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藤吉がやり残したこととは何だったのでしょうか?「てん」を笑わせること? - 朝ドラ『わろてんか』17話の感想

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NHK連続テレビ小説『わろてんか』、2017年10月20日放送の17話は「てん」が久しぶりに笑いました。

 

 

以下、最新話のネタバレ要素がありますので、バレても構わない方のみ下方スクロールをお願いします。

 

 

 

 

 

目次

 

 

『わろてんか』第3週「一生笑わしたる」

www.nhk.or.jp

 

2017年10月16日月曜日の放送から朝ドラ『わろてんか』は第3週「一生笑わしたる」です。

第1週では『わろてんか』の時代設定は明治35年(1902年)の10年後、明治45年ほどでしょうか。本作のヒロイン、京都の老舗薬問屋「藤岡屋」の娘「藤岡てん(ふじおか・てん、演:葵わかな)」は17歳のお年頃になっています。

幼少期の「てん」が「薬祭り」で出会った大阪の旅芸人一座の芸人「北村藤吉(きたむら・とうきち、演:松坂桃李)」と久しぶりの再会を果たしています。藤吉が売れっ子芸人として全国を飛び回っている様子は、この10年ほどの間にも度々「てん」への手紙の中で報告をしていましたが、実際のところ彼は鳴かず飛ばずのまま10年を過ごしてきたようです。お笑いが好きだけどお笑いの才能はない、という。

「リリコ(演:広瀬アリス)」から、藤吉は大阪船場(せんば)の老舗米問屋「北村屋」の長男であることを聞かされた「てん」、兄の「藤岡新一(ふじおか・しんいち、演:千葉雄大)」が亡くなった今、自分が「藤岡屋」を継ぐ立場になっているため、米問屋の長男との結婚は許されない立場です。お互いが店を継ぐ立場ですから。

ある日「キース(演:大野拓朗)」が騒動を巻き起こします。「てん」がそれに巻き込まれそうになり、藤吉が「てん」を助けましたがそのときに怪我を負ってしまい、「てん」は「藤岡屋」の蔵に彼を匿いました。

しかし、藤吉のことが父の「藤岡儀兵衛(ふじおか・ぎへえ、演:遠藤憲一)」にバレてしまいます。儀兵衛は激怒し、藤吉に二度と「てん」の前に現れるなと言い、「てん」を蔵に閉じ込める罰を与えました。

 

 

風太の狙い

蔵に閉じ込められた「てん」は以後、出される食事に手を付けていません。ハンガーストライキ的なあれでしょうか。父に対する抵抗なのでしょう。

そんな「てん」を心配して、「てん」の従兄で「藤岡屋」で丁稚をしている「武井風太(たけい・ふうた、演:濱田岳)」は「伊能栞(いのう・しおり、演:高橋一生)」の元を訪れ、再び「てん」の縁談を考えてくれないかと願い出ています。

しかし、伊能は風太が「てん」のことが好きで、伊能が婿に入ってくれたら自分も「てん」と同じ屋根の下で暮らせると考えていることを看破していて、風太を大いに動揺させていました。

風太は伊能を快くは思っていないはずで、それでも藤吉よりはマシでしょうし、「てん」が何も食べずに最悪死んでしまうようなことは避けたいですから、仕方なく伊能に頭をさげたのですね。たぶん。

 

 

藤吉のやり残したこと

儀兵衛に出禁を食らっても、風太に半端モンと罵られても尚、藤吉は夜な夜な藤岡屋に忍び込み、蔵の格子窓から「てん」の様子を伺っていました。「てん」もそれを心待ちにしています。

何やら藤吉には「やり残したこと」があるらしいのですが……それはおそらく「てん」を笑わせることではないかと思われます。そのため危険を犯してでも藤岡屋に忍び込んでいるのでしょう。

「てん」に持ち前の芸を披露したり、「てん」が自分にとって初めてのご贔屓様だったこと、(一度旅芸人を辞めて?)学業も米屋の修行も身が入らず寄席ばかり観てきたこと、リリコに誘われて再び旅に出たことを話して、手紙で嘘を書いてずっと「てん」を騙してきたことを謝ったり、藤吉は格子窓越しに「てん」に色々なことを話しています。

藤吉は自分が「てん」に惚れていると自覚しています。風太に締め上げられたときにはっきりわかったようです。

「てん」は藤吉の「チョコ右衛門」の芸(?)に大笑いをしていました。幼少期の「てん」が空腹だという藤吉に手持ちのチョコレートを与え、藤吉がその口の周りについた溶けたチョコをヒゲに見立てて歌舞伎の「石川五右衛門」の台詞を吐いたことがあり、それを再現したのですね。

「てん」はもちろん「チョコ右衛門」を覚えていたのでしょう、お笑いをしています。そんな「てん」の様子を儀兵衛と母の「藤岡しず(ふじおか・しず、演:鈴木保奈美)」は見ていました。「てん」があんなに笑っている姿は久しぶりに見たと「しず」は言っています。

 

 

おわりに

沖縄に旅をしていた際、観られるときは観ていましたけど、観ていない回も幾つかあって、この一週間ほどは穴空き状態で、理解できていない部分も多くあります。ただ、新一が亡くなった他で大きな動きはまだないと思っています。

17話で気になったことは、藤吉が「てん」の元を訪れているのは真夜中かと思いきや、儀兵衛も「しず」も起きている時間帯であったことです。さすがにもっと夜遅くに忍び込まないとバレバレですよね。

それと、結局藤吉はこの10年間、芸を磨こうともせず、学業も米屋の仕事もどれもせずに中途半端に過ごしてきたのだとわかったこともガッカリな点でした。もちろん売れっ子芸人になりたいという憧れがあるので第一義としては芸事があったはずです。しかし、自分に芸の才能が皆無なことが問題でした。

芸を磨くということは人間を磨くことでもあるはずで、勉強や仕事を一所懸命することで人間が磨かれ、それが後に芸につながっていく、そういう可能性もなくはないと思いますから、そこを藤吉がわかっていないことがガッカリでした。笑わせる才能がない、と片付けてしまっていることが。

勉強などから逃げるように寄席を見に行っていたというだけではなく、寄席の研究をしていて欲しかったです。好きな噺家さんの演目を完コピしているとか、同じ演目でも演者によって言い回しがこういう風に違うのだとか。今のままだと中身が全くない人に映ってしまいます。

「チョコ右衛門」を見て「てん」が笑うシーンは、もっと大笑いする演技が欲しかった気もします。満開の笑顔というナレーションが入っていた割には葵わかなさんの笑顔は満開にはなっていなかったような。私が監督ならあのレベルの笑いにはカットをかけますけど……かからなかったのでしょうか?