ディスディスブログ

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「島田」戦後、零は恥ずかしさの向こう側へ行けるでしょうか。林田先生の「落ち込んでるときに冷たい物食ってる奴があるか」などの励ましが救いでした - アニメ『3月のライオン』14話の感想

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毎週土曜日23:00より、NHK総合にてアニメ『3月のライオン』が放送されています。

以下、最新話のネタバレ要素がありますので、バレても構わない方のみ下方スクロールをお願いします。

 

 

 

アニメ「3月のライオン」

3lion-anime.com

 

2017年1月21日の放送は第14話 「Chapter.28 まぶしい闇」「Chapter.29 ほんの少しの水」でした。2クール目の3話目です。

 

 

イントロダクション

これは、様々人間が何かを取り戻していく、優しい物語。そして、戦いの物語。
主人公・桐山零は、長兄ころに事故で家族を失い、心に深い孤独を負う17歳のプロの将棋棋士。
東京の下町に一人で暮らす零は、あかり・ひなた・モモという3姉妹と出会い、少しずつ変わり始めていく−。

このようなイントロダクションです。

 

 

14話 「Chapter.28 まぶしい闇」「Chapter.29 ほんの少しの水」

主人公「桐山零(きりやま・れい)」は、トーナメント戦の「獅子王戦(ししおう・せん)」を戦っていて、準決勝まで勝ち進んでいます。

準決勝の相手は棋士八段の「島田開(しまだ・かい)」です。島田戦に勝利すると、決勝の舞台に進み、憎き「後藤正宗(ごとう・まさむね)」九段と戦うことができます。

前回から零と島田の対局が始まっていて、形勢が零に不利と気付かされたところで終わっていたかと思います。

ふと我に返り盤面を観返した零は「まず感じたのは衝撃……そして次に襲って来たのは嵐のような『恥ずかしさ』だった」と頭の中で言葉を発しています。

 

 

零が急に恥ずかしくなった理由

なぜ零が恥ずかしく思ったのか、その理由は「さっきまで俺この人の事なんて思ってた?!」の台詞から始まります。

対局前や対局中に「こういうタイプの人とは(対局が)長くなるな……苦手だ」「イライラしたら駄目だ……そこに喰らいつかれる」などと考えていたことが恥ずかしいのです。

つまり「何様だよ、俺?」ということ。相手のレベルを読み間違えすぎていたことが恥ずかしく思い、「馬鹿か俺は……に、逃げたい……消えてしまいたい」と考えています。

島田はA級で、零はC級1組だったかと思います。私は将棋の段位や階級を知らないのですが、おそらくC1より上にはB2とB1があり、その上に島田たちのAがあるのでしょう。零にとって島田は3クラスも上、格上も格上、超格上で、日本のトップ棋士の一人を相手に戦っているのです。

格下も格下、超格下なのに自分は、後藤に煽られたことで後藤のことばかりに意識が向いてしまい、決勝の後藤の棋譜を集めて研究(島田の棋譜も一応は見ていましたが)して、島田のことをサブキャラ的に扱いしていました。

さらに「こういうタイプ」とか「喰らいつかれる」とかと勝手に相手の力量を測った上に、測った力量も大きく誤っていました。そのことを気付かされて自覚して、急に恥ずかしくなった零でした。「こういうタイプ」とは「勝ちたいだけで、ただ対局を引っ張って相手のミスを待つタイプの棋士」です。零は島田をそのように勝手に相手を「ランク付け」していました。

零が偉いところは、そんな恥ずかしい勘違い・思い違いをしても、きちんと最後まで将棋を指し切ったことでしょう。

「ここで自分のバツの悪さだけで逃げ出したら、それこそ本当の意味での自分勝手なのだということに」と言っています。

 

 

島田戦は零の完敗

ようやく我を取り戻した零は、島田が自分が零に舐めてかかられていたことも、対局中になって零がそれに気がついて激しく狼狽えていることも、全てを見透かした上で静かに座っている、と感じていました。

零と島田の対局は終わりました。零の完敗です。その後も何一つ挽回できずに負けたそうです。感想戦になり、零は自分が思っていたよりもずっと早い段階から悪くなっていた、形勢が不利になり始めていたことを島田に知らされます。

将棋を知らない私には何が何やらわからなかったですけど、本当の本当に完敗だったようです。対局も、対局に向かう姿勢も。

 

 

零のプロ棋士あるある

感想戦も終わると、零は恥ずかしさのあまり居たたまれない気持ちになり、一人走って将棋会館を去っていました。

零の先輩棋士の“スミス”こと「三角龍雪(みすみ・たつゆき)」と島田が、零が走り去っていく、その後ろ姿様子を見ていました。

「経験値不足で相手の力量を読み間違って、ふっ飛ばされて、丸裸にされたような気持ち。わかるわかる、若気の至り。恥ずかしーーー」とスミスは言っています。零の気持ちがわかるみたいでした。

島田は「うわー、ムカつくなぁ、あのガキ。ま、俺も似たようなことしでかしたことあっけどね。ここまであからさまじゃなかったけどな」と言い、スミスも「まね、皆ね、ありますよね。思い出したくもないですけど」と同調していました。プロ棋士あるあるなのでしょう。

 

 

林田先生の優しいおかしな激励

零は恥ずかしさと不甲斐なさから将棋を辞めることまで考えています。落ち込んで寝込んで、脱水症状になって、動けたらコンビニに行って食料と転職情報誌を購入しています。

その後学校にも久しぶりに顔を出しましたがやはり孤立していて、独りで屋上手前の階段で昼食を取っていました。転職情報誌を見ながら涙を流しながら。

そこへ顔を出したのは「林田高志(はやしだ・たかし)」です。林田先生は最初は零を優しく慰めていましたが、零が「でも」ばかりを言うものですからキレていましたね。

「『でも』が100個揃えば開くドアがあれば良いが、はっきり言ってそんなドアはねーよ!」「一人で階段で泣きながら転職情報誌読んでる高校生! も、この設定自体がおかしいのに、しかも、それが史上たった5人目の中学生プロ! 将棋界の期待の星という!」と、怒っているのか励ましているのかわからない、いや励ましているのですけど、面白い激励でした。良い先生です。

林田先生は、義理の父「幸田柾近(こうだ・まさちか)」に家に戻ったらどうだとか、島田の研究会に入ったらどうだとか、アドバイスも送っていました。

それと「落ち込んでいるときに冷たい物食ってる奴があるか。命取りになるぞ、温かい物食っとけ!」と言っていましたね。これ、本当に重要だと思います。身体が温まり、お腹が膨れることで、気持ちが前に向くことってありますからね。空腹と寒さはメンタルを弱めます。

林田先生がいるだけで、零が高校に通っている意味があるような気がします。でも友達もできると良いですね。何か部活に入れば良いのに。将棋部はさすがに卑怯でしょうか。囲碁部とか。

 

 

おわりに

島田は研究会に零を誘おうとしています。島田には、彼の弟弟子であり零の心友である「二海堂晴信(にかいどう・はるのぶ)」もいますから、入ると良さそうですし、入るのでしょう。

今回のような恥ずかしいことがあった直後ですから、自分から入れてもらうよう頼むのは恥ずかしいことでしょうけど、プロ棋士あるあるみたいですから、乗り越えていけると良いですね。

そういえば、私は大会の仕組みをわかっていなかったです。零が島田に負けた「獅子王戦」は、獅子王の現タイトルホルダーが「宗谷冬司(そうや・とうじ)」で、そのタイトル戦を戦うためのトーナメント戦をしていた、ということなのですね。後藤と島田の勝者が宗谷と戦えると。当たり前と言えばそうなのですけど、後藤に勝てばタイトルかと思いこんでいたので、思い至りませんでした……。

 

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