毎月最終週の日曜日18:00よりEテレで放送されている『やまと尼寺 精進日記』、2017年7月30日は「文月 七夕はハレの日ごはん」でした。
『やまと尼寺 精進日記』
豊かな季節の恵みを知恵を工夫で極上の精進料理にする、奈良・桜井の尼寺。笑顔あふれる日々を美しい映像で!
Eテレで放送されている『やまと尼寺 精進日記』の番組説明です。
http://www.ac.auone-net.jp/~otowa/
音羽山観音寺 - 奈良県 桜井市 - 仏教寺院 | Facebook
奈良県桜井市に居を構える音羽山観音寺の住職と副住職、お手伝いをしている方の3人の女性が、毎回様々な精進料理を作っている様子を映像にした番組です。
料理を作ることがメインですけど、彼女たちの普段の生活の様子も描かれていて、都会から少し距離を置いた田舎暮らしは私の目には新鮮に映ります。
3人が3人とも本当に楽しそうに日々の作業をしていて、笑顔が耐えない様子を観ていると、こちらも釣られて自然と笑顔になってしまう、そんなほのぼのとした雰囲気の漂う番組です。
放送時間はエコ・ライフスタイル番組『猫のしっぽ カエルの手 京都 大原 ベニシアの手づくり暮らし』と同じで、月の最終週のみベニシアさんではなく「やまと尼寺」の放送をするという放送日程になっているようです。
番組の出演者は前述したように3人の女性がメインになります。音羽山観音寺のご住職である「後藤密榮(ごとう・みつえい)」さんと、副住職の「佐々木慈瞳(ささき・じとう)」さん、そして4年ほどお手伝いをしている「まっちゃん」の3人です。
お寺には番犬の「オサム」もいますから、正しくは3人+1頭ですか。
私は番組の存在を最近知ったので、まっちゃんがどういう方なのかが把握できていないのですが、何か事情があってのことなのでしょう。まっちゃんだけは剃髪していないので、彼女は仏教の道には入っていないと捉えて良さそうです。それ以上の詮索はなし。
番組のナレーションは俳優の「柄本佑(えもと・たすく)」さんです。
7月「文月 七夕はハレの日ごはん」
2017年7月30日日曜日の『やまと尼寺 精進日記』の放送は7月編、サブタイトルは「文月 七夕はハレの日ごはん」でした。
7月(しちがつ)はグレゴリオ暦で年の第7の月に当たり、31日ある。
日本では、旧暦7月を文月(ふづき、ふみづき)と呼び、現在では新暦7月の別名としても用いる。文月の由来は、7月7日の七夕に詩歌を献じたり、書物を夜風に曝す風習があるからというのが定説となっている。
7月のWikipediaにはこのように書かれています。正確に言えば旧暦の7月のことですけど、新暦7月のことも文月と呼ぶよと。
奈良漬けは3年かかる
「やまと尼寺」の7月はまだ梅雨の期間ということもあって、雨の日にできる作業を行っていました。具体的には「奈良漬け(ならづけ)」の仕込みをしていましたね。
奈良漬け(奈良漬、ならづけ)とは白うり、胡瓜、西瓜、生姜などの野菜を塩漬けにし、何度も新しい酒粕(さけかす)に漬け替えながらできた漬物である。
奈良漬けのWikipediaにはこのように書かれています。
「ウリ(瓜)」をメインに野菜を塩漬けして、何度も新しい酒粕に漬け替えながら作るのですね。これは「やまと尼寺」でも言っていました。3年かかると。
水で洗ったウリを包丁で縦半分に切って、中にあるワタ部分をスプーンで取り除き、えぐり取った部分に大量の塩を詰めつつ、ウリ全体にも手でこすりながら塩を付けていき、漬物樽にウリを敷いていっていました。
塩漬けから出して酒粕とザラメが入った漬物樽に一度漬けたものが「一度目漬け」、ウリはまだ白いです。新たに漬け直して……と2-3年繰り返して熟成させていくようです。
「奈良漬けって一回漬けてすぐ食べられる訳じゃないのね。塩漬けから始まって、粕で一度目漬け、二度目漬け、三度目漬け……みたいにして、何回も樽を替えてする(漬ける)から、早くて2年、だいたい3年くらいかな、(時間が)かかるのね」
とは住職さん。手間がかかるのですね。
ただ……私は奈良漬けがあまり得意ではないのです。中学校の修学旅行で旅館に出された食事で初めて食べたと思うのですが、そのときの記憶が残っていて駄目です。大人になってからも何回かトライしましたけど駄目でした。
食べられなくはないです。でも自らすすんで食べようとはしないです。
本当に美味しい奈良漬けを食べていないのかもしれませんし、今食べたら美味しく感じられるのかもしれませんけれども。
索餅とは何か?
奈良漬けの他、今回の「やまと尼寺」では「索餅(さくべい)」なる料理?お菓子?を作っていました。
索餅(さくべい)とは、唐代の中国から奈良時代に日本に伝わった[1]唐菓子の1つで素麺の祖となったとも言われている食品のこと。縄状の形状より麦縄(むぎなわ)とも呼ぶ。江戸時代中期に姿を消したともいわれるが、現在でも奈良など各地で、しんこ菓子(しんこ、しんこ団子、しんこ餅)に姿を変えて存続している[2]。
索餅のWikipediaにはこのように書かれています。
私は今回の放送を観るまでこの「索餅」という食べ物を知りませんでした。上記引用を読むと、現在でも奈良など各地で……と書かれていますから、奈良など近畿地方ではよく食べられているのでしょうか? 私が住む地域では見られないと思います。たぶん。
「これはね、中国から渡ってきた七夕のときに食べるお菓子なんだけど、これが素麺(そうめん)の原型って言われてるのね」「で、七夕のときにお素麺を食べるっていう風習になっているんですね」
と住職さんが仰っていました。
素麺と同じように練った小麦粉に撚りをかける(捻る)と、自然に縄状になるみたいでした。それを油で揚げて出来上がりみたいです。
食べていたときの様子を見ると、ポリポリカリカリ音が鳴っていましたから、結構な固さがあるようでした。食べていないので何ともいえないですけど、パンの耳を揚げたものとどこか似たものを感じます。
おわりに
索餅の、ああいった生地を縄状に成形して揚げる食べ物というと、ドーナツでありますよね。それなら見たことがあります。
確か、山崎製パン系のパン屋『ヴィ・ド・フランス』さんで昔、索餅に似た形状のドーナツを見た記憶があるようなないような。砂糖がまぶしてある。
そういえば、七夕の手作りの星祭りで、竹の枝に短冊や飾り物を飾るときに、「シュロ(棕櫚)」の葉を割いて紐状にしたものを、糸代わりにして使っていました。住職さんの知恵や知識みたいですけど、あれも知らなかったです。
このように「やまと尼寺」を観ると知らないことばかりです。それが楽しい。昔の日本の慣習を教えてもらっています。