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古典落語を「リップシンク(口パク)」ドラマで映像化。噺の内容がすっと頭に入ってきます - NHK『超入門!落語 THE MOVIE』

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毎週水曜日22:50からNHK総合で放送されているエンターテインメント番組『超入門!落語 THE MOVIE』、2016年10月19日の放送は「かぼちゃ屋」と「お見立て」でした。

 

 

超入門!落語 THE MOVIE

www4.nhk.or.jp


『超入門!落語 THE MOVIE』は、今年2016年の3月に第1弾、同じく7月に第2弾が放送されていました。好評を受けて10月からレギュラーとなって放送が開始した番組のようです。私は番組そのものを知っていましたけど全て見逃してしまっています。今回が完全初見でした。

昨今は落語がブームになっているというニュースはよく聞きます。しかし、落語には長い、単調、難しいという印象も根強くあることも確かなようです。この番組では落語に対してそういった印象を持っている方にも、わかりやすく面白いものを提供してみようとして始まっているようです。

落語家さんが落語を演じているところに、俳優さんたちが出演して「当て振り芝居」をする映像を流すシステムで番組は進行します。噺家の語りに合わせて俳優さんが口を動かす「リップシンク」の芝居、ということです。リップシンクとは口パクですか。

番組のMC(ナビゲーター)は俳優の「濱田岳(はまだ・がく)」さん。濱田さんはナビゲーションしつつ、ナビゲーションそのものも落語とリンクさせたドラマ仕立てになっています。

 

 

古典落語「かぼちゃ屋」

レギュラー放送第1回では「かぼちゃ屋」と「お見立て」が扱われていました。

まず、「かぼちゃ屋」は俳優でタレントの「加藤諒(かとう・りょう)」さんが主演を演じています。加藤さんはEテレ『シャキーン!』の「ザリガニくん」として有名ですね。他にもバラエティ番組などでよくお見かけするので、ご存知ない方は少ないのではないかと思われます。

「かぼちゃ屋」は「唐茄子屋(とうなすや)」とも呼ばれる、今から250年ほどまでの古典落語だそうです。「春風亭一之輔(しゅんぷうてい・いちのすけ)」さんの語りでした。

二十歳になったのらくら者(怠け者)の「与太郎(よたろう)」が、かぼちゃを売ることになります。籠の中にはかぼちゃが大小あり、大きいかぼちゃは元値が十三銭で、小さいかぼちゃは元値が十ニ銭、「上を見て」売るんだぞ、と言われます。「上を見る」とは掛け値をしろ、つまり値段を元値より高く設定して売って儲けを出せ、という意味です。しかし、与太郎は「上を見る」の意味がわからずに、言葉通りに空を見上げてしまいます。

そんな与太郎を見かねた男が代わりにかぼちゃを売り切ってくれ、顔を元に戻すと知らぬ間に売り切れていた与太郎は揚々と帰宅します。ところが、元値のまま売ってしまっていたために儲けが全くありません。もう一度かぼちゃを渡されて、今度は値上げをして売りに行くと……という噺でした。

加藤諒さんの与太郎は、彼のコミカルな表情を相まって、良い味わいが出ていたように思います。

 

 

古典落語「お見立て」

次の「お見立て」は、お笑いコンビ「ドランクドラゴン」のお一人で俳優でもある「塚地武雅(つかじ・むが)」さん、俳優の「梶原善(かじわら・ぜん)」さん、俳優で歌手の「前田敦子(まえだ・あつこ)」さんが演じていました。

「お見立て」は、今からおよそ200年前の、こちらも古典落語だそうです。吉原の遊郭が舞台になっているので、いわゆる「廓噺(くるわばなし)」になろうかと思います。番組では「古今亭菊之丞(ここんてい・きくのじょう)」さんの語りでした。

花魁(おいらん)の「喜瀬川(きせがわ)」は、自分の元に通い詰める「お大尽(おだいじん)」に嫌気が指していて、店の者を間に立ててあの手この手を使って追い返そうとします。まずは喜瀬川は病気になったと言い、それでもお大尽が引き下がらないと見るや病院に入院したと言い、それでも尚引き下がらないと今度は事もあろうに死んだと言います。それでも引き下がらないお大尽は喜瀬川の墓参りをしたいと言い出して……という噺です。

梶原さん演じる店の者が、お大尽に喜瀬川が病気になった・入院した・死んだと言ってはいるのですが、そもそも喜瀬川から店の者にそのように言って追い返してしまいなさい、とけしかけているのですね。喜瀬川とお大尽の間に挟まれた店の者は次第にどうでも良くなってきて……という。

 

 

おわりに

私は普段落語は全く見ません。ドラマの『タイガー&ドラゴン』や、アニメの『昭和元禄落語心中』は楽しく観られたので、落語への興味自体はそこそこあるのだと思います。番組紹介のところで、「長い」「単調」「難しい」という印象があると書いていますけど、私自身、落語は「難しい」印象がありました。

しかし、今回『超入門!落語 THE MOVIE』を観るととても面白く感じられました。ですから私の場合は、噺家さんの言葉から物語の景色を想像する力が足りていないのだなぁ、と感じられました。読解力と言い換えても良いでしょうか。

次回第2回は26日に放送され、「粗忽長屋(そこつながや)」と「目黒のさんま」を扱うそうです。こちらもとても楽しみです。第1回の再放送は金曜日に既に放送されてしまったようです……。見逃した方は、オンデマンド(扱っているかは未確認です)か再々放送を期待するかしかないかもしれません。

 

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