ディスディスブログ

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楓とのライバル関係に終止符。与謝野晶子の『みだれ髪』の歌がいやらしいそうです - 朝ドラ『わろてんか』24話の感想

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NHK連続テレビ小説『わろてんか』、2017年10月28日放送の24話は死に装束を盗んだのは楓か頼子か……です。

 

 

以下、最新話のネタバレ要素がありますので、バレても構わない方のみ下方スクロールをお願いします。

 

 

 

 

 

目次

 

 

『わろてんか』第4週「始末屋のごりょんさん」

www.nhk.or.jp

 

2017年10月23日月曜日から朝ドラ『わろてんか』は第4週「始末屋のごりょんさん」の放送が始まっています。

『わろてんか』の時代設定は明治35年(1902年)の10年後、明治45年ほどでしょうか。本作のヒロイン、京都の老舗薬問屋「藤岡屋」の娘「藤岡てん(ふじおか・てん、演:葵わかな)」は17歳です。

幼少期の「てん」が「薬祭り」で出会った大阪の旅芸人一座の芸人「北村藤吉(きたむら・とうきち、演:松坂桃李)」と久しぶりの再会を果たし、紆余曲折を経て藤吉から嫁に欲しいと言われた「てん」は家族の反対を押し切り、藤吉と2人で藤吉の実家、大阪船場(せんば)の老舗米問屋「北村屋」へと向かいました。

その際、「てん」は父の「藤岡儀兵衛(ふじおか・ぎへえ、演:遠藤憲一)」から勘当されてしまっています。親子の縁を切る、藤岡屋の敷居はまたがせないということです。「てん」はそれを受け入れてまで藤吉と2人、駆け落ちをしました。

大阪船場「北村屋」では、藤吉の母で“ごりょんさん(女将さん)”の「北村啄子(きたむら・つえこ、演:鈴木京香)」が藤吉を大喜びで迎えていれています。しかし、啄子は「てん」には見向きもせず、藤吉に対して自分が選んだ許嫁「杉田楓(すぎた・かえで、演:岡本玲)」を紹介しました。

啄子は「てん」を藤吉の嫁には認めず、それでも食い下がる「てん」に対して女中としてなら置いてやると言い放ちました。

 

 

着物を盗んだ犯人は誰か?

前回23話、「てん」の従兄で「藤岡屋」の手代「武井風太(たけい・ふうた、演:濱田岳)」の報告を受けた「てん」の母「藤岡しず(ふじおか・しず、演:鈴木保奈美)」が「北村屋」を訪ねてごりょんさんと対面しました。

「しず」は「てん」を連れ戻しに来たと思われましたがそうではなく、「てん」を「北村屋」で一人前に仕込んで欲しいと頭を下げていました。それでも使い物にならなかったら煮るなり焼くなり河原に捨てるなり好きにしていいとまで言っていました。

「しず」は「てん」とも会って、着物を1枚贈っています。それは真っ白な死に装束(喪服)で、祖母「藤岡ハツ(ふじおか・はつ、演:竹下景子)」が仕立てたものです。それと「貞女二夫に見えず(ていじょ・じふ・に・まみえず)」の言葉を贈っています。一旦嫁いだら妻は何があっても夫と墓場まで添い遂げる、その覚悟を持って死に装束をもって嫁ぐのだということです。

そんな大切な着物がその日の晩に何者かに盗まれています。「てん」も「てん」付きの女中「トキ(演:徳永えり)」は楓を疑いました。2人で家中を探すと庭に捨てられていました。燃やされたり破かれたりはしていなかったようで安堵する「てん」です。

楓は着物を盗んだのは自分の仕業だと白状、しかし着物を盗んだ真犯人は藤吉の姉「北村頼子(きたむら・よりこ、演:西村亜矢子)」でした。頼子は質屋に売りさばいてお金にしようとしていたのでしょう、特に理由は言っていなかったかと思います。彼女は家の中の金目の物を集めては質屋に売っているようでしたから、その流れで着物も物色されたのだと思われます。

 

 

楓とみだれ髪

ではなぜ楓は自分がやったと言ったのか。「てん」は楓を疑ってしまったことを謝るために楓を捜すと、楓は河原に一人佇んでいました。

「てん」は楓に声をかけ疑ったことを素直に謝ります。すると、楓は嘘をついた理由を「どうせ誰にも信じてもらえないから」と言いました。あえて自分で疑いを被ったようです。自分のことをわかってくれる人なんて昔からいなかった、と言います。

その少し前、「てん」はトキと一緒に楓の部屋を掃除していました。させられていた、とも言います。掃除の最中に、「与謝野晶子(よさの・あきこ)」の『みだれ髪』が出えきました。『みだれ髪』は与謝野晶子の第1作となる歌集で、女性の恋愛感情を赤裸々に詠んだ歌が多かっため、「はしたない」と思われた風潮があったようです。

「やは肌のあつき血汐にふれも見でさびしからずや道を説く君」

この歌を「トキ」は詠んでいました。まぁ確かにかなり直接的なというか挑発的な内容ですね、この歌は。イヤラシイといえばイヤラシイ、素直といえば素直。

楓は恋愛に興味がない素振りを見せつつ本当は恋愛に強い興味を持っていると、トキは言っていました。しかし実は楓は歌が好きなようで、自作の歌も詠んでいました。

「枯れ肌の水も弾かぬひとり寝のあはれなりけり女もののふ」

こんな歌を詠めるなんて凄いなと素直に褒める「てん」、楓が歌人になりたいのではと聞くとどうやら図星でした。親が決めた結婚など本当は興味はなく、自分のことは自分で決めたいと考えていました。本当は歌人になりたいけど、でも歌人になるなんて到底無理と端から諦めているようです。

歌人になる夢が叶うと良いですね、と言ってくる「てん」に呆れつつ、楓もようやく心を開いたのか、自分を貫いて真っ直ぐ生きている「てん」に焼き餅を焼いていた、と素直にこれまでの心情を吐露しました。あんたの方が格好良いわと。

後に、楓はごりょんさんに家を出て行くこと、つまり藤吉の嫁候補を下りることを伝えて家を出ていきました。歌人になるために何かを始めるのでしょうか。

 

 

北村屋が経営難?

藤吉は実家の米問屋「北村屋」の経営状態を知りたいと台帳を漁っています。が、ごりょんさんの他は店の誰も台帳を見ることは許されず、店の経営状態はごりょんさんしか知らないようで、藤吉は母親に叱られています。まだ早いと。

それでも藤吉は諦めず、夜中にそっと店に忍び込んで帳簿を見てしまいます。そこには……何が書かれていたのでしょうか?

ある朝、店の番頭がいません。藤吉が他の者に番頭の居場所を聞くと、番頭は朝早くから外へ出ていると返事をします。何でも番頭は最近よく外へ出て、用事もないのに誰かと会っているそうです。

そのときあるスーツを着た男性が店を訪ねてきました。男性はごりょんさんに北村屋の家のことで大事な話があると言っています。ごりょんさんがどこからか多額の借金をしているという流れですね……これは。

 

 

おわりに

何だかやっつけ感が半端ない回でしたね。がっかりしました。

小野文惠アナウンサーのナレーションでは「てん」は散々イケズを受けてきた的なことを言っていましたがドラマ内でイケズを受けた描写はさほどありませんし、頼子が着物を盗んだ理由はわかりましたが庭に捨てた理由がわかりませんし、あれだけライバル関係を煽ってきた楓が24話の15分にも満たない時間だけで心を入れ替えて立ち去ってしまいました。

やはりこのドラマの脚本は『べっぴんさん』と悪い意味で似ています。ずっとダイジェスト放送を見させられているような感覚に陥るのです。

それは、人間一人一人を掘り下げることなく人間関係が展開させるから人物描写が薄っぺらく感情移入しづらいこと、過去エピソードとの関連ももたせられないから突発的なエピソードをつなぎ合わせているだけになり物語も薄っぺらくなっていること、この2点が原因かなと感じます。楓のみだれ髪の箇所なんて正にそれ。

ちなみに『わろてんか』の脚本は「吉田智子」さんですね。

さて…………次週は第5週「笑いを商売に」です。北村屋は潰れて、「てん」と藤吉でお笑いに関することを始めるようです。お笑い芸人として、ではなく「商売に」ですから、店を畳んで寄席を経営するとかそういうことを始めるのでしょう。