ディスディスブログ

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アカバネが鉄ネジを真鍮に見せる偽装工作をし決着。南大昭が美子と結婚するフラグが立ちました - 朝ドラ『とと姉ちゃん』142話の感想

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NHK連続テレビ小説『とと姉ちゃん』、2016年9月15日放送の142話で、電気洗濯機のの公開試験における、『アカバネ電器製造』との決着が着きました。

 

 

『アカバネ』の電気洗濯機の決定的な問題

www.nhk.or.jp

 

ヒロインの「小橋常子(高畑充希)」が社長を務める『あなたの暮し出版』社は、自社の雑誌「あなたの暮し」の目玉企画「商品試験」に関する公正性と公平性を、一部から疑われるようになっています。

商品試験が完全に自社内で行われていることが問題になっています。実は一部のメーカーから金銭を受け取ることによって良い評価を書いているのではないかと、全国紙の新聞社『大東京新聞』の記者である「国実恒一(石丸幹二)」などは疑っているようです。

常子たちは自分たちにかけられた偽装疑惑を晴らすべく、国実たちから要求されていた「公開試験」の提案を飲みます。国実は商品試験の対象になっている大手メーカーの人間を呼んで、おそらく『大東京新聞』の敷地内(屋外)で「電気洗濯機」の公開試験を行うことになりました。

 

公開試験に出席したのは『あなたの暮し出版』からは常子と編集長の「花山伊三次(唐沢寿明)」、メーカーからは『澄浦電機』と『広海電機工業』、『東築電機製作所』、『日本家庭電器』、『アカバネ電器製造』の5社が出席しています。会場には『あなたの暮し出版』の社員や商品試験のテスターさん、アカバネの社長である「赤羽根憲宗 (古田新太)」、メーカーの社員たちもいます。

試験は「あなたの暮し」側メーカー側双方がどのような試験を行ってきたかを発表し、疑問点はその都度発言しあっていました。常子たちの試験の内容は、メーカーがしてこなかった使う側の視点から行われたものが多く、メーカーたちを驚かせます。

中でも、当時は洗濯機を屋外で使用する家庭が多かったことから、屋外でも1年間使用試験を行ったことによって、これまで常子たちに散々嫌がらせをしてきた『アカバネ』にとっては痛恨の一撃となる事実が発覚します。

 

『アカバネ』の洗濯機は、ダイヤルが日光の紫外線を受け続けることで劣化して割れてしまい、操作不能に陥ったようです。いくら高い洗浄力を謳っていてもダイヤルが壊れてしまっては洗濯機を操作できません。また、『アカバネ』の洗濯機は底が空いている設計をしていて、特に屋外に設置した場合に洗濯機内部に湿気が入り込みやすく部品が錆びてしまいます。実際に公開試験で屋外で使用した『アカバネ』の洗濯機を裏返したところ、錆だらけになっていました。

洗濯槽も、『アカバネ』の洗濯機は洗濯槽に水をいっぱい注入するとその上部には3cmほどしか余裕がなくなり、稼働させているときは常に様子を見ていないと洗濯槽から水が溢れ出してしまうことがある、ということでした。主婦を家事から解放するために作られた便利な電化製品のはずなのに、付きっきりになってしまっては本末転倒です。

 

今回142話では、消費者が要求するから要求通りに安価な製品を提供しているだけ、我々の責任は商品を作り上げた時点で終わっている、購入後の責任は消費者にある、と主張する赤羽根社長に対して、花山から決定打が放たれました。

それは以前、屋外の商品試験中に発生したコンセントプラグのショートです。

花山は皆が見ている前で、『アカバネ』のコンセントプラグを解体して、内部に使われているネジを取り出しました。それを剥離剤(はくりざい)に投入すると、ネジから金色の粉のようなものが剥がれて浮き上がってきました。これはネジに塗装されたメッキです。

『アカバネ』は自社の予算内に納めるためにコスト削減をするに当たって、本来なら腐食しにくい真鍮(しんちゅう)製のネジを使用すべき箇所に、鉄を使用したばかりでなく、鉄を使用していることを隠蔽するために鉄ネジに金メッキを施し、真鍮に見せかけていました。明らかに意思のある偽装工作です。

 

 

偽装工作は赤羽根本人も知らず

「これは大問題ですよ。鉄は錆びやすい。錆びた鉄では電気抵抗が高くなり、ネジやプラグの温度が上昇して最悪発火の恐れもある。近くに衣類なんかがあれば燃え移る可能性も十分にあるだろう」

という花山の発言を聞いた国実は、SJI規格違反であるかと花山に確認し、それに花山が頷くと、赤羽根の方へ向き直り、「これは偽装じゃないですか?!」と詰め寄りました。

赤羽根は自社製品に偽装工作が施されていることは知らず、部下の村山健太郎(野間口徹)と酒井秀樹(矢野聖人)に問いただします。すると村山が「仕方ないでしょう。あの低予算で真鍮のネジなんか使える訳がないじゃないですか! 社長の仰る予算通りに収めようとしたら、こうするしかなかったんですよ!」と発言します。赤羽根は「だからといって偽装しろとは言ってないぞ!!」と怒りますけど、偽装した事実が消える訳ではありません。後の祭りです。

やり取りを見た国実はネジの偽装は記事にさせてもらいますよと赤羽根に確認し、赤羽根も「勝手にしろ」と吐き捨てるように言い放つと、公開試験の会場を逃げるようにして足早に立ち去りました。

こうして公開試験は終わり。「あなたの暮し」第45号が発売されました。電気洗濯機の商品試験の内容が記載されている号です。『大東京新聞』にも公開試験の内容がありのまま報じられ、「あなたの暮し」の商品試験が潔白であったことが第三者からも証言されたことによって、世間の信頼も得られることになりました。

『アカバネ』は赤羽根社長が謝罪会見を開いて、安全な電化製品を開発するため社内の体制を見直すと発表しました。

 

 

『キッチン森田屋』の跡取り問題

後日、和洋食を扱う『キッチン森田屋』では、店主の森田宗吉(ピエール瀧)が、買い出しから店に戻ってきた、従業員の見習いコックである南大昭(上杉柊平)に話があると、カウンター席に座らせました。宗吉の妻の照代(平岩紙)も宗吉の側にいます。

宗吉はかねてから、いずれは南に店を譲ろうと考えていましたが、いよいよそのときがやってきたと判断して、彼にその旨を伝えたのです。

最初、南はお言葉は嬉しいですが半人前だし……と答えていました。しかし、宗吉は自分の店を持って自分の責任で料理をしなくちゃいけなくなるともう一つ腕は上がるんだと言い説得、自分は料理の世界から身を引くつもりであることも明かします。

身内の長谷川哲典(浜野謙太)と富江(川栄李奈)はどうするのかについては、群馬の高崎の店を任せられるようになったし、南も身内だと宗吉たちは答えていました。長谷川たちからも高崎に戻るように誘われてもいるから、そろそろ頃合いではないか、ということでした。

常子と鞠子(相楽樹)と美子(杉咲花)も、宗吉たちにとっては娘みたいなもので、彼女たちの今後のためにも、南が店を持つことによって、南とお付き合いをしている美子が喜ぶのなら、それは宗吉たちにとっての喜びでもあります。

宗吉たちから説得を受け、南は宗吉の提案を受け入れました。南は大昭という名前なことから、宗吉からは「タイショー」と呼ばれていましたが、これで本当に名実ともにタイショーになりましたね。

 

 

おわりに

公開試験も終わり、宗吉たちが引退し、美子の結婚も決まりそうで、物語はいよいよ終わりへと近づいてきた感があります。この調子だと、常子は結婚しないことでほぼ確定しているかと思いますけど、史実を見る限りでそれも予想がついていたことですから仕方ないです。

公開試験で、常子は「お金を得て豊かになりたいと私も思います。でも、そのために“ささやかな幸せ”を犠牲にしたくないだけなんです」と言っていました。この「ささやかな幸せ」こそが「あなたの暮し」の信念なのでしょうね。

ささやかな幸せというと、漫画『美味しんぼ』の「トンカツ慕情」を思い出します。「トンカツをいつでも食えるくらいになりなよ」と店主が学生に言うのですが、それに近いものがある気がしました。「それが、人間えら過ぎもしない貧乏過ぎもしない、ちょうどいいくらいってとこなんだ」と。

この話は『美味しんぼ』で1,2を争うほど好きな話です。ご存じの方も多いと思いますけど、読んだことのない方は是非読んでみてください。単行本4巻でしたっけ? 

 

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