NHK連続テレビ小説『とと姉ちゃん』が今日2016年7月1日放送の77話で、常子がお竜さんと再会し、人生を決定づけるような希望を述べていました。
東京大空襲が始まる
76話では物語が昭和20年3月9日に進んでいて、太平洋戦争も末期に進んでいます。その翌日には東京大空襲が発生しており、3月10日から8月15日までのおよそ5ヶ月ははさぞかし長く感じられたことでしょう。
東京大空襲（とうきょうだいくうしゅう）は、第二次世界大戦末期にアメリカ軍により行われた、東京に対する焼夷弾を用いた大規模な戦略爆撃の総称。
（中略）
その中でも「東京大空襲」と言った場合、死者数が10万人以上と著しく多い1945年3月10日の空襲（下町空襲）を指すことが多い[2][3]。この3月10日の空襲だけでも罹災者は100万人を超えた[3]。
死者が10万人、罹災者（被災者と似た意味です）は100万人を超えたということで、いかに大きな空襲だったかが数字からもわかろうというものです。ドラマでは一面焼け野原になった東京の映像も映し出されていて、あんなに何もなくなっていては人間はどこへ逃げたら助かったのだろうか、と絶望してしまいます。私のような判断力も行動力も欠けている人間は絶対に生き残れなかったろうなと。
以前当ブログで書いているのですが、ヒロインの小橋常子（高畑充希）たちの住んでいる目黒は比較的被害の少ない地域でした。それでも、防空壕へと避難している最中の爆撃の音が轟いているシーンは観ていても心臓が縮こまるほど恐ろしさを感じました。そして、翌日の食糧の配給にも影響出ていて間接的ではあるものの常子たちの生活にも大空襲の影響は出ているようでした。
小橋家のご近所の真中稲子（三谷悦代）と工藤せつ（西尾まり）が常子たちに言ったことには、常子たちが以前住んでいた深川は大空襲の被害が相当に大きかったということです。「下町はほとんど焼け野原らしいわ」「ほら、あの辺（深川は）木を扱っているからほとんど燃えたって話よ」と。
以前自分たちが住んでいた深川が壊滅的な被害に遭い、被害に遭う遭わない、生もﾀﾋもほんのわずかな差でしかないことを知った常子や下の妹の美子（杉咲花）、自分たちの命が明日あるかもわからない、そんな状況に置かれていることを痛感させられていました。
森田屋も青柳商店も東京から離れていて良かったですねぇ。上手く行き過ぎな感もなくはないですけど。
女性が自由にやりたいことを実現できる雑誌
大空襲の翌日、美子と通りを歩いていた常子は、空襲で帰る家をなくして移動をしている避難者たちを見かけます。その中に以前、和文タイプライターとして務めていた会社を辞めるきっかけとなった事件のとき、自分を助けてくれたお竜（おりゅう、志田未来）を見かけます。
何でも、お竜は昨年に父親を空襲で亡くし、仲間たちも兵隊に召集されてしまったため、女手一つ幼い妹と弟を育てていたそうです。被災し、これからは川崎に行くと言っていましたか。
お竜と話しているときに、戦争が終わったら何をしたいかという話になり、常子は「女性が自由にやりたいことを実現できる雑誌を作りたい」と言っています。以前から考えていたのではなくふと口から出た言葉のようですけど、『暮しの手帖』……ではなく『あなたの暮し』でしたっけ、の創刊に繋がる話になりましたね。
おわりに
76話で組合長の三宅光政（有薗芳記）が小橋家にやって来て、目ぼしい金属類を徴収されました。そのときに小橋の家の中も色々と物色され、美子が大事に使っているミシンや、小橋家の家訓が目をつけられて、特に家訓のうち月に一度のお出掛けについて激しく指摘していました。
そんな三宅に対して常子の前へ出て反論したのは上の妹の鞠子（相楽樹）でした。いつもなら常子が真っ先に家族の前へ出て反論をするのですが、常子の場合は事をより荒立ててしまうことも少なくありません。ところが、鞠子は優等生なだけあって理路整然と反論していて、三宅も太刀打ち出来ませんでした。鞠子さんかっけぇ！なシーンでした。
76話から再登場したお竜さんですが、彼女が穿いていた「もんぺ」の模様が可愛かったです。黒に近い藍色でしょうか、そんな色の地色に、白抜きや赤、黄の花（葉？）の模様が散りばめられていました。何の花（葉）をモチーフにしているのかまではわからなかったですけど、とても素敵な色合いでした。
