ディスディスブログ

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SF要素が入ってきました。バミューダトライアングルへ行って手紙を海に流して過去に届けます - アニメ『orange』12話の感想

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毎週月曜日00:00(日曜深夜)より、TOKYO MXにてアニメ『orange(オレンジ)』が放送されています。

 

orange-anime.com

 

以下、最新話のネタバレ要素がありますので、バレても構わない方のみ下方スクロールをお願いします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2016年9月19日の放送は第12話です。サブタイトルのない作品のようです。

 

 

イントロダクション

高校2年生の春、菜穂に届いた「手紙」。その差出人は、10年後の自分だった。初めはイタズラかと思ったが、書かれていることが次々と現実に起こり、「手紙」がこれから起こることを綴っていると知る。転校生の翔を好きになること。そして、17歳の冬に翔が亡くなってしまうこと。翔を失った<26歳の菜穂>の後悔と願いを知った<16歳の菜穂>ができることとは?

 

このようなイントロダクションです。

 

 

LETTER 12(12話)

12話のAパートは、転校生の「成瀬翔(なるせ・かける)」の視点から見た、東京から松本に転校してからの自分自身の行動が描かれていました。この行動は手紙の内容、つまり翔が自数してしまうルートをなぞった回想になっていました。

そして、この回想には引っ越してから間もなく自数してしまった母親も、顔つきで登場しています。今回が初登場ですよね。エンディングのクレジットを見ると、「翔の母」としか名前がありませんでしたので、設定から名前がないキャラクターのようです。翔の母のCVは能登麻美子さんが担当しています。

翔は、母が自分に何も言わず父親から逃げるように引っ越したこと、自分がサッカーをしないと母と約束したことで母は自分が使っていたサッカーシューズを勝手に捨てたこと、何でも物事を自分に相談することなく決めて行動してしまう、その身勝手さにイライラしている様子が描かれていました。

そうしたことの積み重ねが結果として、これまでの物語に描かれてきたように、転校初日の放課後にヒロインの「高宮菜穂(たかみや・なほ)」や、彼女の仲間の「須和弘人(すわ・ひろと)」、「村坂あずさ(むらさか・あずさ)」、「茅野貴子(ちの・たかこ)」、「萩田朔(はぎた・さく)」に誘われ、それに乗っかって一緒に過ごしてしまったことで、元々は母親と一緒に病院へ行く約束を破ることになり、母親は自数をしてしまう選択をしてしまいました。

 

 

翔の回想(手紙が届いていないルート)

自分に似ていると感じる菜穂の存在が気になる。須和にサッカー部に入部するよう誘われても母親との約束を破る訳にいかず(約束を守るではない感じ)断る。嫌われたくないから、母親を亡くしたことやそれが自分の責任だと思っていることは、菜穂たちには知られたくない、と隠す。東京時代の友達に会いその場で自分の気持ちを吐露したけど分かってもらえなかった。それきっかけで(孤独を感じ?)自数未遂をしたこと。体育祭のリレーのアンカーを走っているときに転んで、そのせいで自分たちの赤団が負けた。二年参りで菜穂に「今日は忘れて楽しもう」と言われたことでカッとなり一人家に帰ったこと。それ以来、菜穂を傷つけまいとして菜穂を遠ざけたこと。本当は菜穂に謝りたかった、もっと近づきたかった、でもできなかった。

そのときどきの翔の心理描写が描かれていました。

そしてある日、バレンタインデーの翌日でしょうか、翔は家の押入れから荷物を出そうとすると亡き母の携帯電話を見つけます。携帯のメールを読んでみると、自分が最後に送ったメールと、それに対する母の未送信の返信メールがありました。

そこには元の夫からDVを受けていたこと、翔の母の心的ストレスはそこから生じていたようです。DVが翔にまで及ぶ可能性を恐れて、翔の母は離婚、引っ越しをした……と。メールの最後に「これからは、翔が楽しいと思う事を、やりたい事をしてく下さい。(6行ほど空き)ジャマしてごめんね。」とありました。

それを読んで翔には後悔しかなかったでしょう、決定打になったようです。自転車に乗り、謝りたい、タヒんだら許してもらえるかな、などと考えながら走っていると……翔の目の前にトラックと思われる大きな自動車のヘッドライトが輝いていて……という。

 

 

翔が菜穂を避ける

Bパートでは10年後から手紙が届いているルートの、11話の後の話です。二年参りで喧嘩というか、翔が一方的に菜穂を避けてからというもの、新学期が始まって学校で出会っても、翔は菜穂を避けるようになっています。

菜穂が勇気を振り絞って話しかけ、仲直りをしようと言っても、一見すると笑顔ではあるものの、2人の間には大きな壁があり、近づくこと決して許されない空気感に満ちています。

例えば、先述の仲直りをしようという菜穂からの語りかけに対しても、翔は喧嘩なんかしてたっけ?とそもそもを否定してしまい、話を逸らしていて、決して自分の腹の底を見せようとしませんでした。

さらに菜穂が放課後に一緒に帰ろうと誘っても、部活が遅くなるから今度にしよう、と優しい口調で返事をするものの、決して首を縦には振らない頑とした拒絶の意思があります。

理由は、手紙をもらっていないルートの翔のような心境になっているからでしょう。自分の気持ちは誰にも理解できない、菜穂とは仲直りをしたいし近づきたいけど、自己否定の強さからそれができないのだと思いますし。菜穂たちを傷つけるくらいなら孤独を選ぶ、心を閉ざしてしまった、ということなのだと思います。

 

 

SF要素「ブラックホール理論」が再登場

10年後の未来の話。翔が自数をしてしまったルートです。皆が集まっていて、転校初日に翔を誘わなければ自数から救えたのかななどと、あずさや貴子は話していましたが、萩田くんがとても良いことを言っていました。

「じゃあ、俺らと友達にならなきゃ翔は生きてたってことか? 何が悪かったとかないんだよ。後悔したってなるようにしかならない」

という台詞です。そうなんですよね、この件は誰が悪かったということはないです。事情を知らないです。菜穂も須和も、あずさも貴子も萩田も、翔の家の事情など知らなかったですし、手紙が届いているルートにしても書かれている内容が事実かどうかなどわからなかったのですから。仮に内容が事実だとわかったとしても、当時の菜穂の手紙にはそれがタヒにつながるとは書かれていなかったですし。

もう一度人生をやり直せないか、過去にタイムカプセルを送れないか、という話に張ってすると、菜穂が、学校の先生が授業でブラックホールがあればタイムスリップできるかもしれないと言っていたことを思い出し、皆に話し出しました。

ブラックホールなんてないし、入ったら戻ってこられない、と萩田。でもブラックホールじゃないかと言われている場所なら地球上にもあるとも言っていて、それは2013年にスイスの学者が大西洋南部にブラックホールが存在する兆候を発見したとか、メキシコ湾でも同様の報告があるとか、例を幾つか言っていました。

 

バミューダトライアングル(Bermuda Triangle)は、フロリダ半島の先端と、大西洋にあるプエルトリコ、バミューダ諸島を結んだ三角形の海域。昔から船や飛行機、もしくは、その乗務員のみが消えてしまうという伝説がある。この伝説に基づいて、多くのフィクション小説、映画、漫画などが製作されている。

 

バミューダトライアングル - Wikipedia

 

その一つが西大西洋にある「バミューダ・トライアングル」でした。それに活路(?)を見出した菜穂たちは、バミューダ・トライアングルへ行って、船から海に手紙を流せば過去に届けられるのではないか、と意気込んでいました。

 

 

おわりに

う〜ん、いきなりのSF展開に私が動揺してしまいました……。いや、以前もその先生の話はありましたから、「いきなり」ではないのかもしれませんけど。

手紙が未来から届けられた理屈については、詳しく描写しなくて良いのではないかと私は思います。急に話がインチキ臭くなってしまった気がするので……。未来から手紙が届いている時点であれなのですが。

こういうことは、そういう不思議なことがあるんだよ、と軽く流す程度に触れておけば良いのでは、と。フィクションであることはわかっていますし、『orange』の物語的にその部分はさほど重要ではないと思いますから。

翔は、遺伝要素なのか、心の動きの傾向が母親ととてもよく似ています。邪険に扱ったことで母親をタヒなせてしまった、その後悔と葛藤から菜穂には語らず距離を置くことを選択していると思うのですが、それが今度は菜穂たちを大きく傷つけている事実に気がつけているのでしょうか。他人のことを考える余裕が今の彼にはないと言えばそうなのですが、彼の身勝手さはこの期に及んでも続いています。

それよりも、菜穂たちにはとにかく粘り強く語りかけてもらいたいですね。決して諦めず、あなたが必要だと語りかけり続けることで、少しずつ事態が好転するのだと思います。実際に、バレンタインデー、待ってて!と翔に言っていましたから、菜穂はやってくれることでしょう。

次回で最終回と思います。最終回はハッピーエンディングになるはずです。この展開ならそれ以外はないでしょう。トラジックエンディングになったら逆に私の作品に対する評価は高まる……こともないですか。どうしても考えられないです。

 

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