ディスディスブログ

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年間1300万円かかる商品試験は160円の「あなたの暮し」を購入してもらうために価値のある企画です - 朝ドラ『とと姉ちゃん』120話の感想

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NHK連続テレビ小説『とと姉ちゃん』、2016年8月20日放送の120話で「あなたの暮し」の商品試験についての話し合いがもたれました。

 

 

商品試験に関する重大な話し合い

www.nhk.or.jp

 

ヒロインの小橋常子(高畑充希)たち『あなたの暮し出版』社は、世の中に多く出回っている商品を試験し、雑誌上で読者に対して商品の良い所と悪い所を伝えてはどうかと新たな企画を始め、雑誌「あなたの暮し」第36号では「歯ブラシ」の商品試験企画と、各家庭の台所を紹介する企画の2枚看板がいずれも好評を博し、書店では品切れを起こすところもあり編集部にも注文が殺到しています。

常子たち編集部は会議を開いて、次回以降の商品試験の対象品は何にしようか意見を出し合っています。そこへ現れたのは編集長の花山伊三次(唐沢寿明)と経理の水田正平(伊藤淳史)で、彼らは今後も商品試験をするかどうか今一度話しあおうと話を切り出してきました。

水田が言うには、これから1年間電化製品をメインに商品試験をした場合、少なく見積もっても1300万円ほどの費用がかかるそうです。1300万円という金額は今でも大金ですが、当時の価値に換算するとどのくらいになるのでしょうか。とにかく莫大な費用なのでしょう。

花山は商品試験そのものにも問題があると言います。それは試験をする自分たちの価値基準が問われること、つまり検査をする人間が誰でも良い訳ではなく、商品に対する目の深さや社会に対する考えの広さまでも求められることになります。そのためには人を選ばなければならず、人件費がよりかかります。電化製品を持っていない家庭も未だ多く、たった一回の高価な買い物の基準を我々が提示するのだから、間違った結果は出せない、と。

さらに、1年に一回しか商品試験の記事を掲載できないのであれば企画の印象が薄れてしまうため、毎号何らかの商品試験を掲載せねばなりません。ということは同時に幾つもの商品試験を並行して行う必要があります。

商品試験が失敗したら「あなたの暮し」は潰れるだろう、それでもやるのか? と花山は常子に問います。商品試験をしなくても今は「あなたの暮し」はバックナンバーを含めて安定した売り上げを続けているため、無茶をしなくても良い状況です。

一度失敗したら会社が潰れるなんて大げさなと思うかもしれませんけど、これは信用の問題で、一度でも企業が信用を落とすと回復まで相当な時間がかかるでしょうし、最悪二度と戻らないでしょうから、花山の言っていることは大げさでも何でもないでしょう。

花山と水田の意見を聞いた常子は、それでも商品試験の企画を続けると返答しました。旦那さんが働いて稼いだ大切なお金を財布から取り出させるだけの値打ちのある企画を自分たちは考えなくてはならない。商品試験には160円を出す値打ちがあると常子は考えていて、女の人や子供にお金の値打ちに見合った安全で良い物が届くように私たちがお手伝いをする、これは今の時代にどうしてもやらなければならない企画なのだと主張し、社員全員から賛同を得ていました。皆が覚悟を決め、一致団結をした瞬間です。

単純に一部160円が10万部売れたとすると、一冊160円なら1600万円の売り上げですね。商品試験の年間費用は少なく見積もって1300万円。10万部の売り上げでは厳しそうですね……。

 

 

おわりに

次週は第21週「常子、子供たちの面倒をみる」です。星野武蔵(坂口健太郎)の子供、大樹(荒井雄斗)と青葉(白鳥玉季)の面倒をみるということですよね。いよいよ常子が星野と結婚をするということでしょうか? でも、結婚なら「子供たちの面倒をみる」とは書かないと思いますので、星野が仕事に忙しく夜遅くにならないと家に帰れないから代わりに常子が世話をすることになった、ということかもしれません。大樹くんが倒れている様子も映っていたので。

また、商品試験の記事を書いたことによって対象となった会社からクレームが届いたような描写もありました。作業服を着た男性が「あなたの暮し出版」社に怒鳴り込んで、花山の胸ぐらをつかむカットがありましたね。商品試験をした結果、基準を満たさなければ当然そのままを記事にする訳ですから、大手ならまだしも中小零細企業にとっては商品試験での評判は文字通り死活問題になり兼ねないはずです。毎号、戦々恐々としているのでしょうね。酷評されるのが嫌だったら良い商品を作れば良い、と言うには簡単ですけど、これも難しいことでしょうからね……。

いずれは星野の務めている会社もその対象になって、酷評されて……みたいな展開にならないことを祈ります。

 

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