ディスディスブログ

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自分が苦しいときほど周りに明るく振る舞う常子を、星野は看破していました。これは結婚フラグですか? - 朝ドラ『とと姉ちゃん』125話の感想

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NHK連続テレビ小説『とと姉ちゃん』、2016年8月26日放送の125話で商品試験で酷評された会社『ちとせ製作所』の社長に対して、常子が直接会ってトースターについて話をつけていました。

 

 

「商品試験」による影響に責任を感じる常子

www.nhk.or.jp

 

121話から時間は昭和31年春に進んでいます。ヒロインの小橋常子(高畑充希)が社長を務める『あなたの暮し出版』社では、雑誌「あなたの暮し」の目玉企画として「商品試験」を行っています。

電化製品の第一弾として常子たちが扱った電化製品は「トースター」で、60日間に及ぶ試験の結果、問題のなかったメーカーは1社としてありませんでした。編集長の花山伊三次(唐沢寿明)は全メーカーのトースターを酷評することになり、責任をもって記事を書き上げました。その後発売された「あなたの暮し」第37号は世間で評判を呼び、中でもトースターの商品試験の記事が大きな話題になりました。

消費者には評判を呼びましたが、製作会社へも大きな影響を与えることとなり、特に小さな会社の『ちとせ製作所』は会社が存亡の危機に瀕するほど大ダメージを食ってしまったようです。社長の「田中利一(螢雪次朗)」は常子たち『あなたの暮し出版』社に怒鳴り込み、花山の胸ぐらをつかむほどに激昂していました。

花山は、書いた記事は会社の規模を問わず公平公正に試験した結果で、低予算だから粗悪品を造って良いという道理にはならない、自分の造った商品に責任を持ちなさい、と田中を追い返していました。

 

 

常子が星野に弱音を吐く

花山と田中のやり取りの一部始終と、後に『ちとせ製作所』へ足を運んだときに見たちとせの人たちの落胆ぶりを目の当たりにした常子、自らが立案した企画で対象になったメーカーやそこで働く人々が苦境に追いやられていることに改めて責任を感じ、そうまでして今のまま商品試験を継続していっても良いのだろうか、と悩んでいます。社長という立場上、社員には誰にも話すことができず、一人で抱え込んでいました。

木曜日でしたか、常子は医薬品などを扱う『光和医薬品社』に務める星野武蔵(坂口健太郎)の家に行き、忙しくて定時にあがれない星野の代わりに、星野の子供の大樹(荒井雄斗)くんと青葉(白鳥玉季)ちゃんの面倒を見ています。星野の会社の繁忙期だけの約束のため、常子が2人の面倒を見るのは今回が最後です。

子供を寝かしつけたところで、星野が帰ってきました。星野から会社で何かあったのかと聞かれます。常子は子供たちとのことをあまりに饒舌に自分に話してくれるものですから、常子は以前から自分に何かあったときほど周囲に明るく振る舞うものだと分かっている星野は気がついたようです。

「僕で良ければ仰ってください」と姿勢を正して声をかけてきた星野に、常子は正直に「あなたの暮し」の商品試験のことと、そのために(会社名は伏せていましたが)『ちとせ製作所』を苦境に追い込んでしまったことを打ち明けます。

すると星野は、かつて粗悪品の電気釜によって息子の大樹くんがふくらはぎに一生残る大きな火傷を負ったことを話しました。お米が炊きあがり、電気釜の蓋を掴んだときに、蓋のつまみがまだ高温になっていて、それを慌てて手から離しはしたものの、大樹くんが勢い余って上っていた椅子から落ちてしまい、そのときに蓋がふくらはぎに触れたようです。大樹くんたちにとっては電気釜が高いところに置いてあったため、大樹くんは椅子に上って炊きあがりを確認していたんですね。

「確かに商品試験で粗悪品だと書かれた会社の人たちは厳しい状況に置かれるかもしれません。でもそれによって良い物を造ってくれるようになるのだとしたら、それは必要なことなんじゃないでしょうか?」

この星野の言葉に力をもらった常子は後日、改めて『ちとせ製作所』へ足を運んで田中と直に話をつけていました。「あなたの暮し」の商品試験は消費者だけでなく生産者にも向けて書かれている、特定のメーカーを否定したい訳じゃない、全てのメーカーに安全で使いやすい商品を造ってもらいたい、そう呼び掛けている記事なのだと説得していました。さらに、トースターに関しては全てのメーカーが基準に達していなかった、つまり改善すれば大手のメーカーにも勝てる可能性がある、成功する可能性があることを伝えます。

すると田中は「あんたの言うことも一理あるかも知れねぇな」と考えを改めてくれました。うちは腕には自信があるけど、大手と戦うためには安くする必要があり、そのために妥協していた部分があったかも知れない、と自分たちの非を認めてもいました。その上で、本当に良いトースターを造っているメーカーがどこにもないなら、うちが造ってやると言っています。

 

 

おわりに

いや、今回は良かったですね。前回の記事にも書いていたような、田中社長のリアクションがポジティブなものになってくれて嬉しいです。一度失った信頼を取り戻すことは大変かと思いますけど、製品造りで信頼を損なったら製品造りでそれを取り戻すしかないですからね。田中たちなら立ち直ってくれるはずです。

ただ今回のやり取りを観ていて怖く思ったことがあります。商品試験は今後も続けられますし、その中で田中のようなクレームを訴える会社は出てくるでしょう。そのときに相手の全員が全員、今回の田中のように素直に常子の考えを受け入れてくれるとは限りません。そんなときに常子は、『あなたの暮し出版』社はどう対処するのか、です。

また、星野は誰よりも常子のことがわかっているんだなぁと心が温かくなりました。しかし、これだけ2人は合っているぞ、という描写を見せつけられると、これは「結婚しないフラグ」でしかないなと思えてきます。もうドラマも残すところ1ヶ月ほどです。あまり時間がありませんから、もうそろそろ2人の結果も出されることでしょう。知りたいような知りたくないような。

 

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