ディスディスブログ

気分変調症の男がテレビ番組の感想やカメラ、ファッションのことなどを書きます

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ドラマ『まかない荘2』6話で和田聰宏さん演じる三平太の「自分にガッカリするなぁ…」に共感できてしまいました

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毎週水曜23:00からtvk(テレビ神奈川)にて、ドラマ『まかない荘2』が放送されていて、6話「嫌われペータの一生」の内容が個人的にとても良かったように感じています。

 

 

目次

 

 

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ドラマ『まかない荘2』

www.nagoyatv.com

 

2017年11月22日の放送は6杯め(第6話)「嫌われペータの一生」でした。私はシーズン2の3話から観始めている新参者です。

 

美味しくて笑えてほっこりするホームドラマの第2弾です。
小学生からお爺ちゃんまで様々な年代の住人が共同生活する下宿、その物件の特徴は朝晩のまかない料理&義理と人情。
一癖も二癖もある住人たちのドタバタと、美味しい料理。
そこに深夜の女子会もプラスして、月曜の深夜に疲れた心を癒します。

(略)
秋の夜長にクスっと笑えて心も身体も温まる、そんな「いいドラマ」です。

イントロダクションからはこのように書かれています。

 

 

6杯め「嫌われペータの一生」

私はtvkで観ているのでメ~テレの本放送から数日遅れで観ています。先週の話で恐縮ですが、2017年11月22日に放送された6杯め「嫌われペータの一生」が個人的にとても好きで、もう数えられないくらい観ています。私の中では「神回」というやつです。

サブタイトルの「ペータ」というのは「まかない荘」の住人の一人「吉野三平太(よしの・さんぺいた、演:和田聰宏)」のことです。建築関係の会社に勤めている40歳のサラリーマンで、下宿では様々な知識をひけらかして周囲にウザがられています。そんな周囲の反応に無頓着に賑やかにしているペータですが、彼の行動の真意が6話で明らかになりました。

 

 

ペータのうざい言動の理由

今回、ペータは仕事でヘマをやらかして、人を交通事故に遭わせてしまいました。ペータは事故の直接の原因にはなっていないものの遠因にはなっていて、彼自身自責の念に駆られていますし、会社内でのペータへの風当たりも弱くはないようで会社からしばらく自宅待機するよう命ぜられてしまいました。

また、普段下宿で知識をひけらかしたり周りに心ない言葉を浴びせたりしていることも、ネットの受け売りだと同居人にバレたことで、陰口を叩かれていて、下宿でも居場所がなくなっていました。そんなある日、ペータは書き置きを残してどこかへ行ってしまいました。書き置きを残すところがペータらしいです。探して欲しいのですね。

ペータの行方を捜すため、住人たちはペータのTwitterアカウントを見つけ出してヒントを探ると、彼の書き込みには住人に知られないように、皆と盛り上がるためのネタ探しや、人生に悩む住人たちを元気づける方法などをフォロワーから聞いている様子をうかがい知ることができました。

そう、ペータが普段周りから疎まれることをしている理由は、実は彼なりに「まかない荘」の皆と仲良くやっていこう、盛り上げようとした結果だったのです。住人たちは、これはペータを捜し出して謝らなければいけないことがある、と感じます。陰口を叩いたり、疎ましさからときに(常に?)彼に対してキツめの言葉を浴びせていたメンバーもいましたから。

 

 

ペータの台詞に共感できてしまった

本作のヒロイン、「のんちゃん」こと「風間希(かざま・のぞみ、演:三吉彩花)」と、まかない荘の管理人「山中啓太(やまなか・けいた、演:古舘佑太郎)」がペータを見つけ出し、下宿に戻ろうと説得をします。

前にペータから自分に似ていると言われていた「のんちゃん」は、自分の両親が離婚をしていること、離婚前に自分のことで両親がよく喧嘩をしていたこと、そのため人の目を気にするようになったこと、それらの点がペータに似ているのか、似ているなら今のペータの気持ちをわかってあげられると聞くと、ようやくペータが自分のことを話し始めました。

 

「どうだろ、似てんのかな……。俺、子どもの頃から顔はそれなりにイケてるのね(ここも凄くペータっぽいです)。でもそれ以外は全部『そこそこ』。『そこそこ』のままもう40なんだよ」

「(啓太:『そこそこってそんなに悪いことじゃないと思いますけど』に対して)バカ! 40の『そこそこ』ってのはな、若い奴が言う『そこそこ』とは訳が違いからな?! お前らは『そこそこ』から成長して『まあまあ』とか『なかなか』とかになれるんだと思ってんだろ! 『そこそこ』が全部の一つと思ってんだろ!」

「でもおじさんはな、踏ん張って! 這いつくばって! 奥歯噛み締めて生きてきて! そんだけやっても『俺の居場所はここだろ』って! 限界ギリギリの『そこそこ』なんだよ!!」

「そんなこんなで最近よ、老いてく前に……もうちょっと人様のお役に立ちたいなって、馬鹿みたいだけど心底そう思うようになってきてさ……。あれこれ調べちゃったりして、結果、ウザイだ迷惑だって陰口叩かれて……挙句の事故でさぁ……」

「『欲を出すな! そこそこ野郎! そこに留まってろー!』って神様に言われた気がしたね……。(泣きながら)ああぁ、自分にガッカリするなぁ………『ありがとう』って言われたかっただけなasdfghjkl;:(嗚咽混じりで聞き取れず)」

と、このようにペータは言うのです。台詞そのものも良いですし、ペータを演じる和田聰宏さんの演技もとても良かったです。特に「自分にがっかりするなぁ」のところは悲哀がにじみ出ていて、観ていてこみ上げるものがありました。

のんちゃんはそんなペータに「話してくれてありがとうございます」と感謝を述べ、啓太は家で美味しい夕食を作って待っていますからねと温かい言葉をかけていました。ペータの苦しみを完全に理解するなんてことはできないから、せめて彼が勇気をもって告白してくれたことに感謝し、これまでと変わらず受け入れているのです。

 

このペータの台詞に私はとても共感できてしまったのですね……「できてしまった」のです。私も自分にがっかりしたことがあるから。子供の頃描いていた自分には到底たどり着いていない自分に気がついた瞬間、絶望して涙をしたことがありました……。

『交響詩篇エウレカセブン』というアニメがありました。その1期のEDに「秘密基地」という曲があります。その歌詞を見てみてください。私はある日、この曲を動画サイトで聴いて、そのことに気がついて聴きながら大泣きしました。そのときのことを今回思い出しました。

いや、そういう人生に対する後悔なんてもう何度も、何度もどころではないですね、毎日のようにしていますが。

「秘密基地」は「高田梢枝(たかだ・こずえ)」さんの曲です。高田さんは現在「こずえ」として活動をしていらっしゃるのでしょうか。高田梢枝さんは少年のようにも聞こえる不思議な声の持ち主です。

 

 

おわりに

その日の晩御飯はバイキングでした。あるいはビュッフェでした。「初森裕子(はつもり・ゆうこ、演:山田真歩)」も「南直人(みなみ・なおと、演:若林時英)」も、「山中麻奈(やまなか・まな、演:豊嶋花)」、「乗川和美(のりかわ・かずみ、演:高岡早紀)」、「栃原岳男(とちはら・たけお、演:渡辺哲)」も住人皆が集まって既にご飯を食べていて、一人で帰ってきたペータをそれまでと変わらずに扱ってくれたのです。それが何よりペータには嬉しかったことでしょう。

ペータはバイキングとビュッフェの違いを聞かれ、今までのように事前に覚えた知識を皆にひけらかすのではなく、皆の前でスマホを取り出し検索をかけて説明します。説明を聞いた麻奈ちゃんはペータの変化に(おそらく)気づきつつも、「教えてくれてありがとう」と笑顔でお礼を言ってくれるのです。

最後のワンカットのペータの笑顔はこれまでのどのシーンより優しく落ち着いた表情でした。救われる笑顔です。

 

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