毎週日曜日22:30より、TOKYO MXにてアニメ『Dimension W(ディメンション・ダブリュー)』が放送されています。
以下、ネタバレ要素がありますので注意してください。バレても構わない方のみ下方スクロールをお願いします。
目次
本日22時30分~TOKYO MX、23時~KBS京都、深夜1時~サンテレビで、File.09『アドラステアの鍵』放送!ついにシーマイヤーが登場!ぜひご覧下さい!(宣伝ZAKI) #dimensionw pic.twitter.com/FwsVnnEsTN
— Dimension_W (@Dimension_W) 2016年3月6日
2016年3月6日の放送は第9話「File.09 アドラステアの鍵」でした。
イントロダクション
西暦2072年。
第四の次元「W」から無限のエネルギーを取り出せる「コイル」により
人類は繁栄の極地にあった。
しかしその裏では、正規外のルートから入手した「不正コイル」を使った犯罪が発生し、回収に懸賞金がかけられるようになった。
腕利きの“回収屋”マブチ・キョーマは、ある依頼の中で謎の少女ミラと出会う。
かつてコイル事故ですべてを失ったキョーマと、自分の出生の秘密を探るミラは、共に「コイル」の真実を追うことになるが……。
というイントロダクションです。作者は岩原裕二さん。スクウェア・エニックス『ヤングガンガン』でしょうか、『月刊ビッグガンガン』でしょうか? 既刊9巻。
私は本作『Dimension W』を全く知りません。初見です。
9話「File.09 アドラステアの鍵」
アフリカの「イスラ」という国から3人の人物が日本(?)にやって来ました。アフリカの小国「イスラ」の王子で「アフリカの風」と呼ばれるセントラル60のCOO (Chief Operating Officer) である「サルバ=エネ=ティベスティ王子」と、サルバの弟「ルワイ=オーラ=ティベスティ王子」ともう一人、ラシティという女性です。
サルバは、世界中のコイルの回収屋に呼びかけ、イースター島に眠っているとされる、ヒロインであるアンドロイドの少女「百合崎ミラ(ゆりざき・みら)」の生みの親(育ての親?)、「百合崎士堂(ゆりざき・しどう)」博士の最後の遺産です。
イスラの空中司令船「グロディア」に集まった回収屋は「ハリー&デビー」イーストリヴァー兄妹と「セントラル3の壊し屋」ユーリー・アントノフ、「全米No.1の回収屋」ジェイソン・クライスラー、「全米No.2の回収屋“ヒットマン”K・K、「メキシコの狂気」スコーピオンキャッツ・キャシディ&サンチョス、それとルーザーとその子供、謎の少女エリザベス・グリーンハウ=スミスがいたはずです。
前回8話ではグロディアがイースター島に近づいたところで黒く丸い球体に襲われて、グロディアが墜落、サルバや回収屋のサンチョスの意識が奪われてしまいました。さらに回収屋が単独行動で遺産を目指していたところ、K・Kがユーリーを襲っています。
主人公のマブチ・キョーマとミラは別行動でイースター島に降り立ち、道中でイーストリヴァー兄妹と合流、かつてのコイルの大事故が起こったグラウンド・ゼロであり「虚無」の中心、元ニューステスラエナジーの極秘研究施設「アドラステア」に向かっています。キョーマの乗る自動車は「レクサス・LFA (Lexus LFA) 」と思います。
ルーザーの秘密
コイル「ナンバーズ」を追っている怪盗「ルーザー」の正体は、元ニューテスラエナジーの次元W研究施設「アドラステア」でコイル研究に従事していた研究者の一人、ジュリアン・タイラーです。
ジュリアンは今、ルーザーとしてナンバーズを追っていますが、ルーザーの本当の狙いは虚無にいるであろう自分の妻ソフィア・タイラーのようです。アドラステアの中に入ったときに、その中は何もない虚無となっていて「ナンバーズがもう一つ必要か」と言っています。ナンバーズが足りないということについて、ルーザーは自分の四肢にナンバーズを埋め込んで活用しているようです。
また、ルーザーは、ニューテスラの特殊部隊「グレンデル」がかつてイースター島攻略に使ったトンネル内をレスサスLFAで走行中のキョーマたちの前に現れています。そこで「答えに最も近いのは貴殿だ」「それを持っているのは全てを知っているあの男しかいない」と、グラウンド・ゼロでの事故の真相やアドラステアの鍵、球体の謎、虚無について、その全てはキョーマが知っている、ということのようです。しかし、今のキョーマは当時の記憶を失っています。
そんなキョーマを忌々しく思うルーザーは、ナンバーズの埋め込まれた四肢を一振りすることで、いとも簡単にトンネルに巨大な穴を空け、そこから例の「謎の球体」を呼び寄せています。キョーマは球体に触れて虚無に落ちています。肉体はそのままに意識だけが次元Wに行ったということでしょうか。
前回から球体は誰か男性を捜していましたが、目当てはキョーマ、というかキョーマが握っているとされる「鍵」のようです。
ハルカ・シーマイヤー
今回から新キャラクターが登場しています。ここへ来て物語上とても重要そうな人物が出てきました。新キャラの名前は「ハルカ・シーマイヤー」で、CVは梶裕貴さんです。男性。
シーマイヤーは、百合崎士堂博士の門下生の一人で、危険な思想の持ち主だそう。こういう物語にありがちな、いわゆるマッド・サイエンティストでしょう。誰にとって危険な思想の持ち主なのかが問題ですが。
かつてイスラでクーデタが起こり、サルバが鎮圧を図ったことがありました。そのときに当時のセントラル60のCOOがシーマイヤーによって数されたようです。その現場にはキョーマたちグレンデルも駆けつけています。
この混乱の中心にはハルカ・シーマイヤーがいます。ニューテスラの上層としてはコイルの裏事情を知っている彼は危険だとして、一刻も早く捕えようとしています。シーマイヤーについて聞くために、百合崎博士本人を呼び寄せていました。
これとほぼ同じ時期と思われますが、シーマイヤーはまだ研究所として機能していたアドラステアにも顔を出して、研究員やコイル兵器を使って蜂起しようとしていました。
シーマイヤーはジュリアンに言っています。「今の執行部は科学を舐めている。コイルを創り出したのは百合崎博士だ。なのに研究の自由を奪われている。執行部は現状の維持しか望んでいないんだ。そして我々にもその枷をはめようとしている」と。シーマイヤーたち研究員は百合崎博士と通信すらできないため、自分たちが博士を救い出さない限り、博士にも科学にも自由はない、と考えているようです。
ここから見えることは、ニューテスラは次元Wをコイルを使った資源エネルギーとしてしか使う意思がなく、その利権によって世界を牛耳ろうとしています。百合崎博士は、エネルギー資源以上の魅力を次元Wやコイルに感じて、更なる研究を進めようとします。しかし、それを良しとしないニューテスラ上層は、彼に研究を今以上前に進めないよう通達、活動を制限します。百合崎博士もそれに従っていましたが、シーマイヤーはそれを不服として、ニューテスラに反旗を翻しました。ニューテスラにとっては、次元Wやコイルについて今以上に世間に知られては困りますから、口封じのためにシーマイヤーを捕らえたい……ということでしょうか。
ここまでは回想パートです。現在に話を移すと、どうやら球体の正体がシーマイヤーのようです。もはや物体である必要がないのでしょうか。シーマイヤーは虚無の中に取り込まれたのか、自ら球体となったのかはわかりませんけれども、鍵を持っているはずのキョーマを探していて、キョーマの記憶を虚無に取り込んでいます。
サルバとルワイ
前述のイスラでのクーデタは、サルバの指揮によって鎮圧されました。凱旋パレード?をしていた際にサルバを狙うスナイパーがいて、それに気づいたラシティが身を挺してサルバを守って銃撃を受けました。それを見たサルバは、コイル兵器にスナイパーを数すよう指示します。
ところが、運の悪いことにサルバを迎えようと駆けつけていたルワイが、ちょうどスナイパーの近くを走っていて……ルワイはコイル兵器による攻撃によって破壊された壁の下敷きとなってタヒんでしまいました。
現在、アンドロイドのフォーすら一撃で真っ二つにするほどのパワーを有する現在のルワイもまた、アンドロイドのようです。
雅とミラ
また、キョーマの亡き妻である四阿屋雅と、今のキョーマのパートナーであるミラには、やはり強い繋がりがありました。
キョーマとミラの雇い主であるマリーがミラに言っていたことによれば、雅とミラの身体のサイズが全く同じです。つまり、病に冒されている雅を義体化するために、百合崎セイラ博士が作った義体がミラの身体ということです。
かつての妻の身体を持ったミラが、時間を隔てて再びキョーマの前に現れたという……キョーマにとっては呪いか何かにしか思えないかもしれないですね。
おわりに
球体に意識を取り込まれ、記憶の中をさまよっているキョーマが、病床の雅と手相の生命線の話をしていたときに、ミラが急に出てきたシーンがありました。あれは雅の手相の生命線の先にはミラがいるということを示しているのだと思います。キョーマがそれを享受できるかは別問題として、雅≒ミラであると。
シーマイヤーは次元Wにいて、ある意味データ化していると思われ、キョーマの持つ「アドラステアの鍵」を手に入れようとしています。ではその「アドラステアの鍵」とは何なのか?となるわけですが、「アドラステアの鍵」は物質ではないのと思います。キョーマの記憶にある何かが「鍵」であるということでしょう。記憶が次元Wと現実社会を結ぶ鍵です。たぶん。