NHK連続テレビ小説『とと姉ちゃん』が今日2016年6月28日放送の74話で、常子が雑誌を作ら(れ)なくなる事態に陥りそうです。
戦争が次第に激しさ・厳しさを増す
73話から物語は昭和19年に進んでいます。深川の青柳の家から目黒に移り住んでから2年余りが経とうとしています。米英との太平洋戦争は激しさを増し、日本は劣勢を強いられるどころか窮地に立たされており、B29による日本の本土への爆撃も始まっています。日本国民は困窮していて、もちろんそれはヒロインの小橋常子(高畑充希)たちも例外ではなく、食糧を得るために小橋家は着物なども農家に差し出して交換することで難を逃れているようです。自宅の庭でも作物を育てていました。
上の妹の鞠子(相楽樹)が、常子からでしたか、もらった万年筆、下の妹の美子(杉咲花)は亡き祖母・青柳滝子(大地真央)からもらった「おままごとセット」も74話では野菜などに交換していました。戦争によって自分たちの大切な思い出だけでなく、将来の夢までもが奪われていくことに対して、理不尽さや、やるせない気持ちが常子たち三姉妹に強く生じているようです。
五反田までもが赤紙によって会社を離れる
常子が働いている「甲東出版(こうとうしゅっぱん)」は、昭和19年時点で五反田一郎(及川光博)の他の男性社員は社長兼編集長の谷誠治(山口智充)を含め全員が軍隊に徴兵されています。74話の最後には記者の五反田一郎(及川光博)にも赤紙(あかがみ)が届いていました。召集令状。
五反田に召集令状が届いたことを知る直前、常子はこれ以上戦争を称える雑誌は作れないと、自らの想いを五反田に吐露していました。すると五反田は「その苦しみから解放して進ぜよう。もう雑誌は作らなくていい」と言い、それを聞いて混乱する常子に召集令状が届いたことを告げていました。
会社には常子しか残っていませんから、今後どうやって雑誌「新世界」を発行していくのか、それ以前に会社を続けていけるのでしょうか? 続けられないですよね。常子がどうやって生計を立てていくのか、気になるところです。
おわりに
着物などと食糧を交換する件は、農家の方だって色々と大変なのでしょうけど、結構冷たい人たちに描写されていましたね。余裕がないのは皆一緒ですね。また、このシーンを観ていて、『とと姉ちゃん』同じ朝ドラ『ごちそうさん』の西門和枝(キムラ緑子)を思い出しました。和枝はヒロインの西門め以子の義理の姉です。今思うと、ヒロインとどうしても分かり合えなかった役柄って珍しいですね。何だかんだ最終的にはお互いが歩み寄る展開がデフォルトですから。
74話で、五反田さんにはご家族がいることが初めて明かされていましたね。「家内も息子も無事だったよ」と言っていました。今まで一度も家族がいることなど言っていなかったですよね、私も見落としですか?