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与太郎の落語のシーンで引きこまれました。声優の関智一さん凄い - アニメ『昭和元禄落語心中』1話「与太郎放浪篇」の感想

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毎週土曜日01:05(金曜深夜25:05)より、TBS“アニメイズム”枠にてアニメ『昭和元禄落語心中』が放送されています。

 

rakugo-shinju-anime.jp

 

以下、ネタバレ要素がありますので注意してください。バレても構わない方のみ下方スクロールをお願いします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2016年1月9日の放送は第1話「与太郎放浪篇」でした。初回は1時間拡大スペシャルです。この与太郎放浪篇はどうやら以前(2015年?)にOVAで発売されたもののようです。その再編集+xバージョンが今回の1時間SPということらしいですね。

 

イントロダクション 

刑務所の落語慰問会で見た大名人・八雲の「死神」が忘れられず、
出所した与太郎が真っ先に向かった先は、寄席だった。
拝み倒して八雲の住み込みの弟子となった与太郎だが、
八雲の元では小夏という女性が暮らしていた。
八雲と小夏には他人が容易に触れられない因縁があるらしく…

 

というイントロダクションです。ABOUT/STORYページから抜粋しました。作者は雲田はるこさん。講談社の『ITAN』にて連載中、既刊8巻。私は本作を全く知りませんでした。完全な初見です。

 

13話「与太郎放浪篇」

まずは登場人物から紹介します。1話の主人公はチンピラ(ヤ○ザ)だった「与太郎(よたろう)」です。CVは関智一さん。刑務所に服役中に聴いた八代目八雲(後述)の落語に感動して、出所したその足で八雲の元へ向かい、土下座をして弟子入りを志願した男です。天真爛漫な性格で、世間知らず、間抜けな性格から、八雲に「与太郎」と名付けられました。与太郎は落語によく登場するみたいです。私は落語はさっぱりわかりません。

与太郎の師匠が「有楽亭八雲(ゆうらくてい・やくも)」、CVは石田彰さん。八代目有楽亭八雲を襲名しています。「昭和最後の名人」で、弟子を取らないことで有名でしたが、与太郎を弟子に招き入れています。前座と二つ目時代の名は菊比古(きくひこ)。

八雲家に住み着いている女性「小夏(こなつ)」、CVは小林ゆうさん。助六の娘で、八雲とは因縁浅からぬ関係にあるそうです。気が強い性格ですけど、優しい人。父・助六の落語が大好きです。

八雲に仕える付き人の「松田(まつだ)」さん、CVは牛山茂さん。自動車の運転や料理など八雲の身の回りの世話は全てしているみたいです。穏やかな性格で与太郎に対しても丁寧に接しています。

1話の主な登場人物はこの4名でした。物語の鍵を握っている一人と思われ、今後の展開では主人公クラスに取り上げられるであろう人物に「助六(すけろく)」がいます。CVは山寺宏一さん。小夏の父で、八代目・八雲と共に修行時代を過ごした人のようです。天才肌の噺家さん。

1話は登場人物紹介にあるように、与太郎が娑婆に出たその足で八雲のところに向かい、なけなしのお金で一張羅の背広(スーツではない)を購入し、手土産を片手に弟子入りを志願しましたが、一旦は八雲には断られるものの、土下座をして食い下がり、八雲に拾われるところからスタートしました。

あとは与太郎の修行、といっても八雲は教えてくれないので自ら師匠の演目から盗んだり、助六のレコードを何度も聴いては真似をしていましたが、それと八雲と小夏と関わっていく中で彼らの人間模様や人生が垣間見えてくる様子が描かれていました。

舞台は平成ではなく、昭和中期ほどだと思います。タイトルが昭和元禄落語心中ですからね。1970年代ほどでしょうか。

 

八雲と助六とみよ吉と

戦後・昭和の江戸落語界を牽引してきたのが八雲、彼のライバルだったのが助六のようです。1話の主人公は与太郎だったと思いますけど、2話の予告を見る限り八雲が主人公かもしれません。八雲が菊比古だった時代の話がメインになる可能性ですね。

菊比古と助六、それと「みよ吉(みよきち、CV林原めぐみさん)」なる女性が絡んで、3人の恋模様を中心にして菊比古と助六の人間模様などが描かれていきそうな雰囲気でした。平たく言えば三角関係が展開されるのでしょう。

若い男二人が一人の女性を奪い合う物語となるのなら、それは夏目漱石の『こゝろ』のような事件が想像されます。『こゝろ』の相関関係に無理矢理当てはめるならば、与太郎が「私」で、八雲(菊比古)が「先生」、助六が「K」、みよ吉が「お嬢さん」ですね。原作を読んでいないので完全に適当に言っていますが。

 

おわりに

声優さんって凄いんだな、と改めて思いました。与太郎が演目を演じる箇所があるのですが、しっかりと落語になっていたんです。いや、私は落語はさっぱりなので、詳しい方からすれば落語になっていなかったのかもしれませんけれども、少なくとも私には落語になっていて、聴いていて引き込まれるものがありました。

与太郎は飄々とした顔をして話しているのですが、首筋などからは汗が滴っていて、落語家にとって落語は戦いなのだと感じさせます。水面を優雅に進む水鳥も、水面下では……というあれと同じですね。逆に、声のない漫画では落語を演ずるシーンはどのように描写されているのか気になりました。読んでみたいです。

1時間スペシャルだったにもかかわらず、30分かそれよりも短く感じられるくらい、時間があっという間に過ぎ去りました。個人的にはここまでのところ2016冬アニメでは一番面白かったです。視聴継続決定、2話以降が非常に楽しみです。

一点、気になるところがありました。それは与太郎が落語をしているところのセリフです。「しょせん、泣き落としってやつよ」でしたっけ、与太郎がそう言った件です。おそらくですけど、「しょせん」は「いわゆる」だったのではないかと思います。「所謂(いわゆる)」を「所詮(しょせん)」と読んでしまったのではないかと。

 

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