毎週日曜日06:00-06-25よりEテレにて『NHK 短歌』、06:35-07:00『NHK 俳句』が放送され、月の第4週は初心者向けの講座となっています。番組タイトルもこのときだけ『NHK 短歌de胸キュン』と『NHK 俳句さく咲く!』に変わります。
短歌de胸キュン
『短歌de胸キュン』は前回からでしたか、スタジオメンバーの選抜ルールが少し変わっています。
メンバーは、お笑いコンビ「スピードワゴン」の2人、井戸田潤さんと小沢一敬さん、そしてピン芸人の小島よしおさん、お笑いコンビ「フルーツポンチ」の村上健志さんを加えた男性メンバー4人。ファッションモデルの寿るいさんと鈴木あやさんとえりちょすさん、カン・ハンナさんを加えた女性メンバー4人の計8人がいます。
毎回、番組の最後にこの男女8名が短歌対決をして、選者である歌人・佐伯裕子先生が選んだ男女の上位2名ずつ、計4名が次回の出場権を得られる、というシステムでした。しかし、新しい選抜方法では、男女を問わず8名の中から上位4名が選ばれる方式に変わっています。なので全員男性or全員女性の回もあり得るということです。
ただ、個人的にはこの新方式は、あまり良い効果は得られないのではないかと思っているんです。私はメンバーの中では寿さんのファンなのですが、新方式によって恩恵を得られるのは主に男性メンバーの、井戸田さんと小島さんの可能性が高いと感じられるからです。
一見すると、女性4人中2人と男女8人中4人なら確率は変わらないのでは? と思いますけど、実力的に寿さんと鈴木さんはどうしても他から見劣りしているように見え、寿さんと鈴木さんにとっては、旧ルールよりもライバルが増えたことになっているのではないかと思えるからです。
あくまで私の評価ですが、8人の実力は小沢さんとカンさんと村上さんが抜けていて、えりちょすさんと井戸田さんが彼らに続き、離れて小島さん、更に離れて寿さん、鈴木さんの順になろうかと思います。なので空いている席は1つしかないことが多いです。一つの席をえりちょすさん以下5人が争う形ですから、実力が下になればなるほどメンバー入りは大変なことと思います。
『俳句さく咲く!』のように、番組内で全員が選者から評価を受けた上で本ちゃんのミニ句会に出場できるか否かを選抜されるのなら、毎回、先生から直接指導を受ける機会が生まれますけど、『短歌de胸キュン』の方法では選抜から落ちたら番組出演そのものができなくなりますので、下手な人が現場で勉強する機会・這い上がれる機会がより少ないのが、システムの大きな欠点ではないかと考えています。
収録は何本かまとめてしているかもしれないので、全員スタジオ入りしている可能性もあるので何とも言えないところではありますが。
俳句さく咲く!
『俳句さく咲く!』 [躊躇など秋の空へと蹴り上げよ] という句が最下位になりまして、低い声で唸りながら悔しさを秋の空へと蹴り上げたら滑って転びました。 再放送は10/28(水)15:00〜です。 pic.twitter.com/3xudu5ToI2
— すぽっと 赤嶺総理 (@akaminesouri) 2015, 10月 26
『俳句さく咲く!』は、何とミニ句会で赤嶺総理さんがダメ句(出演者の最下位)になっていました。彼女にとって初めてのダメ句でした。彼女自身、意外だったのか信じられないという表情や素振りを見せ、その後思いっきり滑っていましたが、個人的にも今回の赤嶺さんのダメ句選出は意外でした。
これまでにも感じていることなのですが、どうも選者の俳人・小澤實先生は赤嶺さんに厳しい評価をする傾向があるようです。私の思い込みかもしれませんけど。実力的にはおそらく彼女は1番といっていいくらいに高いものがあるように感じられます。学生時代に俳句甲子園に出場した経験があると言っていたと思いますので、初心者向けの番組の中で数少ない経験者・実力者でもあります。だからこそ小澤先生は彼女に厳しく接しているのかなとも受け取れますが、こればかりは先生に聞いてみないと何とも言えません。期待の裏返しかもしれないですね。
赤嶺さんは今回、Twitterの引用のような句を詠みました。素人の私には決して悪い句ではないと感じられますけど最下位でした。最下位といっても、その前の選抜を通過していますから、出演者全員の最下位ということではなく、選抜メンバー内の、です。
小澤先生の評価は「実験をしているのはわかるんだけど、ちょっと滑っているのがなぁ」「想いよりも“もの”が出てくるときに、俳句は力を発揮するところがある」「蹴りあげている“もの”が欲しいような気がします」ということでした。なるほど、そう言われるとそのように感じられてくるから不思議ですね。ちょっと独りよがり感出てしまっているということでしょうか。
短歌もそうですけど俳句も難しいですね。本当にちょっとした言葉の選び方、例えば助詞一つを変えたり、言葉の並び順を変えたりするだけで、作品の印象がガラリと変わることがありますから。だから面白いのでしょうけれども。
『短歌de胸キュン』の再放送は火曜日午後……なのでもう終わっているかと思います。『俳句さく咲く!』は水曜日午後に再放送されるはずです。