ディスディスブログ

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鞠子が平塚らいてうから提案された記事は「夏に食べたくなるお汁粉」でした - 朝ドラ『とと姉ちゃん』110話の感想

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NHK連続テレビ小説『とと姉ちゃん』、2016年8月9日放送の110話では水田が鞠子にプロポーズをしていました。

 

 

水田からのプロポーズを保留した理由

www.nhk.or.jp

 

108話から昭和25年に話が進んでいて、『あなたの暮し出版』社が順調に成長して会社が大きくなっていました。経理の水田正平(伊藤淳史)が、ヒロインの小橋常子(高畑充希)の上の妹・鞠子(相楽樹)に求婚をしましたが、鞠子からは「考えさせてもらってもいいですか?」と返事を保留されてしまいました。

水田はそれを拒絶だと思い込んでいるようです。しかし昨日の109話における鞠子の言葉からは、水田を拒絶するような思いは感じられませんでした。常子が鞠子に水田の求婚に対して答えを出せない理由を聞くと、鞠子は自分が作家になるために大学まで出してもらったのに、出版の仕事でその経験が何も活かせていないと引け目を感じているようでした。仕事が上手く行っていないから結婚をする、と結婚を仕事ができない・夢を実現できないことの逃げ道にしては水田に対して失礼だから、ということのようです。

鞠子は恩師である東堂チヨ(片桐はいり)の家を訪れ、東堂から挑戦していますか?何かをやり遂げたと感じることができたときに答えが出るのかもしれませんよ、と言われます。東堂の言葉を聞いた鞠子はまずは仕事で一つ成果を出すことを考えるようになりました。

 

 

鞠子が平塚らいてうに会う

雑誌「あなたの暮し」に寄稿してもらう予定だった作家さんが突然降りてしまい、急遽他の作家を探すことになりました。鞠子は平塚らいてうに頼んでみてはと提案し、常子の後押しもあって原稿を書いてもらう交渉を任されることになりました。

鞠子は早速、『乙葉出版』を訪れ平塚らいてう担当編集者である若松永正(モロ師岡)に話を持ちかけます。しかし若松からは、らいてうは信頼している編集者としか仕事をしないし、今、新規の依頼は受けていないと断られてしまいます。鞠子としてもはいそうですかと簡単に折れる訳にはいかず、何度も何度も粘り強くお願いをしていると、さすがに若松も折れ、話だけでも通しておくと言ってくれました。

鞠子はらいてうの家へ訪れました。平塚らいてうは真野響子さんが演じています。鞠子は、以前自分が読んで感銘をした「青鞜(せいとう)」ようならいてうの一言一言を、「あなたの暮し」の読者にも届けてもらいたいと寄稿をお願いしていました。らいてうは「あなたの暮し」の読者のようで、寄稿することを受け入れていました。ところがらいてうが提案した記事は「夏に食べたくなるお汁粉とそれにまつわる随筆」でした。らいてうの母が得意な料理で、らいてうが教わり、娘も息子も大好きなのだそうです。

「青鞜」のような女性に力を与える記事を寄稿してもらいたい鞠子は納得のいかない表情を浮かべています。それを見てとったらいてうは、「青鞜」のような内容の文章は「あなたの暮し」には相応しいものではない、と言います。

少し前なら鞠子の申し出を受けていたかもしれないけど、戦争によって考え方が大きく変わったと言っていました。考えは変わるもの、変わることはとても良いことだと言っています。女性の問題も大切だけど何より平和が一番、甘いお汁粉で幸せになれるような平和な日常があってこそ、女性は権利を主張できるのではないかしら、ということでした。

 

 

おわりに

戦争によってそれまでの価値観が大きく変わったと感じた方はとても多くいらしたであろうことは想像に難くないです。らいてうもその一人で、何よりも生きていることの幸せを何よりも優先して感じ取れなければ、その上に乗っかった幸せをも感じ取れないであろうと思っているようです。お汁粉のような当時ならどの家庭でも日常的に食べられていたであろう料理を、家族揃って笑顔で食べられる幸せ、それこそが戦争を経験したからこそ感じられた、らいてうの至上の幸せだったという。

このらいてうに書いてもらう「お汁粉」の記事はおそらく花山伊三次(唐沢寿明)に絶賛されることになるはずです。「あなたの暮し」は世の女性の生活を豊かにするために創刊された雑誌です。「夏に食べたくなるお汁粉とそれにまつわる随筆」は、その目的に大いに適った内容になっていると感じられますから。

先週後半からは鞠子がメインに描かれていてとても面白いですね。相楽樹さんがとても良いです。雨でずぶ濡れのシーンや、居間で正座をしている真横からのカット、とても魅力的でした。

 

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