ディスディスブログ

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田中あすかが「人は打算的に動くもの」と言う理由は何でしょう?心理を読んでみました - アニメ『響け!ユーフォニアム2』4話「めざめるオーボエ」の感想

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毎週木曜日00:00(水曜深夜)より、TOKYO MXにてアニメ『響け!ユーフォニアム2』が放送されています。

 

anime-eupho.com

 

以下、最新話のネタバレ要素がありますので、バレても構わない方のみ下方スクロールをお願いします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2016年10月27日の放送は2期4話「めざめるオーボエ」です。画像の方が目覚めました。

 

イントロダクション

吹奏楽コンクール京都府大会。
そこで見事に金賞を受賞した北宇治高校吹奏楽部は、
次なる舞台・強豪ひしめく関西大会に挑む……! 

このようなイントロダクションです。

 

 

2期4話「めざめるオーボエ」

本作のヒロイン「黄前久美子(おうまえ・くみこ)」が所属する北宇治高校吹奏楽部は、「吹奏楽コンクール京都府大会」を突破して関西大会への進出を決めています。2期4話からは、3話まで続いていた夏休み合宿が終わり、いよいよ関西大会を直前に控えている状況です。

2期に入ってからもドロドロの人間関係は継続中なユーフォですが、最近の久美子の懸案は2期1話で吹部を退部した2年生「傘木希美(かさき・のぞみ)」の復部問題です。

希美の想いを聞き届けた久美子は、希美に部に戻って欲しいと考え、希美の復帰を頑なに拒んでいる吹部副部長の「田中あすか(たなか・あすか)」から理由を聞き出していました。4話は一応その話が一段落着いたことになります。 

 

 

あすかが希美の復帰を拒む理由はみぞれ

あすかが希美の復帰を頑なに拒んでいる理由は、オーボエ担当の2年生「鎧塚みぞれ(よろいづか・みぞれ)」でした。みぞれは、希美の顔を見ただけで気持ちが悪くなる症状が出ていて、あすかはそんなみぞれの様子を把握していました。みぞれはメンタルに問題を抱えているようです。

北宇治高校吹奏楽部には、オーボエ担当が現状みぞれしかいないため、関西大会を控えた大切な時期に希美が戻ってしまうと、みぞれがオーボエを吹けなくなることは明白で、今みぞれに潰れられたら部活は大会どころではなくなる、という冷静な、というか冷静過ぎるあすかの判断がそこにありました。あすかの判断は感情的なものを一切排除しているかのようです。

みぞれのことをわかっているのは、久美子とあすか、それと大きなリボンが特徴のトランペット担当の2年生「吉川優子(よしかわ・ゆうこ)」だけです。同じ2年でも、ポニーテールが特徴の久美子と同じユーフォニアム担当の2年「中川夏紀(なかがわ・なつき)」は希美とは仲が良いですが、みぞれの心の問題までは気づけていません。

 

 

みぞれと希美と楽器

事情を知った久美子は、その後も希美に真相を報告できずにいました。さすがに話せる内容ではないですね。あなたのせいでみぞれがオーボエを吹けなくなるくらいに気持ちが悪くなる、なんて。

そんなときに、希美がみぞれが一人で練習しているところに気軽に声をかけてしまいました。みぞれは一気に顔色を変えて、その場から走り去ってしまいます。

みぞれが走り去ったその場に希美がいたことで、リボン先輩こと優子はみぞれが危険なメンタル状態に陥っていることを察知し、全てを知っている久美子にみぞれを探して欲しいと頼んでいました。みぞれが走り去った様子を見たあすかは苦々しい表情を浮かべ、舌打ちもしていたでしょうか。

理科室でしょうか、久美子は教壇の影にうずくまるみぞれを見つけ、話しかけます。そこでみぞれは理由を話し始めます。暗い性格で引っ込み思案で友だちがいない自分に、希美が声をかけ吹奏楽部に誘ってくれたことで、唯一と言っていいほど希美のことを大切に想っていたけど、希美にとってはそうではなくあくまで友だちの一人で、さらに希美が部を辞める段階になったら自分には何も知らせずに辞めてしまっていて、疎外感というか裏切られたような気持ちに陥ってしまったようです。

ただ、みぞれは希美を恨んでいる訳ではなく、現在の状況もあくまで自分が招いたことだと考えているようでした。自分だけが一方的に親友を思い込んでいるだけで、希美からしたら大した存在ではなかったのだとわかってしまったと思っています。希美が誘ってくれたから、希美がいたから吹部にいたのに。

ではどうして今も吹部にいるのか、と久美子は聞きましたが、みぞれ楽器だけが自分と希美を繋ぐものだから、と答えています。

 

 

優子がまたもや株を上げる

みぞれの告白に言葉を失う久美子、そこへポニテ先輩の優子が駆けつけます。優子はうずくまるみぞれに声をかけると、みぞれは「だって私には希美しかいないから……拒絶されたら」と弱々しく返します。

それを聞いた優子は、みぞれの両肩を掴んで肩を揺らしながら「みぞれにとって私は何なの?!」と声を荒げます。困惑のような驚愕のような複雑な表情を浮かべるみぞれ、「優子は私が可哀想だから、優しくしてくれた。同情してくれた……」と言います。

ショックを受ける優子、目に涙を浮かべます。そして、両肩を掴んでいた両手をみぞれの両頬に強く当てると「バカ!! あんた、マジで馬鹿じゃないの?!! 私でもいい加減キレるよ?「誰が好き好んで嫌いな奴と行動するのよ?! 私がそんな器用なことできる訳ないでしょ?」「何一つ、みぞれは私のこと友だちだと思ってなかった訳?!」

吹奏楽にしても、あれだけ大変な練習を積んできたこと吹奏楽を続けてきたことが、希美のためだけだったのか、とも優子はみぞれに聞いていました。関西大会行きが決まったことは嬉しくなかったのかと。みぞれは、関西大会行きが決まったのは嬉しかったけど、それと同時に辞めていった子たちに申し訳ない気持ちもあり、喜んでいいかわからなかったようです。

でもそれも「喜んでいいに決まっている!!」と優子は全力で肯定していました。そのとき、倒れ込んでいたみずれは優子によって引き起こされ、教室の窓の光がみぞれの顔を照らしていました。これは比喩として、みぞれの入り込んでいた暗いトンネルから優子が救い出したことを示していたのでしょう。みぞれの視界が明るく開けた瞬間です。

 

 

希美とみぞれの対峙

 

教室の外で、ポニテ先輩こと夏紀と一緒に話を聞いていた希美は、教室に入ってみぞれと対峙します。ちゃんと話をすることで、みぞれの「憑き物」が落ちます。

希美は正直に心当たりがないことを告白します。聞いたみぞれはどうして自分に退部の件を話してくれなかったのか、と問いかけます。希美は「必要がなかったから」と答えました。

希美は自分が部のことで揉めていたときも、上手く行かずに腐っていたときも、部の練習がなかったときも、みぞれがオーボエの練習をしていたところを見ていました。だから、そんな楽器に一所懸命に取り組んでいる人に対して「一緒に辞めよう」などと言えるはずがない、だから一言も言わなかった、と話しています。

そこまで話してようやく希美は、みぞれは自分が仲間はずれにされたと思っていたことに気が付きました。そんなつもりじゃないと弁解しています。

みぞれもみぞれで、自分が勝手に希美に疎外されたと思い込んで彼女を避けていたことを涙を流して謝っていました。

仲直りというか誤解が解けて、心の柔らかさを取り戻したみぞれは、かつてそうだったように、感情を思いっきり込めてオーボエを吹けるようになっています。やはりみぞれのオーボエはただ一人希美のためのオーボエです。優子はそんな希美に嫉妬をしているようですけど、表情は穏やかです。

 

 

あすかが「人は打算的に動くもの」と言う理由は?

その後、あすかは久美子に対して「ずるい性格してるよね〜、みぞれちゃんも。思わない? みぞれちゃんが希美ちゃんに固執してるのって、結局一人が怖いからでしょ? 優子ちゃんは保険だね」「結構、人は打算的に動くものだと思うな〜」と言っています。

あすかのこの台詞は、表面的にはあすかの性格の悪さや冷徹さを表していますけど、でも本当のところはさほど悪い子ではないのではないか、とも受け取れます。

本当に性格が悪い人なら、そんなことを身の回りの人間、ましてや部の後輩になど絶対に言わないです。歪んでいる私なら言わないですから。「人は打算的に動くもの」、この言葉にこそ、彼女の本当に言いたいことが含まれている、と考えられそうです。

あすかが他人を信用していない原因は、彼女自身が家族に、もっと言うと親に、そういった打算的だと思える扱いを受けてきているからだと推測されます。現在進行系で。だから、人は打算的に動くものだと思っているのでしょうし、またそうであって欲しいと願っているのです。自分の見てきた人間関係や世界だけが特殊なのではない、と自己肯定をしたいのです。本当は人を信じたいと思っている裏返しでもあるのでしょう、たぶん。

そして、そこにこそ、彼女がどうしても関西大会でも優秀な成績を残して全国へ行きたい理由があるはずです。推測するに、自らのために自分(あすか)を捨てた(とあすかは思っている)、遠くにいるであろう親に自分の姿を見てもらいたい、というところでしょうか。

私は原作を読んでいないので、あくまで想像で書いています。私の考えであって、本当のことかは全くわかりません。ご了承下さい。

 

 

おわりに

みぞれは希美と仲直りできたようです。しかし、私はいまいち納得が出来ないままでいます。希美がみぞれに何も知らせないまま退部したことが、です。

みぞれが一所懸命に吹奏楽に取り組んでいる様子を見ていたら、一緒に退部しようなんて言えなかった、ということを希美は言っていましたが、問題はそこよりも前に、どうしてみぞれに何も相談しなかったのか?という点、そこが納得いかないです。

突然一緒に辞めないかとは言えないでしょう、それは同意です。しかし、本当にみぞれと仲が良いなら、みぞれを心の友と思っているなら、退部を決める前の段階からみぞれに部のことと自分の悩みを相談しているものじゃないの? と思ってしまうのです。そこがどうしても納得できません。

 

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