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キタンが熱い!ロシウの決断は政治家としては真っ当で嫌いにはなれません - アニメ『天元突破グレンラガン(再)』20話の感想

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毎週木曜日(水曜深夜)より、TOKYO MXにてアニメ『天元突破グレンラガン』が放送されています。再放送です。

2017年11月9日の放送は20話「神はどこまで僕らをためす」でした。

 

  

目次 

 

 

アニメ『天元突破グレンラガン(再)』

天元突破グレンラガン

 

2017年11月9日の放送は第20話「神はどこまで僕らをためす」でした。第3部もそろそろ架橋でしょうか。

 

 

20話「神はどこまで僕らをためす」

新政府の新都「カミナシティ」の人口が100万人に達したことをきっかけにして、半螺旋族「アンチスパイラル」の「螺旋生命体殲滅システム」が発動しました。獣人の王、螺旋王「ロージェノム」の娘でヒロインの「ニア」がアンチスパイラルのメッセンジャーとなり人類に宣戦布告しています。

新政府のNO.2、総司令補佐官「ロシウ」は、ロージェノムのロージェノムの生体デバイスを作っており、ロージェノムの知識からアンチスパイラルについての情報を得た結果、かつて螺旋族と半螺旋族が宇宙を舞台に戦ったこと、螺旋族が半螺旋族に敗北しそれぞれの母星に逃げ帰ったこと、その一つが地球であること、半螺旋族は螺旋生命反応のある星に対して「螺旋生命体殲滅システム」を設置し地上の螺旋生命体が一定数を超えるとそれを感知し起動するようにしたこと、システムの内容は月の落下であることと知ります。

ニアに「螺旋生命体殲滅システム」の内容が地球人類に公表されてしまったことをきっかけに民衆の暴動が始まり、これまでアンチスパイラルの無人兵器「ムガン」の襲来に対してこれを抑えるために民衆を危険に晒すような行動を取った新政府総司令官の主人公「シモン」を逮捕し、裁判で死刑判決を言い渡して投獄しました。

 

 

月衝突のシミュレーション結果は衝撃の…

総司令官の座に就いたロシウは民衆に対し、シモンの死刑執行が決定したことと「螺旋生命体殲滅システム」の対策案を提示しています。

対策案とは月の激突から国民を守るため、全世界36ヶ所に設置された巨大地下シェルターに退避させ、シェルターのない新都「カミナシティ」近辺の住民は超弩級巨大スペースダイガン「アークグレン」で成層圏外へ一時退避することです。

しかし今回、その真実が明らかにされました。新政府の法務局長でしたか「キタン」が「アークグレン」に収容されているものを見て疑問を感じていました。というのも一次避難のためにカミナシティの全住民を収容するとキタンは思っていたのに、収容されているものは「ナキバシリ」や「ヌメリブドウカバ」、「ブタモグラ」といった動物たちだったからです。

キタンは事の真相を確かめにロシウの元へ行きます。その場には新政府科学局長官「リーロン」も居ました。そこでキタンが見たものは月が衝突したときのシミュレーションからはじき出された衝撃の結果でした。

シミュレーション結果を見たキタンは「地上は壊滅じゃねえか」と冷や汗をかきながら感想を述べています。リーロンは、地上だけじゃなくて地下も月が衝突した衝撃で地面ごと引っぺがされていき、地上は灼熱の大気に覆われて大地にあるものは全て燃え上がり、1年はどんな生命も生きられないと言います。

見方を変えると「地下に逃げた人間は見殺し」です。ロシウ総司令はアークグレンに100万人もの人間を乗せることができないため、地下に避難した人たちは見殺しにし、カミナシティの人間(の一部?)と動物(植物も?)をアークグレンに乗せて宇宙へ避難する方針を決定していたのです。

キタンは月が地球に落ちる前にアークグレンで月を破壊できないかと提案しました。当然ロシウはその可能性も考えていましたが、もし失敗をしたら全人類が死ぬことを意味します。絶滅。キタンが総司令の立場にいたらその決定を下すことができるのか?と問います。自分にはその決定はできなかったからこうするしか他に手はなかったのだと悲壮感たっぷりに言っていました。

 

 

キタンの選択

今回もアンチスパイラルから無人兵器の「ムガン」が地球に送り出されました。これはアークグレンを起動するためには強い螺旋力を必要とし、アンチスパイラルによって察知されてしまったのです。今回は地球人類というよりアークグレンを狙い撃ち。

「ギミー」や「ダリー」たち「グラパール隊」だけでなく、キタンたちは今や旧式となったガンメン「キングキタン」などで応戦しています。「マッケン」と「レイテ」の夫妻が廃棄のために自社工場に持ち込まれた「キングキタン」などの旧式ガンメンを廃棄せず逆に整備していてくれたのです。

廃棄が決定している「グレンラガン」の量産機「グラパール」は、キングキタンなど旧式ガンメンより優れた性能を持っています。しかし旧式のガンメンはそもそもロージェノムにより半螺旋族用に開発された機体なので、ガンメンの攻撃はムガンに有効なようでした。

ムガンの攻撃に耐えつつアークグレンの発進準備を急遽進めることにしたロシウ、カミナシティの住民すら全て収容できず(しきれず)成層圏へと飛び立とうとしています。いわば国民を見捨てる決断をしたロシウに対し、キタンが詰め寄りロシウの首にかけているコアドリルを返してくれと言います。コアドリルはグレン団の、シモンの魂だと。

ロシウはロシウなりに新政府の総司令として責務を果たしているのでしょうけど、ロシウのやり方はグレン団のやり方とは大きく異なると感じたため、キタンはロシウの総司令としての立場を理解しつつも彼と袂を分かつことにした、ということでしょう。

俺たちは「グレン団」として地球に残ってアンチスパイラルと戦い、最後まで月の落下を回避する道を探る選択をしたのです。それは無駄なあがきだと言うロシウに対してキタンは「だから良いんじゃねぇか」と返します。その方が俺たち「グレン団」らしいと。

覚悟を決めた表情をしたキタンは決して引かないと感じたのでしょう、ロシウは諦めて首から下げていたコアドリルを外しキタンに渡しました。ロシウのこの行為は彼のグレン団との決別を意味するはずです。

ロシウ「僕も一度はこれに未来を託したんだ」キタン「俺はこいつに明日を賭けるさ」という台詞だけで両者の考え方の違いを説明するには十分ですね。

 

 

最後に待つのは絶望…からの?

20話ラストでニアが投獄されているシモンと「ヴィラル」の前に出てきて、ロシウが国民を見捨てたこと、宇宙に逃げたとしても絶望しかないと伝えていました。アンチスパイラルは螺旋族(地球人類)が宇宙に逃げることまで考えていると。

そこへ「ヨーコ」が現れました。ニアに向けてライフルを発砲しています。キタンがシモンを選びそしてヨーコも戻ってきて、いよいよグレン団再結成の時が近づいています。

 

 

おわりに

アークグレンは発進準備が整ったところで、住民を収容を途中で切り上げて成層圏へ飛び立ちました。

最近の『天元突破グレンラガン』の物語は、ロシウへのヘイトが溜まるように見せていますけれども、ロシウはグレン団のロシウとしてではなく新政府総司令というか政治家のろしうとして実行していることなので、私には憎むことはできないです。政治家としてはむしろまともな発想を持っていると思うからです。

発進する際にロシウは身体が震えていましたし、眉をひそめて口を真一文字に結んでいましたから、そこに彼の滅私の精神を強く感じらせます。

それでもやはり、グレン団としては明らかにやり方は異なるのも確かなことです。口は悪いですけどキタンたちグレン団は基本的に「脳筋」揃いですから、考え方はシンプルなんですよね。自分たちの「敵はやっつける」ものなのです。

ロシウにとって救いなのは、「キノン」や「リーロン」といったところがロシウの側にいてあげているところですね。キノンは恋慕の情もあるでしょう。リーロンは政治家としてのロシウの決定は理解していても、案に対して諸手を挙げて賛同しているのではない様子でしたし、むしろロシウのそういう苦悩までわかっているから心配してついて行っている風に見え、そこに彼の優しさを感じます。

20話は良い回ですね。第3部になってからちょっとあれでしたが今回は熱かったです。