉から志乃のことを知っているのかなどと聞いていました。当初は人違いだと答えていた栞でしたが、とうとう志乃が自分の母親であることを白状しています。

元は向島の芸者で、父の妾として栞を産みました。栞が中学生の頃までは2人で一緒に暮らしていましたが、本家の腹違いの兄が体が弱くて、兄に何かあったときの保険として栞は伊能家に引き取られました。その際に志乃は栞の父から多額の手切れ金を得たらしいのです。栞曰く。

ですから、栞としては志乃のことが心配でもあり、かといって再会を素直に喜べもしない、複雑な心境であるようです。

 

 

伊能の売名行為と志乃の卵焼き

82話の終盤は、伊能が関東大震災の被災者に救援物資を送ろうとしているのは、自らの売名のためだと、ゴシップ紙の記者から栞の会社事務所に電話がかかってきていました。

記事はすぐに報じられて、籐吉も「てん」も、そして志乃も報道を知ることになります。

ある日、志乃がアポなしで栞の事務所を訪ねて、手作り弁当を栞に食べさせようとします。それまでにも、志乃は栞に手料理を食べさせようとしていましたが、栞に悉く拒絶されてしまっていて、それ以来彼のことが気になっていたようです。

栞としては先ほど書いたように複雑な心境ですから、心のどこかでは母の手料理を食べたい気持ちがあるはずですけど、食べられないのですね。

記憶を失っている志乃はそんな栞の反応が理解できません。でも心のどこかで彼のことが引っかかっているのか、気になるのです。

さすがに事務所まで来られて弁当を差し出されては食べない訳にもいかない栞、観念して初めに手を付けた母の料理は卵焼きでした。志乃の卵焼きは砂糖がたっぷり入っていると82話で言っていましたね。

しかし、そこへ売名行為の件で記者が大挙として事務所に乗り込んできました。騒ぎの中で志乃は誰かにぶつけられて床に転倒してしまいます。

 

 

志乃が東京に帰る?

志乃はキースの長屋へ運ばれ、「てん」が医者を呼んで診察をしてもらっていました。志乃は大事には至らなかったようですが、しばらく安静にしているように言われています。

安堵するキースと「てん」、ところがそのときの志乃の様子は転倒前とどこか違っていました。

看病をするキースがうたた寝をしている隙に、志乃は自分が持っているへその緒が入った木箱を見ると、栞の名前が書いてあります。伊能栞と同じ、栞。そう、志乃は転倒したときに記憶が戻っていました。

かつて自ら手放した我が子が成長して眼の前にいる。おそらく志乃は栞を手放してからもずっと彼に会いたかったはずです。でなければ震災で倒壊寸前であったろう、火災も起こっていたであろう家に戻って、息子のへその緒を取り戻そうなどとしないですから。へその緒が息子との唯一のつながりだったのでしょう。

一方で、栞が自分のことを快く思っていないと理解してもいて、あるいはそう思い込んでいるみたいで、いたたまれなくなったのか、志乃はいきなり北村笑店の事務所を訪れて東京へ帰ると言い始めました。

「止めとくれ。そんな『おためごかし』はたくさんだ」

と、自分のことを母ちゃんと呼ぶキースに言っています。それを聞いた「てん」は志乃の記憶が戻ったことに気が付きました。

 

 

「御為ごかし」とは?

志乃がキースに言った「おためごかし」とは、どういう意味でしょうか?

「おためごかし」は「御為ごかし/お為ごかし」と書くようです。

「御為ごかし」の意味は「あなたの為だと言って相手を信用させて、でも実は自分の利益のためにしている」というような意味ですね。

キースは震災のショックから芸をしなくなっています。かつての相方であるアサリのコンビ再結成の誘いも断っています。

キースが志乃のことを心配しているのは、志乃のためではなく自分が震災で心が弱ってしまっていて、志乃の看病などを言い訳にして現実と向き合うことから逃げているのだ、志乃のこのセリフはそういうことを言いたかったのではないでしょうか。

 

 

おわりに

今週で栞と志乃のことは終わるはずです。

『わろてんか』は基本的にはエピソードは翌週まで引きずらずにスッパリと終わる印象があるので。ていうかそんなに引っ張るエピソードでもない気もしますし。

ということは、土曜日にでも2人は和解することになるのでしょう。特に根拠はないですが一緒に暮らすことはないかなと思っています。

 

 

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