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「始末・才覚・算用」これが北村屋の家訓。『ごちそうさん』との類似がありました - 朝ドラ『わろてんか』21話の感想

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NHK連続テレビ小説『わろてんか』、2017年10月25日放送の21話は「てん」と楓の勝負回でした。

 

 

以下、最新話のネタバレ要素がありますので、バレても構わない方のみ下方スクロールをお願いします。

 

 

 

 

 

目次

 

 

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『わろてんか』第4週「始末屋のごりょんさん」

www.nhk.or.jp

 

2017年10月23日月曜日から朝ドラ『わろてんか』は第4週「始末屋のごりょんさん」の放送が始まっています。

『わろてんか』の時代設定は明治35年(1902年)の10年後、明治45年ほどでしょうか。本作のヒロイン、京都の老舗薬問屋「藤岡屋」の娘「藤岡てん(ふじおか・てん、演:葵わかな)」は17歳です。

幼少期の「てん」が「薬祭り」で出会った大阪の旅芸人一座の芸人「北村藤吉(きたむら・とうきち、演:松坂桃李)」と久しぶりの再会を果たし、紆余曲折を経て藤吉から嫁に欲しいと言われた「てん」は家族の反対を押し切り、藤吉と藤吉の実家、大阪船場(せんば)の老舗米問屋「北村屋」へと向かいます。

その際、「てん」は父の「藤岡儀兵衛(ふじおか・ぎへえ、演:遠藤憲一)」から勘当されてしまっています。親子の縁を切る、藤岡屋の敷居はまたがせないということです。「てん」も両親に挨拶をした後に藤岡屋を出、待っていた藤吉と二人で駆け落ちをしました。

大阪船場「北村屋」では、藤吉の母「北村啄子(きたむら・つえこ)、演:鈴木京香)」は藤吉を大喜びで迎えていれています。しかし、啄子は「てん」には見向きもせずに、藤吉に自分が選んだ許嫁「杉田楓(すぎた・かえで、演:岡本玲)」を紹介しました。

啄子は「てん」を藤吉の嫁には認めず、家に置くつもりもないようです。食い下がる「てん」に対して女中としてなら置いてやると言い放ちました。

 

 

「てん」と楓の許嫁勝負

藤吉は自分の嫁さんは「てん」しかおらんと言い張っている様子を見て、啄子は自分が息子の許嫁にと選んだ楓とどちらが藤吉の許嫁に相応しいかを勝負しなさいと言いました。

「てん」も楓も啄子の提案に乗ります。「てん」としては女中から正式な許嫁に扱いが昇格するチャンスですから、渡りに船状態でしょう。楓としても現当主である啄子から正式に許嫁と認められれば「てん」を排除することができます。

勝負の内容は、丁度よいタイミングで藤吉が古米と外米を法外な値段で買い取ってしまう手痛いミスを犯したことで、それを嫁候補の2人のどちらがより多く古米・外米を売りさばくかを競うことになりました。夫の尻拭いですね。

始めは楓がリードしていました。身なりを整え品物の後ろに立ち控えめに、そして愛想良くすることで客が買いやすくなるよう売っています。「てん」はというと血色が悪く身なりも普段の女中のまま、商品の前に立ちメガホンを口に添え大声で呼びかけていて、客が買いにくくなっていました。

「てん」は京都の薬問屋「藤岡屋」で「てん」付きの女中をしていて、今は「てん」と一緒に「北村屋」で働いている「トキ(演:徳永えり)」と一緒にアイデアをひねり出します。古米は潰して団子を作ったり、パサパサした外米はカレーに合わせたりと、古米・外米を美味しく食べられるレシピを提案し、団子やカレーを往来の人たちに配り始めるのです。

古米・外米もそれぞれ調理の仕方によって美味しく食べられるのだと知った人たちはこぞってこれを買っていき、「てん」の古米・外米は大いに売れました。勝負は明らかに「てん」が楓に勝っていました。

 

 

カレーはいつ頃日本に来たのか?

明治(めいじ)時代は、アメリカやヨーロッパの文化が日本に積極的に取り入れられ、その中でイギリスからカレーが伝わりました。

- カレーはどこから来たの?:農林水産省

農林水産省の「カレーはどこから来たの?」というWebページにはこのように書かれています。『わろてんか』の時代は明治末期でしょうから、この頃には既にカレーが日本に伝わっていたのですね。

 

 

北村家家訓「始末・才覚・算用」

ごりょんさん、啄子は勝負に勝った「てん」を呼び、部屋に飾られている「始末・才覚・算用」と書かれた額を見せます。北村屋の家訓です。

「『始末』は節約のことではなくて、無駄な出費をせず使うべきときに思い切り使うということ。『才覚』はどこに商いの勝機があるか見極めて誰もやらないことをやること。あんたの団子やカレーのことだ。『算用』は金勘定をすることではなくて、帳尻を合わせること『損して得取れ』ということ。始末とケチは違う、これが本当の『始末の極意』」

このようなことをごりょんさんは「てん」に言っていました。始末とケチは違うということに関しては同じ朝ドラの『ごちそうさん』でもありましたね。「杏(あん)」さん演じるヒロインの「西門め以子」に対して、「キムラ緑子(きむら・みどりこ)」さん演じる義理の姉「西門和枝」や、「近藤正臣(こんどう・まさおみ)」さん演じる義理の父「西門正蔵(にしかど・しょうぞう)」が「始末の料理」についてを語っていたような記憶があります。

 

 

おわりに

ごりょんさんは、自分が推している許嫁の楓にではなく、彼女のライバルである「てん」に対して家訓を教えてしまっています。図らずも花嫁修業というか将来の女将修行をさせてしまっているのですね。当のごりょんさんも、後にそのことを後悔していました。可愛い。

今回の放送はカタルシスが得られたため面白く感じられた方が多いのではないかと想像します。一方で、『わろてんか』の次に放送されている生活情報番組『NHK あさイチ』では、オープニングトークで朝ドラ受けトークがあり、そこで司会のイノッチことV6「井ノ原快彦(いのはら・よしひこ)」さんは楓ちゃんが可哀想的なことを言っていました。確かに、楓は「てん」の当て馬的な役割で登場していますから、損な役回りですね、今のところ。

でも楓にも何か救済策というか、彼女自身が自分らしく生きる道を見出すのではないかと私は思っています。「てん」の生き方や考え方に触れていくうちに変化するような流れになるのではないかと期待します。

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