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文鳥は「辛い」カレーが大好物でした。藤吉が好きな落語「時うどん」は私も好きです - 朝ドラ『わろてんか』41話の感想

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NHK連続テレビ小説『わろてんか』、2017年11月17日放送の41話は文鳥の「辛い」カレーと「時うどん」の話です。

以下、最新話のネタバレ要素がありますので、バレても構わない方のみ下方スクロールをお願いします。

 

 

 

 

 

目次

 

 

『わろてんか』第7週「風鳥亭、羽ばたく」

www.nhk.or.jp

 

2017年11月13日月曜日から朝ドラ『わろてんか』は第7週「風鳥亭、羽ばたく」の放送が始まっています。

『わろてんか』の時代設定は幼少期が明治35年(1902年)でしたから、第6週現在はそれから10年後、明治45年ほどでしょうか。

本作のヒロイン「藤岡てん(ふじおか・てん、演:葵わかな)」は17歳です。「てん」は幼少期に京都の「薬祭り」で出会った大阪の旅芸人一座の芸人「北村藤吉(きたむら・とうきち、演:松坂桃李)」と、藤吉の実家のある大阪は船場(せんば)の老舗米問屋「北村屋」へと駆け落ちしました。

しかし、「てん」は藤吉の母で店を切り盛りしている「ごりょんさん(御寮人さん)」こと「北村啄子(きたむら・つえこ、演:鈴木京香)」から嫁とは認めてもらえず、女中として北村屋で働くことになりました。

ライベル店に番頭を引き抜かれて店の経営が傾きかけたところへ、藤吉が多額の借金をこさえたことが決定打となり、北村屋は店を畳むことになります。藤吉と「てん」と「御寮人さん」の3人は藤吉の芸人仲間「キース(演:大野拓朗)」だったか「万丈目吉蔵(まんじょうめ・きちぞう、演:藤井隆)」だったか忘れましたが、彼らから売れない芸人が暮らす貧乏長屋を紹介され、そこに住まうことにしました。

藤吉は「てん」からの勧めで寄席小屋の経営に乗り出し、大阪・天神にある閉店している寄席小屋を見つけ、主の「亀井庄助(かめい・しょうすけ、演:内場勝則)」を説得して何とか譲り受けることになりました。

手に入れたと思われた寄席小屋は、元僧侶の太夫元「寺ギン(てら・ぎん、演:兵動大樹)」に横取りされそうでしたけど、儀兵衛から500円を借りて、寄席小屋を買い取る形で解決しています。

 

 

文鳥自身に出演交渉へ

前回40話で、「伊能栞(いのう・しおり、演:高橋一生)」から勧められ、藤吉は大阪お笑い界の大御所で伝統派の「喜楽亭文鳥(きらくてい・ぶんちょう、演:笹野高史)」師匠の元へ行き、噺家の出演交渉をしていました。

しかし、栞というか伊能製薬というツテを頼ってばかりで自分を持っていない藤吉に対して、文鳥はたしなけていました。寄席にはそれぞれ、その小屋の色がある。席主は何年も何十年もかけてその色を作るのが仕事、あんたのところの色は何だ? その色を作ってから来るのが筋だと文鳥は言っていました。

藤吉は「風鳥亭」に戻ると、キースや吉蔵、「岩さん(がん・さん、演:岡大介)」から「アサリ(演:前野朋哉)」が出ていって他の寄席へ出ていることを知ります。アサリはキースに首根っこを押さえられ「てん」の元に連れてこられましたが、謝ることはせず自分の生活のために必要なのだと主張します。この寄席はもう終わりやと。

出演する芸人がキースと吉蔵、岩さんだけでは寄席小屋は回って行きません。「てん」は意を決して、藤吉の許可を得ずにしばらく寄席小屋を休むことに決め、藤吉に文鳥師匠のところへもう一度行きましょうと進言します。

藤吉は文鳥師匠に師匠の弟子の落語家を出演することは既に断られているからと言うのですが、「てん」の狙いはそこにはなく、文鳥師匠その人に出演依頼をしようというのです。

弟子の出演でさえ断られているのに師匠が出てくれる訳がないと普通は思うところです。藤吉もそう思ったようですけど、「てん」はそうは思っていませんでした。

 

 

辛いカレーうどん

実は以前、伊能栞から文鳥が日本一辛いカレーだと言われて食べたら甘かった、つまり文鳥は大の甘党だったという話を聞いていた「てん」は、家で甘いカレーうどんを作り、それを文鳥のところへ届けたのです。

文鳥は藤吉と「てん」を家に通して、「てん」がこしらえた甘いカレーうどんを食べると、これは辛いカレーうどんだと言い、自分が大の甘党であることをよく知っていたねと感心するのです。

しかし先日、「風鳥亭」に自分のところの落語家を出演させることは断ったはずだ、という文鳥に対して、藤吉と「てん」は文鳥師匠本人に出演していただきたいと言います。驚く文鳥とその弟子。

藤吉は1回でいいから、席主として悔いのない番組(プログラム)を作って、天満の町の人たちに文鳥の落語を観てもらいたい、と頭を下げます。「てん」は自分が初めて観た芸は祭りで観た落語で、そのときお腹を抱えて笑う客を見て、笑いって良いな芸人さんって凄いなと思ったから、自分が感じたように男の人だけでなく女の人にも子どもたちにも、たくさんの人に落語を観て笑ってもらいたいのだと言いました。

文鳥はそれが「風鳥亭」の、藤吉と「てん」の色なのだと感じ、たった一度だけだがは席の高座に上がることを約束してくれました。

 

 

落語「時うどん」

藤吉は子供の頃から文鳥師匠の落語が好きで、特に「時うどん(とき・うどん)」が好きだと言っていました。時うどんは前座噺、文鳥が人情物が得意なことは知っているけれど、やっぱり時うどんが好きなのだと。

時うどんは私も知っている落語なので、ご存じの方も多いことでしょう。兄貴分と弟分の2人がいて、うどんを食べたいけど2人で持ち金を合わせてもお金が足りず、それでも食べに行きます。

兄貴分は食べ終わり勘定を支払う際に、お金が細かいからと「一、二、三、四、五、六、七、八……」と数え始め、数えている途中で今何時だと店主に聞くと店主は「九つです」と答える、兄貴は続けて「十、十一……」とサバを読んで足りない金額分をちょろまかすのです。

それを見た弟分も同じことをやろうとして……という落語ですね。私も結構好きな落語です。わかりやすい笑いなので。

 

 

新聞広告に打って出る

文鳥が一度出演してくれることになったと、栞に礼を言いに行った藤吉と「てん」、栞はそのことを喜びつつ、次の一手を考えていました。それは文鳥が「風鳥亭」の寄席に出演することを新聞広告に大々的に宣伝しようというのです。

「『伝統派の大看板、文鳥が名も無き小さな寄席の席主の情熱に打たれてその高座に上がる』夢のような話じゃないか。その夢物語を新聞で大々的に書いてもらうんだ。どうなるか見ものだろ?」

当日、「風鳥亭」は閑古鳥が鳴いていたことが嘘のように、寄席の座席はもちろんのこと、小屋の外まで人が溢れかえっています。新聞記者もこぞって押し寄せ、その中には与謝野晶子のような歌人になりたいと家を出て行った、「てん」のかつてのライバル「杉田楓(すぎた・かえで、演:岡本玲)」の姿もありました。

楽屋で時間を待つ文鳥。弟子は楽屋の中にあっても文鳥の端席への出演を辞退するように懇願していますが……文鳥は出るようです。

 

 

おわりに

明日はいよいよ文鳥の落語が始まります。実際に演じるところをドラマで描くかは少々怪しいですが。

文鳥の公演により「風鳥亭」は世に名を売ることになれば、今後は噺家の出演交渉もしやすくなるでしょうし、自分の名を売りたい芸人が集まるでしょう。ただ一過性のものにするか売った名を定着させられるかはその後の企画力次第でもあるのだろうと思います。そのアイデアを藤吉は持っていないでしょうから、「てん」がいかにそれを絞り出せるかが鍵になりそうですね。