ディスディスブログ

気分変調症の男がテレビ番組の感想やカメラ、ファッションのことなどを書きます

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Eテレ『ふるカフェ系 ハルさんの休日SP』は「金沢・お茶屋・武家屋敷!」でした。ベンガラの赤と群青壁の青が対照的でどちらも格好良かったです

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毎週水曜日23:00-23:30に放送されていた、Eテレ『ふるカフェ系 ハルさんの休日』は、2016年7月27日放送の「長野・軽井沢編」で一旦終了していました。

昨日2017年1月3日火曜日の21:00-22:00に『ふるカフェ系 ハルさんの休日SP』として「金沢・お茶屋・武家屋敷!」が放送されました。

 

 

目次

 

 

ふるカフェ系 ハルさんの休日

www4.nhk.or.jp

 

今、地方では過疎化が進み、何代も受け継がれてきた古民家が廃屋として次々と取り壊されつつある。そんな古民家を惜しみ次世代に残そうとする試みが、リフォームカフェ。
一歩足を踏み入れば、懐かしい空間が広がる古民家カフェは、女性や若者達に新鮮なおしゃれスポットとして大人気。京都、奈良の町屋カフェや下北沢の古民家喫茶など全国的にブームとなっている。そんな古民家カフェを舞台に、記憶から失われつつあるかつての町の姿と記憶をドラマ形式で甦らせていく番組。カフェを訪れる住民たちとの出会いを通して、全国各地の意外な歴史を明らかにしていく。

こちらは以前のシリーズのイントロダクションです。

ドラマの冒頭に「古い建物を活かしたレトロなカフェがあると聞けば、全国どこへでも訪ねる」という、俳優「渡部豪太(わたべ・ごうた)」さん演じる「真田ハル(さなだ・はる)」のセリフが入っています。

台詞の通り、ハルさんは古くから営業している喫茶店ではなく、あくまで古民家など古い建物をリフォームしたカフェが対象にしています。ハルさんは一部に熱狂的なファンを持つブロガーで、古カフェを取材する体で番組が進行していきます。

当番組は、カフェのオーナーさんがご本人で、お客さんも現地の方を起用しているため、渡部さん以外の出演者は演技の素人さんです。基本的に台詞が棒読みで演技も上手ではありません。渡部さんの演技もほぼ全編に渡って滑っています。ただこれは渡部さんが、というより脚本や演出の方が滑っている、と捉えたほうが良いでしょう。

古カフェ好き、且つ演技面が気にならない方であるならば、この番組を大いに楽しめると思います。

 

 

金沢編のカフェは「土家」と「くらげが雲になる日」

2017年1月3日放送された『ふるカフェ系 ハルさんの休日SP』の「金沢・お茶屋・武家屋敷!」編で舞台となった古カフェは2軒ありました。

1軒目に紹介されていたカフェは「土家」さんで、2軒目は「くらげが雲になる日」さんです。後者の店名が特徴的ですね、一回で覚えられます。

『ふるカフェ系 ハルさんの休日』はNHKの番組ですから、番組内で紹介されるお店の店名が作品の中で明かされることはまずありません。ところがクレジットの中の「撮影協力」欄に店名が表示されているので、そこでハルさんが今回どのお店を訪れたのかがわかるようになっています。

 

 

町家カフェ「土家」さん

www.tuchiya.sakura.ne.jp

www.facebook.com

 

1軒目は町家カフェ「土家」さんです。何と読めば良いのでしょうか?Webサイトのアドレスを見ると「tuchiya」なので「つちや」さんでしょうか。

 

土屋さんの住所と定休日・営業時間

住所は石川県金沢市主計町2-3と書かれています。「主計町」は「かずえ・まち」と読むそうです。浅野川沿いにある「茶屋街(ちゃや・がい)」とのこと。「浅野川大橋」が近くにあります。

「主計町茶屋街」は、加賀藩士「富田主計」の屋敷があったことが由来で、明治初期に形成された浅野川沿いの茶屋街、と番組では説明されていました。

Webサイトを拝見すると、土家さんは定休日が月曜日と火曜日です。営業時間が10:00-17:00となっています。営業時間に関しては「○時頃まで」と書かれているので、厳密なものではなさそうです。

 

茶屋と木虫籠

土家さんは、大正2年に建てられた茶屋で、茶屋形式の建築だそうです。金沢市の市指定伝統建築物。間口が狭く、「木虫籠(きむすこ)」と呼ばれる、虫かごのように狭い間隔が特徴の格子が特徴のようでした。この木虫籠は外からは中が見えにくく、中からは外が見えるように工夫されていました。綺麗。

内部は、一階には先述の木虫籠と専用の三味線掛けなどがあり、二階へと昇る階段は「階段箪笥(かいだんだんす)」で、二階の座敷は奥の床の間が「ベンガラ」で塗られた赤い部屋になっていました。

ベンガラはインド・ベンガル地方から伝来した赤い顔料のことで、防腐・防虫効果に優れていることから、屋根や外壁に使われるのが一般的とのことですが、土家さんでは屋内の内壁に使われていました。

 

仕出し弁当とゴリ

ハルさんは特にメニューを頼んでおらず、仕出し弁当を他のお客さんから頂いていました。

仕出しはボタンエビ姿煮やタイ塩焼き、ゴリの唐揚げ、れんこん煮つけ、さつまいものレモン風味など全34品も入っている弁当だそうで、事前に予約注文していないと食べられないのだとか。

特にゴリの唐揚げのゴリは金沢の郷土料理には欠かせない名産とのことでした。旨味が強く「北大路魯山人(きたおうじ・ろさんじん)」も大好物だったとか。ゴリは昭和初期まで浅野川など金沢市内の川で取られていたそうですが、乱獲のためほとんど取れなくなってしまったそうです。近年地元の漁協がゴリ復活を目指しているそうです。

また、土屋さんではメニューとは別に「お茶とお茶菓子」が出されるそうです。お店の主人が注文を間違えて持ってきたと思わないように気をつけたいですね。ハルさんには、加賀の「棒茶(ぼうちゃ)」と「くり蒸しようかん(栗蒸し羊羹)」が出されていました。棒茶とは明治時代に生まれた茎を使ったお茶のこと。

 

演奏会

土家さんでは定期的に演奏会が開かれるそうです。ドラマの中では横笛奏者の方と芸姑さんが店に来ていて、演奏と舞を楽しんでいました。

 

 

タイ料理レストラン「くらげが雲になる日」

www.lucizan.com

https://www.facebook.com/kurage.kumo/

 

次にハルさんが向かったカフェは、明治末期の黒い門の古民家の「くらげが雲になる日」さんです。何とも印象的な店名です。

カフェというよりレストランなのですか。それは本題から逸れてしまってはいないのでしょうか? この番組その辺の線引きは結構曖昧な気がします。

 

くらげが雲になる日さんの住所と定休日・営業時間

「くらげが雲になる日」さんの住所は石川県金沢市長町2-6-5です。長町は「ながまち」と読むようです。

地図を見ると「兼六園(けんろくえん)」の西、「加賀藩士高田家跡」のほど近くにあるようです。ハルさんが「長町武家屋敷跡」を歩いていました。長町武家屋敷跡は、加賀藩の上流・中流武士の居住地区で、長い土塀や石畳の小道が続く場所だそう。

「くらげが雲になる日」さんの定休日は特に決まっていないみたいです。Webサイトに営業日を示すカレンダーが載っていますから、お越しの際はそちらからチェックをお願いします。営業時間は「18:00-23:00」と書かれていました。やはりカフェというよりレストランなのでしょう。

 

「あずまだち」と「群青壁」

「くらげが雲になる日」さんは、まずその黒い門からしていかにもな佇まいをしていました。母屋も大変立派で、「あずまだち」と呼ばれる、大きな屋根の「切妻造り(きりづま・づくり)」と白壁に格子の入ったデザインをしていました。この辺りのお屋敷の特長なのだとか。色味が非常に私の好みです。渋い。明治時代に建てられたそうですよ。

黒い門をくぐると正面に玄関がありますがそちらから入れないようで、右にある小さな赤い門から更に小路を抜けてお庭に出てから、長町にあるとは思えないエスニックなデザインの小さめの戸から入るようになっています。

ドラマを観ていた限り、黒い門を入ってからの道順表示など何もないように見えたので、初めての方はレストランの入り口にたどり着くまで大変かもしれないですね。実際には何かしらの目印があると思われますけれども。ドラマの演出の可能性あり。

レストランの内部は開放的で、広いオープンキッチンに、壁は赤いベンガラだったりガラスとコンクリートだったり、天井にはアンティークな照明、庭を見ながらお茶ができるように席があったり、かなりアバンギャルドなリノベーションとハルさんも感嘆していました。

二階は一階とは打って変わって落ち着いた雰囲気です。壁がベンガラとは逆の青色をしていました。この青い壁は「群青壁(ぐんじょう・かべ)」といい、「ラピスラズリ(青金石)」を使用した青い顔料で塗装する金沢独自の壁だそうです。金沢最高級の壁、と建築家の方は仰っていました。ラピスラズリなんて言葉が出てくるとは思わなかったので驚きました。

 

プーパッポンカリー

料理はタイ料理だそうです。「タイヌードル」が自慢で、「プーパッポンカリー」という「カニのカレー風味の卵炒め」も人気だそうです。ハルさんはその「プーパッポンカリー」を頼んでいました。

お店のプーパッポンカリーは冬場は地元産の「香箱蟹(こうばこ・がに)」を使っているそうです。調べたところ香箱蟹とは「ズワイガニ」のメスらしいです。諸説あるようですが、「子箱」から転じて「香箱」となったとのこと。

 

プーパッポンカリー (ปูผัดผงกะหรี่, Poo Pad Pong Curry) 

プー・パッ・ポン・カリー - Wikipedia

 

プー・パッ・ポン・カリーのWikipediaを拝見したところ、プーパッポンカリーとはタイ語(?)や英語ではこのように書くことがわかりました。「プーパッポンカリー」は「プー・パッ・ポン・カリー」と分けて、プーが「カニ」で、パッが「炒め」、ポンが「卵」をそれぞれ意味するのだそう。なるほど。

プー・パッ・ポン・カリーの作り方は、カニの卵とカレールーと鶏卵を混ぜて、それを野菜と一緒に炒めるだけと紹介されていました。

調味料的なものは番組では何も書いてなかったですけど、上記Wikipediaには「蟹、カレー、ライスの他には、ココナッツミルク、卵、トウガラシなどが用いられ」と書かれています。ココナッツミルクがポイントでしょうね、これが入ると入らないとでは全く違う雰囲気になりそうですから。

 

 

おわりに

芸姑さんなどを華やかに彩るベンガラの赤と、武士の権威を際立たせる群青壁の青、対象的な色ですけどどちらも金沢の歴史を彩ってきた色である、と。どちらも知らなかったので大変興味深かったです。特に群青壁の青はとても綺麗に感じられました。

最後は、染め物作家さんや漆工芸家の方なども登場していて、金箔を含めた金沢の伝統工芸に関する話をしていました。伝統を守りつつ、新しいことにもどんどんトライしていく姿勢こそが金沢なのだということを感じました。

1軒目と2件目のつなぎに、金沢の特徴的な建築物も紹介されていました。驚いたのが「尾山神社」の「神門」で、こちらはは和漢洋の様式を織り交ぜてあるため、神社なのにステンドグラスが配されているそうです。これは直に見てみたいです。

今回の『ふるカフェ系 ハルさんの休日SP』「金沢・お茶屋・武家屋敷!」は、再放送が1月8日日曜日15:00-あるそうです。見逃した方は是非再放送をご覧になってください。

東京から金沢へは「北陸新幹線」が開通してから一気に行きやすい場所になりましたよね。お金と時間があれば、ですけど。私は修学旅行でしか行ったことがないので、大人になってからは一度も行ったことがありません。一度は訪れたいものです。北陸新幹線の料金は如何ほどでしょうね。片道13,000円くらいでしょうか、もっと高いでしょうか。

 

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